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2008
02/20
Wed

2008年02月20日(水曜日) 気質は形木

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 (11:56)数日前に「山車」をなぜ「だし」と読むのかに関して「日本人の祭りと呪い」という本を紹介しましたが、今読んでいる「匠の国 日本」という本も非常に面白い。

 「山車」(だし)と同じような意味で、私はずっと職人気質の気質をなぜ「かたぎ」と読むのだろうと不思議だった。この本で謎が一つ解けました。それは、「かたぎ」はもともとは「形木」だというのです。

 では、「形木」(かたぎ)とは何か。「様々な模様を彫った木に糊を塗り、そこに布を貼り付けることで染め付ける木型を形木と呼んでいた。これが気質という言葉の語源だとされる」と書いてある。他の説もあるのかもしれませんが、これはなかなか納得の出来る説です。この形木という言葉は、平安中期に成立したとされる「宇津保物語」の中に出てくるという。

 まだ小学生の時に、「お土産」を「おどさん」と読んだら、母親に大笑いされ、「へえ、これをおみやげ」と読むんだとは覚えたものの、ではなぜ「おみやげ」と読むのかずっと納得できなかったのと同じで、「なぜそうなのか」は非常に重要だと思うのです。これで、「山車」と「気質」は分かった。分かったと言うことが重要だし、分かると忘れない。

 あと一つ、ブランドショップに「ボッテガ」(正式にはBOTTEGA VENETAかな)というのがある。結構良いものを並べているのですが、このボッテガはイタリア語でもともとは「工房」を意味するというのです。ブランド名には人の名前が多いのですが、ボッテガが「工房」だとすると、非常にわかりやすい。

 あとは「工」の言葉の意味について、「地を表す下の線(ー)の上に立った人が、天を表す上の線(ー)を両手でぐっと支えている」と説明。これも面白い。あといくつか興味を持った説明を並べると。

  1. 「匠」とはもともと「手組」(てくみ)から来ている。つまり「匠」は手を使ってものつくりをする人のことである
  2. 「根回し」とは、従来京の庭師が木を移植する際の、根の周囲を処理した言葉である
  3. その他、職人言葉が我々の日常に入ってきた言葉としては「焼きが回る」(火力が強すぎると刀が切れなくなる)、「相槌を打つ」(刀匠が槌を打った後に弟子が槌を打つこと)、「鍔迫り合い」、「切羽詰まる」、「目抜き通り」(目貫は刀身が柄から抜けないようにしている目釘)、「鎬を削る」、「反りが合わせない」、「元の鞘に収まる」など
  4. 「新米」という新入りを指す言葉は「米」(こめ)とは関係ない。「新前掛け」という商家の言葉から来ている
 など。この本も推薦だな。簡単だが、ドイツとイタリアの匠について触れているのも良い。
10:26
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