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2007
06/16
Sat

2007年06月16日(土曜日) 中国の環境問題を外交問題に

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 (24:13)今日のワールド・ビジネス・サテライトの光化学スモッグの話しは面白かった。というより、非常に深刻な話しです。何せ、壱岐や五島列島でも光化学スモッグが起きている。それが日本の国内要因で起きているのではなく、中国要因で起きていることは明確です。

 中国の都市に行けば、いかに彼の国の空気が汚染されているのかが分かる。重慶に行ったときには、「この都市の人はよく黙っているな」と思ったし、北京もあの映像の通りの光景です。とにかくそれほど遠くにないビルの上の方は霞んでいる。休日だったとはいえ、昨日土曜日の東京の空と比べると、汚染の進行は明らかです。中国では瀋陽の空気も酷かったし、海岸沿いの大連の空気も汚れている。上海も酷い。

 黄砂を見れば分かりますが、地球には偏西風がありますから中国の上空の空気は大挙して日本の空に飛来する。だから壱岐や五島列島でも光化学スモッグです。日本の光化学スモッグは都市を中心に起きた。今の光化学スモッグは九州や新潟で起きる。「because of China」。

 北京市の担当者がインタビューに答えて、「国から何も言われていないので、光化学スモッグに関連して北京の上空の大気の状態は調べていない。しかし間違いなく北京オリンピックの間の北京の空は綺麗になる」と言っていたのは笑えた。調べたくないのだろうし、逆にオリンピック以外の時はどうなのか。

 私はあの中で言ったのですが、日本はもっと怒って外交問題にすべきだと思います。「これが解決に向かわなければ、北京オリンピックへの参加を見合わせる」くらいのことは言ってもよい。なぜなら、中国の空の汚染は中国国民の健康にも影響があるのに加えて、韓国、ロシア、日本、それにアメリカの多分西海岸にまで影響する非常に大きな問題だからです。だから私はこれを日本は自信をもって外交問題にすべきだろう。国をまたいだ汚染に関しては、ヨーロッパにはノウハウがある。それを借りても良い。韓国や北朝鮮のそれも汚染されていることは間違いない。

 その時に重要なのは、ただ怒っていてもしょうがないので、共同研究のような形で話しを持ちかける。中国自身が国内の空気の悪化に悩んでいるはずですから、お互いに協力してよくしていこうという話しにすべきです。韓国やロシアを巻き込んでも良い。場合によってはアメリカも。

 中国は多分、「今時点の環境問題への取り組みは、成長抑制要因」だと考えている。そうじゃない、成長に真剣に取り組みからこそ健全な成長ができるということを、日本の経験から教えるべきです。成長の結果が住みにくい大気や環境汚染だったら、いったい何の為の成長か分からない。

 日本が汚染と、そして環境問題とどう取り組むのか、そしてそのためにどういった技術が必要かは相当世界でも進んだノウハウを持っている。それを使うべきでしょう。むろん、健全なビジネスの範囲でのものもあるだろうして、日中協力の証のような形でのものでよい。

 とにかく今の中国は発展の形を変えないと駄目です。国民の健康も著しく損なう。日本が40年前の公害問題にまだどのくらい多くの人が苦しんでいるかを見れば分かります。私は旧社会主義国で何回も見ていますが、社会主義という主義は綺麗なことを言っている割には、環境とかには全く興味なく生きてきている。東ドイツでゴミの巨大な山を見たときには驚愕しました。オウムの施設が汚かったのと似ている。思念先行で、身の回りの片づけも出来ない。

 北京オリンピック期間中だけ北京の空が綺麗になっても何の意味もない。言い逃れを許さず、中国自身の為になるのだから、中国の成長の形を変えさせる努力が必要だと思う。

23:08
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