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2016
12/05
Mon

イタリア国民、レンツィに「ノー」

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 (08:45)今朝はニュースが多いな....。松山が追い上げられたものの出場試合連続優勝を続けたし、畑岡選手が米ツアー出場権を獲得したり。フランスでは商店の日曜営業(通常は禁止)が開始されたり。

 注目されたイタリアの国民投票は、正式な結果発表が昼頃と聞いていたのですが、日本時間の午前8時過ぎにレンツィ首相が記者会見して、「負けました。今日で首相を辞めます」と言ってしまった

 外国為替市場を見ると午前8時40分頃にドル・円は113円台の前半でやや円高レベル。対してユーロ・円は119円の半ば。確か先週末は121円台があったので、こちらはクリアな円高・ユーロ安。株式市場はまだ開いていない。

 レンツィの敗北はほぼ予想通り。珍しく2週間も前の世論調査が当たった。オーストリアの大統領選挙では予想が外れて親EU派のファンデアベレン候補(72)が勝利したので、「世論調査は何連敗するんだ」と思っていたが、それらは僅差勝負。しかしレンツィはかなり明確に負けたようで、41対59程度の差があったらしい。

 やや円高になっていますが、そのまま外国為替市場が大きな変動に見舞われるのかどうかは不明だ。為替の動きを子細に見ると、レンツィ敗北報道の直後には112円台もあったようだが、その後は円が再び安くなる傾向が見える。

 これは一つには、「予想されたことが起きている」面がある。レンツィ首相は事前に「負けたら首相を辞任する」と公言しており、「その可能性が高い」と見られていた。なのでマーケットでは「織り込み済み」と受け取られる可能性が高い。マーケットが一番嫌がるのは「予想外なこと」です。

 むろん「事は重大な」との見方もあり、今後のイタリア政局の混乱予想からマーケットがしばらくの間は激しく反応するのではないか、との見方もある。この点に関連して、週末にフォレックス各社は顧客に相場の急変動を警告したくらいだ。しかし今は平静だ。

 多分レンツィ首相はやや軽率だった。国民に真剣さを訴えたかったのか「負けたら首相を辞める」とまで言ってしまった。国民投票はもともと議会上院の権限を縮小し、原則として下院の承認だけで政策を進められるように憲法改正することの是非を問うもの。

 彼の言いたいことは分かる。イタリアは戦後の70年の間に政権が60回も変わった。それは議会の上院と下院に同様の権限が与えられているからで、それを変えなければイタリアの政治は安定しないという考え方。

 しかしそれを見てグリッロ党首率いる極右の五つ星運動など全野党が、「この国民投票を信任投票にしてしまえ」という形で選挙戦を展開した。レンツィ首相は孤軍奮闘状態だった。全野党が、政府の権限強化を狙ったものだとして強く反対したのだ。

 もっとも、レンツィが負けから直ぐにイタリアが政治的大混乱に陥るとは言えない。なぜなら一旦レンツィが辞めても、セルジョ・マッタレッラ大統領からもう一度「組閣を試みてくれ」と言われる可能性があるし、他のレンツィ内閣の閣僚などに大統領は組閣を依頼すると思われている。今回の国民投票では議会の勢力図は変わらないからだ。

 今後の懸念される事態としては、大統領による新たな組閣の試みが何回やってもうまくいかない場合。2018年に予定されている総選挙の前倒しが決まり、そこには例えば「五つ星運動」のような極右・反EU政党が政権を取る可能性がある。

 ユーロに不参加だったイギリスのEU離脱でもあれだけのマーケットの混乱があったのだから、もし仮にユーロ参加国のイタリアのEU離脱といった事態になれば確かに大事だ。しかし今回の国民投票結果でそこまで予想するのは時期尚早かも知れない

 なぜならレンツィの憲法改正案に対しては「ノー」を言っても、イタリア国民は「EU離脱」の主張には多くの人が耳を貸さないかも知れないからだ。ましてや「ユーロ離脱」になれば抵抗は強いと思われる。今イタリアで使われている全貨幣はユーロだ。またあの弱いリラを欲しいと思う人は少ないだろう。

 イギリスよりははるかにイタリアはEUとの関わりが深いし、「我々は欧州の一部」と考えている筈だ。

 オーストリアの大統領選挙結果は一つのヒントになる。イタリアが今回の国民投票結果で直ぐに欧州全体を揺らす....と考えるのは無理がある。心配なのはイタリアの弱い銀行組織だが、ECBがしっかり監視するとも思える。これは希望的観測だが。

09:11
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