(18:23)年末年始は屋久島で過ごしました。去年は沖縄で、なぜか島が好き。まあ日本も島ですが、石垣、屋久、沖縄などもっと小さい島は一つにまとまっている感じがする。島での年末年始がいつまで続くか分かりませんが。日本には島がいっぱいある。まだ行けるところはいっぱいある、というわけです。
晦日の24時前には益救神社に。これで「やく神社」と読みます。「益々救う」という意味らしい。地元の太鼓保存会の人たちが太鼓を打ち鳴らす中での年越し。人口1万3000人の屋久島ですが、なぜか若い人も、そして外国人も多い。結構年末・年始を世界自然遺産の島で過ごそうという人は多いようです。神社はここですが、人が少ないわけでもなく、かといって多すぎることもなく。宮之浦港のすぐ近くです。
得をしたと思ったのは元旦でした。ホテルの案内に従って午前7時13分の日の出を7時ホテルロビー集合で近くまで歩いて見に行ったのですが、ホテルの人も「本当に珍しい」という状況が出現した。それは、初日の出、虹、そして雪。
どうしてそんな組み合わせになったのかというと、まず初日の出ですが、空に大きな雲の切れ間があるのに細かい雨が降っている中で早朝になった。さすがに日本一降雨量が多い島です。無理かなと言う気持ちもあったのですが、待っていると東の海上に低くたれ込めた雲の上に朝焼けを伴いながらお日様が登場した。そこだけ青空が抜けていた。朝焼けが刻々と変わって綺麗でした。太陽は上がる直前がいい。上がってしまうと眩しくて見られない。
次に「虹」ですが、そのときもずっと小雨が降っていた。その小雨の中、ふっと気がつくと朝陽に照らされたのでしょう。私たちの後ろの虹ができあがっていた。写真にもうっすらと映っていると思います。雨粒に太陽の光が当たってできたと思われる。元旦の朝に虹を見ることができるとは。ラッキーなことです。
そして最後の雪は、晦日の昼間で3度近くまで冷え込んだ空気の中で夜の間に降ったのでしょう。標高1900メートルある宮之浦岳ですから降ってもおかしくないのですが、ホテルの人も「珍しい」というのだから、そうなんでしょう。なかなかの組み合わせでした。
屋久島は確か3回目ですが、くるたびに少しずつ変わっている。ホテルの人が「去年は本当に急がしかったです」と。統計的には年間20万人近い人が訪れる島になっている。やはり世界遺産の指定は大きかった。最近は台湾からチャーター便で乗り付ける観光客が来ていて、それを定期便にする話がほど出来上がったそうです。風呂には中国語の注意書きが。
人口一万3000人の島にあまりにも多くの観光客が訪れると問題が起きる。特に観光客が多いのが連休だそうですが、そうするとトイレ不足が起きるというのです。特に山の上で。いちいち人間が担いでおろすようですが、それが間に合わなくなる。漏れ出て、それが生態系を壊すというのです。
では観光客が来なければ良いのかというと、島の経済が回らない。誰も見ない自然遺産というのも寂しい。ということは、島の生態系に負担にならない観光客の数というのがあるはずですが、それを勝手に決めるわけにもいかない。市場原理で入山料というのをとることもトライされているようです。賛成。
そうそう、屋久島に来た一つの目的は猿や鹿に会うことでしたが、西部林道という比較的人家のない西側の道路をゆっくり走っていたら、猿5匹と鹿1匹と遭遇しました。猿はゆっくりと撮影できましたが、鹿はなかなか警戒心が強くて難しい。これまで見た鹿よりは皮膚の色が暗かったように思った。
二回目の屋久島では猿、鹿には一回も会えなかったので、今回はラッキーでした。会えたという意味では、猿、鹿、日の出、虹、そして雪。温泉もいくつか回りました。特に尾之間の温泉郡は、愛媛は道後の温泉に湯質が似ている。まあ道後もいいが、湯質という意味では、愛媛では鷹ノ子温泉が好きですね。