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2020
05/18
Mon

『「空間」から読み解く世界史』

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 今日は『「空間」から読み解く世界史』を紹介しましょう。私たちは普通"歴史"を時間軸にそって考える。世界史でもよく「○○は何年の事だった」と覚えた。しかしこの本は、「空間軸で考えてみたらどうなるだろうか」という発想で歴史を考える。

 「歴史上の大きな転換は空間像の変化と結びつく」というのがこの本の想定だ。「大農業空間の形成」「騎馬遊牧民と商人によるユーラシア規模での空間統合」「鉄道・蒸気船による地球空間の統合」など五つの「空間革命」を指摘し、そして最後に「地球規模の電子空間の形成」を挙げる。

 我々は最近、国境の溶融を何回も目にしたし、今もその最中にいる。今も各国に勢力を維持するISは「電子空間」を最もうまく使ったテロ組織だった。アメリカの巨大IT企業もある意味「国境を遙かに超えた存在」と言える。

 「国」という存在の立ち位置は、新型コロナウイルスの登場で再びクローズアップされているが、この騒動が収まれば、その立ち位置を再び問われることになる。生産、投資、雇用などなどで実は国家が差配できることには限界が出ている。

 今の世界中の政治家の存在感は軽い。その一因は、既に世界には「国家を超える存在」があるからだ。トランプ大統領を初め世界の指導者は、しばしばツイッターで呟き続けなければその存在を示せない。

 それは時に、登場してきた「電子空間」に時に媚びているようにも見える。しかし我々もまた電子空間で生きることを選択しつつある。コロナの時代はそうなる。

 次なる空間が何になるのかはまだ分からない。しかしここからの人類は、「電子空間」との付き合いを続けねばならないだろう。


15:28
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