(00:38)日経の夕刊一面を見たら「中国人旅行者、世界を潤す」という総合面の記事の予告が。まあそうなんですし、日本もその恩恵にあずかってはいるのですが、「関係者の見方はちょっと違うんだろうな」とも思いました。
彼等は確かにホテル(旅館、その他の宿)にお金を支払い、食べて、そしてお買い物をして帰る。その「残すお金」は相当大きい。一人当たり25万から35万前後らしい。3面の記事を読むと、
「海外旅行支出、中国28%増」
「昨年、"爆買い"で19兆円」
と見出しが並ぶ。ナイス。しかし京都の宿泊施設関係者からは、「でも、彼等は何でも持って帰ってしまいますから。一体どうやって持って帰るのか不思議なくらいです....」という発言が聞こえる。
一般的にアメニティと呼ばれるものは、日本のホテル、旅館は凄く充実している。海外のホテルでは有名ホテルでさえ歯磨きブラシさえ一本も置いてない。だから我々日本人は海外に旅するときについ忘れる。それら充実したアメニティはほぼ確実に根こそぎもっていかれるそうです。それはまあ許すとしましょう。
しかし部屋の備品、例えば壁に掛けた一枚の絵、寝具類、場合によってはベットカバーまでなくなっているケースも多いとか。あとポット。それにちょっとしたお皿、グラスの類。それはそれは凄まじい光景をしばしば目にすると言います。「潤う」どころの話ではないらしい。
むろん誇張されて話されている部分はあると思う。おもしろおかしく。また一言で「中国人」とくくることは難しい。シンガポール、香港系の方々には非常に洗練され、お金も潤沢な方々も多いらしい。そりゃそうだ。台湾系の人々も旅慣れている。
しかしビザ要件の緩和で初めて海外に出られた大陸の人のような場合、それはそれは貪欲だというのが彼等の主張。つまり何でも持って行く。まあ日本の宿泊施設は、海外のそれに比べて懇切丁寧にいろいろ揃えすぎているきらいはある。しかし日本のお客さんは要求が高いので、差別もできないのでしょう。
嬉しい一方、「いい加減にしてよ」と思っている、というのが中国人旅行客を見る日本の業界関係者の目といったところでしょうか。