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2018
06/13
Wed

際立ったのは.......reckless

day by day
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  (05:30)あらゆる合意の真価は、それがいかに実行に移されるか.........という点に存在する。

 どんなに細かく規定されてよく詰められた合意でも、その通りに実行されなければ意味がない。逆にどのようにおおざっぱな合意も、その後にしっかりと意味と効果が込められる実際の行動が積み重なるなら、それは大いに価値がある。最後は「これは良い合意」だったということになる。昨日の米朝合意文書(共同声明)については、後者であることを望む

 昨日の午後5時からの記者会見までをかなり熱心に家や車の中のテレビで見ていて、トランプ大統領について一つ思い付いた単語がある。それは「reckless」というものだ。「向こう見ずな、無謀な、無謀で、意に介さないで」といった意味を持つ単語だが、もうちょっと軽い意味でも使われる。「不注意」「軽はずみ」といった。

 それを一番感じたのは、CVIDの中味に関して「時間がなかった」と彼が言ったときだ。まっさきに私が思ったのは、「じゃ、十分時間をかけて詰めてから(米朝会談を)やれば良かったのに」だ。この重要な国際合意を締結するに機に及んで、「時間がなかった」とはあり得ない返答だ。

 まだまだある。「彼は私に言った」にも驚愕した。この単語を二度三度ほど使ったかと思う。つまり「彼は私に約束した」「だから大丈夫だろう」と言いたいのだろう。これもreckless のそしりを免れない。

 パッケージになっているのは、「彼は信頼できる」「彼は頭が良い」「取引できる相手だ」「国の事を考えている」的な、相手に対する「ある種、軽はずみとも言える高評価」だ。この高評価故に、「彼は私に言った→だからやるだろう」と判断しているように見える。

 彼はしばしばこの「相手に対する高評価」を口にする。彼の口からしばしば聞く。決まった単語が続く。しかしそれは変遷する。「高評価→無視→非難→高評価.....」となり、それをしばしば繰り返す。マクロンにもそうだったし、トルドーにもそうだ。最初に会った時、つまり所見の時にはこの「高評価」が出やすい。

 しかし彼(金委員長)の今までの実際の行為を少しでも知っている人なら、こんな高評価を普通下すだろうか。叔父を無慈悲に殺し、兄を海外で毒殺し、そして兵士の腹には寄生虫が大量にわいていた。つい最近まで「アメリカを無慈悲に攻撃する」と言っていた北朝鮮の首領。「権力闘争だから」というにはあまりにも酷い実態だ。

 「北朝鮮が譲ったことはほぼない。しかしトランプはお土産をたくさん彼にあげた」という評価はその通りだ。願わくば、「トランプの自分に対する評価など直ぐに変わる。故に彼には注意する必要がある。言った以上の事をやらないと北朝鮮(自分の体制)の安全はない.......」と金正恩が考えてくれることだ。recklessな大統領だからこそ、「ほくそ笑んでいるだけでは危ない」と金正恩が考えてくれるかどうか。

 北朝鮮は過去簡単に約束を反故にしてきた。様々な理屈と感情を表に出しながら。トランプという人も、自分の意見や人に対する評価を簡単に反故にして、突飛で、recklessな発言を繰り返す。似たもの同士であるが故に、腹なのかでは強い疑心があるだろう。

 その疑心(最後は彼は戦争を仕掛けかねない...という金正恩のサイドの)が、彼を実際の行動(非核化での)に駆り立てることを祈る。そうでも考えないと、今回の首脳会談は「やはりトランプの選挙対策」以上のものにはなり得ないし、世界にとって悲惨な結果を招きうる。

 「体制の保証」などrecklessの極みだ。記者会見で一番共感を持ったのは記者達の「なんであの国に体制の保証など与えられるのか......」という趣旨の質問にだった。人権に絡んで。繰り返し出ていて、これには深く共感した。これらの質問が、理念も思索もあまりなさそうなアメリカの今の大統領にどのくらい響いたかは不明だった。

 もう祈るしかない。日本のワールドカップの初戦のコロンビア戦勝利を「祈るしかない」のと同じだ。日本など周辺国、そしてトランプ大統領の側近達が出来ることは、どうみてもrecklessな今回の合意に、しっかりと意味を付与していく事だと思う。しかしそれには「祈るしかない」という側面が残る。ボルトンはいったい何をしていたのか.........

06:15
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