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2016
03/15
Tue

勝ち負けじゃないやろ....

day by day

 (22:40)結局「ディープマインド(アルファ碁)4勝ー1勝イ・セドル9段」ですか。前者、つまりAIの圧勝。イ9段は始まる前は「60%の確率で勝てる」というイメージを持っていたようですが、結果は完敗。

 しかし私はずっと思っているのです。「勝ち負けの問題じゃないだろう」と。これは「いま世界は」でも申し上げた。第四戦でイさんが勝ったことにとってもスタジオで喜んでいた人がいたので。

 今回のディープマインドの勝ちが、チェスで最強プロに勝ったディープブルー、アメリカのクイズ番組でチャンピオン2人に勝ったワトソン(ともにIBM)とはまた違った意味があるものだ、ということは分かっています。超複雑な碁ですから。自己学習もあったし、パターン認識もあった。しかし「勝った負けた」で終わってはいけない。

 そもそも、AIがかなりの分野で「人間を上回る能力を持つ」ことはかねて予想されていたし、そうなってきている。本体の処理能力が大きく上がったのに加えて、ネットワークの土管が太くなり、かつクラウドが瞬時に、かつふんだんに使えるようになっている。そのデータベースは膨大です。AIサイドの能力が劇的に上がることは分かっていた。その通りディープマインドは勝った。

 そこで重要なのは、「どうやって人間にとってAIを価値のある存在にするか」です。「AIと人間の競争」には、少なくとも私には意味がないように見える。人間にとってAIは、利用してこそ価値がある。

 クイズやゲームなどでAIが勝ちをあげやすいのは、それが情報として限りなく公開されているからだと思う。ありとあらゆるデータの入力が可能で、さらにディープマインドはIBMのワトソンまでになかった新しい解析手段も使っている。しかしこの3コンピューターとも「おおっぴらに大量に公開された情報」で結果を出している。

 しかし人間の社会では「隠されり、意図されていない情報」が山ほどあって、それらをAIが取り込むのはまだまだ難しいプロセスを辿らなければならないと思う。であるが故に、筆者は、AIが最初に役立ってくれるのは医療などの分野だと思っている。なぜなら「直りたい人が進んで情報を公開する」分野なので、AIが扱いやすい。

 それに関しては、IBMもグーグルもその手のことを言っている。AIが最初に威力を発揮するのは医療だと。この分野で人間が支払うマネーは膨大なものだし、国家も予算のかなりの部分をそれに割り振っている。つまり医療は商売になりやすい。

 加えて医療の世界は凄くセグメント化されている。医者にはそれぞれ専門があり、加えてその中でも各お医者さんで「ここには詳しいが、その他は分からない」という状況にある。難病の患者がまず悩むのは、「どの医者にかかるか」です。医療は入り口からして難しい。しかし患者のデータはかなり客観的に取れる。患者が治りたいので。

 かつ全ての医者が医療の最新知識を常に保持・共有しているわけではない。なのでAIが総合的、かつ最新の医療知識を常にアップデートしていて、その力を借りることが出来れば、患者としては「この医者は大丈夫か」と心配しなくて良くなる。

 むろんホーキング博士のように「AIがいつか人間を支配してしまう」と懸念している人もいるし、その危険性がないわけではない。であるが故に、「勝ち負け」ではなく今から「どうやってAIを有効に使うか」を考えておくべきだし、最終的なAI制御方法を考えた方が良い。

 勝ち負けとか言っていると、そのうち人間が本当に負けてしまうかも知れない。だから今からAIを使用し、かつコントロールする方法を人間は磨くべきだと思う

23:04
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