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2011
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Tue

2011年03月22日(火曜日) stabilizing, but....

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 (02:25)日本が三連休の間に既に海外市場は動き始めていますが、今までのところ先週のG7の声明と、それに伴う協調介入は世界の市場を安心させたようです。

 先週一週間は非常に不安定だった世界の株価は、欧米を中心に大きく反発している。まだ引けは分かりませんが、ニューヨークの株価はダウで200ドル近く上がっている。また、円相場も81円アラウンドで安定化の兆しがある。

 もっとも、「これで市場が安定化した」と判断するのは早急です。今の市場は多くの不安定要因を抱えている。年初の「楽観論」はまだ残ってはいますが、それでも様相はかなり変わってきた。

 まず、日本の東北地方の太平洋海岸という一地方を襲った地震と津波でしたが、日本ばかりでなく世界の多くの国のメーカーのサプライ・チェーンの環が絡んでいたことにより、生産活動が大きく制約されるケースが出ている。

 これは我々日本人も驚くほど広い範囲で起こっている。今のように部品を最適調達する方式だと、どこか一カ所に供給途絶が起こると全体が止まる仕組みになっている。私が興味を持って読んだのは、25日の日本でのiPad発売延期ではなく、新型iPadの生産そのものが滞る危険性が指摘されていること。

 これは新型iPodのどこかに日本の製品が使われていて、それが今は供給問題に直面しているということでしょう。具体的にどの部品かということは分かりませんでしたが、かように世界経済は緊密に繋がっている。

 今は福島第一が一番問題になっていますが、それにより、世界全体のエネルギー政策が大きく様相を変える可能性もある。無論今回の事故は、「1000年に一度の大地震と想定を超える津波」というそうそう起こる組み合わせではない自然現象を背景としているし、福島第一自体が非常に古い原発であるという事情はある。

 しかし、既に世界的に「原発推進政策の見直し」の機運は高まっている。アメリカの「原子力ルネサンス」は見直しを迫られるでしょうし、欧州でも原発の抱えるリスクに改めて注目する見方がある。これは原発をエネルギー政策の柱にしている中国やインドにも影響を与える可能性がある。

 その結果として何が起きるのかというと、再び「化石燃料」に対する依存度が高まりだろう。エネルギーを節約して、電気に依存している生活をある程度放棄するという選択肢も人類にはある。しかし、そこで合意を得るのはなかなか難しいだろう。

 「脱化石燃料」を大きなテーマにしてきた世界だが、太陽光発電などの全エネルギーに占める割合は依然として小さいし、このシェアを一気に上げる方策もまだない。クリーンなエネルギーと言われる原子力だが、今回の日本の事故でいったん危機になったら大きなリスクがあることが改めて分かった。

 そういう意味では、既に上がり始めた原油価格には上昇圧力がかかることになる。ということは、世界的なインフレ懸念が高まると言うことだ。まして、今はリビア中心だが中東情勢は揺れ動いている。

 バーレーンの抑圧的な措置が国民に受け入れられるかどうかは不明だ。サウジアラビアの情勢も、あまり伝えられないだけに不気味である。先週の介入をきっかけに市場はやや安定感を取り戻したが、今年初めのような「先行き楽観論」が支配する環境ではなくなっていると言える。

 ところで、今見たサンケイのサイトには、「福島第1原発 放水口付近の海水から濃度限度126倍の放射性ヨウ素検出」という記事がある。「 東京電力は22日未明、福島第1原発の放水口付近の海水から、放射性ヨウ素が検出されたと発表した。国が定めるヨウ素の濃度限度の126・7倍の値。また、放射性セシウムも、24・8倍の値が確認された。」と。

 放水しすぎると、その水が海に帰って海を汚染するという悪循環も見える。電源回復は朗報だが、最終的に四つの原子炉の放射能をどうやってコンテインメントするかというアイデアもそろそろ必要になってきた印象がする。

02:27
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