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2008
04/08
Tue

2008年04月08日(火曜日) 混迷の極み

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 (09:59)日本の政治は混迷の極みですな。まるで政府人事への拒否権を野党が持っているような世界でも希な事が起きている中で、その野党の意見がまとまらなくて一体日銀の二人目の副総裁が明日は誰になっているのか分からない、という状況。

 今朝の新聞によれば、民主党の7~8割の議員は財務官だった若き渡辺さんの日銀副総裁就任に賛成しているのだという。「反対は小沢、山岡、興石の三氏だけ」という意見もある。渡辺さんの副総裁就任への賛成者の中には、これまでの二人の総裁候補「拒否」で中心的人物だった仙石さんも入っているのだというのだ。

 鳩山さんも以前、「財務次官と違って財務官には広い国際的視野がある」として、具体的に黒田さんや渡辺さんの名前を挙げていた。挙げていたと言うことは、政府から名前が挙がったら同意する、ということだ。

 その通り、昨日の幹部会では「渡辺賛成」とやったらしい。しかし、日曜日のNHKのテレビで「天下り反対」の旗幟を鮮明にした小沢代表が、はっきり言ってしまったが故に「渡辺副総裁に反対」と言い、その側近である山岡国会対策委員長が、「代表が言うのだから」と賛成派に譲歩を求めたのだという。

 元々を言えば、私の感触でも小沢さんは事務次官出身の武藤さんの日銀総裁就任を容認する意向だった。しかし仙石さんや彼が率いる委員会の反対意見を見て、「党内掌握力の低下」を懸念して「拒否」に回った。ところが、事務次官出身者でもなく、今度は仙石さんも「いい」と言っている渡辺さんにも反対の姿勢だ。「何がなんだか分からない」という自民党の一部の嘆きはもっともだ。

 党内事情で人事がちっとも決まらない。しかも野党の。この一連の日銀人事で傷ついた人は本当にお気の毒だと思う。会社の人事もそうだが、誰でもが納得する人事というのはめったにない。振り回されて、それで終わり。政争になど巻き込まれたくない、と思う人もいるだろう。一部では渡辺さんが「副総裁就任を固辞している」という話もある。

 日銀の後任選びに関しては、福田首相のサイドにも落ち度がいっぱいある。参議院に全く同様の任命権が与えられている事態の認識が薄く、かつ民主党のバラバラな党内事情の把握出来なかったことが大きい。

 それにしても、呆れる混乱だ。今朝の日経の「政治の不全を問う」の中で田中直毅さんが、「どんな衆院議員を選べば行き詰まりを脱却できるのかを、有権者は既に考えているはずだ」と書いている。本当だろうか。私には考えても、どう解決して良いのか分からない。

 政権交代はあってしかるべきだし、民主党の政権運営を見てみたい気もする。しかし今の混乱状態の民主党を見ていると、左から右まで揃ったごった煮の、今まで政権を取ったことのなかった、また代表の意見が10年前と全く違ってきている党が実際に政権を取ったら何をするのだろう、と不安に思う。

 明らかに民主党支持だと思われる北海道大学の山口さんは以前テレビ番組にも来ていただいたし、東京新聞のコラムを曜日を違えて担当している関係だが、週を追うごとに民主党に批判的になっているのが分かるのが興味深い。彼にも今の民主党がどうなっているのか分からないのだろう。

 福田政権の支持率は下がるが、小沢民主党の支持率が上がっているわけではない。一つの解決策は両方の政党のトップを変えることだが、どうも民主党は今の代表を変えたら結束が保てないと考えているようだ。

 民主党の党内の亀裂は見えてきている。今回の副総裁選びがそうだ。菅さんは一体どちらを向いているのか。一つ確かなことは、「日本の政治の混迷は暫く続く」ということか。残念なことではあるが。昔から「三流」と言われていた日本の政治。国民はある程度慣れているとも言える。しかし、イライラするのは私だけか。

10:04
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