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2007
09/21
Fri

2007年09月21日(金曜日) 15年来のドル安

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 (12:44)ドル・円だけで為替相場を見ている人は、あまり気が付かないかもしれない。しかし、ドルは対ユーロ、対カナダなど円以外の通貨に対して正につるべ落としである。その落ち方の激しさに触れたフィナンシャル・タイムズは「ドルは各国通貨に対して15年ぶりの安値になっている」と報じている。

 ドル安は、隣国カナダのドルに対して米ドルが等価まで落ちたと言うことで象徴される。私がアメリカに行った1976年に等価だったのを最後に、カナダ・ドルはずっと米ドルに対して等価を下回ってきた。

 それを知っているだけに、カナダでゲットしたクオーター(25セント硬貨)がそのまま米加国境のトルゲートで使えてアメリカに入ってこれるのを私は不思議に思ったものだ。そのころのカナダのクオーターはアメリカのドル建てにすると確か23とか22セントの価値しかなかった。ところが、今は1976年以来30年ぶりに等価だという。カナダの連中も車を使ってのアメリカ入国へのうしろめたさが消えたに違いない。

 ドル安を顕著に感じるのは、ユーロ・ドル相場だ。この文章を書いている現在のユーロ・ドル相場は1.4075ドル近辺。1998年の末に欧州委員会が理論値から発表した1ユーロの対ドル相場は1.16675ドル(対円理論値は132円80銭)だったと思った。

 為替市場ではその後ユーロ安が進む。私の記憶ではユーロは0.82ドルまで落ちた。確かユーロの対円相場は86円程度か。つまり今はパリに行って「ホテルが高い」と思っている日本人も、86円で1ユーロを買えた時期があった。それが今は160円でやっと1ユーロが買える。

 そのユーロの対ドル安値(0.82ドル)に比べると、今の1.4ドルというのは「とてつのないユーロ高」だと言える。

 誰がドルを「15年来の安値」(6通貨の通貨バスケットに対して)に落としたのか。直接的にはバーナンキである。彼が議会で証言し、今週のFF金利の0.5%引き下げに関して証言し、「場合によってはもっと下げる」と語った。今の為替相場は金利本位制のところがある。もっと米金利が下がるとなれば、ドルはまだ金利が上がるかもしれないユーロなどに対して下がる。

 バーナンキの証言で一つそうだろうな、と思ったのは「(0.5%の利下げに関して)to try to get out ahead of the situation and try to forestall potential effects of tighter credit condition on the broader economy」と述べていることだ。これは私がかねて主張した「beyond the curve」の金融政策に相当する。

 ドル安がいつまで続くのか。金利が低い円に対しても、ドル安がどの程度進むのかは不明である。しかし、イギリスでの銀行取り付け騒ぎでも分かるとおり、世界の金融市場の混乱はまだ続くと予想することが妥当だ。

12:42
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