(05:45)うーん、いくら考えてもようわからんのです。非論理的な動きのような気がする。韓国の今日午後の朴槿恵弾劾の動きです。
だって弾劾のあとは最高裁の審議が待っていて、9人のうち6人が「弾劾に相当する」と判断しなければ朴槿恵大統領は職務復帰する。そのプロセスは長いし、最高裁の判断がどう出るかも分からない。朴さんが選んだ人も多いので。
なので、朴さんを確実に政権の座から早期に引きずり下ろしたいのなら、セヌリ党が主張する「4月退陣、6月総選挙」が時期的に妥当かどうかは別として、与野党で合意すれば良い筈です。しかし野党は与党と話しもせずに「弾劾、弾劾」と叫ぶ。自ら朴槿恵生き残りの道を残しているように動いているとも思える。
そもそもなぜ弾劾するのか、という点については、「大統領が自らの権限を少なくともチェ・スンシルに使わせることによって、財閥各社に70億円の資金を出させ、市場経済を乱した」からだそうだ。今朝のNHKはそう報じていた。
しかし客観的に考えて「朴槿恵の法的犯罪」が確定していない現状で、「市場経済を乱した」という理由も、「それ?」と思う。罪を問うのなら裁判所の判断を待つ方が当然であると私は思うし、「70億円で市場経済が乱れた」というのもどうだろう。
結局今思っているのは、「韓国の野党も、その背中を押している世論も、要するに"弾劾した"という事実が欲しいのだな」という点。朴槿恵の生き残り、任期満了の可能性を残すという意味では非論理的だが、「そうなんじゃないか」と思う。だから世論も、野党も、そしてそれに押されたセヌリ党の一部も「弾劾」に突き進む。
よく報道されている通り、与党のセヌリ党から28人が賛成に回らないと弾劾案は可決されない。そこは実は微妙だ。決議案に空白の7時間に関することが理由として挙がっているからだ。そこまで弾劾の理由を広げるのにはセヌリ党の反朴派の中には抵抗感がある人がいそうだ。投票は無記名だから、もしかしたら「フタを開けたら三分の二に届かず否決」というケースもあり得る。
そしたら野党議員は全員が議員辞職するらしい。そしたら総選挙でしょう。国会が。大統領は残り、議員達が辞める。それって逆じゃないと思う。まあいろいろ分からない事が多いのです。
しかし確実に「そうなる」と言えるのは、朴槿恵大統領は再来年の2月、つまり1年と3ヶ月後にはその座から降り、韓国には新しい大統領が誕生する。その人が誰で、どんな政策をとるかの方が韓国にとっても、周囲の国にとっても重要だ、という点。
朴槿恵は私にとってはもう過去の人であって、その命運にはあまり関心がない。そのあまり関心のない人に関して「弾劾だ」とか騒いでいるのが不思議なのです。もちろん韓国の人達の怒り、憤りは分かる。特にチェ・スンシルの娘の件、高校、大学と権力を利用して学歴を上げたことは「ふざけんじゃない」と思っている筈だ。
今の韓国の混乱は「次の韓国」に繋がるのか。うーん、それが分からん。困ったものだ。