(00:59)クリントンを評せば「ダイハード」(なかなか死なない)であり、オバマを評すれば「差し切れない」となるのでしょう。
注目されたペンシルベニア州の民主党予備選挙は、予想以上の差で「クリントン勝利」となった。限りなく100%の開票に近い段階で、クリントン支持が54.7%、オバマが45.3%。最低限5%ポイント差で勝たなければ、といわれた水準をクリントンはクリア。理想に近い10%ポイント差に近い。
これでは「ヒラリーが降りてくれれば」と思っている民主党の幹部達も、もう一押しが出来ない。むしろ、「大きい州は全部私が取った」とクリントンに選挙戦継続の理由を与えてしまった。
最近の民主党の予備選挙では、本来の民主党員以外の人がどのくらい参加しているかは不明である。確か州によって違うが、20ドルを支払えば誰でも民主党の予備選挙に投票できるところが多い。一説には民主党の候補者選びを複雑化するために、共和党員が投票に加わっているとも言われる。しかし、ヒラリーにとってペンシルベニアの結果は勝ちは勝ちだ。
彼女に取って懸念材料が依然として多いことは変わらない。
しかし、民主主義国では誰であろうと、「一人一票」が大きな原則である。「大きな州を取れないオバマでマケインに対して勝てるのか」というヒラリーの主張は無視できない。かくして、民主党の幹部の頭を悩ませる民主党の候補を巡る戦いは、まだ当分続くと言うことになる。
オバマ候補が大きな州を取れないことは、民主党全体に大きな懸念材料になる。なぜなら、本選挙では各州の選挙人総取り選挙になるから、大きな州で勝てなければ本選挙では絶対勝てない。オバマ候補はマケインに対して有効な候補だと今は言われているが、クリントン相手でも大きな州を取れない彼の実力に対しては、今後大きな疑問符が付くだろう。
かつアメリカには、所謂「ブラッドリー効果」というのがある。白人は本番になればなるほど、世論調査の時ほどには黒人の候補を支持しなくなる、実際には白人候補に票を入れるという傾向だ。1986年のカリフォルニア州選挙で鮮明に出て、その時の黒人候補の名前にちなんで呼ばれる。
この時はブラッドリー候補が世論調査の段階では圧倒的に優位だった。新聞はこの世論調査を信じて、「ブラッドリー勝利へ」と打った。しかし勝ったのはデュークメディアンという白人の候補だった。
これは去年の末の年末年始特番の時からの予想ですが、日本では地味に見えるマケインですが、どちらの民主党候補よりも次期大統領になる可能性は高いと思っています。大統領を選ぶのは主に中西部に生まれ、中西部に死ぬような普通のアメリカ人ですから。