1997
10月

1997年10月の日記

日記

97年10月31日

 10月最後の日。ごたごた過ごしてきて、今年もあと2ヶ月ですか。二語で表現してしまう方法もありますが、もっと語感を込めて表現すると、「Time is really passing rapidly.」ということでしょうか。今年はなんと何をしたっけ.....。で、あと何を。

 これから何冊かの本を紹介することになると思いますが、今日はその第一弾。私の付き合いのあった人、今でも身の回りにいる人が猛烈に本を出版し始めた。「東京マーケット・フォーカス」で一緒だった田中勝博君が私が(「スピードの経済」)を書くのとほぼ並行的(時間的に)に書いていたオプションの本が完成して、先日それを送ってきた。分厚い本で、会社にあって手元にないのですが、確か「実戦のためのオプション」という本だったと思う。まだ読んでありません。

 次に、住友生命の林君が確かチャートの本を書いた。これは数日前に内藤君が紹介していたように思う。彼と河野君が訳したクルーグマンの本も確か東洋経済から「出版待ち」になっているはずだ。クルーグマンの他の本が最近出たばかり...ということで。それから、水木 楊大先輩が、「パナマ運河奪還」というフィクションを書いた。これは今週木曜日に新潮社の伊藤さん(foresight 編集長)達とメシを食べた時に一冊もらいました。木曜日に店頭に並んだという。同社の三重ちゃんによれば「本当に面白い」とのこと。これは新潮社刊。これもまだ読んでない。
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 で、私が今熱中して読んでいるのは、同じく新潮社から出た黒野十一さんの「カジノ」。むろん、黒野十一というのはペンネームで、本名は「山本 一郎」。KKKで有名になったあの山本さんと全くの同姓同名。金曜日に電話して、「どうして本名で書かなかったのですか」と聞いたら、一つは悪名高き山本君を嫌ったということもあるが、「人生二つの名前を持つのも良い」と判断したからとのこと。私が知っている山本 一郎さんは、通信社の記者をされたあと、今は大学の先生をしている。

 実は私はこの人と、本当に「よく麻雀をし、そしてブラックジャックを六本木で一緒にやった仲」なのです。実に多才な人で、言葉もフランス、イタリア、スペイン、そして当然英語、日本語とできて、「ヨーロッパに行くと、言葉が全然わからないのはドイツだけ」と言ってのける人ですが、しかし、ものすごく魅力のある人なのです。今でも、1年に一度か、そうですね二度くらいはお会いする。

 カジノ本はいくらでもあるでしょうが、これだけ分厚く、かつ面白く、かつ示唆に富み、歴史にも明るく、そして茶目っ気のある本は珍しい。320ページという大部で、しかも二段組。「俺の本に対する小言の一つは、量が多すぎるということなんだよ....」と自分で言ってましたが、でも退屈しないことだけは請け合いです。まあ私は一緒に彼とよくブラックジャック・テーブルでディーラーと相対し、その時の彼の癖などを見ていますから、それを思い出しながら本を読むと実に面白く読める。実は、私と彼がセットでカジノに行って負けたことはほとんどない。だから、「伊藤+山本」は運がいいんだ.....とお互いに思っていて、「今度一緒にラスベガスに行こう」ということになっている。山本さんはかなり自由な身ですから、本当に世界中のカジノを回ってこの本を書いた。

 まず言葉を覚えます。「house edge」から始まって。そうか、為替ゲームの「house edge」はなんぼやい。それぞれのゲームの紹介、歴史。最後には、「ギャンブルが登場する小説、映画」のコーナーもある。この本を見て、「ああ、この本はあの人とあの人にプレゼントしたい」という気になりました。そう、人生はどこか「カジノ」に似たところがある。カジノに入るときは、心の高鳴りを覚える。ドキドキする。だからカジノは楽しい。負けても行きたくなるが、しかし行くからには勝ちたい。勝つためには「ルール」を知らなければならない。ただ単にゲームのルールだけではなく、勝つための「方式」を....と思っている人、為替市場がいつでも120円台で「退屈した」と思っている人、「最近はおもろい本がない」と思っている人には、是非お勧めです。
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 実は、木曜日にタクシーの中で伊藤さんと「本が売れない」という話になった。最近の特徴は、「最後の牙城だった漫画さえ売れなくなった」ことだという。理由は二つ考えられる、と。

  1. インターネットなどのデジタル・メディアの浸食
  2. 携帯電話
 時間とカネをこちらにとられて本に回ってこないと。業界筋の見方。でも、インターネットを寝ながら読むことはできない、携帯電話で知的好奇心を満たすことはできない。だから、私は本も好きです。新潮社の連中に、お茶の水で「ベトナム料理の店」を紹介してもらいました。なんとこのベトナム料理屋は、「旺文社」がやっている。といえば、分かる人もいるかもしれない。ここは料理もうまいが、「トイレ」が印象に残る。また紹介しましょう。店の名刺を会社に置いてきたしまった。3連休中はだから紹介できませんが。

97年10月30日

 こう見えても、疲れまんがな.......。

 昨日は本当に身動きできませんでしたね。電話は多い、あちこちに行かねばならない。夜は勉強会が待っている。グリーンスパンの議会証言はある。30日の早朝(午前5時)には、テレビ東京から迎えが来る。29日のこのコーナーはお休みでした。内山・三原両氏の番組は15分繰り上がって午前6:00から。まあ私はちょっと楽させてもらってスタジオに入ったのは5:40でしたが。懐かしい人に会いました。「東京マーケット・フォーカス」でスタイリストをしてくれていた稲垣さんと。威勢の良い、女性ビジネスマンです。三原さんはちょっと疲れている印象でした。あやちゃんは、テレビより実物が良い。
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 グリーンスパン証言には午前3時過ぎに起きて目を通して行ったのですが、やはり全部は読み切れないし、テレビでしゃべれる時間は限られている。よくよく読むと、グリーンスパンはアジアの通貨当局者や政策担当者に極めて重要なメッセージを投げている。一言で言えば、「あなた方は、どのくらい市場経済を信頼しているのか、どのくらい市場にまかせる気があるのか」ということだと思います。

 そにれ関連して、今週の月曜日から色々な投資家から東証の措置(気配値の切り下げ幅を通常の半部年、かつ気配値の更新時間を通常の約二倍の三十分とした)や、今朝の新聞にも載っていた「鉱工業生産」統計がらみの発表の仕方などに関して電話をもらいました。つまりこれらの措置が端的に示すのは、今現在市場の監督に当たっている当局の方々は「市場」を信じていないと言うことです。「市場は間違う」と。ある日本のファンド・マネージャーは東証の措置に関して、「マレーシアを笑えない」とも述べていた。

 グリーンスパンは議会証言の中で「行き詰まった企業は倒産を許されるべきだし、投資に失敗した投資家は損を被るべきだ。政府の政策は新たな経済拡大の為の基盤整理やマクロ経済政策に向けられるべきだ」と述べている。私は日本経済に活力を生むために、市場の力を最大限発揮させることが必要だと考えます。確かに市場は行き過ぎる。しかし、間違ったと思ったら直ちに相場のレベルを見直す機敏さが市場にはある。グリーンスパンは証言の中ではなく、議員とのやりとりの中で、「ニューヨーク証券取引所がサーキットブレーカーを働かせたのは市場に対する介入ではないか」と聞かれたのに対して、「(様々な規制は投資家を)claustrophobiaにする」と述べ、「I come out on the side of leaving markets open and letting them trade」と述べている。「claustrophobia」とは辞書を引くと「閉所恐怖症」とある。どこかの国の経済そのものですね。

 東証が月曜日に例の措置を発表したとき、多くの日本の機関投資家が感じた感情は、まさにこれではなかったでしょうか。この措置を見たら、海外の機関投資家は「日本の株式市場にはいざというときに流動性がない」と手を引きたくなるのは目に見えている。売りたい奴には売らせれば良い。妥当な水準になれば、買いたい奴が現れてくる。勝手に市場の「妥当な水準」を想定して市場に容喙するのは、まさに市場関係者に「閉所恐怖感」を抱かせ、市場から活力を奪う、と思います。重要なのはグリーンスパンが、「市場の力を放逐せずに押し込めると、世界の市場のバランスが歪む」と警告を発している点。彼の発言は、日本の通貨当局を含めたアジア全体の通貨当局者、政策担当者に対する警告になっている。だからこそ、「These are trying days for economic polcymekers in Asia.」という一文がある。
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 情報を隠すのも、市場を歪めます。隠して一時的に良くても、今の時代その情報は必ず外に出る。情報が出ていないときにトレードした人は、「騙された」と思う。そう思ったら、市場に参加する気持ちが失われる。29日の日経金融新聞のスクランブルが指摘している通り、「Free Fair Global」の市場を目指す日本の改革は、まだ遠い道のりだと思わざるを得ない出来事が多い。残念ですね。

 ところで、ばぶちゃん言いたい放題を読んでいたら、ソニーが VAIO の新しい機種を発表したらしい。しらんかった。なかなか良い機種らしいが、ばぶちゃんが買うそうだから(^_^)(^_^)、彼が買ったら見せてもらおう。わたしゃ705で満足しとりますけん。

 一つホームページを紹介しましょう。川上さんのページ。フロントが秋らしくて、綺麗です。立ち寄ってあげてください。

97年10月29日


 本日は、臨時の news and analysisを書きましたので、ご興味のある方はお読み下さい。

97年10月28日

 「株、株、株....」の一日でした。朝方から韓国の姜さんから電話がかかってきたり、社内用の文章を書いたり、忙しい一日でしたが、株がつねに頭のどこかにあった。夜に入っても、ロンドンやニューヨークの動きを巡ってマスコミは大騒ぎになっている。しかし、解説を聞いていると面白い。「米国経済はしっかりしている。だから今の下げはおかしい」といった。アメリカ経済がしっかりしていたっていなくたって、上げすぎたものはいつか下げる。買われ過ぎたものは売られる。

 株価が上げ続けることは良いことでしょうか。逆に株価が調整することは悪いことでしょうか。あるものの価格が上げ続けるということはあり得ない。理論よりも、過去において価格が上げ続けたモノがないという事実が重要です。ですから、自由な価格というのは上げたり、下げたりする。しばらく上げ続けたあとは調整して下げる。世界最強の通貨であるドルにペッグしていたアジア各国の通貨が overvalue であったことは明らかです。だから、経済実体に合わなくなった時点で、下げ圧力を受けた。引き金を誰が引いたかはあまり関係ない。誰が引こうと、いつかは来たと思われるからです。

 市場経済は「自由な価格変動」を前提としている。それは時にファンダメンタルズを越えて動く。確かに、「香港の株は一日に10%も変動した。香港経済のファンダメンタルズに一日にそれだけの変動があったか....」と言えば、それは「ない」というのが正しい。しかし、そういう近視眼的に見れば「行き過ぎ」を許しているからこそ、「市場経済」は成り立つ。そしてそれは、「計画経済」では結局効率を追求できない、という歴史の証明の上に立っている。マスコミの報道ぶりにはまだまだ、「相場にはあまり動いて欲しくない」という本音が見える。
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 株の専門家ではないのですが、通常の政治環境の下で株価に一番影響を与えるのは「企業収益」と「金利」でしょう。今回の世界的な株安を引き起こしたのは、実は小生は「世界的な金利先行き感の変化」だと見ます。市場は拡大するから企業の業績は伸び、インフレはないし、世界の金利は低い水準で推移するとの見方が、世界的な株高の背景だったと判断します。そのシナリオが、ドイツを初めとする欧州各国の利上げ、そして先のグリーンスパン証言で俄に高まってきたアメリカでの利上げ観測で崩れた。そしてそれが、株式投資家を不安定にしていると見ます。そしてその大前提は、ニューヨークを初めとする多くの市場の株が、「買われ過ぎていた」ことだと見ます。

 とすれば、世界的に株価の「買われ過ぎ」が調整され、金利の先行き不安感がなくなれば、一部の国の株価は別としてかなり市場は落ち着くと見ます。もう少し時間はかかるでしょうが。ブラックマンデーの時も、ドイツの金利引き上げが引き金となった。そこで注目されるのは、水曜日に上下両院協議会での証言が予定されているグリーンスパン議長の発言内容です。彼がここで市場の「金利上昇懸念」を緩和する発言をすれば、それまでにニューヨークの株価がどの辺まで調整しているかによるのでしょうが、市場はかなり落ち着くと見たい。

 今回も、欧州の利上げが一つのきっかけになったことは注目に値する。既に、欧州の当局者は欧州における金利の一段上昇の可能性を否定する発言を繰り出し始めている。これでアメリカにおける「金利の上昇」見通しが消えれば、問題のかなりの部分は解消すると思います。アメリカの「wealth effect」はもっぱら株で生じていましたから、株が下げればアメリカ経済の過熱はかなり解消するでしょう。また、ドルはごく一部以外の通貨には大幅に上昇している。ということは、アメリカにとっては外需も冷える可能性がある。非常に面白いのは、ニューヨークの株の7000ドル前後、ドル・円の118円というのは、当局がむしろ望んでいた水準。足が速いから「危機」をいう人が多いが、レベルそのものは当局から見ても望ましい水準です。
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 夕方から、銀座のホテル西洋でミッドランドの久保田さんの「farewell party」。為替のパーティーがこのホテルで行われるのは、極めて稀です。大体このホテルは極めて高い。確かに綺麗な良いホテルです。集まったのは、昔から久保田さんと付き合いのあった方々。久保田さんご自身が出席者を選ばれたという。フォレックスの例会に集まる人々とは年齢層がかなり違う。私にとっても懐かしい人がいっぱい。久保田さんは、「早めの引退で、皆さんは何故と思われるかもしれない。しかし余力を残して次をしたかった」と挨拶。良いパーティーでした。

97年10月27日

 出張から帰った直後なので今日は一日休みをもらっていましたが、陽気も冷え込み、景気も同様、そして株式に象徴されるマーケットも冷え切ったようですね。まあ、冷えるなら徹底的に冷えた方が良いかもしれない。中途半端だと対応も中途半端に終わってしまう。膿を出せば、再出発は軽くなると言うものです。しかし、市場の行方は徐々に読みにくくなってますね。まあ、こういう時に市場の動向をきちんと読むというのが我々の仕事になるわけですが。
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 ところでDOCOMOでいろいろ聞いて、今売り出し中の28.8kで通信ができる(今までの3倍)携帯電話である「P301」は購入を見送りました。

  1. パケット通信ができるのは、特定の電話番号に限られる
  2. 使用エリアが今のところ山手線内に限られ、普及には時間がかかりそうなこと
  3. 重く、軽量化してきている今の普通のマシンに比べ魅力に乏しいこと
 などが理由です。実物を見せてもらいましたが、「T」「P」の二つのモードがあって、前者は今まで通りのお話と9600での通信。後者が「パケット通信」のモードなのですが、今のところこの「P」に対抗しているプロバイダーは一社しかないそうです。

 しかも重要なのは、「P」通信は例えばサーバーを持っているような会社が、それにつながる端末を持つ社員との通信手段に使うようなときに威力を発揮する(専用線の感覚で)ようで、事実今のところ一般売りには力を入れておらず、もっぱら企業に売り込んでいるというのです。つまり、小生が買うには高い割に何もメリットがない。となれば、急いで買う必要など全くない。都内にいるときは、家でも会社でも通信には困っていない。出張に行った時に速い通信速度がほしいと思うだけです。ですから、もっと軽く、もっとカバーエリアが拡大した時に買えば良いと決めました。購入を検討されている方も、よく検討された方が良いと思います。
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 NORIちゃん内藤君、さらには最近では白ちゃんも試した性格判断を小生もして見ました。性格はしばしば弱点が強みになり、メリットがデメリットになることがあると思いますから、良く出ても、悪く出てもどうでも良いと思っているし、血液型も全く信じない人間なんですが、まあ話の種に面白いと思ってですね。アムロの記者会見場にずうずうしく入っていく人間ですから、だいたい性格はそれでばれているようなモノですが。以下のように出ました。

 CUBIC診断結果 <あなたの性格・パーソナリティ>

型   性格の側面          弱  普通  強  指数
思索型 内閉性 : 社交意識が低い   *******        33
    客観性 : 思考的思慮深い   *************     61
活動型 身体性 : 機敏な・気軽な   ***************    74
    気分性 : 感情のまま行動   ************     56
努力型 持続性 : 几帳面・忍耐力   *************     63
    規則性 : 常識的・順法的   **********      50
積極型 競争性 : 勝気な・積極的   **************    69
    自尊心 : 気ぐらいが高い   **********      49
自制型 慎重性 : 見通しをつける   *********       42
    弱気さ : 取越苦労・遠慮   ********       38

●あなたのパーソナリティスケッチ●

 新しい環境にもすぐに適応できる力があり、抵抗なくついていくことができます。行動はテキパキしていて、受身にならずに積極的に体を動かして物事を解決していく人ですが、もう少し慎重な計画性も欲しいところです。また、気分に周期性があり、調子に乗れば何事も早いのですが、気分が乗らないと何もしないというところがあります。よくいえば気分転換が早いということです。人間的には温かく、世話好きな面がみられ周囲から親しまれます。気に入った相手や物事には、思惑や世間の常識にとらわれずに良いと思ったことは素直に実行する傾向があります。また、勝気な性格で目立ちたがりなところがあるために、競争する環境や条件が揃うと思った以上の力を発揮することができます。そして困難に遭遇したときは他にも働きかけ、うってでる外向的な人です。やや他罰的傾向がみられますが、独善的に自分だけが偉いといった思いあがりはなく、他人との協調性もあり気遣いはみられます。自己主張が強く、ときに対人関係でギクシャクすることもありますが、人あたりの良さで局地的には回避することができます。

97年10月26日

 「遠方より友きたる。ゴルフをし、焼き肉を食べ、酒を飲む。いいですな....」姜さんがゴルフのあとに食事をしながら語った言葉は非常に印象に残り、かつ嬉しいものでした。確かに。これは私の持論でもあるのですが、一緒に遊んだ人間とは仲良くなれる。その対象は何でもいいんです。「一緒に遊ぶ」ということが、人間の絆を強くするのです。「ゴルフ」は遊びとしては平凡です。しかし、大体のビジネスマンはするという意味で、「共通の遊び」にはなりうる。次は、「一緒にメシを食う」でしょうか。我々日本人も誰かが海外から来てくれて、ゴルフをし、そして食事をし、そして気持ちよく分かれる関係があったら非常に良いと思う。そうなんですな。海外に行く価値はそんなところにもあると思う。これは非常に重要なことです。この一言で、韓国にまで来た価値があると思う。ま、これは日本人同士でも同じ事ですが。
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 韓国へは行きは2時間半程時間がかかりますが、帰国は1時間35分の旅です。短い。順風が吹いているので。飛行機の運行速度も全く違う。1時間35分だったら福岡や札幌でも同じようなものです。今日は、成田に着いて直ぐに新宿行きの NEX があって、ソウルのホテルを出てから6時間あまりで家に帰ることができた。これはナイスです。成田に着いて最初に感じたのは、「暖かい」ということでした。韓国が15度の時に、成田は20度だった。つまり、東京とソウルでは平均温度が5度違うということです。この5度は大きい。

 滞在時間は短かすぎた。日曜日の午後4時過ぎにはもう高円寺の自宅に戻ってきていましたから。向こうの経済を調査するためには、もうちょっと長くいなければならない。実際にソウルの街を歩くのにはあまり時間がなかった。まあ、近い国ですからまた来れば良いという気がしましたが。全体的にはワールドカップへの出場を確実なものにするなど日本から見ていると明るい面もあるのですが、経済は大変な苦境にあるようです。昨日も書いたように、株価とウォンは急落を続けている。倒産は増えていて、経済を牛耳ってきた財閥の中にも、行き詰まることろも出てきている。起亜自動車の国営化案が出た段階で、韓国の株価は戻す場面もありましたが、その後は再び下げている。韓国を含めてなぜアジア経済全体が大きな調整にあっているかについては韓国の方々と少ししか話す機会はなかったのですが、次のような理由があると思われます。

  1. 追随型の経済の終わり
  2. 政治主導の経済の終わり
  3. 高度成長を追いすぎた
  4. 開発資金の海外への依存度増大
 これをいちいち説明するのは、このdiaryの役割ではないのでここでは取り上げませんが。
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ところで、先日書いた電話の方式に関しては、大勢の方から情報をいただきました。非常に長い論文風の情報を送ってくれた方もいたのですが、ばぶるばすたー さんからいただいた情報を掲載しましょう。
 韓国はいかがですか?私は未だお隣の国韓国には行ったことが無いのですわ。もう 一つのお隣の国アメリカには良く行くのですが。さて、ダイアリーで取り上げられている携帯電話の話ですが、現在の携帯電話の通信方法には大きく分けて3種類があります。

 NTTが開発したPDC方式、米国のDCS、D-AMPS方式、そしてヨーロッパを中心に米国の 一部ならびにヨーロッパの旧植民地国で使われている方式GSMです。ロンドンの田井中さんのメールにあった方式は一番最後の方式ですね。96年6月時点で世界全体の 携帯電話3,270万台における方式毎シェアはGSM58%、PDC23%、D-AMPS1 2%、DCS5%となっています。

 面白いもので通信規格というものはきわめて政治的な要素の強い存在です。そうい えば以前にモトローラは自分達の規格を日本に売りつけようとしたことがありまし たね。ヨーロッパ諸国は産業の停滞の中で通信関連産業が生き残りの選択肢である と認識し、ノキア、エリクソンなどを中心にヨーロッパ連合によるGSM方式を強力に 推し進め、旧宗主国としての立場を利用して様々な旧植民地国へGSM方式を積極的に 売り込みました。その結果が上で述べたシェアとなっています。このGSM方式を利用 している携帯電話を持っていればGSM方式の国でならば利用可能ということですね。

 この結果には米国、日本はしてやられたという気持ちが強いようです。NTT方式は世 界的に見ればマイナーな存在なのですが、日本の携帯電話市場が異常に大きいので そこそこのシェアは確保できるということになってしまっています。

  次世代である第3世代のシステムはCDMAとTDMAと言う方式があります。CDMAの方が 優勢のようですが、CDMAの中にもW-CDMAと言ったような若干仕様が異なった方式が 存在しております。ヨーロッパ勢も今回は一枚岩のようではなく、ノキア、エリク ソン、シーメンスあたりがNTT、モトローラなどとどの方式で行くかということに付 いて様々な動きをしている状況です。やはり次世代のシェア争いにおいて重要なキ ーとなる国は中国ではないでしょうか。いまだ中国はどの方式を採用するかを明確 にしていません。

 さらに次世代である衛星電話ですが、これも様々な規格が入り乱れています。有名 どころではイリジウムなんかがあります。衛星の軌道高度も違ったり、周波数も違 ったりということですが、今のところイリジウム、GSMのDualが一番メジャーになり そうな様子です。

 ばぶちゃん。同じ「隣」でも、韓国は近いぜ(^o^)。姜さんの車についている自動車電話を結構回数多く使ったのですが(韓国も国際電話は001がスタートでした)、この電話は感度は悪かった。電話にはモトローラと書いてあって、これは私がもっとも最初に買った移動電話に形も似ていた。一つの例を敷衍するのは間違いでしょうが。電話に関して情報をくださった他の方々も、many tks。

97年10月25日

 韓国では、まだ大部分のオフィスは土曜日は半日やっている。だから日本人の感覚だと、金曜日にここに来て「土曜日に講演会」とかいうと、「眉唾」だと考えられる。しかし、韓国では通常らしい。しかも普通の日よりも、外部の講演会などには出席し易いという。実際のところ、10月25日の朝の会合はソウルで一番高いビルである「63ビル」(63階建て)の60階のGovernor's Chamberで朝の7時30分から始まりました。

 集まった人々:証券会社と生命保険会社の運用セクションの管理職(約40人)
 テーマ   :内藤=日本のアナリスト評価制度
        内田=海外のアナリスト評価制度
        伊藤=世界経済とアジアの通貨危機
 という構造・順序で。朝飯を食べたあとで、通訳をかって出てくれた姜さんを通じて全部で2時間半の講演会。通訳が必要ですから、話せる内容は通常の半分。まあ手短に話せれば、これで十分です。

 姜さんの話によれば、「韓国人は勉強が好き→しかし実務に生かせない→空論になる」ということだそうです。土曜日の朝から40人ものビジネスマンが集まるのは、やはり「勉強熱心」ということでしょう。質問も活発なもので、私に対しては?・円の見通しに関して、内藤・内田両氏に関しては話の内容のアナリストの評価に関して。その日(土曜)の韓国の経済紙の見出しは、「株価、通貨が大暴落」でした。

 韓国の日の出は遅い。日本と同じ時間帯で日本よりかなり西にあるので、日の出が遅く、日の入りが遅い。例えば25日朝の講演会の会場(60階)から朝の7時30分に東(日本の方向)を見たら、やっと太陽が上がってきた段階だった。
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 講演会は午前10時過ぎに終わり、午後のスタートをとってあるソウル郊外のゴルフ場に姜さんと日本人3人で向かいました。中心から1時間くらい。確か Korean Country Club というゴルフ場に。かなりの名門と聞きました。日本のゴルフ場と特に変わった風情があるわけではない。うーん、ちょっと風呂場や洗面所のタオルの質が落ちますかね。それから、女性は大体がお年を召した方が多い。「名門」といいながら1992年開場とありましたから、歴史は浅いと言うことでしょう。そうそう一つ面白かったのは、午後のスタートでしたから、最後の3ホールは暗くなってしまった。しかししっかりしている。ちゃんとライトがあって、コースを照らしてくれる。韓国のゴルフ場では午後の2時くらいのスタートまで取るようです。

 ソウルと東京は、ある意味では非常に似てきている。あちこちに高層ビルが建ち、車は多い。印象としては、韓国の方が道は整備されている。とにかく基幹道路が広いのです。片道4車線くらいある。しかし、一つ一つのビルを見ると韓国の場合はまだ古いビルが残っている。そして街全体を見ると、綺麗なのは東京の方です。人々が着ているモノも、日本の方がまだ全般的に良い。あとかなり違うと思ったのは、女性の化粧の仕方。日本の女性のそれの方がさらっとしている。韓国の女性は、化粧がどこか強い。
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 昨日書いた電話の統一に関しては、ロンドンの田井中さんからメールを頂きました。

 今日のDIARYで言及されている携帯電話の国際規格統一ですが、 私がこちらで加入している携帯電話は、欧州全域や米国、アジア各国でも使用可能 です。

 びっくりしたのは主要地域では、ほぼ日本でだけ使用できないこと。 中国でも来年から使用可能とうたっている。仕組みはよく知りませんが、一部の通話は国際通話料金をとられるらしいので気軽には使用できませんが、緊急の連絡を文字どおり世界中どこにいても、受けられるというのは魅力です。相手に知らせておく電話番号はただ一つでいいわけです。

 私はモバイル派ではないので、データ通信には使用していないのですが、旅行時のみ等テンポラリーに加入可能なプロバイダーサービスも徐々に始まっているようで、携帯を使って各地のそういったサービス経由でインターネットを利用することは、地域によってはすでに可能なんですね。

 なぜ日本の電話だけ海外で使えないのか、なぜ日本でだけ海外の電話が使えないの か、全く不思議な話です。

 とのこと。そうだとしたら、日本人である私が隣の国・韓国に来て「通信にはちょっと苦労した」などと書いているのは、とんでもない時代遅れということです。

97年10月24日

 韓国は寒い。といっても昨日までは非常に暖かくて、昨日の午後から寒くなってきたのだそうです。夜の町には、既にコートを着た人もいた。3年ぶりですかね。その時とどう変わったかというと、金浦空港が少し静かになったことでしょうか。初めて韓国に来た10年ほど前は、空港は熱気に溢れていた。3年前は少し静かになったかなという印象。ところが今回来たら、成田のあの静かな雰囲気が空港全体を prevail している。韓国も徐々に大人の国になってきたのです。日本の1.5を割る数字に対して、韓国の出生率は1.7だそうです。韓国の人口も徐々に高齢化しつつある。

 景気は「非常に悪い」とオフィスの前で出迎えてくれた大宇証券姜理事。前東京支社長で、しばしば日本にも来られる。日本から行ったのは、私とナショナル証券の内藤さんとアイネスの内田さん。韓国に来るときは、大体この二人と一緒です。私たちが東京でやっている勉強会の開催時に姜さんが東京に来たときは姜さんを必ず呼んでいるのですが、今回は到着早々韓国での勉強会(兼食事会)に呼ばれました。姜さんの後任の孫さん(現社長室長)、ACTSという韓国で成功した非財閥系投資顧問の鄭社長やロシアで事業をしている韓国の実業家などが韓国勢。私たちの他に、日本から出張に来ている日本のビジネスマンも4人ほど参加し、韓国経済やアジア経済に関して意見交換。皆さん、活発におしゃべりになった。終わったのが10時ごろで、あとは何もせず、明日の講演会に備えて解散となりました。
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 まだよく見てもいないし、多くの人と意見交換もしていないのに成田エクスプレスの中で考えたことが一つあって、それは今回のアジアの危機の深層について。アジア、特に北アジアは日本もそうですが、今まではキャッチアップ型の経済でやってきた。キャッチアップには、「真面目」であることが必要です。学び、そして模倣する。しかし、経済が徐々に発展してくると、キャッチアップだけでは立ちいかない。消費者の新しい需要を掘り起こす必要がある。今既に明らかな需要はコストの安い生産者がものにしていってしまうからです。どうすれば良いか。自分でも楽しめる製品(ソフトとハード)やサービスに気づくということです。

 ではどうすれば良いか。それは、ある程度真面目さをかなぐり捨てて、自ら遊び欲しいモノを発見していくというプロセスが必要なのです。ただぼっと時間を過ごして見たり、逆に興味の赴くままにいろいろやってみたり、さらにはいろいろな人と接触してみたり。そうした中で生まれてくるものが、結構大きな製品に育ったりする。WALKMANの誕生秘話などは、非常に良い例です。「遊び」は創造性に繋がる。まあ、日本はそういうところが結構ある。そういう遊びを文化に育てていくということが必要なのではないかと。国民が自由に遊べるためには、規制は少ない方が良い。業界の壁も。基本的には何でもありの。だから、「景気が悪いからなんとかしなくては...」などと真面目に考えるよりは、何か面白い遊びを考えた方がよほど景気の為には良いのではないか、とも思う。
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 この文章は韓国のホテルからアップしていますが、ちょっとこれには苦労しましたね。ホテルの部屋には110ボルトのジャックもあるものの、その出口は洗面室にしかない。部屋のデスク周りには220ボルトの出口しかないのです。ですから、まずhouse keeperに220ボルトから110ボルトへの変換器を持ってきてもらった。これが大きい。outlet は二つあって、そのうちの一つを使う。問題は電話の接続でした。最初端子の在処が分からなかったのでフロントに電話したら、普通の電話器の上に隠れていた。教えてもらった通り、全く日本の電話ジャックとサイズが同じ。ぴたりと使える。

 この段階で、「やった」と思って「0」発信で試してみました。VAIOの内蔵モデムを使って。しかし行かない。ホテルの案内を見て納得。館外へは「9」発信でした。それでまず日本に直接電話。時間がかかりましたが、つながりました。64kの約半分の速さで。次にプロバイダーの国際ローミングのテスト。これも成功。しかし、部屋からの接続がうまくいって良かった。ホテルのビジネスセンターには無論インターネットにつながる端末は置いてあるのですが、ブラウザが日本語に対応していない。つまり、日本語のページは読めない。部屋から繋がることにより、韓国のホテルの部屋からでも全く日本にいるのと同じ環境で仕事が出来る。なんと便利な。

 しかし、欲張りな私は考えましたね。PHSにしろ携帯にしろ、全世界規格を統一してくれたら、一つの国に行くごとに「うまくいくだろうか」と心配する必要がなくなると。だから移動電話も衛星対応の次の世代のものが出てきて、全世界同一で使えるようになって欲しいと。

97年10月23日

 ハハハ、今日はちょっと面白かったですね。ベルコモンズのはす向かいをちょっと渋谷の方向に歩いた左側に「住友生命青山ビル」というのがあるんですね。そのビルの5階に私が勤める会社の投資マネジメント子会社があるんです。そこに用があってそのビルに3時過ぎに行ったら、凄い人だかり。テレビ用や写真のカメラを抱えたヒトが。何だろうと思ったのですが、一緒にエレベーターに乗ったのです。しかし、ヒトが多くて5階では降りられずに8階までもっていかれた。こうなったら、もう何があるのかと好奇心をもって覚悟を決めて一緒に入ったんですな。連中と。エレベーターを降りて左に折れて、会場に。記者会見場のよう。

 なんとなんとそこは、もっとも直近で新聞社に「号外」を出させた「安室〜〜〜」と15才年上の方(SAM)の記者会見場だったのです。真ん前に二人が座れる白いテーブルクロスのかかった席が用意されていて、案内状にはその席に「A」と言う記号と「S」という記号が打ってあった。そういうように座るのでしょう。それと向かう形で黒い椅子が50〜60ほど設置してあって、まだ閑散としていた。むろん実物は見てませんよ。約束の時間もあったし、見れば私以外は全員「PRESS」のワッペンをしている。どうもこれがないといけないらしい。入るときは堂々と入ったのでだれも誰何されなかった。3〜4分いて会場をあとにしました。

 あとで聞くとAVEXというのは最初このビルの一階に今は旅行会社となっている小さなオフィスを出した。それが徐々に専有面積を増やしているという。今は3フロアくらいを占めているようです。8階を含めて。凄い膨張力。オフィスに帰ってちらっとサイトを見たら既に記者会見(午後四時開始)が始まる前に、

AMURO & SAM、結婚おめでとう!!!
 とか書いてある。実況もやるという。さすがは小室一派のサイトですね。
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 明日から韓国出張なので、宿泊するホテルのビジネス・センターに電話して関連情報を収集。センターにはかなり高速な端末があるようで、センターの人は「心配ないですよ」と言う。しかし持ち込むコンピューター(ラップトップ)の使用に関しては、電圧は220ボルトもあってそのままの使用は無理。変圧器が必要になる。また、サイトを見ることは出来てもFTP(データのアップ)をどうするかという問題もある。講演や視察が目的ですから、何が何でもアップをしようとは思っていなくて、もしかしたら出来ないかも知れませんが、その時は失礼。それにしてもつい最近まで韓国が自動車ばかりでなく、パソコンも輸入禁止にしていたとは知りませんでした。

 韓国経済もそうですが、香港、台湾を含めてアジア経済全体が大きな変動に見舞われている。ここ数日は台湾と香港です。今日は台湾の株が大きく下げた。一日で一割下げたのですから、下げ幅としては大きい。まあ予見を持たずに、あちらの人の言うことを聞き、経済の状況を見てこようと思ってます。現場に行けばすべてが分かるというのは間違いで、遠くにいた方が分かることもある。しかし、近くで見た方が見えることもある。全体的に言えることは、アジアが発展過程で取った資本主義の形が「発展重視」「官主導型」で市場経済の諸圧力や不確定性をうまく取り込めない形になっているのが問題だと思います。一言で言えばしなやかさに欠けるのではと。
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 パソコンのオンライン販売がT ZONEのサイトで始まったようだ。最近のニュースによれば日産もネット上での自動車販売を行うという。こうした販売方法が主流になるにはかなりの時間はかかるでしょう。しかし、徐々に伸びてくるであろうことには間違いない。

97年10月22日

 最近忘れ物が少ないな....と思っていたら、やっちゃいましたね。携帯電話。昼飯の間鳴ると良くないので電源をオフにし、食事を済ませ、タクシーに乗って陽気もいいし運転手の方に行き先を伝え、ついうとうと。「おっと着いた」とタクシーを降りて歩き出したら、携帯を忘れたのに気付いた。いつもなら簡単なんです。鳴らせば良い。タクシーの運転者は慣れているから、「今どこです」と教えてくれる。連絡がつけば、直ぐにリカバーできる。

 しかし今回は、「電源は入れてない」「領収書はもらってない」で、たった数分前まで乗っていたタクシーなのに、全く連絡が取れなくなった。しかたなく、直ちにタクシー近代化センター(3648-0300)に電話。と同時に、直ぐ戻ってきてくれるでしょうが、一応DOCOMO(0120-177360)に電話して電話回線を止めてもらった。戻ってくれば、電話一本で直ちに再開してくれる。最悪出てこなくても、新しい電話を買えば以前と同じ番号をもらえるらしい。

 そこでちょっと思い出しましたね。先の「DOCOMO電話のお買い換えセール」。まあ、28.8Kの通信が出来るバージョンまで待つ予定ですが、ひょっとして無くしたことを契機に2万円引きでこれに乗り換えようと思いました。しかし、世の中そんなに甘くはなかった。やはり本体を持ってきていただかないと....と言われてしまった。でも上記の二つの電話番号は控えておいて損はしませんよ。特に前者は。

 その後まじまじと見たのですが、タクシーの領収書には「ドア番号」という項目がある。あと個人タクシーだと「団体コード番号」というのもあるのですが、この「ドア番号」が重要らしいのです。つまり、この番号は都内を走っているタクシーの運転手一人一人に割り振られている。つまりこの番号さえあれば、忘れ物のリカバーはスムーズに行く。だから領収書を税務対策で使わない人でも、もらっておく方が良いようです。(あたしゃ、それができませんでしたが)
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 誰と昼飯を食べたかというと、テレビ朝日の報道のS君。11月にワシントンに赴任するというので、久しぶりに。二人で話に花が咲いたのは、「(日本における)アメリカ報道の量の昔に比べての大幅な減少」。70年代の後半から80年代の半ばにかけては日本の朝夕刊の一面トップのかなりの部分はアメリカの発表モノだった。ホワイトハウスの発表、国務省の発表。冷戦はなやかしころですから、世界の命運がアメリカとソ連にかかっており、また貿易摩擦も両方が神経質になった時期ですから、まあ当然でしょう。しかし、今はアメリカ種が新聞の一面トップになることは珍しくなった。相対的な地位は低下しているのです。

 まあそんな話をしながら、日本のビジネスマンの目から見てワシントンから報道したら面白いかも知れない話題をいくつか提供しました。アメリカの陰の部分、経済が成功した理由、ハリウッド型映画の行き詰まり、アメリカの教育重視の政策の背景などなど。テレビのワシントン支局というのは、ニューヨークに比べれば少人数で、結構忙しそうですな。ワシントンにいる亜裕ちゃんや河上君には紹介したいと思ってます。

 「ニュース・ステーション」の視聴率の話(かなり落ちてきているらしい)なども出ましたが、いろいろ知恵は絞っているようです。月曜日は失楽園やスマップなどがあり、特に厳しいらしい。「10時になったらテレ朝」という視聴習慣を持つヒトの年齢が徐々に上がってきている」というような話にもなりました。まあ、そうでしょうね。人気番組を長く続けるのも大変なようです。でもこの昼飯は電話を無くしたことで、あとで考えたらえらいトラブルの元となりましたね。
 

97年10月21日

 心情的に西武を応援している小生としては、ちょっと残念な試合でした。あの佐々木のバントがうまくいっていれば....という気分もあるのですが、明らかに彼はバントをいやがっていた。監督と話している時の様子から。それをあえてやらせた東尾監督のミスだと思う。何となく西武はよそ行きの試合をしている。もっとがんがん行けば、野村の知恵も届かなくなるのにと思います。野村監督も、いやがるのはそれでしょう。西武は、まだ盗塁が一つしか成功していない。あと中盤全体的に試合がだれたのが残念。しかし、日曜日よりはしまった試合だった。

 それよりもちょっと今日の試合観戦が大変だったのは、我々が座っていた5列後ろに、あの中井 美穂なる人物がいたのです。古田のかあちゃんです。我々が座っていたのが、5番入り口から入った14段24〜26番。13段と14段の間には横通路。26番と27番の間には縦通路。私は26番にいた。つまり、中井女史は小生の斜後ろにいたのです。ですから、19段の27番。周りの人も気づいていたのですが、最初はあまり注目しなかった。ちらちら見ていた人はいましたが。亭主の打率が1割を割っていましたから。

 しかし、古田がホームランを打ったあたりから、マスコミのカメラマンは殺到するは、一目見たさのファンは詰めかけるはで、横通路に人がいっぱいになって試合が見れないほどになった。球場の係員に頼んで、人をどけてもらいました。しかし、マスコミのカメラマンは我々の前に陣取ったまま。まあ、彼らはしゃがんでシャッター・チャンスを狙ってましたが。

 彼女は派手なところもなく、普通の家庭に育った普通の人という印象。メチャ美人ではないのですが、女性から見ても好感がもてるというタイプではないでしょうか。どちらかといえば華奢。まあ、テレビのままでしたな。あと、若島津とか高田みずえとか、出場していないヤクルトの飯田とか、あと筑紫哲哉さんもいたそうな。日本シリーズともなるとネット裏は結構有名な人がいる。まあじっくり野球を見るなら、内野の外側の席ですかね。外野は外野で応援団が五月蠅い。
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 米司法省がマイクロソフトを「95年の独禁法に関する合意」違反で連邦地裁に訴えた問題は、「予想したものが来た」という以上に、今後 de facto standard が力を持つ世界経済での「独占」をどう考えたらよいかという一つの典型的なケースになるのではないでしょうか。シェア3割の会社が、シェア7割を持つ会社の肩をもつ司法省に訴えられるという例のない訴訟ですが、マイクロソフトが operationg system で持つ圧倒的な力を考えれば、自然な動きでしょう。このまま行けば、ネットスケープが立ち行かず、ブラウザの世界をもマイクロソフトが支配するのは目に見えている。

 マイクロソフトの言うようにOSとブラウザは将来 seamless になるのでしょう。既に、explorerの4.0はかなりそういう思想が入っているし、そういう形で処理できる。だからネットスケープの方はブラウザからOSの世界を狙っている。そういう意味では、相互に相手領域への進出を狙っている。しかし、いつも思うのは「internet explorer」を無料配布し続けるというのは、やはり常軌を逸していると思う。今でも最新の explorerはネットから無料ダウンロードできる。一方、ネットスケープは4.0を製品として売らねば会社の経営が成り立たない。これは、やはりネットスケープいじめに見える。explorerの4.0をデスクトップ・ソフトとして入れた後も、ブラウザは基本的にはネットスケープを使っている小生としてはそう思う。

 マイクロソフトに個人的な感情があるわけではないものの、あらゆる製品分野で「競争条件」を確保しておくのが必要だと思う。競争こそ、すべての原動力だと。その意味では OS の分野でも java にしろ何にしろ、早くwindows に対抗できるようなものが出てきてほしいと思っている。

97年10月20日

 夜家に帰ったらドイツの梅本君から、「本日の news and analysis について」ということで、要旨以下のメールを頂戴。

 ティートマイヤーの先週金曜のアテネでの講演ですが、講演草稿を読みましたが、講演は為替制度などの歴史を振り返り、ユーロ成立後の展望を示したものです。「強いドル」のくだりは、ユーロ誕生後の国際通貨体制に関するもので、趣旨としては「ユーロがドルに代わる国際基軸通貨にはならない。なぜならドルは米国は財政赤字、国際収支赤字にもかかわらず、米経済の持つポテンシャルなどから、引き続き強い通貨であるだろうからだ」といったものです。長期展望を示したもので、目先の為替レートについて言及したものではないのですが、市場が文脈を飛ばして勝手に解釈した感があります。
 とのこと。私も読んでみましたが、確かにそうです。いつもは原文に必ず当たるのですが、昨日はティートマイヤーの発言はチェックしなくて、ウォール・ストリート・ジャーナルをそのまま採用してしまった。市場がそう理解したのだから、そのまま理解しても良いという考え方もできるのでしょうが、当局者が言ったことと、市場の解釈の差はいつも頭に入れておかねばならないと思います。こうした点にまでチェックの目を光らせていてくれる読者がいるから、正確度を落とさなくて良い。very very tks。

 梅本さんも指摘しているのですが、ティートマイヤーは円についてもこの17日のアテネの講演(英語で行われた)で言及している。ちょっと引用しましょう。

 The answer which is often given is the notion of a future tripolar system consisting of the dollar, the yen and the euro. That vision is, at least, not very accurate. If one wants to speak of a tripolar system at all, the weights in it will differ quite considerably. Even now, it is becoming apparent that the yen's potential relative to the other two currencies will, if anything, remain limited. At all events, in the foreseeable future it will probably lack the regional base in Asia itself which the euro is likely to have in Europe.
 としている。つまり今想定されている三極通貨体制( a tripolar system )は、アジア地域でさえもベースを持ち得ない円の相対的弱さ(ドル、EUROに比較した場合の)ゆえに、「均等な三つの極」にはなり得ない、と述べている。これは日本では報道されませんでしたが、重要な発言だと思います。
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 本を書いて何が変わったかと言えば、講演の回数が増えたことでしょうか。その講演も、今までは予想できなかったところから依頼が来る。大阪の東証一部上場の企業の役員研修の講師だとか、私のつとめる会社とはまったく取引のない地銀からのものだったり。ネットでこうして文章を書いているのも幅が広がるが、本はそれこそあちこちで売られますから、それこそ広範な人が読む。随分と幅が広がったように思う。先週金曜日も、今まで全く付き合いのなかった長野県の信連の方がいらっして「読みました」と。特徴を言うと、ネットでは若い人と知り合い、かつ親しくなれる。これに対して本は、自分よりはるかに上の人ともきっかけができる。

 韓国行きがいよいよ今週末に迫ってきた。その直前にも講演があって、そこそこ急がしい。まあ、人間声がかかるうちがハナかななんて思ってます。しかし、それぞれに資料を作成しなければならない。それが大変です。
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 昼はプレジデントの岡本さんと、夜は内藤君と食事をしましが、それぞれ stimulatingでした。内藤君も書いていますが、岡本さんはこの23日から約3ヶ月をかけてロンドン、その他欧州各地、それにニューヨークを回る。雑誌記者として好奇心旺盛で優秀です。希望者がいらっしゃれば私に連絡くだされば、彼への接触方法を教えます。欧州やアメリカにいる間も、電子メールでいつでも連絡がとれる状況になってますから。彼も現地の人との会話を楽しむと思います。ご連絡ください。

 内藤君とも久しぶりでしたが、話していて次々にアイデアが浮かんできて面白かった。そのうちいくつかは近く実現させたいプロジェクトで、これは結構記念に、かつ面白くなるかもしれない。これは昨日の今日であまり書きたくないのですが、西麻布の店を新たに二軒もチェックしちゃいました。そのうち「軍鶏匠」は、店の雰囲気が良かった。

97年10月18〜19

 「何かをしない」というのは、しばしば「何かをする」ということの原動力である。

 ここに毎日文章を書いている、または書いていようとするととどうなるか。楽しくもあるが、またそれが一種の義務(かなりの部分は自分に対する)になる。「義務」が大きくなると、時にそれは負担になる。世の中、楽しいことはいっぱいある。文章も、楽しいから書く。しかし、頭の中の思考がそのまま文章になる時代ならいざ知らず、現在は物理的に0分で文章を書くことはできないから、一日24時間のうちの何分の一かはそれに取られる。通常は「文章を書くことは、自分の宝を増やすことだ」と思っている私はここにアップしている文章を含めて、いろいろなところに自ら、または頼まれて文章を書いているが、それが続くと書くことは「日常」になってしまう。「日常」になったら面白くない。

 最近面白いことに気づいた。食事を抜くことの楽しみ。月曜から金曜日まで、結構昼夜と予定が詰まる。会合や宴会。食べる。だいたい食事は楽しいし、会話もはずむ。とどうなるか。金曜日くらいには、食べるものを見るのが嫌になる。脳が「おい大丈夫かい」と聞いてくる。もうこうなったら人間終わり。そこで最近はどうするか。土曜日は家族もいろいろ予定があるからちょうどよしとばかりに、食べはするがその量を極端に落とす。そうすると日中体調が徐々に良くなっていくのが分かる。土曜日の夜にはかなり戻ったなと思える。そうすると、また食べようという気が沸いてくる。「食べない」ことが、「食べる」ことの楽しみを倍加させてくれる。うーん、土曜日は文章も「次のやる気」を養生する日にしようかななんて思ってますがね。でも書きたいことがあれば、書きますが。
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 頼まれた「新聞の来年新年用の原稿」の締め切りが接近している。8月くらいに頼まれた。ちょっと早いような気がするが、まあそんなものかもしれない。でも難しいですよ。はっきり言って。まだ二ヶ月以上ある。その二ヶ月以上ある「間」を問題とせず読める文章にしなければならない。まあ、頼まれた分量はそれほど長くはないので、構想が固まったら一気に書けると思いますが。「21世紀にはばたく企業の条件」といった題材でした。

 そうですね、来年は1998年。次の世紀が近い。21世紀は2001年からですが、やはり2000年というのはたぶんいろいろな思いが行き来するのではないでしょうか。その2000年の元旦まで、来年の初めは2年を切る。「2年」なんてあっという間ですよ。どんな世の中になっているんでしょうね。2000年の日本と世界。私とあなた。「20世紀の間にこれあれをしておこう」と決めるのも一つの方法かもしれない。
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 何気なく見始めた「西部−ヤクルト戦」をとうとう最後まで見てしまいやした。原稿のことを片隅に考えながら。結構、ぼっとテレビを見ながらでアイデアが浮かんでくる。両方ともミスが多くぼろぼろの試合ですが、「5−5」の延長戦ではさすがに決着に興味が沸きましたから。形としては、西部にだいぶ材料の残った試合ではないでしょうか。松井も hit and run の形でしたが足を出せたし、ヤクルトの伊藤を引っぱり出しておいて、西部のベテラン田邊がさよならヒットを打った。まあそれにしても、両軍とも小粒の選手が多いですね。それから、アナウンサーが五月蠅いことと、東尾のインタビュー下手が目立ちましたね。試合が終わっても、野村さんがデータブックをじっと見ていたのが印象的でした。最後に落合が、「両方ともいいとこ出して、もっとスピーディーな試合を....」と言ってましたが、第三戦を見に行く私としては「賛成 !」ですな。  

97年10月17日

 神宮球場の前を通ったら、大きなアーチがかかっていて「97 NIPPON SERIES」とある。明日からですか。第三戦(21日の予定)のチケットがあるので、見に行くつもりです。どちらのチームにもあまり興味はないのですが、個々には見たい選手がいる。去年のオリックス・ヤクルトではイチローのホームランを見ましたが、技で打った感じのあまりそれらしくないものの、飛球線が綺麗なホームランでした。
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 ある人から聞いた面白い話。完璧に教育された日本人のスパイを中国側が見破った、という。戦争中のこと。中国語も完璧、習慣もよく学んだスパイが中国の部隊に入っていることは分かっている。いろいろ調べたが、普通のことでは分からない。そこで中国軍の司令官は考えた。その部隊員全員にそれと知らせずに、白のペンキ塗りをさせた。全員を並べて壁の前で。全員で白塗り作業をした。大体の人間はまずまずのスピードで、ある程度に仕上げた。しかし、中に一人だけ壁についてはペンキを塗り、少し離れてはまた塗りをし、真っ白に壁を塗り上げた男がいた。そして司令官は、その男が「日本人であることを見破った」と。

 ある程度作り話かも知れない。しかし、それと似たような話はある。北海道電力に行って聞いた日本の停電率の話。日本の電気というのは世界で一番停電率が低いのだと。その為のコストはかかっている。しかし、それを日本人の消費者は欲するし、何よりも作るサイドがそこまで熱心になってしまう...という。「日本の製造業がなぜ強いか」を最近のテーマにしている私にとっては、結構面白い話題です。一時話題になったものの、韓国も他の国もいくつかの産業で台頭し始めては、そのうち対日で力をなくす。コストの問題ではない競争力の部分が日本にはある。どうしてかと。

 日本人のモノ作りに対する熱意は、どうみても伝統的である。そして、江戸時代からそのことに価値を置いてきた。「細部重視」でグランド゙デザインが描けないというデメリットはあるものの、とにかく何を作っても世界で最良のものを作る。多少手抜きして、コストを安くした方が良いという見方もある。それは選択の問題だが、やはり自分が使うモノは最良であって欲しいと思う気持ちは誰にもある。日本は鉄鋼も蘇った。コストだけ比べれば、日本は不利なケースでも競争力がある場合が多い。数字で読み切れない部分があるということは、計測不可能な競争力があるということである。対日赤字を出している国の政府はいろいろ言う。しかし、売れるのは消費者の支持を得ているという面がある。味方は多い方が良い。
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 数日前に一つ面白いサイトと紹介したネット麻雀を実際に一回だけやってみました。午後11時過ぎは込んでいてアクセスできない。だから朝ちょっと早く起きたときに。もう何卓も立っている。中であいている卓に「予約」を入れて待ち、4人が揃ったことで開局。東だけの東風戦で、相手はハンドル名だけで表示される。どこのどなたやら。音は場の音だけで発言は聞こえませんが、自分の配牌の下に入力ゾーンがあって書けるようになっている。リーチの時は、「じゃ、お先に....」とかやって書けるわけです。

 しかししばらくして、「これは物足りない」と思いました。感触がないのです。あの牌をつかんだときの。これは物足りない。実は私が最初の一時期は別としてインターネットで絶対 H サイトを見ないのは、「感触」がゼロだからです。インターネットの H サイトを見るくらいなら、子供の手でも握っていた方がよほど良い(^_^)(^_^)。また、相手を知らないというのも不気味です。麻雀は知り合いどうしで嫌みを言いながらやるのが楽しい。ジャブの応酬の中で。

 ただ一つこういうことは可能だと思いました。あらかじめ世界各地のメンバー間で「何時スタート」と打ち合わせておくのです。そして一斉にログオンして、特定の卓をとる。そしておもむろにやるのです。これだと多少のチョコレートのやりとりも出来る。小生の場合は、香港の大泉、ロンドンの武井、ニューヨークの立花あたりとやろうかな。香港の大泉にはこの前帰国したおりに、ちょっと言っておきましたが。聞くと、「囲碁」などはネット対戦がかなり増えているという。それが楽しいかどうかは別にして、やろうと思ったらいろいろなことが出来る時代になってきたのが良い。オプションの増加。

97年10月16日

 日下公人さんの「これからの10年」という本をふらっと買って読み始めている。面白い。語り口はいつもいい人だけれども、相変わらずという感じ。多分どこかで講演したことをまとめているのでしょうが、一気に読める。一つものすごく共感できたことがある。「景気が悪い」というと、日本ではマスコミも国民の多くも「政府が悪い」と考えるし、そうした見方が必ずしも外れているわけではない。しかし...と小生はいつも思う。それを変えられない政治家を選んでいるのは自分達だよな....と。国の方向を決めるのが「政治」であって、官僚は本来は政治家から「理念」をもらってそれをどう実現するかで努力すればよい。あくまでも、国の理念は国民が政治家を選ぶ段階で、国民が政治家に付託するものである。だから、今のような政治家を選んでいるのは、実は国民の責任である。

 では「国民」とは誰かというと、我々一人一人である。だからどう見ても無能な政治家を選んでいる国は、実は国民が無能なのである。つまり、自分に責任がある。その「自らに責任がある」という点がこの国では希薄ではないかと。考えてみれば「市場経済」というのは、それぞれが自ら自己の責任において経済活動を営み、だめだったら自ら責任を負うという制度である。弱者は何時でもいる。それはいろいろな safety net で救うとして、最後は責任は自分である。景気が個々の企業人の活動の総和であるとすれば、多くの企業や個人がうまくいっていれば、国民経済も ok である。それでは、企業や個人がそれほどがんじがらめにされているかというと、どうも自縄自縛のところも多いんではないかと思う。それを改めて思い起こさせてくれる本。自らの責任で、「自縄自縛」を解く時ではないかとも思う。

 他にもいくつか面白い事が書いてある。昔は勤労者の2〜3割程度がサラリーマンだった。今は7割がサラリーマンだという。だから昔のそれはエリートであり、女性にももてた。自分の亭主は丸ビルに勤めていると言っただけで、鼻高々だった。しかし今は7割。事情は違ってくるはずだ。価値観の変化という形で。それに関連して、会社のある偉い人と話をしていたら、その人の家に出入りしている植木屋親子の例が出てきた。親は息子に「仕事を継いでくれ」と言っていた。子供は嫌がって、一回はサラリーマンになった。しかしそれも嫌気がさして、親の仕事を手伝い始めた。しかし最初は仕事着は現場でしか着なかった。背広で出勤した。ところが最近それが変わってきて、仕事着を最初から着てさっそうとBMWに乗って仕事に登場する、と。

 どうして意匠替えしたかと聞いたら、背広を着ているより植木屋の仕事着を来ている方が銀座でもどこでも「もてるからだ」と答えたという。確かに。今電車に乗っても、背広を着ている人で目が輝いている人はあまりいない。ここにも価値観の変化が起こる理由がある。昔の「かっこいい」もそれが大多数になると価値を失い、いままで「ださい」とされていたものが「価値」を持つようになる。だから子供を見るといつも思う。こいついが大きくなる頃には、何が、何であることが「value」になっているのであろうかと。それは、実は誰にも分からない。
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 昨日の話ですが、澤上投資顧問の澤上社長と食事をした。BOBUちゃんを澤上社長に紹介する狙いもあって。ネットの中と、外の人間も相互に交流した方が良い。ネットの中だけで固まっているというのも芸のない話だと思っている。その情景は彼が自身の昨日の文章で書いているので私は重複は避けるが、一つ面白いと思ったのは澤上社長自身が私の本を読んだ影響もあったのでしょうが、ネットへの進出を強く意図していたこと。私としては、いろいろな人を紹介できる旨お話しして、分かれたあとあちこちにメールをしましたから、遠からず「サイト澤上投資顧問」が登場するでしょう。

 何に使うかと言うと、例えば今は全部郵送していてその郵送費がばかにならないレポートなどの開示などに。あとは、情報収集。もともとピクテの日本代表だった方だから、外の情報収集には熱心な筈です。それをインターネットでやりたいと。昔、スイスとの間で遅いラインを使って情報交換はしていたらしい。パソコンやISDNなどで次々に質問が飛んできましたね。どんなのが出来るか、楽しみですな。

97年10月15日

 「もう出きったのかな」と思っていましたが、まだまだでした。「書評」というのは結構長く出てくるものだということが分かる。「日本経済研究センター」(インターネットのホームページはないみたいですね。香西さん、金森さんのところです)から「日本経済研究センター会報」という雑誌が送られてきて、「当センター内の書評委員会が選び、786号(10月15日号)で貴書を取り上げました」との手紙とともに、雑誌が送られてきた。

 思い起こすと、Foresightや出版業界新聞を皮切りに、日本経済新聞本紙、東洋経済、テレビ番組、ラジオ番組などなど非常に多くの雑誌や新聞、放送に「スピードの経済」は取り上げてもらった。実にありがたいことです。無論、それぞれの書評にはそれぞれの思いがあるのですが、いずれも非常に多くの読者や視聴者を抱えた雑誌、放送メディアですから、少なくとも私が書いたことには関心をもってもらったということです。

 ただし一つ残念なことがある。それは、評者が名前を出していない「書評」に対するもやもやした気持ち、言ってみれば「嫌悪感」です。本を書いた人間としての。こちらははっきりどこの誰と名前を出して本を書いている。それに対して、それぞれの会社の方針でもあるのでしょうが、名前を名乗らない「書評」がまだ結構多い。書評が良いか悪いかの問題ではなくて、「匿名」というのははっきり言って歓迎できない。褒めるにしても、注文を付けるにしてもです。日本経済研究センターの書評には、ちゃんと「高橋 伸彰」さんという評者の名前が載っている。日本開発銀行設備投資研究所の主任研究員の方です。お会いしたことはありませんが。

 「匿名」だから「自由なことが言える」というのは、実は間違っていると思います。それは無責任以外のなにものでもない、と思います。ずっと朝日新聞がネットの「匿名性」に関する特集をしていましたが、「匿名」にメリットがあることは滅多にない。いやらしさが残るだけです。だから小生はインターネットにホームページを持つときも「どこの誰」というのは全部出すことにした。他の人がどうしているかは関係なく、小生はそうする方がフェアだと思ったからです。日本の新聞は記事も多くが「匿名」ですが、ああいうのは早く止めた方が良い。「匿名」だから何かこそこそ出来てしまう、ということが結構ある。もっと、顔を出して言いたいことを言う時代でしょう。そう、ディスクロージャーの。
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 良い書評、悪い書評(私にとって納得できるかどうかという意味の)半々でしょうか。一つ思うのは、自分が思っていることを正確に読者全員に伝えるのは難しい、ということです。比較的本を読み慣れているであろう「評者」にしてそうでした。それぞれかなり違った観点から見ている。中には、私が本を書いた後で広く喧伝されてきた「ニュー・エコノミー論」にひっかけて、「景気循環はなくなったというけれど」とかの表現で、私の本とあまり関係ないような文章を書き連ねたようなものもあった。ごっちゃになっている。

 あと思ったのは、依然として「後ろ向き」な見方がこの国には蔓延している、ということ。「そうは言ってもそれは証明されていない」式の。こちとら「多分こうなるだろうから、今からこうしておこう」という話を中心にしている。だから、なるべく具体的な例を入れるようにしたが、最後には確かに直観や予測が入っている。しかし、企業経営にしろ、個人の生き方にしろ重要なのは先をどう見通すかでしょう。それは証明できないことが多い。数字とかでは。ところが、「今後をどうしたら良いか」という関心はあまりお持ちでない方がいらっしゃるようです。これは、残念でした。まあ、私の力不足もあったのでしょうが。いつも思うのは、相手がレーダーを使って戦闘をしているときに、竹槍や精神だけで対処できると考えたあのころを繰り返してはいけない、ということです。

 その点、グリーンスパンが14日にコネチカット大学で行った講演は、「グリーンスパン議長という人は、本当に頭が柔軟で将来を睨んでいる」とつくづく思わせるものでした。経済の成長の原動力に対する認識、変化する技術の持つ意味、そしてそうした時代に対処するための教育の重要性の指摘など、私が本で主張したことに極めて近い。このグリーンスパン議長講演の中で、このdiaryの読者に参考になる言葉としては、

 The growth of the conceptual component of output has brought with it accelerating demands for workers who are equipped not simply with technical know-how, but with the ability to create, analyze, and transform information and to interact effectively with others.
 でしょうか。実はグリーンスパンは14日には二カ所で講演している。忙しい人です。もう一回は、ワシントンのCato Instituteでのもの。まだこれは読んでない。さっき気づいたのですが、白塚さんが「独り言」のコーナーでこっちのスピーチの方を取り上げている。株が下げ、債券が異常に買われている現状では、もう少しこの国も想像力、直観力を働かせる方が、景気にも良いと思うのですが、相も変わらぬ「前例主義」が全盛で、これは残念な限りです。

97年10月14日

 「伊藤忠の久保田さん」といっても、知らない人が多いかもしれませんが、私にとっては為替を始めた頃の大先生でした。同社の為替部門を育てた人で、同社を辞められたあとはミッドランド銀行でずっと為替の仕事をされ、今回60才を契機に出身の伊豆に戻られると言うので、私が所属する会社で縁のあった人5人の計6人で、感謝会を開催しました。久保田さんはお酒をまったくしない方で、しかし食べることは非常に好き。季節も季節だしということで西麻布の「茶楼」で鍋をつつきながら。

 為替の仕事を始めたのは1968年からといいますから、当然私は社会人になっていない。ニクソン・ショック(1971年8月15日)はニューヨークにいて、部下を集めて家でパーティーをしていたのを急遽解散して仕事に取り組んだ話とか、今の変動相場制が73年の2月に始まった時の話とか。数多い昔話に花が咲きました。固定相場制のころからの為替を見てきた数少ない人ではないでしょうか。しかし、相場師にふさわしいというべきか静かな人で、はしゃぐこともなければ、怒ることもないという人柄。ファンは多かったのではないでしょうか。しばらくは悠々自適とのこと。うらやましい。私としては、「ご苦労様でした」という気持ちです。

 今日は伊藤忠に縁の深い日で、昼飯は同社広報の中島(司)氏、市澤さんと。市澤さんとは同社の広報部門インターネット・サイト担当と言うこともありますし、同郷の縁もあって。なかなかすてきな女性でしたね。同社のやや旧式化したwindows 3.1のシステムの中で、自らHTMLを叩いてホームページを更新しているというなかなかの女性です。中島氏は以前は為替のセクションにいて、今は広報部。まあ企業は伊藤忠に限らず、どのような目的で、どのようにホームページを運営すべきかいろいろ試行錯誤をしているわけです。中途半端にメールをもらっても現場からは嫌がられるでしょうし、しかしリクルート面からもサイトは構える価値はある。当面は、決算がらみの数字など企業情報の開示につながるセクションの充実、経営トップの講演録などの掲載による企業哲学の広報などが有意義ではないでしょうか。アメリカ企業のサイトには、シスコのそれのように完全に販売ツールになっているものもある。日本の企業はこれからですね。
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 ワシントンの亜裕ちゃんから音の情報を一つもらいました。私が先日取り上げた sound vq の親技術に当たるtwinvq技術に関する情報とそのサイト。このサイトはそれ自身として綺麗なので、取り上げる気にもなります。ここにある音を聞こうとデータをダウンすると、起きてくるのは soundvq の時に入れたヤマハのプレーヤー。同じものということです。

 サイトが綺麗だという意味では、利上げに関する情報を取りに行ったフランス中銀のサイトがさすがフランスという感じで綺麗でした。中央銀行のサイトでこれだけ美的センスのあふれたサイトはないのではないでしょうか。見るにはナイス。しかし、どこにプレス・リリースがあるのかわからない。その点では、ブンデスの方が親切でした。ところで、日銀の支店でインターネット・サイトを持っていたのはつい最近まで長崎と岡山だけでしたが、今日見たらかなり増えていた。各支店が持つサイトは、その土地に関する情報を総合的に手に入れるのに役立つ。
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 サンデー毎日を読んでいて、一つ面白いサイトを発見。オンラインで麻雀ができるサイト。まだ私はやってみていませんが、ダイアルアップから入り、サイトに行って卓を選び4人揃ったところで開始となるらしい。どうもテレホーダイの時間帯は「参加者過多」で参加が難しいようだ。一度に500人が限度と説明がしてある。まあ、暇なときにやってみましょう。お金のやりとりは出来そうもない。一人はワシントン、一人は北京、一人はフランクフルト、そして自分は東京というような形で、時間を申し合わせて4人で麻雀ができるそうだ。面白いですね。これだと、チョコレートのやりとりは出来るかもしれない。

97年10月13日

 今日からfriendsのコーナーに大和総研アメリカの「藪中 清弘さん」が新たに入居(^o^)しました。もうこのdiaryのコーナーで何回も紹介したことがありますが、最近エコノミスト誌に論文を載せて、それが日経の「論壇」に紹介されたりしたあの「藪中」さんです。藪中さん自身からも聞きましたし、何人かの他の人にも聞きましたが、「藪中さん」というのは結構名前の知られている別の人として外務省に一人いらっしゃるのだそうです。「伊藤」なんてのはいっぱいいる。しかし、「藪中」は珍しい。ある特定の人を連想するほど。friends に登場したのは「大和総研の藪中さん」です。この人も、有名になるかもしれない。

 今回二つの論文で登場です。「もう一つのニューエコノミー」と「ニューエコノミーの本質は労働生産性の上昇」。実はこの二本とプロファイルの3本とも「portable document format=pdf」ファイルです。従って、adobe の acrobat reader がなければ読めませんが、印刷したときの綺麗さは抜群です。藪中さんも書いていますが、私も藪中さんとは実際に眼前でお会いしたこともなければ、電話で話をしたこともありません。ネット上のお付き合いです。ただし、共通の友人がいて、どういう方かはかなりそっちから情報は入ってくる。まあ、メールを交換していれば大体の様子は分かりますが。これを機会に、文章や分析に一層の磨きをかけて欲しいモノです(^o^)。
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 朝、韓国の大宇証券の孫さんから電話があって、「伊藤さんからの日本語のメールが受け取れるようになりました。チェックしたいので、送ってください」と連絡。たぶん、ネットスケープの設定を誰かに変えてもらったのでしょう。しかし、向こうから日本語のメールを送ることはできない。まあ、私の英語より、孫さんの日本語の方が上手ですから、私は日本語でメールを送ることが多くなるのでは、と思います。いろいろとやっていると、解決できる問題がいくつも出てくる。また、木村さんから頂いたOFFICE97にあるアジア言語に関する情報も送っておきました。こうした近くの国とも、やり取りが楽になればずいぶんと助かる。

 この文章を書いている途中で、「countryroad,take me home.....」のジョン・デンバーが50歳ちょっとで飛行機事故により死亡..と報道されました。「countryroad」。文字通りのイメージが沸く単語ですね。アメリカのあの田舎道。懐かしい。そして「home」。デンバーが想定していたのは、「温かいホーム」でしょう。都会から田舎に続く道。人柄も非常によかったそうですが、ちょっと若すぎますね。死ぬには。エルトン・ジョンも50歳を越えた。時間の経過を感じます。しかし、英語の「ジョン」というのはどっちでも使える。便利です。残るもう一人のジョンには、もうちょっとがんばって欲しい。
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 今日は午後から夕方にかけて一つ講演会に出席。まったく聞くだけの。ドイツ・モルガン・グレンフェルのセミナー。講師の中には野村から移った水野さんがいた。日本担当で。野村の時に番組に出てもらった関係でその後もお付き合いしている親しさもありましたし、どうしても私の知識はアメリカ中心。今回のセミナーは欧州とアジアが中心でしたから、知識を補うという意味もあった。これは水野氏も言っていましたが、EUが大きな関心項目になり、またアジアで通貨危機が深刻化する中で、一人でマーケットで話題になる国すべてをカバーしようとしたらそれは大変です。分析には深さと幅がいる。そんなことがいつも出来るかというと、なかなか難しい。ですから、私も知識を補充できる時にはなるべく出かけるようにしているのです。他人の話を聞くのも、またプレゼンの方法を見るのもなかなか勉強になる。

 帝国ホテルの2階の孔雀の間はよく外資系の証券会社がプレゼンに使う会場ですが、大きいですね。六分の入りでしたから、まずまずではないでしょうか。一人の講師(全部で5人)が各25分でpower point を使って説明するのです。いつものパターンですが、どうも各国のエコノミストがそれぞれのラップトップを持ち込んで、それを一台一台プロジェクターと結んだ為にいろいろ問題が起きて、流れるようなpower point presentationにはなっていなかった。どうしてそうしたのか分かりませんが。一台に集めておけば良いのに。使い手も、慣れてない人がいました。まあ考えようによっては、あまりにもスムーズに流れるのは「いかにも仕上げた」という感じで印象にも残らないケースがありますから、contentsを目立たせるためには良い方法(^_^)(^_^)だったのかもしれない。テレビの番組もそうなんですね。時々ちょんぼがあった方が、視聴者が親しみを持つ。うーん、人生も時々ちょんぼをした方が面白いかな......。

97年10月12日

 今日は、ちょい疲れました。過去二日と違って、誰が来る予定もないので、徹底的に運動したんですね。二日遅れで。気持ちよく疲れました。一つ買い物もしました。もう20年も使ったドライバー(耳掻きです)を新しいのに。何でもいつも買い換えているように思われているかもしれないのですが、実は私は物持ちが良い。コンピューターだけは結構新しいのを求めますが。前回部のコンペで体力がぼろぼろなのが判明したので、ちょい re-construct ということです。スコアもいつも同じレンジじゃね。

 そうだ朝起きて直ぐやったことといえば、山形さんWAYUに文章を一つ提供。そうだ、今日はもう文章も書いている。音は、アイデアが浮かばなかった。今度は出します。NORIちゃんがまたまた、「うまい文章の書き方」なんてのを載せている。彼女、今度雑誌に載るっていうから楽しみに読もう....ということで、本日は 失礼。

97年10月11日

 休みの真ん中の一日でしたが、夕方から所用で出社していた加島君と内藤さんに我が家に寄ってもらい、コンピューターに手を加えた。NT 4.0 のサービスパック3以降の修正モジュールをダウンロードし、システムを適正化すること。NT 4.0 にはこれまでいくつか不都合があり、加島ちゃんに修正を依頼していた。適正化はこのページにあるいくつかのソフトをダウンロードすることから手を着けた。やはり大きなソフトウエアは、出てしばらくはバグ(蟲)が出る。それが出来るまでは、会社のような大きな事業所では新しいシステムは使えない。

 次は、LAN につながっている各コンピューターから一台のプリンターをそれぞれ使えるように設定を行ったこと。つまり、プリンターの「共有化」です。これは、プリンターの最新ドライバーをエプソンのページからダウンすることから始めたので、ちょっと時間がかかりました。しかし、懸案事項が次々に片づくのは気分が良いものです。それが出来てどうなんだ、ということはある。確かに狭い部屋でFDを移動させれば簡単に出来ることをわざわざネットをつなぐ必要はないようなケースもある。しかし、いろいろな機能をもった機械を十分使わないと、今の技術で何が出来るのかを知ることもできない。ですから、私はなるべく機械の一番の高い性能を使ってみようと思っていますが....でも NT になるとなかなか難しい。"(^_^;)"
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 昨日の駄洒落に関して、久田氏から、ネタ提供がありました。

To die is easy.
 「恐ろしげなものを、私も受験生時代に耳にしたことがあります。 」ということで。駄洒落は、ジョークよりは quality が落ちると思われているのですが、人の気持ちをはっとさせ、頭の働きを活発にすると言う点では、非常に意味のあるものではないかと思っています。いくつかを覚えておくと、いろいろなケースで使える。しかし、ここで紹介したいくつかの駄洒落は、exclusively for Japanese ですからそのつもりで。いわんでも、わかってるでしょうから。
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 ところで、ばぶちゃん「言いたい放題」で紹介している「逆リンク検索」は、実際にやってみると面白い。つまり自分の各ページにリンクを張っているページを全部(かどうか知りませんが)調べて表示してくれる。「こんなところからリンクの連絡があったかな...」なんてのが結構ある。

 彼の説明によれば、ここに渡り検索の欄にたとえばですよ「link:www2.gol.com/users/ycaster/」と打つのです。そうすると、この私のページにリンクを張っているページが示される。ページの相互リンクを感知するようで、それも入れて小生の場合は昨日やったら213と出た。でも、結構毎回数字が違うのは、どうしてか。それにしても、コンピューター網というのは、いろいろなことが出来るモノですな。ホームページのない人も、知り合いのページに対して張られているリンクの数を知ることができる。
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 それからこれは本当に興味のある方だけに読んでいただければ良いのですが、引き続き音のテストをしていて、暇を見つけて数日前にこのコーナーで紹介した SoundVQの実地調査(^o^)をしました。この音楽ファイルのサイトはhttp://www.yamaha.co.jp/xg/SoundVQ/index.htmlにあるのですが、実際にやってみて音楽を出すには結構精度の高いソフトであることが確認できました。しかし、wav fileなどから見た場合のファイルの小さくなり具合はやはり RealAudio の方が上です。RAがモノであるのに対して、VQファイルはステレオですから当然と言えば当然。使用目的をどこに置くかです。SoundVQは、ダウンロード・サイトから少なくとも player をダウンロードしなければ、聞けません。  

  1. 最初にサウンドvqの音をお聞き下さい
  2. 続いて、リアル・オーディオの音をお聞き下さい
 明らかに、前者の方が音が良い。ファイルも大きいのですが。まあ、このファイルを使うにはRA player並にダウンロードする人が増えないとだめでしょうな。しかし、ツールが増えるのは歓迎です。ところでもう一つ言うのを忘れていましたが、このSoundVQ ファイルは explorer4.0上ではそのまま開けましたが、navigator3.0ではそのままでは開けずに、「ファイルが壊れた」と出てくる。ですから、聞ける人は非常に制約されます。聞けなくても、気を落とされずに。

97年10月10日

 そうか、今日は ten ten か。ニューヨークにいたとき、WINS というニュース専門のラジオ局があって、それが宣伝に「ten ten wins」(1010=周波数、WINS=ダブリュ・アイ・エヌ・エスと発音)と宣伝していたのを思い出しまして。今年はゾロメにいろいろ用事があって、「eleven eleven」(11月11日)は京都に出張なんです。結構大きな、重要な会合で。twelve twelve は誰かが、「私の誕生日」とか言っていたな。うーん、忘れちゃお。

 「ten ten」で思い出しました。

To be to be ten made to be.
 さてなんと翻訳するでしょうか。まあ、知ってますわな、皆さん。答えは後日。では、次の問題。
The sky doesn't open.
 ついでに
On Sunday,today is not Monday.
 休みなんで、頭が休日モードですから。さあ、なんと訳すでしょうか。「The sky...」はこの diary のコーナーで取り上げたことがあったと思いました。うーん、じらしてもしょうがない。一つ一つ答えてきましょう。

 「飛べ飛べ、天まで飛べ」
 「そりゃ、あかんわ !!」
 「駿台では、東大は問題ではない」

 木曜日の夜に一つ会合があったのです。結構な方々が集まる。紀尾井町の静かな場所で。でも何をしていたかというと、かなりの部分は駄洒落比べ。笑い転げましたね。いくつかに。まだありましたが、忘れました。おっと、問題を出した人が答えを忘れたままになっていたのがあったな。ですから、以下は小生も答えを知りません。

For all that has been, thanks

To all that shall come,yes !!

 Dag Hammarskjold

 また思い出したときに。
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 大好きなペンをもらっちゃいました。そのペンには以下のように刻印されている。
 TM/F
  105
 Y.Itoh
 緑のボールペンに黄色い、というか金色の字で。「さて、何でしょう....」といっても分かりませんよね。TM/F は「東京マーケット・フォーカス」の略。この番組二年間続きましたが、最初の一年は私の担当。それ以降は、三原さん、広瀬氏となって、104回を最後に9月の末に終了。「なかった105回からいつかやりたい」という意味で、「105」と刻印したのでしょう。金曜日の午後に、ディレクターだった広瀬氏がもってきてくれた。私は何よりもペンが好きですねん。これはちょっと嬉しかった。

97年10月09日

 韓国の大宇証券の孫企画部長とのメール交信が著しく増加している。韓国への出張の期日が接近してきて、そこへの資料送付に関連したやりとりが増加しているため。最初はファックスで資料を送ろうと思いました。しかし、活字が劣化したりして問題がある。韓国での講演は通訳付きですから時間が倍かかる。資料を充実させておいて手際よくやらねばならない。そのためには資料が重要ですが、これが劣化しているのでは印象が悪い。結局添付メールで資料を送ることにしました。doc なり exl のファイルを添付し、それを向こうで起こしてもらうのです。

 「お国違えば....」と思ったのは、日本で日本語で作ったファイルは、そのままでは韓国のコンピューターでは起こせない。なぜなら、日本語機能が付いていないからです。ですから、孫さんは部下に命じて私どもが送ったファイルを一度 FD に落とし、それを日本語対応できている日本デスクに持っていってプリントしなければならない。ちょっとややこしい。ブラウザもそうです。私のホームページは、韓国の大部分の人は見れない。日本語対応していないからです。英語の部分は見える。まあ、パソコンを持っていきますから、power pointを持っていって、それでプレゼンしてもいいんですが。

 同じようなこと(つまり、言葉の問題)は日本でも起きている。例えば、Morgan Stanleyの日本のオフィスにメールを送ることはできても、彼らのシステムは日本語対応していないので、化ける。どうするかというと、ローマ字で書くか、英語で書くことになる。ややこしい。しかし彼らが使っているブラウザは日本語の表示はできるようです。24日に行きますから、その一週間前には資料を送付してしまおうと思ってます。今孫さんに調べてもらっているのは、私のnews and analysisのページにあるpdfが韓国で普通に使われているブラウザで見られるかどうか。表示はできても、プリンターがフォントをもっているかどうかなど、いろいろ問題がある。
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 番組に出てもらった関係で「スピードの経済」をお送りしたら、原田 和明さんから丁寧なはがきをいただきました。7月下旬に「ニューエコノミー論」を課題にウォール街を訪問されたのだそうです。そして、私が今の時代に抱いているのと同じような印象をもたれたとのこと。「じっくり拝読、お礼が遅れたので」”ぜいたく”な返信としました、とある。「ぜいたく」という部分は、たぶん私が本の中で「郵便」は人が集め、物理的に輸送し、そして人が配るという意味で、電子メールに比べると「非常にぜいたくだ」と書いたことを引用されたのだと思います。

 たぶん原田さんのことですから、もう今頃は新しい著作を用意されているのでしょう。どんな本になるか楽しみです。
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 グリーンスパンの警告に呼応するかのようにドイツが利上げをし、それにフランスが追随した。さっき見たウォール・ストリート・ジャーナルの記事によれば、利上げの理由は輸入物価、生産者・消費者物価の上昇にあるらしい。ブンデスは特に、

"the development of the exchange rate against the U.S. dollar and increases in administrative prices have strongly contributed to this."
 という二つの要因を挙げている。ブンデスは、「単位労働コストがこれまでのところ低下し、輸入・管理コストの上昇力に対する抑制要因となってきているので物価の動きをことさら騒ぎ立てることはない」としながらも、「物価の安定に対するリスクは増大した。それを敏速に回避する措置は、今後の成長過程をより安定したものにし、欧州の経済・通貨統合に至る準備期間でのインフレ圧力累積を防止することになる」と解説している。

 私の今までの予想は、実際のインフレ圧力はなく、経済も基調としては弱く、またフランスなどとの対外関係などから、利上げは無理ではないかというものだった。しかし、今回ブンデスのレポ・レートの3.0%から3.30%への利上げに、フランスも金融市場介入金利を3.10%から3.30%に引き上げていることから、何らかの独仏の事前調整があったのでしょう。ブンデスは、公定歩合とロンバード・レートは動かしていません。アメリカと欧州でインフレの可能性や金利措置で今までとは違う流れが出てきたことは、新たな情勢分析を必要とするでしょう。しかし、筆者は基調的な世界経済のインフレ圧力はまだ高くはないと考えます。

97年10月08日

 8日のグリーンスパン発言で、ニューヨークの金融市場は株安、債券安、ドル安に動いたようです。FRB議長の発言は、ここにあって、誰でも読めますからそれをお読みになれば良いと思います。まだ私もよく読んでないので、詳しい分析は後日にしますがそれに関する各種の記事などにさっと目を通しただけだと、労働需給の逼迫に懸念を表明し、技術革新が労働需給を緩和できる限度を指摘したもののようです。

 この種の彼の発言は今までの証言や講演の中にも出てきたもので、それ自体はそれほど珍しいモノではない。しかし、それは全体の流れの中で中央銀行総裁としての prudent なスタンスとして何事も過度に期待するのは良くない、という印象がするものだった。今回の発言がハンフリー・ホーキンス法に基づく夏の発言の時よりも、話題が労働市場に集まっているとすれば、どうしても先行きに警告的な発言になるだろうと思います。すべての講演で、あらゆる問題を均等に触れることは出来ない。だから、証言、講演によって重点の置き方が違ってくる。グリーンスパンが頭の中で考えている全体的な構図が変わらなくても、読むサイドの感じ方、ポイントの置き方が変わってくることもある。今回の証言の頭の方には、

  1. The long-term outlook for the American economy presents us with, perhaps, even greater uncertainties.
  2. More relevant, by far, however, is that technology and management changes have had only a limited effect on the ability of labor supply to respond to changes in demand.
  3. While these techniques put the right workers at the right spots to reduce bottlenecks, they do not increase the aggregate supply of labor.
 という発言が出てきていて、当然これだと株は売られ、債券利回りは上昇するだろうと予想できる。市場の反応はその通りになっている。

 これは吉冨さんが指摘されていたことだと思いますが、今のアメリカは「金融政策がうまくいけば行くほど、市場が経済の先行きに楽観的になって、資産価格を押し上げていくというジレンマにある」という環境です。そしてそれはグリーンスパン議長もむろん気が付いているでしょう。今回の発言の真意はそんなところにあるのかもしれないと思いますが、まあ全文を詳しく読んでからです。多分彼は、この証言を考えるに当たって市場の反応を十分予測しながら書いている。だとしたら、それは明らかに市場に対する彼のメッセージの筈ですから。
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 昨日はホテル・オークラの近くの住友会館で一つ講演、それが終わって歩いて5分の自転車会館内ラジオ短波で収録、そのあとホテルで待ち合わせというあそこら辺をうろうろする午後3時以降の日程だったのですが、一つ面白い店を発見しました。ホテル・オークラから歩いて直ぐにある(共同通信のビルの方向から歩いてホテルを過ぎて2分くらいの右側)「AXEL」(5474-2879)。まるで、本当に都心の山小屋という印象のする店で、つい講演会場まで早く着きすぎた20分くらいの時間を利用して入ってしまいました。アクセルインターナショナルエージェンシーというモデル・エージェンシーがやっている店らしいのですが、まああの辺では異色の店でしょうね。一瞬、「霧ヶ峰かなにかの山小屋」を思い出しました。

 店は小さいのですが、テーブルも何もかも不揃い。整然としたところがない。経営者が意図をもって作ったことが分かる。いっぱいのコーヒーを飲んだだけですが(結構高かった)、「面白い」と思いました。近くを通りかかったら寄られると良いと思います。「店は11時まで」ながら、「お客がいればもっと」やっているそうです。そうそう、講演で思い出しましたが、講演を受けられる方にお年寄りが多い場合には、コンピューターの画面を見せると「小さくて見えない」とおっしゃる。そういう時には、「音声」は非常に有効なプレゼンテーション手段になりますね。音は少し大きくすれば会場の隅々まで届く。昨日は「プレゼンにおける音の効果」に気が付きました。

 そうそう、ホテル・オークラのロビーではつい最近まで私の下で働いていた上島君とその奥さんに会いました。今はお父さんの会社を手伝っている。10分くらい話をしましたが、近くニューヨークに2年ほど行くらしい。ペーンと聞きましたが、証券会社に2年くらい勉強に。夫婦二人のニューヨークっていうのは、最高なんですよね。羨ましい。
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 所用があって知り合いの衆議院議員の議員会館の部屋に行ったついでに、今月初めから稼働したという院内LANの入り口のところをちらっと見せてもらいました。マシーンは、確か日本電気のラップトップでした。しかしかなり堅牢なもので、持ち運べるようなシロモノではない。OS は WINDOWS95。それよりもなによりも驚いたのは、そのアクセス・スピードと一度アクセスしたら繋ぎっぱなしという環境です。印象としては、128くらいのアクセス速度がある。

 院内lanの名称は、「衆議院立法ネットワークシステム」で、主な画面構成は、左側に「会議録議事情報」「議案審議経過情報」「立法調査情報」などが並んでいるイントラネット部分(従って外部のコンピューターでは見えません)、そして左側に衆議院のホームページ、政党ホームーページ、官公庁ホームページ列国議会同盟ホームページ(世界の議会)などが並ぶインターネット部分で成り立っている。どこの会社でもあるように、「ヘルプデスク」というのが出来ていて、そこでいかなる問い合わせも出来るようになっている。

 それにしても何時行っても思うのは、議員会館の各議員の部屋の狭さです。入り口の部屋と奥の部屋と二つしかない。入り口の部屋には秘書連中がいるのですが、3人くらいが机を並べ、コピー機を置くともう狭い。その奥は応接と議員の机があるのですが、ここも狭い。「これでは、国家のグランドデザインは立てられないと思います。物理的な問題ですが、議員の数を減らして議員それぞれが持つ部屋面積を増やせば良いと思う。議員会館の入り口で「部屋一覧」というのを見ていたら、知らない議員がいっぱい居る。国会議員でも、マスコミに取り上げられる人はごく一部であることが分かる。国政に携わらずに、地方政治の代表をしている人は、この際地方に帰っていただければ良いと思う。日本もイギリスに習ったのか、いくつかの政党には「影の内閣」ならぬ、「明日の内閣」なるものが出来ていて、「表の内閣」の大臣ばかりでなく「明日の内閣」の大臣がいる。まあこれは責任感を持つ上で非常に良いことだと思います。議員会館の中でも、「景気は大丈夫か」という声が高まっているように見えた。
 

97年10月07日

 久しぶりに見ましたね。「Goldilocks Economy」という言葉を。今日のウォール・ストリート・ジャーナルの記事の中で。「Goldilocks」という言葉には思い出がある。何かの文章を翻訳していたときでした。文中に「Goldilocks Economy」という言葉が出てきた。前後関係から、「理想的な、つまり強過ぎもせず、弱過ぎもせずインフレが起きない経済」という状態を指すのは分かった。しかし、なぜ「Goldilocks」という単語がそういう意味になるのか分からない。辞書を引くと「金髪の人(娘)」という解説。でも、これでも分からない。

 こういうときは、聞くに限る。私もアメリカにいましたが、随分前だったのでその当時は帰ってきたばかりのT君に聞いた。そしたら、彼は知っていましたね。就学前の娘の絵本「Goldilocks and three bears」に出てくると言うのです。これは、アメリカで子供を育てると自然と知ることになるらしい。各国の言葉が難しいのは、こういう所なんですね。つまり、その国の人は誰でも知っている。しかし、辞書には出ていなくて他の国の人には分からない...という。例えば、テレビのコマーシャルなど、その国の人は誰でも知っているが、他の国の人が知るには時間がかかる。これは翻訳がしばしば不能です。

 その時(4年ほど前)はインターネットはなかった。今回は、ヤフーで検索してみました。「Goldilocks」と。すると、一発で出てきましたね。このサイトはどうやら、幼児用の教材のサイトらしい。この絵にもある通り、この童話に出てくる少女は金髪なのです。うろ覚えですが、この童話は「過度に振れないことの美徳」をうたっているらしい。ですから今アメリカ経済に対して「Goldilocks Economy」という単語を使うと言うことは、「アメリカ経済が強過ぎもせず、弱過ぎもせず、インフレも起きそうもない環境になってきた」ということです。ウォール・ストリート・ジャーナルと契約している人は、ここで読むことが可能です。

 もっともアメリカ経済が今既に「Goldilocks Economy」状態になっているのか、さらにこの状態を続けられるかどうかは不明ですし、この記事が扱っている米債の行方が常に安泰であるわけではありません。月曜日のnews and analysisにも書いたとおり、高値では利食いが出る。金曜日の場合は、ヘッジファンド、海外中央銀行などが利食いの売りを出していたという。しかし、アメリカ経済が従来の強すぎる状態から落ちてくれば、年内に一時的に米長期債利回りが6%を割ることもあると考えます。しかし、それが持続的になるには「利下げ」が見えてこないと無理です。それには時間がかかる。金曜日の雇用統計やその前の NAPM 統計を見ると、米経済の過熱状態は徐々に収まりつつあるように見える。それにしても、「Goldilocks」は覚えておいて損しない単語です。
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 アメリカ経済が「Goldilocks」状態にあるのに対して、日本経済は苦境を深めているようです。昨日会ったある経済界の人は、具体的に

  1. いよいよ県など地方公共団体の財政事情が悪化してきた
  2. これにより、地方公共団体ベースの工事などが激減しており、中国地方のある県では向こう4年間箱モノ(建物)は一切建てないことにした
  3. 従って、建設業界の苦境はこれからさらに深刻になる
  4. 大店法の影響などで離職した人達の受け皿は今までは建設業界だったが、この業界の不況が深まるにつれて失業問題の顕在化してくる可能性がある
 などと述べていました。政府与党が急遽の景気対策の可能性を示唆し始めたのはこういう状況があるのだと思います。月曜日のメモでリチャード・クーが、お盆で選挙区に帰った議員達が地元で受けた印象が政治の行方を変えている可能性があると指摘してますが、そういうことはあるでしょう。悲観論は何も生みませんし、健全なところは日本経済にまだいっぱいある。しかし、高齢化・少子化の中で将来活力がなくなることが見えている日本経済をどう活力溢れるものにできるかの議論が必要な時なのに、構想力に欠け、過去の発想から脱せられず、数字をいじくりまわす議論になっているのは非常に残念です。まあ、この問題はまたしかるべきところで展開しようと思っていますが。

97年10月06日

 20年もたてば、人間の声も変わるものだということがよく分かりました。夕方、ある会合の前にレコード屋(CD屋)の前を通ったら、エルトン・ジョンの例のリリースが並んでいた。一つは買おうと思っていたので、1400円くらいで買ったのです。そして、それを会合が終わった後、家に帰ってから聞いてみた。1974年の「CANDLE IN THE WIND」と何気なしに比べてみたのです。そしたら、声の印象がまったく違う。うまくは言えないのですが、昔の澄んだ印象がまったくない。まあ、感情を込めて歌っているのでしょうが、私は昔の声の方が好きです。

 今回の緊急リリース・アルバムは、ブルー地に白いバラが一輪というデザイン。録音も、簡素にやっているのが分かる。中には3曲しか入っていない。

  1. 「Something About The Way You Look Tonight」
  2. 「Candle In The Wind 1997」
  3. 「In Loving Memory Of Diana, Princess Of Wales」
 の三曲。つまり「Candle In The Wind」は、年号を付けることによってオリジナルと区別されている。一つ気が付いたのは、レコードに印刷されている歌詞には、一カ所綴りの間違いがある。まあ、急いでリリースしたのでしょう。

 でもこの「CANDLE IN THE WIND」が今年9月に急に脚光を浴びたことについては、「マリリン・モンローの実名がノーマ・ジーンっていうこと自体知りませんでした」といった話を、あちこちで聞きました。まあ、そうなんでしょうね。20年前は常識だったのですが、今はマリリンの名前だけが通っている。「ノーマ・ジーンって誰だ」と。でも、ノーマはどうしてあんなに人々の記憶に残る人間だったんでしょうね。不幸な生い立ちで、それを克服して有名になったから(?_?)。ケネディ家の連中とつきあったから(?_?)。一つのシンボルだったから。まだまだ彼女の本は出そうですね。
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 ところで筆者は CD の音を普通は自分の部屋で自由に扱える MD に落として聞いていて、その音の劣化の少なさにはいつも舌を巻いているのですが、先日「音声ストリーミングの情報」ということで、魚住 さんからコンピューター用の新しい音の情報をいただきました。それは、「SoundVQ」という新しい音のファイル(ヤマハが中心に作ったらしい)に関するものです。ソフトのリリースは8月27日になっている。

 この新しいファイルに関する情報は、http://www.yamaha.co.jp/xg/SoundVQ/index.htmlに置いてあるのですが、REAL AUDIO と同じようにこのファイルを演奏するには PLAYER が、そしてこの音を作るには ENCODER が必要で、ダウンロード・サイトに行くと、この二つがそろっている。音を作って聞こうという人は両方、聞くだけで良いという人はPLAYERだけをダウンロードします。

 実は私は早速、この両方をダウンロードしてこのファイル形式で音を作り聞いてみました。RAの時と同じく私の機械はwindowsですからsound recorderから wav file を作り、それをencoder で soundVQ fileに転換したのですが、一つ面白いと思ったのはwav fileを8ビットで作ったら、

「soundVQは16ビットで最高の音質を作れるように設計されています。soundVQの評価は16ビットでお下しください」
という警告が出たこと。仕方がないので、録音をやり直して新しい16ビットののファイルに作り直しました。その結果はというと、実に綺麗に聞けました。ファイルとしても1/20と宣伝していますが、確かに軽くなる。

 サイトの中に既に録音されたデモ音があるのでそれを聞いてもいいのですが、なかなかスグレモノのように見える。今ダウンロードできるソフトは12月31日までの使用期間のものですが、もうちょっと時間をかけて試しても面白い。

 ただしREAL AUDIO と同様、音を聞くサイドが soundVQ の player をダウンしてもっていてくれていないとだめです。(ファイルは一つ作りましたが、それをプロバイダーに送って再生するのには失敗しましたので後日)それから、STREAMINGなどがサーバーがなしでできるという利点があるらしい。今週末の3連休の時間の一部を使ってちょっと実験してみます。魚住さん、MANY TKS。

97年10月05日

 ブラウザとしてよりも、デスクトップの使い勝手向上など(クリック回数の削減など)が魅力のインターネット・エクスプローラー4.0ですが、私にとっての一番の問題点はPDF(portable document format)との相性の悪さでした。今までだと、コンピューターに acrobat reader さえソフトとして入っていれば、リンク先のPDFファイルはクリックさえすれば多くの場合自動的に関連づけされて、PDFファイルを開いてくれた。しかし、インターネット・エクスプローラーの4.0はベータ版の時からそれが無理で、10月1日からダウンロードが開始された正式版でも対応していない。

 news and analysisに作成しやすさの観点からPDF ファイルを採用している小生としては、これは大きな問題だったのです。しかし、従来の簡便さから一歩後退するものの、これからエクスプローラーの4.0を使うことが増えるであろう読者のために、良い方法を見つけました。右クリックの利用です。

 どうするかというと、当該リンクの上で右クリックをして、

  1. インターネット・エクスプローラーでは「対象をファイルに保存」
  2. ネットスケープ・ナビゲーターでは「リンクを名前を付けて保存」
 を選び、ファイルを例えばデスクトップに保存するのです。一端。そこでブラウザを「最小化」すると、PDF ファイルがデスクトップ上にできているのが分かります。それを acrobat reader で開くのですが、その中でも一番良いのは acrobat reader のショートカット・アイコンをデスクトップに出しておいて、デスクトップに置いた PDF ファイルをそのショートカット・アイコンに乗せるのです。そうすると、自然と文書が展開する。(その後、さらに簡単なのはデスクトップに置いたファイルをクリックすること、と木村さんからtipsの提供がありました) まあ一つ手順が増えちゃいましたが、PDF ファイルだけを残しておきたいというようなケースもありますから、その時にはこの手順を踏んだ方が後の作業は楽になります。無論この方法は、他の証券会社や銀行のPDFファイルの開き方にも当てはまります。

 news and analysis をPDF ファイルにしたことについては、まだ他にも問題があります。それは、windows の3.1に対応した acrobat reader がないという点ですが、既に個人では 3.1 を使っている人は少ないと思慮します。企業では、まだ使っている。しかし、企業には、別途ファックスでほど同一の文章を送っていますから会社で 3.1 OS で見ている人には、そのファックスで見ていただきたいと思います。「対象をファイルに保存」「リンクを名前を付けて保存」以外の右クリック機能(例えば「対象を印刷」)なども試してみましたが、ダメでした。ですから、やはり一端保存→acrobat readerで起こすということをして頂きたいと思います。
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 会社のシステムですべての管理者がスケジュールを MICROSOFT SCHEDULE に公開するように求められている(会議の設定なので必要なのです)ことから、スケジュールをこのマイクロソフトのオフィス・グループのソフトに入れるようにしているのですが、それをしていて「こりゃあ、家でも見れたら便利だ」と思いました。つまり、会社で公表しているSCHEDULEのデータを会社と家で共有化するのです。しかし会社のシステムからデータの形で送ることは少なくとも今は出来ない。

 そこで何を考えたかというと、SCHEDULEにある「エクスポート」「インポート」機能です。SHCEDULEのデータを「エクスポート」してFDに移し、そのデータを家のコンピューターにアップして使う方法です。日曜日にその一週間の予定を確認するなどで、結構使える。OFFICE95までだったら、データは完全に共有化できる。問題は、OFFICE97で既にOUTLOOKになっているケース。しかし、私はこれもやってみましたが、データの共有化は出来ました。それほど難しくない。まあ、必要のある人だけですから他の人は「へええ」「そんなことも出来るのか」というだけで結構ですが。
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 サッカーの加茂監督が更迭されましたね。まあ、当然でしょう。試合の最後の方でも別段新たな指示は出なかったという。2回も同じ事を繰り返したら、やはり将の器を問われておかしくない。気分転換にも良い。加茂監督には、またのチャンスもあるでしょう。とっとと代える。しかし再度のチャンスは与える、というのが正しい姿勢のように思いますから、今回の監督交代は良かったと思う。選手も荷物を背負わず、ただ勝負に集中して戦って欲しいものです。

97年10月04日

 なんだかがっかりしちゃいましたね。別にサッカーの特別なファンでもないし、J リーグにひいきチームがあるわけでもないのですが、昨日ゴルフから帰って後半の22分過ぎからテレビを見ていて、もう見始めたその時から嫌な予感。日本の選手の運動量が明らかに落ちてきていて、相手選手の動きだけが目立つ。確か、2回は決定的なシュート・チャンスがあったのに、それを逃し、おまけにロス・タイムの中のあと1分踏ん張れば勝てるという時の失点。

 スポーツでいつも一番大事なのは、引け際の5分、10分です。勝負が確定する。どんな試合でも、参加チームや個人の力が拮抗していればいるほど、その試合のすべての面白みは最後に凝縮する。凝縮するから、みんな目が離せなくて最後まで見る。そしてそこには感動がある。今年のセ・リーグのように最初から優劣があまりにもはっきりしてしまったら、記憶に残るシーズンでも何でもなくなってしまう。マラソンでも何でも、スポーツでは最後が一番肝心だと思うわけです。

 日本のサッカーはその一番大事な引け際に弱い。国民の感動したい気持ちを、裏切る。ドーハもそうですし、今年の韓国戦もそう。全体的な印象を言うと、まず日本の選手は小さい。これは韓国戦の時も感じました。実際背丈だけで随分と小さかったらしい。昨日の試合(5日の朝書いてます)でも、相手チームには随分と大きな選手がいた。次に見て感じる印象が、ひ弱であること。どこか借りてきた猫のような。そして私が見た部分の最後の20分ほどの印象を言うと、選手の一つ一つの行動にあまりインテリジェンスを感じなかったこと。例えば、ボールのクリアでも目的意識のはっきりしないものが多かったし、ただ逃げいていたという印象が強かった。あれでは例え勝てても、「そうはいっても良かった」といったコメントしか出てこなかったでしょう。

 ワールド・カップはもうすぐ。数年なんてすぐ時間がたってしまう。日韓で共同開催するという。そのころには、今活躍している選手の大半はもう試合にはでないでしょう。だから、「次の世代の育成」「次の世代の選手が勝手に育ってくる環境作り」が必要になる。もう全くの私の印象論を言えば、

  1. とにかく、体が大きくて運動量の落ちない選手を選ぶ(小、中、高のレベルからです)
  2. その上で、サッカーの理論から一つ一つの行動の目的まで理論面を教える。そしてそれを理解できる選手を選ぶ
  3. 国際試合で勝つことのメリットを与える
 どのスポーツでも、日本はそれ自体として大きな市場です。だから「国内だけで通用する選手」というのがいる。その一方で、国際舞台に出すとその方が活躍する選手もいる。例えば、ジュビロの中山なんてのはテレビで見るだけですが、大きいし、ものおじしないし、話言葉を聞いていても頭の回転は速いし、ああいうのが国際的に活躍しそうな選手に思える。たとえ技術があっても、ひ弱な選手は避けるべきです。日本のチームには結構そういう選手が残っている印象がある。国際試合で通用するという前提で選手は選んでいるはずですが。

 発足からまずは「産業」としては順調に伸びてきたJ ですが、今ちょっと曲がり角に来ているのではないでしょうか。国際試合で国民に感動を与えた回数よりも、失望を与えた回数の方がはるかに多くなってしまった。麻雀でもそうですが、負けていた試合をタイにしたら、それは勝ちと同じです。昨日の試合もまったくそう。カザフスタンのチームは引き分けになっただけなのに、まるで勝ったように振る舞ったし、テレビも日本のチームを追いませんでした。聞くところによれば、カザフスタンはベスト・メンバーでもなかったらしい。ベストの日本と引き分けなら、「勝ち」と同じです。最後加茂監督の横顔と、メンバーのスタジアムからの退場の時の後ろ姿だけ。あまりにも寂しい。

 一時小学校の人気スポーツといえばサッカーに決まっていた。野球の方は、やっと上級生(5、6年生)と下級生(4年以下)でチームを作れるくらいだった。しかし、先々週だか息子が通ってお世話になった小学校に行ったらやけに野球チームの人数が多くなっていた。子供は敏感ですな。ワールド・カップを目前に控えたこの時期に人気が凋落するのは残念かもしれませんが、今日本チームが戦っている目的は「ワールド・カップに行く」ということですから、それが slim chance になったらこれはやはり「もう一度考え直す」というのが正解ではないでしょうか。ワールド・カップは開催したが、主催国のチームが一試合も勝てなかったなんてのは、ちょっと経験したくない。

97年10月03日

 住生総研の林君がメールをくれて、「本を上梓しました」と。田中泰輔君との共著だという。この二人は以前からそれぞれ本を出していたものの、共著は初めてではないだろうか。三人でたまにメシを食べていたので、この二人のことは結構知っている。題名は、「はじめてのテクニカル分析」というらしい。ただし出版社はメールに書いてなかったので、正直知りません。今までの本の傾向だと、田中君が市場に対して心理学的な、また資金の流れの分析から入るのに対して、林君はガン理論から入る傾向があり、その二人がどのような分析の共著本を出したのかは、結構興味深い。私のところの若手にも読ませるつもりですが、多分面白いでしょう。

 林君は、私のfriendsのコーナーに登場する河野君といまクルーグマンの翻訳をしている。こっちは何時出るか知らないが、これも結構楽しみですな。クルーグマンの歯切れの良い英語、たとえの多い英語をどのような日本語に出来るかがポイントだと思います。
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 久しぶりにリンクのページを充実させ、いくつかのアドをした。まず、山形 亜裕ちゃんの右側にインターネット・ラジオ WAYUを入れ、ここからいつでもWAYUに飛べるようにした。ところで皆さんお分かりですよね。W は WAVE のそれ、AYU はむろん ayuko の最初の三文字から来ています。アメリカのラジオはWCBSとか、最初に W が付く。だから「WAYU」はなかなか彼女として考えた名前だと思います。

 それから、西村君の新HPを登録した。彼の自己紹介のところにもありますが、初期の段階で私が頼りにした一人です。彼には家にまで来てもらって、ISDN のセッティングをしてもらった。その西村君が主唱するユースネット21というのを入れた。アクセス件数は少ないものの、大阪では読売新聞が取材に来たそうだ。あと、先日麻雀を一緒にやった二人を入れた。債券ディーリングルームと、Aki's Homepage。前者が久保田氏の、後者が矢島氏のホームページ。そのほか、気が付いたらページを増やしていますから、時々覗いていただきた。
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 当社の全社LANが完成しつつあるとあちこちに書いたら、知り合いの代議士の秘書から

 実は、衆議院にもLANが走る時代になったのですぅ。。
10月1日からなのですが、、パソコンが代議士の机の上にあるのでまだ
あまり長い時間使ってないのですが、、
インターネットにつなぐと、、やっぱりスピード速くて気持ちいいですよ。
サクサクと次にいける。

ちなみに代議士の衆議院のメールアドレスは......

 ということで、インターネットにつながるLANが衆議院にもできたのですね。ニュースになってましたっけ。もうニュースでもないかもしれない。ネットそのものは、あちこちにできている。問題は、どう使うかですから。メールといえば、ニューヨークに赴任した南波からメールが来て、近況報告をしてくれた。何でも、ニューヨークの真ん中は何時になって歩いても危なくないという街になりつつあるそうだ。彼はフィラデルフィアで留学時代を過ごしていますから、昔のニューヨークも知っている。だからその違いが分かるはずです。ニューヨークの印象は着実に変わりつつある。
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 夕方スミス・バーニーの知り合いが来て、ソロモンとの合併はすでに着実に進み、東京支店の陣容も決まったという。そして、ついこの前合併を発表したばかりなのに、12月には既に一体になるという。早い。でも、だいぶスミスの側から血が流れそうですな。

97年10月02日

 ははは、笑っちゃいましたね。ニューヨーク・タイムズの記事(おっと、契約してない人は読めません)を読んでいたら、ニューヨークのタクシーには乗るときに10秒の、降りるときに10秒のcelebrities(有名人)の声が出るようになったそうです。長い記事でそうなった経緯が書いてあるのですが、簡単に読んだところ今年の初めにオペラ歌手のプラシド・ドミンゴが鞄をニューヨークのタクシーの中に忘れたことがあったらしいのです。ニューヨークも安全になったものですが、そのタクシーの運転手はその鞄を当局に届け、夕方までには本人に届いた、という事件があった。

 そこで市の当局は考えたというのです。こうしたことを防ぐにはドミンゴのような有名人の音声を録音しておいて、それをニューヨークのタクシーの中で放送しよう....と。そこで、乗ったときには「シートベルトを締めなさい」、降りたときには「忘れ物がないように」という声をコンピューター・チップに録音して、それを放送することにしたと。ごく軽い機器をハンドルの下の方につけて、それを後部座席のスピーカーにつないだ。この記事には realaudioの音声が掲載されているのですが、全部で声を提供している有名人は7人で、当然ドミンゴは入っている。著作権が設定されていますからお聴かせはできないのですが、なかなか面白い。有名人の声を聞いて、女性はシートベルトをする人が多くなったとこの記事には書いてある。ウーン、「木村拓哉です。タクシーに乗ったときは、シートベルトを締めましょう...」なんて音声が流れてきたら、確かにオバさんたちはシートベルトをするかもしれない。男だったら、「うるせー」ってなもんですな。ニューヨーク・タイムズの記事にもこう出ている。quote

  "Especially ladies are buckling up more," he's heard. "I don't know why ladies and not men, I guess because women are more family people and men don't care-they don't think they're going to die."
 まあ日本でもそうでしょうね。男が特に楽観的だということでもないでしょうが。すぐ降りるのにやっとられるか、という印象は私にもある。しかし、忘れ物については何回も痛い目にあってますから、別に放送がなくても必ず振り返ります。
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 今日非常に驚いたのは、何千台ものコンピューターを下にぶら下げているネットワークが持つ迫力。私が勤めている会社はビル単位のLANから、全社LANに切り替わっていく最中にあるのですが、やはり MICROSOFT SCHEDULE の持つ威力には強い興味を持ちましたね。アクセス権を拒否しなければ、ネットワークにつながっている何千人という人間のスケジュールが全部見れる。何時何分にどういう予定が入っているか。ですから、会議の設定などはこれで一発でできます。まだ SCHEDULE を設定し終えている人間が少ないので、近くの比較的設定の進んだ人間と何に使えるかを試しては遊んでいるのですが、これが全社的に使われだした時の効果はやはりあるだろうと思いました。まあ結局問題は、どの程度の人間が積極的に使う意志を持って取り組むかでしょうね。

 あと面白いと思ったのは、ネットワークにつながっているコンピューターならどこからでも自分の EXCHANGEを開いてメールやパブリック・フォルダを見れるのですが、面白いことにカーソルの形状までひきづっていてくれる。つまり、自分用に選んだカーソルの形状まで行くところ行くところに運んでくれることです。ということは、他のいろいろな設定も同じでしょう。つまり、いつでも「自分が慣れ親しんだコンピューター」としてどこからでもネットワークにアクセスできる、ということです。
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 夕方からは日銀を退職して長崎県知事選挙への出馬を発表した田邊氏が昼頃電話してきて「実は、今日の夜は空いているが....」というので、たまたま元から予定していた会合の規模を急遽3倍くらいにexpandして、「茶楼」で「田邊氏の決意を聞く会」を開きました。急だったので、内田、内藤、加島各位のように遅れてきたヒトもいたし、リチャード・クーさんのように一つ会合を片づけてきた人もいたものの、気が付いたら総勢11人になっていた。集まったのはほぼ全員田邊氏とは何らかの関係がある人。まあ、この時期にこういう会合を開けたのは良かったのではと思います。

 話を聞いていて、縁の妙、人の決意の不思議、そして最後は楽観的な気持ちの重要性を改めて考えました。決意に至る経緯は、結構凄まじいモノがある。わずか数日です。無論それに至る経緯はありますし、支持母体もありますが。「長崎をアジアの玄関に....」という明確なビジョンも持っている。自由民主党の公認をとれなかったことからまだ一般的には「弱体」と見られているようですが、なかなかどうして面白くなりそうです。

97年10月01日

  (^_^)(^_^)

 やりやしたね、亜裕ちゃん。予定通りの、インターネット放送局、WAYUの開局。もちろん、大規模でもリアルタイムでもないですよ。でも、決めてちゃんと実行したのが偉いね。いろいろ間際まで大変だったようだけど。(^_^)(^_^) とりあえずは、 \(~o~)/ということですか。

 おや、その放送局はどこにあるんだとおっしゃる方。←の大きな絵の上でクリックしてください。放送局に一直線で行けます。参考までにURLを言うと、http://www.ayuko.com/WAYUtop.htmlです。一週間に一度の更新ということですが、内容も徐々に充実していくのではないでしょうか。楽しいレポートを期待したいと思います。私も週に一本くらいは、この ycaster のサイトに載せていない種類のファイル(文章や音や絵)を提供していきたいと思ってます。
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 今日はちょっと力仕事。ATOK10のユーザー辞書をMS-IMEにマージする作業。文章を作る上で、辞書は重要です。今度会社が使い始めたマシンの辞書は、MS-IME。しかし、小生が使っている辞書は一貫してATOK。積み上げたユーザー辞書が新しいマシーンで使えないのはいかんとももったいない。そこで、ATOK辞書から「一覧出力」して、それを品詞分類を変えた上で MS-IME の property から「辞書」→「辞書の一括登録」を選んで、テキスト形式にATOKを選んで実行。いくつか行かない単語(例えばURL)がありましたが、まあこれは我慢ですな。かなりの部分が行っただけでよしとしないといけない。

 今日は軽めに。昨日麻雀でちょっと夜更かしをしまして。いや、それは別に珍しいことではないのですが、初めて飲んだ「ウメッシュ」がうまくてえらく飲んだら、今日はちょっと「頭イテエー」になっちゃいやした。メンバーは、PacoちゃんWAGON君、それに矢島ちゃん、それに今回は見ていただけでしたが久保田さんでした。あたしゃ、負けはしませんでしたが大人の(?_?)、つまり若干プラスの「秘書課長」でした。これからは、「月一」はやるぞ。


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