(05:56)日本のニュースには載っていないのですが、南大門はどうなったのだろうと思って渡った朝鮮日報に以下のような記事がありました。パナマで中国製かぜ薬により115人が死んだ、というのです。パナマ政府の発表ですから、信頼性は高い。その中国は今や世界における製薬大国だという。ある意味で恐ろしい。
中国製かぜ薬で115人死亡、パナマ政府が報告書中国製はいろいろなところで問題を起こしていますね。なぜそうなるのかについては、これまで何回も中国に行っている人間として先週木曜日リリースの日経エコマネジメントでも書きました。これは繰り返される、と。パナマ政府は14日、2006年に中国の無許可工場で製造された輸入かぜ薬を服用した115人がこれまでに死亡したとの報告書を発表した。報告書の作成担当者は米ニューヨーク・タイムズに対し、「地方住民の被害状況は正確に報告されておらず、実際の被害規模はさらに大きい」との見方を示した。
報道によると、問題のかぜ薬には不凍液などに使われる工業用原料のジエチレングリコールが含まれていたという。中国政府は当初、法的な根拠がないとして、問題のかぜ薬を製造した工場を処分しなかったが、国際社会の圧力を受け、昨年閉鎖させていた。
一方、15日付米ウォールストリート・ジャーナルは、中国製の医薬品原料を含んだ米国製の血液凝固阻止剤「ヘパリンナトリウム」を使用した患者4人が死亡、300人以上がアレルギー症状を訴えていたことが分かったと報じた。問題の医薬品は米バクスター・インターナショナルが生産したもので、中国製原料が原因だという証拠はないが、米食品医薬品局(FDA)は中国の原料工場に対する訪問調査を実施する方針を固めたもようだ。
同紙によると、中国は310億ドル規模に達する世界の医薬品原料市場でシェア14%を占めている。中国は同市場で2005年にインド、イタリアを抜き首位に立ち、世界の大手製薬会社向けに出荷しているという。
米製薬大手ファイザーは、2006年から中国製薬大手の上海医薬集団と原材料を調達に向けた協議を進めたが、品質が基準に満たなかったため、調達契約は一件も結ばれなかったという。中国では最近、上海医薬集団の子会社華聯製薬廠が生産過程のミスで汚染物質が混入した白血病治療薬を流通させ、5歳児を含む200人余りが全身まひなどの重体に陥っている。
同じような意見を書かれていたのは、16日の東京新聞の「こちら特報部」でした。椎名さんという中国に詳しい方の説明を元に、中国が抱える根本的な問題を掘り下げている。
「農村では義務教育の遅れで字が読めず、業者から買わされた農薬の説明書を理解できず、使い方も杜撰」と指摘されている部分はその通りだと思います。中国で禁止された農薬が枯渇するには10年かかり、安全意識が日本並みになるのには30年かかる、という。まあそうなんでしょうね。
30年解消しない問題だとしたら、なるべく日本で生産できるものは生産する、もっと安全な他の国で生産する、など解決策は限られてくる。