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2010
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Fri

2010年01月08日(金曜日) 中国、引き締め開始

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 (06:00)日本の新聞には取り上げられていないようですが、中国はどうやら「出口戦略」というか、金融引き締めの方向に金融政策の舵を切り始めたようです。ニューヨーク・タイムズによると中国人民銀行は7日、昨年8月13日以来1.328%に固定していた三ヶ月物中央銀行短期証券の金利を1.3684%に引き上げたという。

 この0.05%ポイントにも満たない小幅な金利の引き上げは一見「ごく小さい」もののように見えるものの、多くのエコノミストは「この引き上げは今後生ずる一連の金利引き上げの先駆けになる」と考えているという。

 同紙は今回の中国中銀の措置を「Turning Point」(転換点)と表現しているが、今の中国の主要都市で不動産投資の過熱からバブルが生じていると言われていて、それが民衆の「家が買えなくなった」という不満に繋がったりしていると伝わっている中では、「金融政策の転換点」になる可能性がある。中国の金融市場には、「インフレの芽」は随所に見られる。

 ニューヨーク・タイムズは、その引き締め措置の持つ意味に関して、

Thursday's slight increase in interest rates could prove even more significant if it marks the start of an effort by Chinese regulators to limit bank lending. Chinese banks have not only lent heavily at home, but stepped up lending in other countries as well, taking market share from Western banks hobbled by the global financial crisis.

Top officials at the People's Bank of China concluded an annual two-day policy review on Wednesday with a lengthy statement that had particularly strong cautions against bank lending to sectors of the economy with overcapacity or excessive energy use. Chinese bank regulators also warned banks in late November to show more caution in lending and raise more capital to underpin the surge in lending they have already done; the publicly traded Bank of China is widely expected to take the lead in raising money this year.

 と国際的な意味合いも指摘している。緩い金融政策を背景とする中国の銀行の果敢な融資政策が、国際的な融資市場で海外の銀行からシェアを奪っているとは知りませんでした。中国の銀行の融資が、この文章でも書かれているように非効率な分野に向かったり、国有企業を通じて不動産投資に向いていることは良く知られている。

 中国の今年の政府の成長率目標は8%だが、多くの見通しは「9%を上回り、もしかしたら10%に達する可能性がある」というものが多い。つまり、中国経済は「過熱」していることになる。今読んでいる「中国 巨大国家の底流」(興梠 一郎著 文藝春秋)という本には、その事が詳しく書かれている。この本はまた改めて紹介しますが、なかなか面白い本です。

 中国に関しては、伊藤 洋一の Roundup World Nowの元旦特番「第560回 中国スペシャル 」を聞いていただいても良いと思います。この番組はポッドキャストからも聞くことが出来ます。ビジネス部門で一位を続けています。

 中国に関連するのですが、今朝このサイトで、私のエッセイがアップされましたが、中国を含むBRICs、さらには途上国全体の世界経済における地位を考えるには良いと思います。

05:11
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