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2021
08/08
Sun

楽しかったし、記憶に残ったー東京2020

day by day

 鮮明な記憶が数多く残ったオリンピックだった。やはり世界中からもっとも力のある選手が集まる競技大会は、ストーリーフルだ。地球の隅々から選手が集まり、4年に一度開催だからこそだろう。今の形が良いかどうかは別にして、オリンピックは続けるべきだ。

 「美しい」と思ったシーンも多かった。日本の選手のそればかりでなく、それぞれの選手に努力の履歴があり、思いがあった。負けた選手の気持ちを容易に察する事が出来る場面も多かった。自分の時代が過ぎ去るのを見た選手もいたし、あっという間に世界の表舞台に出て、自分でもびっくりしていた選手もいた。

 今手元の資料を見ると、何らかの形で今オリンピックでメダルを取った国・地域は86に達する。参加予定は206だったので、42%に近い国がメダルを取った。金メダルを最低一個取った国・地域も63だ。過去の大会のリストを全部見れてはいないが、裾野は広がっているように見える。

 開催に理想的な環境でなかったことは言うまでもない。日本ばかりでなく、世界全体で見てもオリンピック期間中に新型コロナを巡る状況はデルタ株の強烈な感染力故に悪化した。

 全てに試行錯誤の面があって、その一つは無観客だったが、珍しく有観客の自転車競技を見ながら「やはりスタジアムには観客がいるべきだ」と私は思った。観客はギリシャ、ローマの昔からスポーツという競いの場に不可欠な要素だ。

 開催すべきかどうだったかの議論は続けるべきだし、残された問題も多い。しかし2021年の夏に東京でその力を競った選手には拍手を送りたいし、それ以前に選手が「開催を感謝する」という言葉を多く残したことが記憶に残った。4年に一度という貴重な機会。やはり選手は競いたいのだ。

 少し気になったのは日本のアナウンサーが「辛い」「苦しい」という単語を数多く使ったことだ。人より上に行くために鍛えるのだから、楽なことばかりでないことは当たり前だ。だから練習する。それを「辛い」「苦しい」というのはどうだろう。

 「プレッシャー」という単語もしばしば用いられた。しかしそれがあるから選手は強くなる。スポーツは本来楽しいものだ。この三つの単語は私にとっては聞き苦しかった。選手に適格な質問が出来ないが故に、「辛かったのでは?」「プレッシャーがあったのでは?」と月並みに聞いているように見えた。とても残念だ。海外の大会でこんな質問ばかりだったのは記憶にない。

 日本がとった58のメダル。それぞれにストーリーがあり、むろん競った日本選手すべてに思いがあった。それらを大切にして欲しいと思う。前評判が良かったのに駄目だった競技、予想外の成績を残した競技。それぞれの競技団体の総括も楽しみだ。日本選手の活躍には心が躍った。

 来年の2月4日には北京で冬のオリンピックが始まる予定。多分外交的ボイコットは予定通りだろう。加えて有観客か無観客かの議論もこれからだ。ただしそこに集うであろう選手は応援したい。東京2020と同じように。

20:14
2021
05/01
Sat

「マスクをするサル」(新潮新書)

day by day

 

 楽しみの多くを奪われた新型コロナ変異種の時代。しかし「本を読む」楽しみは残っている。今日紹介するのは新潮新書から「マスクをするサル」。タイトルを見た瞬間から、「タイムリーな本」だと思いました。しかしその下の帯に「パンツ以来の歴史的文化」とある。何故 ?

 著者の霊長類・人類観察の長い歴史の中で培われた知識の上に、全世界の人々が顔に乗せ始めた「マスク」が広い意味の文化にどう影響するかを考察した興味深い本だ。多分賛否は大きい。また著書が著述を始めた時期の「マスクの必要性・継続性」がワクチン接種の進展の中で「あとどのくらい?」という環境変化はある。

 しかし「マスク」が今の我々の日常生活に持つ意味は大きい。名刺交換の際には「マスクを外すべきだ」(だって顔を覚えられない)というのが私の意見だが、「感染を防ぐ目的のものを外すべきでない」という意見もある。また「隠れたものは見たくなる」という著者の主張からすれば、確かにそのうちに「あの子の口元を見たい」という欲望が生まれるかも知れない。

 この本が最初にレディー・ガガのマスク姿を示し分析のとっかかりにしているのは興味深い。私もあれを見た時に、「これは何だ?」と思ったが、謎が解けた。知識満載。格闘競技でユニフォームは赤の方が勝利に繋がるとの結果が出たというのも面白い。男性の髭に関する考察も面白かった。

 しかし何と言っても「人間は何故衣服を着るようになったのか」は、さすがに霊長類の研究者と感心した。読んで面白い本だと思うし、これからも我々に付きまとう「マスク」考察に関する、面白い入り口を提供してくれていると思う。(了)

 

23:50
2020
09/14
Mon

NTTに睨まれ、今度はエプソンか.....

day by day

 久しぶりにほんのちょっとの勇気を出して....。10年前の固定電話の家からの放逐以来の、この種の決断です。金曜日に既に放送で言いましたが。

 プリンターを家からなくしました。ちょっと考えたのですが、

 「そもそもあまり使わない」

 「基本的に年賀状に消極的だし、その家印刷もやめた」

 「iPhoneから直接プリントできない旧式だった」

 「プリントしても、その後読む資料はごくまれ。印刷で満足」

 「残るのは膨大な紙の山」

 「(プリンターは)重いし大きい」

 「サプライが高い」 

 などが理由かな。最近一番プリンターを使ったのは、ラジオ番組の一つがリモートになった時。刻々と変わる放送原稿をプリントアウトした。家で。「こんなのはやってられない」と思って、コロナ禍が沈静化すると同時に局に行くことにし、放送のリモートはやめた。

 日常プリンターを使うのは「伊藤さん、請求書を出して下さい」という放送局や講演先の要請。しかし数日前に試しに「もう我が家にはプリンターはないので」と言ったら、「わかりました。ではPDFなどのファイルを送って下さい。こちらで印刷します」となった。こちとら印鑑だけもって行けば良い。講演の時は事前に請求書を送って、講演に行ったときに印鑑を押せば良い。印鑑ね。ま、いいや。

 以前は本の原稿など長い文章を書くと全部プリントして、それに手を入れていた。利点はある。全体像が分かる。しかし今はそんなに長い文章は書かない。なのでワードなら「変更履歴」を使えば十分。

 実はプリンターはそこら中にある。コンビニにもある。メディアをもって行けばすむし、最後はキンコーズとかいうオフィス事案引き受け屋に持っていけば良い。プリンターをなくしたら、とっても家の中がスッキリした。(了)

 

10:47
2020
09/08
Tue

人々の足が戻るのはいつ.....

day by day

 と思いながら歩いていました。銀座の並木通り。昨夜午後8時ちょっと前です。

 久しぶりに営業を再開した桃花源で大好きな麻婆を頂いて、その足で。桃花源は午後8時がラストオーダーになっているので、ちょうどその時間になった。考えたら、本来は並木通りが一番華やかな時間帯。

 ところが暗い。姫達が出勤していない。この感染症の前は、一人、または同伴で店に向かう姫達の行列があったのに。列などない。たまに一人、二人の姫らしき方が。目の子5分の一かな。かつての。当然、魂胆を秘めたような顔をした客筋の姿も少ないし、各クラブ付きの男の子も手持ちぶさたの様子。

 それはある程度予想していました。桃花源は昔は同伴組の食事のメッカ。食事の際に「最近どう?」と聞いたら、やはり同伴組は激減しているらしい。そりゃそうだ。「このエリアの半分のお店は閉めているんじゃないですかね」と店の方。そうでしょう。コスト割れが確実ですから。そうなれば姫達の出勤は減少する。

 なぜ午後8時で暗いのか。多分人が少ないと言うよりも、ネオンを点灯していない店が増えたのだと思う。営業を休止したか停止して。車のライトも少ない。夜の車移動にはライトが必要だが、移動そのものがあまりないのだ。場所確保とか。ま月曜日の雨上がり直後、ということはあったかもしれない。しかし多分往時の華やかさは今の並木通りにはない。

 ブランドショップが建ち並ぶ街という意味では、並木通りはそのナンバーワンの地位を奪われて久しい。一番のライバルは丸の内仲通りですが、いろいろなところから浸蝕された。銀座2丁目中央通り交差点もあるし、ちょっと華やかさに欠けるが銀座シックスもある。なので並木通りの華やかさの今の源泉は煌びやかな無数のクラブ、そこに働く姫達にあった。しかしそれが今はとっても静かだ。

 「いつ華やかさが戻るんだろうか?」と考えながら、コーツIOC副委員長が言うように来年の7月末に本当にオリンピックが開催されるとしたら、その時かも知れない、と思いました。華やかさ回復、人出にはモメンタムが必要で、かなりの割合の人がその気にならなければ駄目。今はその切っ掛けがない。オリンピック・パラリンピックの開催はその契機になるかも知れない。

 むろん彼の発言の真意は不明で、彼のAFPに対する発言が現実になるかどうかは分からない。までも、東京ばかりでなく日本全体の感染者の数が「減少傾向」なのは、歓迎できる。しかし人々の気持ちを楽にするには、もっと数字が少なくなる必要がある。(了)

 

04:07
2020
05/25
Mon

「美術展の不都合な真実」(新潮新書)

day by day

チャレ.JPG

 強く「そうだったのか」と思う本です。最初タイトルを見た時に「これは面白そうだ」と。だってずっと「日本の展覧会って、どうしてこんなに混むのだろう、並ばなければならないのだろう」と思っていたのです。「その理由が明かされるのでは」と期待した。

 思った通り、謎が氷解しました。なぜ私が若冲さんやフェルメールを見るために上野の森に早めに行かねばならなかったのか、それでも長い列を作らざるを得なかったのか。日本の美術展になぜ日本の新聞社とかテレビ局が主催等々にずらっと名前を連ねているのか。

 ネタバレするのであまり書きませんが(なぜなら新規発行本です)、大手メディアが中に入ることによってやはり歪んでいるんだな、と思う。仲介手数料は取られる、人を多く繰り出さないと(集客しないと)採算が取れないなど。日本の入館料は、世界的に見ればばか高い。

 ニューヨークにいたときは、近くに住んでいたのでメトロポリタンやグッゲンハイム、それに近代美術館などによく行きました。日本でその手の時間を過ごそうとすると、凄く手間暇がかかる。やはりちょっと頻度が落ちているな。良くない。

 ま、日本にも良い美術館はありますよ。地方だと島根の足立美術館(https://www.adachi-museum.or.jp/)は2年ほど前に行ってよかった。でも少数をのぞけば、日本の美術館は常設展示物がちょっと力不足というのは否めない。

 その中にあって、この本の7章「本当に足を運ぶべき美術館はどこか」は参考になる。千葉や横浜はちょっと遠いが、その他は都内で近い。行っているところもあるのですが、教えて頂いたので少し足を運ぼうかな。自分の知らない分野なので、この本はとっても面白かった。

10:18
2020
05/23
Sat

「政策至上主義」(石破茂 新潮新書)

day by day

チャレ.JPG

 

 いや、単なる私の思い込みかも知れませんよ。でも「次に総理大臣を狙う日本の政治家は、本、特に新書を書きたがる」という印象を持っているのです。首相になれたかどうか、なれるかどうかは別にして。やはり「本」の出版は権威付けになるのかな。それとも国民との事前の意思疎通? 「(座につく前に)一冊欲しい」というのは共通の思いのようだ。

 今の安倍晋三さんは確か「美しい国」(文春新書)だった。読み終えたときに「ナルちゃんかな」と思ったし、「やや一方通行の思いが強すぎる」と感じました。このままこの人が政権の座についても「短いかも」と思って、テレビでそう発言したことがある。実際に安倍さんの第一期政権は短かった。本は読む人に強い印象を残すし、その人が普段は見せない思考パターンをさらけ出す。先行きが読めることが多い。

 与謝野 馨さんの「堂々たる政治」(新潮新書)を読んだときに、「あ、この人は総理大臣を狙ってこの本を書いたな」とはっきり分かりました。今でも覚えているのはあとがきに「この国に役立たん、いざ」と言ったことを書かれていたこと。その思いがあったので民主党に移ったのだと私は思う。しかしその後に体調を崩されて、そのまま政治の世界から去られた。

 多分、石破茂さんも「政策至上主義」(新潮新書)を座を狙って書いておられる。だって政治家の一番大事な仕事は「政策を立案し、それを実行すること」と本で書いているのだから、それをする為には日本の政治のトップである総理大臣になる必要がある。政策を一番実行できる立場。

 特にワクワクする本ではない。「思った通りの真面目な人だ」という印象だが、何故政治家になったのか、どんな人を仰ぎ見てここまで来られたのかということが良く分かる本だ。いや、安倍さんの政権も終息が近いかもとか思って紹介しているわけではないので、あしからず。

 石破さんは、政治の表舞台から去っている時間が長すぎるのでこの本を書いた、ということもあると思う。「私だったらこうする」という面も書いてある。しかしコロナ禍のこの激しい世界の変動については当然書いてない。石破さんにはもう一冊書いて欲しい気もする。

 本の中身はあったかいし、いろいろな思いが詰まっている。でも本のタイトルの「政策至上主義」というのはいただけない。どこか冷たい。でもそれが石破さんのイメージそのもののような気がする。そこで損している。

 安倍さんを取り巻いている人達には、色々な問題があることがここに来て非常にはっきりしてきた。この本を読みながら、「石破さんを取り巻く人々はどんな人がいるのだろう」という興味を持った。なぜだったら、政治の世界ではいろいろな役割を果たしてくれる人が沢山いる必要がある。一人で全部動かすことは出来ない。しかし変な人を自分の周りに集めると、政治がおかしくなる。

 この本の帯には「次期総理候補No.1」とある。本当にそうなのかどうかは知らない。しかし「候補の一人」ではあるのだろう。「この本で総理になる」という意気込みまでは感じられない。しかしこの方の考え方はよく出ている。お楽しみに。

21:22
2020
05/21
Thu

「関ヶ原」の決算書(新潮新書)

day by day

チャレ.JPG

 すみません。分野を絞らなくて。でもあっちゃこっちゃの分野の本を時に読み散らかして、そのミソをいくつか頭の中で繋げる、というのは私の趣味の一つなので。

 「武士の家計簿」以来戦国・江戸に関する読み物は、単なる戦記物ではなくこの手の本が主だ。今に英雄と伝えられる人物の像は、酷く歪められているのだろうと思うことが多い。江戸時代の歌舞伎の筋書き(ある程度単純な必要がある)が寄与しているとも思う。

 「本当は ?」に思うことが多い。なので過去30年以上、NHKの日曜日の大河ドラマは見ていない。単純化が嫌いだし、この衣装はないだろうと思うものも多い。そもそもネタが切れている。光秀は挑戦かも知れないが、だからと言って観ない。大体が忙しい。

 経済を見ている人間でもあるので、「その時のマネーの動きは」という視点は、実に興味深い。日本の歴史では誰もが知っている「関ヶ原の戦い」を「決算書」という視点から描いた本を、筆者はこれ以外余り知らない。とっても面白く読んだ。

 人は信義だけで動くのではない。それもあるが、しばしばお金の動きに誘発されて動く。結局勝った徳川家康が一番儲けたという話だが、そこに至る過程が面白い。当時の米の一石を今の貨幣価値で表示するのは至難の技の筈で、説明されても「そうかな」という部分はある。

 しかしこの本が導き出した様々な総額は、ほぼ大方「今の時代に当てはめる」とそんなところかな、とも思う。「武士の家計簿」はある武士が残した詳細な日記を分析したもので、それはそれは緻密だった。この本は大分どんぶりだが、それでも読み応えはあった。

 

16:06
2020
05/19
Tue

day by day

チャレ.JPG

 令和になって、しかもこのコロナ禍で急速に忘れられつつある。しかし「何故起きたのか」「どうしてあのような展開になったのか」と忘れてはならない平成の経済事件がいくつかある。この本は事件を追った二人の記者の記録だ。

 この本が取り上げている事件の最中、日本は大揺れだった。読み進む中で、「そうだった」と同時に、「そうだったのか」という事実が次々に提示される。報道されなかった数々の事実。金融界もそうだが、行政のあり方も大きく変わった。

 丁寧な取材の積み重ねの上に提示できる事実が積み重ねられている。恐らくそのいくつかは日々の新聞の記事にもならなかっただろう。その辺を繋ぎ合わせながらこの本は四つの事件を取り上げる。

 読み返す中で、「一連の事件は、日本の経済システムの敗戦だったんだな」と思う。そこから新たな形が生まれてきているのかは議論のあるところだ。もう我々は忘れかけているが、それほど昔に起きたことではない。

 二人の記者の地道な努力に拍手を送りたい。

バブル経済事件の深層

21:25
2020
05/18
Mon

『「空間」から読み解く世界史』

day by day

チャレ.JPG

 今日は『「空間」から読み解く世界史』を紹介しましょう。私たちは普通"歴史"を時間軸にそって考える。世界史でもよく「○○は何年の事だった」と覚えた。しかしこの本は、「空間軸で考えてみたらどうなるだろうか」という発想で歴史を考える。

 「歴史上の大きな転換は空間像の変化と結びつく」というのがこの本の想定だ。「大農業空間の形成」「騎馬遊牧民と商人によるユーラシア規模での空間統合」「鉄道・蒸気船による地球空間の統合」など五つの「空間革命」を指摘し、そして最後に「地球規模の電子空間の形成」を挙げる。

 我々は最近、国境の溶融を何回も目にしたし、今もその最中にいる。今も各国に勢力を維持するISは「電子空間」を最もうまく使ったテロ組織だった。アメリカの巨大IT企業もある意味「国境を遙かに超えた存在」と言える。

 「国」という存在の立ち位置は、新型コロナウイルスの登場で再びクローズアップされているが、この騒動が収まれば、その立ち位置を再び問われることになる。生産、投資、雇用などなどで実は国家が差配できることには限界が出ている。

 今の世界中の政治家の存在感は軽い。その一因は、既に世界には「国家を超える存在」があるからだ。トランプ大統領を初め世界の指導者は、しばしばツイッターで呟き続けなければその存在を示せない。

 それは時に、登場してきた「電子空間」に時に媚びているようにも見える。しかし我々もまた電子空間で生きることを選択しつつある。コロナの時代はそうなる。

 次なる空間が何になるのかはまだ分からない。しかしここからの人類は、「電子空間」との付き合いを続けねばならないだろう。


15:28
2020
05/17
Sun

「カズのまま死にたい」(新潮新書)

day by day

チャレ.JPG 

 ひょとして、彼として書いた3冊目の新潮新書? そうだ。私は2冊しか出していないので、抜かれちゃった....。

 思い出しました。前の2冊「やめないよ」「とまらない」も読みました。日経新聞の隔週で彼が書いているコラムをまとめて出ている本だが、コラムが貯まったら本になるので、その間一定時間がたつ。その経過した時間を振り返りながら彼が書く「プロローグ」と「あとがき」が「今の彼の考え方、関心の先」を示す。

 で、3冊を読んで思うのは、「全く変わっていない」ということ。それが凄い。弱音なし。先あるのみ。最近英会話を開始したらしい。凄い。

 彼が登場した頃、実は好きではなかった。あのハデさが。しかし中学からブラジルに行ったと知って考えが変わり、その後は応援団だ。今でも少し嫌みが残っているのが良い。

 少し弱気があるかな。「2020年はラストチャンスなのかもしれない」と。その2020年のサッカーシーズンは始まっていない。早く始まって欲しい。彼には「無観客」は好みで無いだろうが、ドイツもそれで始めている。

 うーん、彼の4冊目の新潮新書も期待したいが、どうだろう。でも出そうな気もする。まだ早朝から練習しているそうな。ずっと応援したい選手だし、この本もまた読むと体がシャキッとする。ナイス。

08:14
2020
05/16
Sat

「人間の品性」(新潮新書)

day by day

チャレ.JPG

 さて、白塚さんからバトンタッチを受けた私の第一回の「ブックカバーチャレンジ」です。 

 最初は最近読んだこの本かな。「人間の品性」(新潮新書)。今はもうNHKのテレビ画面にはおられません。しかし私はずっと、「この方は、数多くのNHKアナウンサーの中でも別格」とずっと思っていた。下重暁子さん。

 画面を通してこの方を想像していた私のような人間には「おったまげ」の連続の本です。「私の履歴書」(日経)の面もある本で、実に赤裸々、あけっぴろげ。「こんな事まで書いていいのか」と思うほど。

 中身は面白いし、文章が実にうまい。切れがあって気持ちが良くなる。スッキリする。実に「臈たけた」方です。「優しさだけでは駄目。勁さが必要」と。ですよね。

 本のフロントのアタイアも、黒ベースにアクセントとしての赤。素晴らしい。FBの方々にはご存じない方もいらっしゃるかも。しかし井上○○○さんが30年後にこんな本を書いたら、興味ある人が多いだろうな。女性が「生き方」を考える上でとっても参考になると思います。 お楽しみに。品性.jpg

15:09
2020
03/17
Tue

中国特集を金曜日に放送します

day by day

 世界の大部分の国で新型コロナウイルスの感染拡大が続いていますが、発生元の中国は今どうなっているのか。感染・収束の現状、生産再開の動き、中国経済や習近平政権の将来などを主なテーマとして特集番組を金曜日に放送します。

 「伊藤洋一のRoundup World Now」(http://www.radionikkei.jp/roundup/)がそれで、収録を月曜日の夕刻に行いました。ゲストは東京財団政策研究所主席研究員の柯隆さんです。この放送をお聞きの方はお馴染みの方ですが、最近はますます活躍の場を広げています。各種テレビ番組にもご出演。

 毎回彼との対論、インタビューは楽しみですが、今回もとってもインフォーマティブで面白かったし、多くの方の参考になると思います。昨日はこれとは別にテレビ番組一つ(フジテレビ グッディ)、ラジオ番組一つ(TBSラジオ 森本毅郎スタンバイ)に出ましたが、最近良いと思うのは番組の「聞き直し」が可能なこと。とっても便利。

 最近NHKプラス(https://plus.nhk.jp/watch/ch/g1)を視聴し始めましたが、とっても自由になりました。スマホで「頭からの見直し」が出来るためです。直前のNHKニュースを最初から見ることができる。私が見たいのは映像とニュースの順番です。スマホのアプリ対応というのが素晴らしい。

 もう一つ月曜日には長い文章を書きましたが、一部の方々には参考になるかも知れない。ちょっと専門的ですが。サイトだけ残して起きます→https://arfaetha.jp/ycaster/news/pdf/20200316.pdf

 それではまた。

11:57
2020
03/10
Tue

恐れるべきは「医療崩壊」

day by day

 月曜日のテレビ(フジ 午後2時からのグッディ)で、新型コロナウイルスに関する先週末からの私の疑問を専門家に質問することが出来たので、備忘で書き残しておきます。その日のゲストは吉田正樹さん(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議のメンバー https://www.cas.go.jp/jp/influenza/senmonka_konkyo.pdf)と感染症に詳しい医師の金子俊之さんでした。

 疑問とは「時間的推移の中で見ても、日本の患者数と死亡者の数が他の国に比べて少なく推移しているのは何故か?」でした。この文章を書いている時点ではイタリアの感染者は9172人で死者が453人(10日午後7時のNHKの報道)。韓国の感染者は7513人、死者は59人(同時刻の中央日報の報道)。対して10日夕現在で発表された日本の感染者は511人、死者の数は10人で、圧倒的に少ない(別にクルーズ船感染者703人、死者7人)。

 実は「感染者のカウンティング」については、国によって検査システムも検査能力もかなり大きな差異があり、出てきた数字は国によって意味合いがかなり違う。それは色々な報道で分かってきている。ずっと私は「単純な比較は出来ない」と思っていました。よって私の関心事は「COVID-19による死者」の数でした。「なぜ日本はこの数字が少ないのか。人口が日本の二分の一以下のイタリアに比べると、その少なさが際立つ」と思ったのです。この疑問をゲストに投げたのです。主に吉田さんがお答えになってくれた。

 その回答は、「やはり日本の医療システムが優れていることがあると思いますし、感染者を激増させなかった、ゆっくりな伸びにとどめたことが良かったのでは」というものでした。私も「そうかな」と思っていた所でのご指摘でした。普通日本人は「私たちが優秀なので」とはなかなか言わない。吉田さんはよくおっしゃって下さった。でもその矜持は重要だと思う。

 改めて感じるのは、イタリアの対感染者での死者の割合の高さです。4.93%。「なぜイタリアの死者の数は絶対数でも感染者との比率でも多いのか」というのが私の別の疑問でした。これについては直近のイタリアからの報道で分かった気がする。

 それは「医療崩壊」です。「使えるスペースには全部ベッドを並べ、廊下まで患者で溢れている」とミラノ近郊の病院看護師がテレビのインタビューで応えていた。「お医者さん、私たち、すべて疲労困憊です」とのこと。それは私たちが少し前に武漢からの報道で目にしたものです。武漢で起きた「医療崩壊」が、今はイタリアの北部で起きている。もっとも恐れるべきはこの事態だと分かる。どの国でも、それを起こしてはいけない。

 ゲストの方に「安倍政権が採った二つの措置」についても聞きました。小中高校の春休みまでの休校」「中国・韓国からの入国制限」。吉田さんは前者に関して「一斉ではなく、インフルエンザと同じような個別学級・個別学校の閉鎖の方が良かったと思う.......」ということで、後者に関しては「韓国はあの時点で患者が急増していたのでそうだと思いますが、中国は既に感染者の伸びが鈍化していたので....」とお答えになったと思う。どちらの決定に関しても総理から諮問はなかったことに関しては「聞いて下されば良かったのですが......」ということでした。

 10日午後7時のNHKニュースにゲストで出られていた同会議副座長の尾身茂さんは、「実は2009年の新型インフルエンザ発症の時も、日本は圧倒的に感染症抑止で成果を挙げた。この新型コロナウイルスは感染しても8割の方が他の方にはうつさない。重症化しても半数の方は回復する」とおっしゃっていた。念頭に置いて、冷静に対処していきたい。(了)

21:57
2020
02/12
Wed

「臭い」を主役に引き上げた映画→「パラサイト 半地下の家族」

day by day

 この映画を見ながら思い出していたのは、イギリスの映画監督ケン・ローチが「万引き家族」の監督・是枝さんとのテレビの対談番組で語っていた言葉でした。

  「貧困は、実にいろいろなところに表れる。着ているもの、その人の態度、言葉のちょっとした違い、肌の色艶、そして臭い。なので私は貧困がテーマの映画では俳優は使わない。現実に貧しい生活を送っている人を登場させる。そうでないと現実味がない。あなたは万引き家族を撮影するとき、どうしましたか....」

  概ねそういう発言だった。是枝監督はちょっと逡巡して選別の時に考えて選んだと答えていたが、同じ言葉は今年のアカデミーで作品賞、監督賞など4部門で栄冠を勝ち取った韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(http://www.parasite-mv.jp)のポン・ジュノ監督に投げられても面白いと思った。なぜなら、韓国の俳優はあまりよく知らないが、パラサイト家族の父親を演じたのは私が知る限り韓国ではかなり有名な俳優だからだ。

 しかし色々努力の跡は見えた。肌の色つやをやや酒やけっぽく斑に赤くし、斑点が目立つ形にメークしていた。韓国の言葉のニュアンスは私には分からないが、やはり少し工夫したのだと思う。

 しかしこの映画で一番キーとなったのは「臭い」です。「貧困の中で半地下の家に住むが故のこの家族の臭い」。この映画では半地下の家の外で、酔っ払いが立ち○○○○をするシーンが数回出てくる。それらや、折り重なった様々なモノの臭いが結合して出来る独特の臭い。

 六本木ヒルズのスクリーン7は三次元だが、「臭い」はしなかった。さすがに。想像するしかない。今は相当違ってきたが、ソウル・オリンピックの少し後までは、韓国は都市でも独特の臭いがする街だった。映画でそれを想像するしかない。

 想像するしかないが、この映画で「臭い」は決定的な役割を果たす。映画の大きな筋書きを作っているといっても良い。観客が感じられない臭いを、映画の主役の一つに引き上げた。希有な映画です。

 最初にパラサイト家族のインチキに気がつくのは、金持ち一家の末の、ちょっと変わった息子です。「ともに最近雇った運転手(夫)と家政婦(妻)の臭いが同じだ....」と言う。この息子の両親は気がつかない。そして「臭い」は、惨劇にまで発展する。金持ち一家の夫が示す臭いへの嫌悪。それが引き金に。

 まだ見ていない人が多いだろうから、これ以上は書きません。さすがに「作品」「監督」「長編映画」「脚本」の4賞を受賞するに値する映画だと私は思った。細かい事を言えば、いくらでも指摘できることはある。パラサイト一家が次々と雇われていくプロセスもどうかと思う。気がつかない方がおかしいが....

  しかし韓国社会の格差を描いた割には、それほど重苦しい感じはしない。「韓国の人はこの映画を誇れるだろうか?」なんていう野暮な疑問は内にしまうことにする。テンポ良く展開し、楽しめる。

  脚本も監督もうまいし、俳優もそれなりきの役割を果たしている。しかし同時に思ったのは、この映画にアメリカの賞選定委員達も一票を投じるほど、この映画が取り上げている社会的格差が世界共通の問題になったという事実が重いということだ。筋書きは結構骨太だ。

  お勧めです。{了}

15:17
2020
01/18
Sat

とっても観戦がしやすい競技場ーー新国立印象

day by day

 そうでした。一週間前でした。千駄ヶ谷の新しい国立競技場初体験。ラグビーの大学選手権の決勝(早稲田 対 明治)を見に。その印象を記しておきます。最初書くべきかちょっと悩みました。その種の文章を読む前に実際に体験したい、という方も多いと思いましたが。しかし既に過去一週間でラジオやネットなどでかなり喋っていますから、ご参考と言うことで。

 試合は予想を覆して早稲田の勝利。前半の31得点が大きかった。明治は前半は得点ゼロでしたから。後半の明治の追い上げはさすがでしたが、早稲田は後半もやられっぱなしではなく、きちんとトライを取り返していた。これが最終的な勝利に繋がったと思う。

 しかし興味のもう半分は、いつも外から見ていた新しい国立競技場の内部。早めに行って球場内を一周したり上下横をまじまじと眺めたり、座席の配置具合などを観察しました。TBSの番組(https://www.tbsradio.jp/stand-by/)若手を中心に総勢5人で行ったのですが、それぞれが感想を漏らしていて面白かった。私の印象を記すと、良い点は

 

1. やはり木(板)を天井にも使っていて斬新な印象がするし、競技場の各階の外周を埋める植栽(各階の外周に植えられている)が球場外の木々とマッチしていて良い

2. 観客席の傾斜が上に行くほど急になっている分、恐らく場内のどの席からも競技がよく観察できる。もあってか、席列と席列の間にバーがあって、それが席の移動にも、何かを掛けるのにも役立つし、安全性を高めている印象がした

3. 各階に入っている店舗も多様で、様々な買い物が出来る。私は好きな"シウマイ弁当"を買えたのをラッキーと思いました

4. 競技場を取り囲む環境も広々としていて良い。植栽が進めばもっと良くなる

 

 などでしょうか。私たちは3階席(自由席)の345〜346の入り口から入った直ぐ左の席を占めましたが、ゴールポストに近く、かつ競技場全体が非常に良く見渡せて「(目線の低い)指定席より全体が良く見えるのでは。ここの自由席で良かった」とも話していました。確か観客は5万7345人との発表だったような気がした。まだ一部に席が設置されていない部分があって(後にネットで海外放送局のブースと聞きました)、最終的にどのくらい入るかも知りませんが、「公称6万」は実体とあまり変わらない印象。

 但しいくつか「ここはちょっと」という部分もあった。それは

 

1. 席列と席列の間が非常に狭い。大柄の外国人が出入りするには苦労すると思うし、不便な作りになっている。通路も少ない

2. 階数表示が複雑で、「3階席(チケット表示)」は実は競技場の作りとしては4階(外階段表示)にあって戸惑った。もっとうまく表示できないか

3. 座席が小さく、また冷たいと感じられる

4. 競技場側も観客もまだ慣れていないのか、人の動線が混乱しやすい作りのような気もした

 

 などでしょうか。まだ工事中の部分もあり、改善の余地はあるし、トライアルで使っているのでしょうが、ちょっと本番でも問題かなという印象が残った。「3」の「席が狭く、冷たい」というのは事前に情報が入っていたので、他のメンバーは毛布を、私は車用に買っていた小さい座布団をいくつか持って行った。これはとても役立った。私は座布団を座席に使ったが、他のメンバーは背もたれに使って「良かった」との印象を述べていた。

 大きな大会で新国立競技場が使われたのは2回目でしょうか。改善の余地ありかな。もっともオリンピックの準備は急速に進んでいる印象がしました。またあの競技場は、夏は夏の特徴があるのだと思う。冬とは違った。夏は「座席が冷たい」というのはなくなり、競技場全体もまた違った印象がするかも知れない。でも早めに競技場を体験できたのは良かった。

 あ、345〜346の入り口当たりは冬なので西陽が眩しかった。それから直前に買った双眼鏡(比較的性能の高い奴)が非常に役立った。あの競技場には必須のイメージ。(了)

11:18
2020
01/08
Wed

ご連絡

day by day

 私が毎週月曜日に書いている経済金融レポートのページに、通常出ない写真(海外の軍人)が一時掲載されていましたが(数時間の間だと思慮される)、これは私のブログを管理している会社のサーバーに移転の際に脆弱性が生じたためで、現状は回復していますので、ご連絡します。

 一部の方々に連絡頂き、その後脆弱性を除去しました。ご心配をおかけしました。→http://arfaetha.jp/ycaster/news/pdf/20200106.pdf

07:44
2019
12/31
Tue

なによりも、居心地がいい.......ポルトガル紀行③

day by day

 リスボンもポルトもそうですが、ポルトガルの大きな都市の特徴は「坂」です。「至る所が坂」と言っても過言ではない。特に旧市街は、ポルトでもリスボンでも石畳の狭い、細い、そして建物に圧迫されているかのように存在する坂道が街の地面を形作っている。坂道が縦横無尽に走っていて、「こんなところは車がこないだろう」と思うとちゃんと入ってくる。油断して歩いていると、時々例外的にクラクションを鳴らされる。こうした地帯では、ほぼすべての道が「一方通行」です。

 一般に坂道が多い港町は世界にも多い。急峻な壁面を持つ街は、海の中も急激に角度が下がって深度があり、船が入りやすいと考えられる。横浜のように海岸沿いは平坦な街もありますが、ポルトの場合は川が深くえぐれている上に、天然の良港のようになっていると思われる。ポルトは想像通り「ポルトガル」の国名の起源になったらしい。

 そこら中にある坂が、街の特徴ある景観そのものです。ポルトのベント駅から川沿いの船着き場(観光船などの)までは、ほぼ一貫した下り。結構急。その周辺に街が出来ている。行きはいいが、帰りは辛い。川の周辺を反対側や高い所にかかっている橋の上から見ると、いかに斜面をうまく利用してポルトが街を作ったかが分かる。ポルトの傾斜の急さは、是非多くの方に体験して欲しい。

 そのベント駅の駅舎の壁面に埋め込まれたタイル彫刻は非常に有名です。「さすがにタイルの国」と思える。駅舎の中だけではなく、駅の近くの建物の外壁にもタイルが綺麗に、芸術的に埋め込まれている。私達も息を呑んだ。

 多くの観光客がカメラを構える場所だ。その価値はある。ブルーと白で出来たそれらのタイルは、完成するのに相当時間がかかったのだろうと思う一方で、見れば見るほど「ポルトガルがタイルの国」というのが納得出来る。

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 あと居ても少し。滞在時間は短い。短いながらも、ポルトガルの圧倒的な印象は

 

 「心安らかに来て楽しめる国」

 「パスポートと、ちょっとした身の周りのものを携帯するだけで良い」

 「人々はとっても親切」

 

 というもの。一言で言えば「居心地が良い国」です。夏にはポルトガル南部は40度を超えるらしいので逆に準備が必要ですが、冬は気軽に来れる。緯度は青森程度ですが、暖流の関係で肌感覚では東京より4〜5度は暖かい。

 それにとにかく安全です。お乞食さんが、「カネをくれ」とせびりに来るくらい。危険ではない。街を歩いていて身構えることは何もない。自分が海外にいることさえ忘れる。日本も外国人が増えましたから。繰り返すが、ポルトガルの人々は優しく、そして食べ物は美味しい。

 異国情緒はいっぱいある。パリやロンドンに比べて知名度は低い。欧州に最初に行く方々がそちらを選ぶのは自然。しかし今回初めて来て「いい国、良い都市を発見した」と思いました。

 クリスマスや年末年始の関係で、一部のレストランがやっていなかったり、激混みだったりしてややレストラン探しには苦労した。しかしそうは言っても、ポルトガルでの食事はどこでも美味しかったし、お店も感じが良かった。

 一時は輝いた国でも、その後世界への影響力を失った存在になった国はいくつもある。欧州は栄枯盛衰の世界です。ポルトガルは明らかに「今はone of them」になった国だが、だからこその良さがあるし、人々が総じて優しいのはそういう歴史的経緯があるからかもしれない。

 イギリスは歴史から見れば近代において栄光に達した国です。アメリカを生み、そして世界のシステムのかなりの部分を設計した。しかし今は影響力を落としつつある。EU離脱はどうみてもイギリスの世界における影響力低下に繋がるでしょう。

 人口が6000万に迫るイギリスと1100万のポルトガルでは違う。しかし頭の片隅では、「イギリスがポルトガルのように肩に力が入らない国になるのは、何年先かな」

と思っていました。

 私は、ポルトガルにとっても良い印象を持ちながら去ろうとしている。オブリガード(やっとこの単語を現地で使えた.....良かった)、ポルトガル。

00:46
2019
12/29
Sun

とっても特徴的な「音」......ポルトガル紀行②

day by day

 ポルトガルでとっても印象的なのは「音」です。車が街中を走ることで出る音には、顕著な特徴があり、そして人々の話す時の音量にも他の都市とは目立った違いがある。それぞれの国、それぞれの都市には顕著な音の特徴があるのですが、ポルトガル、その諸都市の音はとっても気になった。心地よい、という意味で。

 例えば、車が走行中に出す音。特に街中はリスボンでもポルトでもそうですが、狭いタイル張りや石を敷き詰めた道が多い。その上を車が走ると、一つ一つのタイルや石をタイヤが叩く音が出で、それが連続的に聞こえる。特に街が寝静まった夜中に車が石やタイル張りの道を通るときの音が遠方から聞こえてくるのは、「この国、ここの都市の特徴だな」と思う。とっても異国情緒豊かです。

 次に人々が話をするときの音量。はっきり言って世界の主要都市の中でもっとも低いと思う。というか静か。ここでは中国人観光客も静かに喋っているように見える。銀座の中国人観光客の喧騒を知っている身からすると、「こうも違うか」と思う。来る人の種類が違うと言うこともあるかも知れない。

 何度も3人でレストランで食事をしましたが、室内のどこかから大きな声が聞こえると言うことはない。皆隣のテービルにいてやっと聞き取れるくらいの小さな声で喋る。アメリカ人もそうです。

 言ってみればそれは「都会的喧騒の欠如」とも言え、それは一番大きな都市としてのリスボンも50万人しかいない国の特徴かも知れないし、若い人がそれほど比率として多くないと言うこともあるだろう。

 かなり以前ですが、ウッディ・アレンが映画の中で喋り続けるのを見て、「これがアメリカか」と思ったが、アメリカのニューヨーク(喧騒の極みです)でもロングアイランドの突先の小さなレストランに入って隣の老人夫婦を見ていたら、日本と同じようにほんの数言葉を確認するように喋るだけ。「keep noisy」なのは都会的現象とその時悟ったが、リスボンは一応の都会でも、気持ち良く静かです。

 車も静かに走ります。歩行者が横断歩道に差し掛かると必ず静かに車が止まる。日本も法令上はそうなっていますが、8割方の車(特にタクシーがそう)はタイヤが道路を叩く音を強く出しながら、走り去る。

 ポルトガルではそういうことはない。ここに慣れると、東京や北京・上海では危ない。とにかく高速道路でも、ポルトガルの車は静かです。異常行動はまずしない。リスボンからポルトに向かう列車の中も、平日の新幹線並みに静かでした。

 そして人々は、静かに、そしてゆっくり歩く。10人に一人は凄く早足で歩くようなニューヨークや東京のようなことはない。だから街も静かです。そうポルトガルは、「静かの国」です。とっても居心地が良い。(続)

16:26
2019
12/29
Sun

気付くこと多し.....ポルトガル紀行①

day by day

 貯めると膨大な量になりそうなので、アップできる分だけ徐々にアップしていきます。ポルトガル紀行。今はリスボンから北のポルトに向かう列車の中です。

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 欧州には何度となく来ていますが、ポルトガルは初です。首都リスボンとフィーゴ、ロナウド、そして長い日本との歴史、サーフィンに良い波の国といった印象。リスボン入りしてしばらく(一日)は「こんなもんかな」という印象だった。パリやロンドンなどに比べて小規模な、ちょっと色褪せた、しかしまとまった感じのする欧州の都市。歩道にあるタイルの彫刻が印象的。ある意味、予想通りでした。

 しかし二日目。リスボンから東に135キロほどの歴史ある街エヴォラに向かう車窓から眺めた景色で、私のポルトガルへのイメージは大きく変わった。そこには広大な、そして家も人もほとんど見掛けない土地が広がっていた。丘と緑の連続。目立つのは丸い印象の木と、そしてその下にある畑。それはブドウ畑であったり、その他の農作物の畑だったりする。

 それを見ながら思い出したことがある。ポルトガルの面積は「日本の4分の1」と直前に見たサイトには書いてあった。しかし人口は日本の10分の1以下の11000万人。その国土のほとんどは丘陵地帯。人が住める。山だらけの日本とは違う。運転手の方は海抜2700メートルくらいの山がポルトガル本土には一つあると言っていました。当然ですが、人口密度は極めて希薄です。

 車窓からの最も強い印象は「たっぷり土地があるな」でした。そして「ここも緑の国だ」と思いましたが、その中味が違う。日本やキューバの緑は、背の高い真っ直ぐ上に伸びた木木が緑を演出している。その下に低木、雑木、そして草花、それに農地という構成。しかしポルトガル(リスボンーエヴォラ間)では、所々にある丸い低木と、そしてその下の緑の畑という緑の構成。同じ"緑"でも大きな違いがある。

 その中で時々出現する街は、大方小高い丘の上に立つ城壁や教会群を中心に出来ていて、一番良い場所をこの二つが占め、その他一般家屋は皆揃っての茶色い屋根をして段々の土地を下に向かって形成されている。多分、一大事には皆が城壁のある城や教会に逃げ込んだのです。一番上に上がると、その周囲に広がる街全体が一望できる。そして家々の壁の白と、屋根の茶色が映える非常に印象的な作りをしている。

 とっても綺麗なのだが、「ちょっと問題かな」と思うこともある。それは「(人口が)希薄過ぎないか」という問題。ポルトガルの人口の推移を見ていたら、首都のリスボンでも80年代の80万人から、最近では50万人強に減少している。よく見ると、街を歩いている人々はお年を召した方が多かった。人口の減少は、日本にとっても人ごとではなくなったが、ポルトガルの場合はもっと深刻だと思った。

 若い人がドイツやフランスに出ているという話もあった。それは東欧でも同じ事。同じ欧州でも、南欧や東欧は我々日本人がイメージする欧州とは少し違う世界を構成している。欧州でも深刻な人口減に悩む国があり、南欧の代表がギリシャとポルトガルだということ。

 ずっと私を案内してくれた若者は、随分なインテリで、「ポルトガルの今のGDPに占める観光業の割合は21%に達している。ちょっと前はそれが7%だった」と教えてくれた。経済の形までギリシャに似てきている。国内にはフォルクスワーゲンの自動車工場が一つあるそうで、「それがGDPの1%を生み出す」という説明だった。

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 目的地だったエヴォラは綺麗な、瀟洒な街です。もうスペイン国境に近いので、スペインから国境超えでこの街にバスで観光に訪れる人も多いらしい。街のあちこちに見える水道が有名です。「地震がないからできる事だな」と思う一方で、「よく作った」とも思う。今はもう実際には使われていないが、青い空に映えるこの水の道は街に入るととっても目立つ。

 エヴォラの人口は6万人弱と聞いた。丘の上にローマ人の指導で作られたローマ神殿の遺構とか、独特の形をしている教会のタワーとその平坦はトップなど。その上から見ると、街はとっても綺麗です。壁面の白と屋根の茶色が目立つ家々の先には、緑が綺麗に広がっている。

 しかし神殿を見たときには、正直がっかりした。ローマが支配を広げてエヴォラをその支配下に入れるに当たって、当然「ここはローマ帝国領土」という印に神殿は作ったのでしょう。しかしあまりにも小規模で、見た時正直「これ?」と思った。

 発想が面白いと思ったのは、納骨教会かな。何千という人の骨や頭蓋骨がそのまま壁に埋め込まれている部屋がある。実に不思議な空間です。私も写真を撮ったが、とてもアップしようとは思わない。for what と思いましたが、理由は別にして「なかなか面白い発想」と思いました。その他にも、色々興味深い建物があった。ガイドさんによると、世界遺産なのでエヴォラの建物に手を入れるだけでも「許可」が必要らしい。最近まで映画館もなかったそうな。

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 「石垣好き」の私が興味を持ったのは、エヴォラでの城壁における石の使い方です。角っこに綺麗な、そして揃った石が使われているのは日本の城壁と変わらない。しかし日本の石垣はほぼ石だけで、それを整形し、小ぶりの石をはめ込むことで構成されている。それに対して、今回見たエヴォラもそうでしたが、欧州では一般的に小さな石を使って、それを粘土とかでつないで城壁を作っている。

 多分ポルトガル(欧州全体 ?)では大きな石が産出されないのでしょう。なのに欧州は石をベースに街を作っている。ロンドンの大火後など。石はある。しかし日本のような巨石はないとも思える。小ぶりのものが圧倒的なのでしょう。日本はその点、大阪城が典型ですが、実に巨大な石を使って城壁を作り上げている。「日本は石に恵まれた国」という印象を改めて持った。

 あ、それから「反り」(そり)。私は日本の建築物(石垣や屋根)の反りが大好きなのですが、ポルトガルにはso farそれがない。日本でも反りがあるのは、限られた城壁、限られた建物(お寺、神社など)ですが、反りがあるかないかで随分印象が違う。好きな反りは、大阪城の石垣のそれや、尾道のお寺のそれです。(続)

01:45
2019
12/21
Sat

来年も、きっと興味深い年に

day by day

 ちょっと早すぎることは分かっていますが、年末のご挨拶をしておきますね。今週もそうでしたが、来週も実質稼働3日ですが番組が6本くらいひしめいていて、忘年会もあり、とてもゆっくり文章を書いていられないので。その後は海外に逃亡します(?)。ははは。

 色々な意味でとっても思い出に残る1年でした。過去の常識が通じないという意味で、面白かった。頭の中の方程式を事あるごとに書き換える日々でした。一応専門の経済だけ見ても、設備投資が世界的に不振なのに何故か雇用は世界的に強く、よって消費はレベルを落とさないばかりか、かなりの国で堅調を保った。これはどこまで続くかという問題以上に興味深い。

 インフレは相変わらず低いままで、それは予想通りでしたが、では「その後」はどうなるかが問題。各国の中央銀行の道具箱はもう既にカラに近い。CLOや中国の債務など懸念すべき債務の積み上がりもある中での道具箱の枯渇。危機を想起させる心配事はいくつもある。しかし一方で世界の株価は高値追いを続けている。ま、繰り返しますが「頭をひねり続ける1年」でした。来年もそうだろうな。長くなるので、その他の分野のことは書きません。

 今年悲しかったことは、長年お世話になったお店が結果的に閉店に追い込まれたケースが多かったこと。新橋の和食の名店もそうだし、銀座の「うさぎ」もそう。ニューヨークのお店はどうなったのかな。ニューヨークの事を聞くのを忘れた。

 2020年は個人的には「お店の探し直し」が年間を通してのテーマの一つかな。和食はここ、寿司はここと決めていかないと。いろいろな店に行くのも良いが、お店の人との交流がとっても重要だと思っているので、それは見つかるまで続く。ま、メドは徐々に立ちつつある。

 オリンピック・パラリンピックの年ですから、多分2020は今年以上に足早に過ぎる。何をするか、何を整理するかの年かな。自分でも「いろいろやり過ぎ」と思っているので、少し整理して絞らないと。

 ま、皆さんにも年末を迎えていろいろな思いがあると思いますが、またご縁があったらご一緒しましょう。今のところ、来年も私のテレビ、ラジオ、ネットなどの番組体制は変わりませんし、多分定期的(月2が多い)に書く原稿の量も変わらない予定です。それらは今まで以上に中味を充実させねばならないと思っています。

 皆さんには良い年末・年始をお過ごし下さい。

11:23
2019
10/31
Thu

当面、打ち止めやな

day by day

 「FRBとマーケットの政策金利観が一致した」という意味では、比較的レアな事が起きたと考えても良いかも知れない。過去数回のFOMC決定時には、ニューヨークの株価はまずは「下げ」で声明とパウエル議長記者会見に反応した。しかし今回は、「もう適切に行動」する時期は過ぎましたよと「次回も利下げ」のイメージを打ち消したにもかかわらず、ニューヨークの株価はSPを中心に過去最高値を更新した。

 その理由が面白い。マーケットが反応したのは、「今後利上げを考える場合は、インフレ率が実際的に大幅に上昇する必要がある」(the central bank would need to see a "really significant" rise in inflation before the Fed thought about hiking.)とした議長の記者会見部分だ。さらに重要なのは今年7月から前回の声明(https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20190918a.htm)までに来り返し使われてきた第二パラの最後の文章「As the Committee contemplates the future path of the target range for the federal funds rate, it will continue to monitor the implications of incoming information for the economic outlook and will act as appropriate to sustain the expansion, with a strong labor market and inflation near its symmetric 2 percent objective.」から、今回は「will act as appropriate to sustain the expansion」の部分を落とした。それは「今後は行動しない。インフレ率が大きく上がるまでは」ということを意味する。つまり「当面はアメリカの政策金利は据え置き」と言っている。

 そのFRBとパウエル議長のスタンスに、株価はポジティブに反応した。これが「当局とマーケットの政策金利観が一致した」と私が判断する理由だ。レアな事。マーケットは普通「もっと下がるだろう」という期待で、その動きを先取りし、そしてそれを修正する。しかし今回はそれがなかった。

 声明を読む時に最初に私の目が行くのは、「今回は何人が異を唱えたか」です。声明の最後の文章。今回は「Voting against this action were: Esther L. George and Eric S. Rosengren, who preferred at this meeting to maintain the target range at 1-3/4 percent to 2 percent.」となっていた。つまり前回の異論3人から、今回は2人に減った。かつ重要なのは、「据え置き派の2人」は、前回9月時点の主張「who preferred to maintain the target range at 2 percent to 2-1/4 percent.」から、レベル感を0.25%ポイント下げている。つまり「据え置き派」の2人も、ディレイしているだけでFRBのこれまで2回の利下げを形として追認している、と読める。

 今回の声明(https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20191030a.htm)でFOMCが選択した新しい政策金利のレベル(3回連続の利下げの結果)は「the Committee decided to lower the target range for the federal funds rate to 1-1/2 to 1-3/4 percent.」だ。今年7月FOMCからの「In light of the implications of global developments for the economic outlook as well as muted inflation pressures」を理由とする利下げが始まる前の政策金利のレベルは「2-1/4 to 2-1/2 percent.」だった。それから見ると0.75%の利下げ。分母からすると0.75%ポイントの下げは、パーセンテージとしては相当大きい。そこでFRBとマーケットの金利観が一致した。

 最近のツイートでトランプ大統領はFRBに「マイナス金利」を要求している。その意味をどのくら理解しているかは別にして、この声明を読む限りパウエルFRBはそれを明確に拒否した。トランプ大統領が自分でパウエル議長を選任したわけだから、大統領が彼の首をすげ替えるにしても、それは自分が再選された後だ。今の勢いだと、トランプ大統領は「より自分の言うことを聞く議長」を再選後に選ぶ。しかし問題はそもそも彼が再選されるかどうか。

 それにしても今回一番面白かったのは、最初にも書いたが「次の利下げは当面ありませよ」「これで当面は打ち止め」とFOMC声明と議長記者会見で明らかになったにもかかわらず、ニューヨークのSP500で示されたように株価が上昇し、史上最高値を付けた(https://www.wsj.com/articles/global-stocks-drift-lower-ahead-of-fed-decision-11572427384?mod=article_inline)ことだ。そういう意味では、マーケットは比較的トランプ大統領に追い風になっているとも言える。特にこれという業績がないなかで、経済は株価の好調は最大のウリだ。

07:31
2019
10/14
Mon

日本の選手はみな、賢かった......

day by day

 一夜明けて思う。彼等がよく口にする"犠牲"とはいかほどのものだったのか、と。家族や友人との時間、他にやりたいことの我慢、他の思考さえも捨象したラグビーへの集中。恐らく他にも沢山あるだろう。そしてそれは一人一人違う。しかし彼等は口を揃える。「犠牲を払った」と。それはとてつもなく大きなものだったに違いない。

しかし彼等が払った犠牲の果実もまた、実に大きなものだった。外野がとやかく言えない彼等の自分達への自己満、戦略への確信、チームメンバーやコーチへの信頼以外に、実は「国を動かした」印象さえする。オリンピック・パラリンピック控えという環境からではなく、壁を打ち破った日本チームへの、日本全体の賞賛、そこから生まれるそこはかとない日本という国全体の自信。「ラグビーで出来た。どの競技・分野でも日本は出来る」という静かな確信。「人口減」というもやもやもすっ飛ばした。彼等は「国際チーム・日本」だった。

それにしても何という成果か。アイルランド、スコットランドというラグビーの世界ではキラ星達を破っての首位通過。世界を驚かすに十分だ。BBCのトム・イングリッシュ記者の文章に賞賛が溢れていた。

 

 「Japan were a blizzard of invention and pace. Their accuracy while going like the clappers was astounding. Any mistakes Scotland made were eaten whole. It was relentless. Absolutely relentless. And magnificent. 」

 

 「日本は新しい手法と絶妙なペース配分を嵐の如く示し続けた。とても速く、そして懸命に試合を進める中での彼等の正確性は驚くべきものだった。スコットランドが犯した過ちは、全て完璧に日本の餌食になった。それは容赦のないものだった。絶対的に。そしてそれは素晴らしく、壮大でさえあった。」

 

 これ以上の賞賛を私は見たことがない。そう、世界は日本がどこまで進めるかに興味を持った。「Scotland are heading home. Japan? Who knows how far they're heading. 」とイングリッシュ記者は書いた。確かに「Who knows」だ。南アは4年前のチームとは違う、と聞く。しかし日本チームは公言してきた決勝トーナメント進出を無傷で果たした。泣けるほど素晴らしい。

 フジテレビの月曜の番組で、この2週間ほど私の隣には廣瀬俊朗さんがいる。173センチという小柄なラガーマンだ。元日本代表キャプテン。屈辱の歴史からの脱出を知る一人。彼とは番組の中でも良く話す。彼は言う。「ラグビーで最初に捨てなければならないのは恐怖心だ...」と。それはそうだ。あの巨体とのぶつかり合い。興奮がなければ出来ない。

その興奮が日本全体のものになった。実に様々な人の努力の結果だ。エディー・ジョーンズ、そして今のジェイミー・ジョセフという二人のコーチ。協会の人達の尽力。しかし一番犠牲を払ったのは選手達だろう。一年で240日もの合宿。アンビリバボ。そして戦いは続き、日本全体も興奮状態を持続する。よき事だ。積み重ねた"必然"の勝利。その先にあるのは、また必然だろう。

私自身の興奮故に、一つ文章を書かねば前に進めない。昨夜はそれほどの興奮・衝撃だった。

07:18
2019
09/20
Fri

講演会のお知らせです.....この週末

day by day

 間近に迫ってしまいましたが、この週末また台風で遠出は無理そうかも。そこで(笑)、東京近郊の方々には近場での私も出演する講演会のお知らせです。

 日経さんがやっている日経Wアカデミーの一環として「お金の学校 令和時代の勝者の法則」という演題で1時間半ほど喋ります。もっとも30分は質疑応答に当てる予定です。

 サイトはhttps://www.nikkei4946.com/seminar/seminar.aspx?ID=3033で、そこに場所(東京の神田ですね)など書いてありますから、ご参考に。やや席に余裕が....と数日前に連絡が来て、三連休の真ん中。そうだろうな....という感じですが、まだご存じなくてお時間のある方はどうぞ。

 サイトには「伊藤洋一氏 初登壇!」とあるのですが、うーん、多分そうなんでしょうね。日経さんのいろいろな講演会に出ているのですが、日経Wアカデミーは初めてかも。

 激動の世界。コンパクトにお話しできたら幸いです。

01:59
2019
09/08
Sun

シェークスピアの世界だ.....

day by day

 うーん、もっと好きになりそうだ。

 文楽です。今日は午後4時から午後8時過ぎまで。映画に比べればとても長い。しかしあまりよく知らないから逆に興味が持てるし、眠気にもほぼほぼ勝てる。見ていて思ったのは「シェークスピアの世界だ.....」ということ。とっても人間くさい情(愛とか、嫉妬、親子の情などを含めて)と、社会的桎梏との葛藤など。いかんともし難いシチュエーション。

 今日見たのは「嬢景清八嶋日記」と「艶容女舞衣」。人が人形を動かしているのだから、かったるいところはある。しかし台詞は長年公演されている中で研ぎ澄まされてきたのだろう、きれっきれで饒舌なところがない。常に「自分がもし彼だったら」「自分がもし彼女だったら」と考えざるを得ない設定になっている。

 お能もそうだが、江戸時代のファンは熱狂したんじゃないかな。特に女性。政治的には安定していた時代だから、どこかで冒険をしたい、ワクワクしたいと思っている。仮想の世界に自分を置ける舞台が欲しい。

 中味を書くとまた「種明かし」と言われそうだな。までも、古典はほぼほぼ中味は知られている。それを誰がどう演じるか、謡うか(三味線なども含めて)を含めて、「知れば知るほど深い世界」という印象。

 終わっても雨なし。奇跡でした。杉並区には注意報が出ていたので。家に着いてから降り出した。国立劇場前のタクシー待ちの列に日経新聞の佐藤吉哉・恭子夫妻が。同じ出し物を見ていたらしい。ビックリ。もう本当にかなり前に、お二人(多分金融部の記者)とも取材に私の所に来ていて、多分吉哉さんの方だと思ったが、「結婚します」というので「誰?」と聞いたら「伊藤さんも知っている.......」でピンと来た。二人ともほとんど当時のままだったな。

 ま、いろいろな人に会えるし、また機会を作って行きたい。

22:36
2019
09/05
Thu

その夜、香港は異常に静かだった....

day by day

 酩酊から一眠りして起きましたので、「その日の夜の香港」をちょっと記しておきます。私たち4人が歩いたのはワンチャイやセントラル、その周辺。つまり騒動の舞台だったところ。旧バンチャイビルの上のチャイナクラブで食事をして、その後に歩き回り、「昔は監獄だった」という施設の中の面白いバーで飲んで.......

 香港に居住している私以外の3人が揃って口にしたのは、「今夜の香港は異常に人出が少ない」だった。香港の銀座に相当する地域を歩いていたら、あるメンバーは「(人出は)普段の10分の1くらい」と言った。キャリー・ラム香港行政長官が「逃亡犯条例の完全撤回」を発表した数時間後の香港。

 彼女の正式発表直後に私が思ったのは、「今日は香港市民や学生は夜の街にくり出すかも知れない」「それは見る価値がある」というもの。なので食事の後、我々も街に出た。一時間以上歩いた。香取慎吾が書いた壁画を含めて色々見た。しかし確かに人出は少なかった。雨は降っていなかったのに。

 なぜか。多分いろいろな理由が考えられるが、一番大きなものは『「逃亡犯条例の完全撤回」は、いわゆる5大要求の一つに過ぎない。あと四つ(「"暴動"とする見解の撤回」「逮捕された参加者の釈放」「警察への責任追及と独立した調査実施」「"民主的な選挙"の実現」)も残っている。そこをどう考えるべきか、今回の運動を推進した学生、市民の間でも考えがまとまっていないのではないか』ということだと思う。

 安易に喜べば、「この程度を与えれば香港の騒動は収まる」と読んだ中国政府の思う通りになる。「さて、どうするか」を考えているのだ。多分学生や市民の間でも意見が割れる。どの意見がプリベールするかは、私には分からない。今のところ集会とかが事前に予定されているのは7日とか13日らしい。その前後には私が投宿しているホテルの近くで一帯一路(中国本土政府主催だと思う)に関する大きな会合も開かれるらしい。ターゲットになる可能性もある。

 今回香港に来て一つ分かったことがある。「ここは天安門でも、チベットでも、ましてや新疆ウイグル自治区でもない」ということだ。日本に居るときはあまり考えなかったが、香港の住民750万人のうちのかなりの部分は非中国人だ。もちろん日本人も多いし、欧米人も多い。当たり前だが、チャイナクラブの客は半分以上が非中国人だったし、夜の街を歩いてもコーカシアンが多い。

 その香港に例えば人民解放軍を投入すると言うことになると、それは中国にとって「国際社会全体を敵に回す」ということを意味する。当然不測の事態が予想される。それは10月1日の建国70周年を控えた中国本土政府にはとうてい選べる選択肢ではなかったのではないか。私はチベットも新疆ウイグル自治区にも行ったが、そもそも情報は出にくい場所にあり、当時は誰もが映像を作れる時代ではなかった。なので。「一体本当に何が起きたのか?」については今でも色々な説がある。

 しかし香港には世界中から常に多数の目が注がれ、多くの外国メディアがカメラを回し、そして学生も市民も記録装置を身につけている。そこでの惨事惹起は国のイメージを著しく損なう。中国本土政府は恐らく「これで騒動が収まってくれ」と祈っていると思う。その答えはあと数日後に出る。

 それにしても香港が抱える問題は複雑だと改めて現地に来て思った。そもそも「一国二制度」はあと28年の寿命だ。それが過ぎれば香港は今の中国本土と同じ政治体制に組み込まれる。それは時間の問題でしかない。その時、香港の今の異常に高い不動産価格はどうなるか、繁栄は続くのか、人々(特に豊かな人々)は海外に逃げ出さないのか.......などいろいろな問題がある。普通の若者が部屋を借りるのに苦労する家賃の高さ。貧富の格差も大きい。香港が抱える問題は複雑で錯綜している。今後の原稿や放送で取り上げていきたい。

 それにしてもある意味劇的だった。「行政長官が逃亡犯条例の完全撤回を決め、今日中に発表する」というサウス・チャイナ・モーニング・ポストのニュースを見付けたのは、香港国際空港からタクシーでホテルに入った直後。私も驚くタイミングだった。チェックインの時にホテルフロントの女の子にこのニュースを伝えたら「それが本当に私たちが欲しいものだ」と言った。鮮烈な言葉だった。

 

 

 

 

 

05:30
2019
09/01
Sun

羽田の駐車場は、たらんぜよ......

day by day

 もうすぐ東京2020。空港の備えは十分かな、と心配しています。

 土曜日だったかな。家族が私より遅れて九州から飛行機で到着するというので、迎えに車を出したのです。昼頃。羽田国内線の発着エリアに行ったら駐車場が満杯。待ちの最後尾についたが、ちっとも動かない。いつもは車を駐車場に入れて空港内の出口で待つ。

 しばらくその態勢を維持したもので、入れた頃には到着してしまうと判断して、待ちの列を外れた。「少し周回していれば.....」と思ったが、今度は「飛行機が遅れている」とライン。さて困った。なので駐車できる場所を探したが、基本的には空港には正式な駐車場しか車を止めておける場所はない。他の車に倣ってちょっとインサイドの車線の他の車の邪魔にならないところに止めたのですが、直ぐにパトカーが来て「そこは止まられる場所ではありません.....」と。

 仕方ないのでまた駐車場の待ちの列に。ま、確かに夏休み最後の土日という特殊事情はある。しかし「これではいかにも駐車場が少ないのでは......」と思いました。道路は都内の首都高などで2020に備えて様々な実験をやっている。

 しかしあの羽田空港の駐車場スペースでは東京2020の間は駐車場不足で大きな問題にならないかな......と思いました。私の判断では、2020の期間中はちょっと足りない。

17:19
2019
08/27
Tue

近く、魅了爆発 ? 五島列島

day by day

新聞社用の原稿にも書きましたが、長崎県の五島列島は明らかに"宣伝不足"ですね。島の方々も口々にそう言ってました。綺麗な海、数多くの世界遺産、豊かな食事、そして優しい現地の人々。

 なぜ? 沖縄は単一県として観光に力を入れて宣伝していますが、長崎県には他にも宣伝したいエリア、施設が一杯あるから?坂が多い長崎市そのものがとっても魅力的だし、訪れるべき原爆関係の施設も多い。長崎ハウステンボスもある。なので県としては五島列島をなかなか前に出せないのでは......とも考えました。

 しかし初めて行った私の印象は、「五島列島には日本人さえまだ知らない魅力が山のように眠っている」というのものだ。決して出不精ではない私が訪れきれていない日本の魅力がそこにはあった。もっともっと気付かなければと思う。

 「五島」の名前の由来は遣唐使の時代に中国人が日本に向かう途中で五つの山の頂が見えたので付けたとか、五島氏が治めたので付いたとか、大きな島が五つあるからそう呼ばれているとか、いろいろ説がある。実際は140近い無数の島が織りなす島嶼群の大パノラマで、西から東まで個性の強い島が並ぶ。中通島などとっても大きな島もある。豊かなのに、どう見ても沖縄各島ほど開発されていない。まだまだ手つかずで「宝の山」という印象だ。

 私にはそう見えたが、「3年前に比べれば、大きく発展した」と千葉から五島市に移住したマリンスポーツショップの経営者は言う。「もう直ぐ発展に弾みが付くのではないでしょうか」と彼の一言。そうだと思う。何せ沖縄とはまた違った綺麗な海があり、食事が豊かだ。五島牛がいてとても美味しい。そして豊富に取れる海の幸。泊まった若松島の宿・えび屋さんは、私たちが早起きして釣った魚を塩焼きにして朝食に出してくれた。私の先輩もここに泊まったと後でSNSで教えてくれた。

 五島列島には、星野やとか大手のホテルチェーンが進出を企画していると聞いた。それが良いのか悪いのかは島の人達の判断だ。島民の意見は割れているらしい。が、大手が目を付ける十分な理由があると思った。列島なので、移動には結構な時間がかかる。しかしその船旅がまた情緒がある。マリンスポーツも今後施設が増えてくるはずだし、何よりも沖縄に負けない綺麗な海水浴場が多い。

 そして心にしみるのは、苦難のキリシタンの歴史を刻んだ教会やキリスト像だ。印象に残ったのは船でしか行けない隠れキリシタン洞窟で、そこには断崖にキリスト像が凜として立っていた。映画の「沈黙--サイレンス--」を思い出しながら船を降りて岩場を歩いた。ここまでして信仰を守った人々の事を思った。映画の実際の撮影場所も数多い。

 やや駆け足の五島列島→高千穂の旅で残念な面もあったが、思ったのは「日本には、日本人さえ知らない美しい日本、感情を揺さぶられる日本が一杯ある」ということ。日本に年間3000万人も来る外国人。彼等は彼等の目で日本を発見している。それはそれで良い。

 しかし今まで知っていると思っていた日本を、日本人が改めて発見するのは良い事だし、意義があると思う。また行きたい。何度でも魅力を発見できそうだ。

06:56
2019
08/05
Mon

素晴らしすぎる.....Smiling Cinderellaの誕生

day by day

 素晴らしい。もう一度書きます。素晴らしい。

 渋野日向子選手が全英女子オープン(https://www.aigwomensbritishopen.com/news/shibuno-seals-fairytale-victory)で優勝。しかも18番で6メートル弱のバーディを決めての。素晴らしかった。見ていて良かったと思いました。

 12時過ぎにテレビを見始めたら眠れなくなった。3番で4パットのダボを叩いて「どうかな」と思ったのですが、直ぐに5番で一つ取り戻して、その後も積極姿勢は変わらず。7番もバーディ。彼女は「10番でのバーディが大きかった」と。確かに難度の高いホールでのバーディは大きいし、自信になる。

 12番では303ヤードの下りドッグレッグ(グリーンを狙うと254ヤードとか)のPAR4ホールで、ワンオンを狙って見事に成功。このホールなんなくバーディ。とにかくトーナメントを通じて後半が強くてミスなし。最終日もインの9ホールで5バーディ。トップを走っていたサラス(アメリカ)に後半の中盤で追いつき、そして18番でサラス(最終的に2位)が逃したバーディを、彼女より長い距離で渋野選手が決めた。もつれない、すっきりした優勝です。

 見ていてとっても楽しい選手です。解説に回っていて42年前に日本人女子で初めてメジャーを勝った樋口さんが何回か「新人類」というやや古色蒼然とした単語を使っていましたが、確かにそういう面があった。涙はなく、あるのは決意溢れる顔と、そして沢山の笑顔。16番と18番で打つまでに時間があると、コーチ兼キャディーとおしゃべりしながら何かを食べている。普通に。スナック系かな。優勝後のインタビューで誰かが「あれは何を食べていたんですか」と聞いてくれると思ったが、誰も聞かず。知りたい。

 前半はやや緊張していたらしい。なので3番で4パットダボを打ったのかも。しかしそれが逆に良かったのだろう。「後半はそれほどプレッシャーを感じなかった」らしい。そして「優勝したら緊張した」と。普通は逆。面白い子です。なによりも笑顔が素敵な20歳。海外試合が初めてとはとても思えない。

 誰にも素敵な笑顔を振りまき、そしてホールとホールの間では詰めかけた日本人ギャラリーのみならず、手を差し出す多くの国のファンに素手でタッチ応答。「大丈夫か?」とこちらが心配するほどオープンで明るい。海外のメディアにも人気急上昇なのが理解できる。

 なんと言っても圧巻は18番でのバーディパット。「ここで決めないと。外れたら3パットでもいい」と思って打ったそうで、自分でも「ちょっと強かったかも」というのが最初の印象だったらしいが、ボールはラインに乗ってピンに向かって綺麗に転がった。20センチほどの手前で入るのを確信したように既にガッツポーズ。見ているこちらの方が鳥肌立ちました。笑顔と良い意味の強気が同居していた。プレーオフに備えたサラスのパット練習は不要だった。

 良いものをみせてもらいました。見ていてとっても良かった。今後も活躍して欲しい。世界には全くのニューカマーの優勝ですが、多分世界のファンとメディアは彼女を温かく迎える。チャーミングな笑顔、明るい性格、そして勝負師としての決断と強さ。英語での優勝スピーチは紙を見ながらだったが、とっても可愛かった。日本からまたまた新しい力が出てきた印象です。ナイス。

04:04
2019
08/02
Fri

どこだ、どこだ........

day by day

 いつからこんなスペックになったんだ.......とやや"怒"。講演直前に焦りました。

 講演には過去に自分がMCをやったり出演者として出たテレビ番組のビデオを使うこともある。木曜日の国税庁での講演。久しぶりにビデオの一本を使おうとApple(iPhone)のビデオアプリを探した。ところが、ない。

 自分では分からずに、そこにいたITの専門家の人達に聞いても分からない。担当者の一人がネットを調べて、「同じようなクレームが一杯アップされています」と教えてくれた。でもそれでは解決策にならない。

 「でもなくなるはずはないな。あれだけビデオを入れておいたのだから」とじっとアプリを見たら「Apple TV」という過去に使ったことがないアプリが。進んで下を見ると「今すぐ観る」の右に「ライブラリー」があった。「これだ...」と思って進むと「ホームビデオ」と「ダウンロード済み」が。

 これで「あったあった」と問題解決。しかしヒヤリとしました。毎回細かくどうアプリが変わったのか全部読まない私が悪いのかも知れないが、それにしてもネットで騒ぎになっているのは周知が行われていない証拠でしょう。

 過去のビデオを使いたい人は、一層下にビデオが隠れたことをご承知あれ。今日もレクサスで講演ですが、今度はスムーズに行く予定。週末にも一つ入っていた。講演続きです。(了)

05:09
2019
08/01
Thu

利下げ、失望、しかし........

day by day

 就任以来初めて"2人"の反対を押し切って0.25%の利下げをしたのに、マーケットがパウエル議長に送り返してきたメッセージは「君には失望した」だった、という顛末でしょうか。利下げ初日の反応としては。

 今この文章を書いている午前5時直後のニューヨークのマーケットの引け(iPhoneの株価参照)は、ダウが333.75ドル安の26864.27、S&P500が32.80安の2980.38、Nasdaqが98.19安の8175.42。分母が大きくなっているので、大きな下げ幅に見えるが、パーセントにするとダウが1.23%、S&P500が1.09%、Nasdaqが1.19%の各下落。目に付くのはS&P500の引けが8000の大台を割ったことかな。

 0.25%の利下げも、それに対する二人の委員(Esther L. George and Eric S. Rosengren)の反対(据え置きを主張)も予想通りだった。なので、声明(https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20190731a.htm)が出た直後のマーケットは前日引値前後を当初うろうろしていた、と筆者は理解している。それがなぜ引けでは1%を超える下げになったのか。それはFOMC終了後のパウエル議長の記者会見にある。CNBCによれば、彼はこう述べた。

 

 「"That refers back to other times when the FOMC has cut rates in the middle of a cycle and I'm contrasting it there with the beginning of a lengthy cutting cycle. That is not what we're seeing now, that's not our perspective now. You have to look at not just the 25 basis-point cut, but look at the committee's actions over the year."

 

"We started off [the year] expecting some rate increases. We then moved to a patient setting for a few months and now we've moved here.As we've moved to more accommodative policy, the economy has actually performed as expected with that gradual increase in support."」

 

 「過去にもFRBはサイクル(利上げ)の途中で利下げをしたことがある。それは長い利下げサイクルとは異なることを強調したい。我々が決断した0.25%の利下げは長い利下げサイクルの始まりではないし、長期利下げは我々が描いている展望でもない........」という部分だ。最初の文章。

 最初だけではなくこの文章全体を読むと、パウエル議長は「私たちがやってきたことは正しいですよね」と成果を主張しているように見える。「the economy has actually performed as expected」と彼は言う。実際その通りだ。「今回の0.25%の利下げばかりでなく、この一年のFRBの行動を見て下さい」と彼。「数回の利上げを予想して2019年を始めたが、その後忍耐モード(a patient setting for a few months)」を取り、今回利下げした。今までより緩和的姿勢で金融政策を運営する。何回か徐々に利上げしても経済は予想通りうまく回ってきた......と続く。

 では問題は、なぜ二人もの反対を押し切って利下げをしたのか。その答えは声明に記されている。「In light of the implications of global developments for the economic outlook as well as muted inflation pressures, the Committee decided to lower the target range for the federal funds rate to 2 to 2-1/4 percent.」。理由は二つだと言うことだ。「経済見通しに対するグローバルな様々な出来事が持つ意味合い」「沈黙するインフレ圧力」。

 前者はややこしい言い方をしているが、要するに米中貿易摩擦などなどを指す。「中国経済もそうだが、アメリカ経済も先行き不透明。個人消費は堅調だが、設備投資は良くない」「だから予防的にmid-cycleだが利下げ調整した」と言っている。今後については「As the Committee contemplates the future path of the target range for the federal funds rate, it will continue to monitor the implications of incoming information for the economic outlook and will act as appropriate to sustain the expansion, with a strong labor market and inflation near its symmetric 2 percent objective」として、相変わらず「will act as appropriate to sustain the expansion」を入れた。

 マーケットは「一回の利下げだけで、二回目はないかも知れない。またその後は利上げの戻るのでは」と理解して株価を下げた。しかし声明ではちゃんと「年内もう一度の利下げ」をし、その後も「かもしれない」と述べていることになる。マーケットは脚気反応が常だから、「期待に反して..」という部分で、ちょっと引けに掛けて過剰反応した可能性が高い。

 FRBの緩和姿勢は、「The Committee will conclude the reduction of its aggregate securities holdings in the System Open Market Account in August, two months earlier than previously indicated.」(声明)にも表れている。つまりFRB手持ち証券の削減(マーケットから資金を吸収)の2ヶ月前倒し停止。もともとの停止予定の2ヶ月前倒し実施だが、「FRBの気持ち」は受け取れる。マーケットは無視したが。

 

 あと一人過剰反応するとしたら、それはトランプ大統領かな。「俺が大幅利下げを主張したのに0.25%だけ。株価は大幅下げた。そらみたことか」と必ずツイートするだろう。パウエル議長は「イエレンさんと同じく一期限りかな」と覚悟しながらも、今回の利下げ幅を0.25%に抑えた。だって0.5%の利下げの選択肢は、今のFOMCの構成では多分ない。賛成多数にならない。パウエル議長本人も声明の第1パラが指摘するように「アメリカ経済の現状を全体で見れば好調」なわけだから、0.5利下げの選択肢は最初からなかったと言える。マーケットが過剰に期待した、というのが実情だろう。

 しかし「mid-cycle adjustment」という認識はマーケットには目新しかった。当然持つべきだったが。「予想していた9月の年内二回目の利下げは必ずしも保証されていない」というマーケットの当初判断。多分早とちりだ。その分でダウは333ドルの大当たりの下げとなった。筆者は「mid-cycle adjustment」が一回ということはまずない、と考える。それだったらやらない方が良い。多分もう一度やる。ニューヨークの株価も明日は(今日は)、反省の買い戻しが入るかも知れない。

06:32
2019
07/29
Mon

悲しいし、とっても残念です

day by day

 とっても悲しい知らせです。私にとってもですが、日本料理界にとって大きな悲しみであり、損失だと思います。

 西新橋で京料理の店を長く出しておられた「京味」の大将・西健一郎さんが、お亡くなりになった。ご家族の話によると、亡くなられたのは金曜日の昼。入院中でしたが、朝は看護婦さんとも話をされて、それほど容体は悪くはなかったそうです。しかし昼頃に容体が急に悪化し、奥様とお嬢様二人が駆けつけた後に他界されたそうです。

 「僕はチューブに繋がれて死ぬのは嫌だ.....」と元気な頃からおっしゃっていた西さん。最近は足を悪くされて、歩くのもちょっと不自由されていた。しかしそれでも店に出て、伺うといつも話はうまいし、当然ながら料理は美味しいを通り越している。時間を過ごすのがとっても楽しい店でした。

 私が新潮社から「カウンターから日本が見える」(https://www.amazon.co.jp/カウンターから日本が見える-板前文化論の冒険-新潮新書-伊藤-洋一/dp/4106101831)を書いている時にも、本当にいろいろ教えて頂いた。お父様も有名な料理人で、親子で日本料理の神髄のような方でした。若い時に店を出られるお客様が「美味しかった」と言ってくれても追いかけて「本当ですか。何か気になることはありませんでしたか」と聞いたという西さん。お節を作る姿はNHKの特番にもなりました。

 奥様もいらっしゃるし、立派なお嬢様お二人もおられる。「みっちゃん」という西さんと長く一緒に仕事をしてきた小豆島出身の方もいらっしゃる。私と同い年の彼は元気です。でも「足」は問題で、やはり料理人は立ち仕事が長いので、足を悪くする人が多い。「少なくとも12月までは予約もあるので営業を続けるつもりです」とお嬢様。だから「京味」の料理は当分健在です。

 いろいろ教えられる方でした。お客様にはほぼ当分に話をふられる。誰も孤独にしない。話題も豊富で、「一流の方はなんでも一流」という印象が強い。ニュースや情報にもキーンで、「私はこう思いますが、先生はどう思われます」といつも話を振られた。なによりも料理が美味しかった。毎回、幸せな気分になれた。絶品揃いで、かつ季節を堪能できた。最後の最後までいつも頭の中で「新しい料理」を考えている人でした。素晴らしかった。

 日本の各地で食事をして店の方と話をして、西さんを知らない人はいなかった。全く。それだけ日本の料理界でも尊敬されていたのだと思う。本も沢山残された。その本を何回も何回も黒くなるまで読んでいる料理人を何人か知っている。先日そのうちの一人を西さんに引き合わせた。

 ただただご冥福をお祈りします。合掌。

00:23
2019
07/24
Wed

「お笑い」は大きな成長産業なのに.......

day by day

 「スッキリ」って、午前8時からでしたっけ。見たいが車中か。ま、音声だけで。夕べ3時間も続いた加藤--大崎会談を受けてスッキリの司会・加藤君が「今後」について喋るらしいので。まあ注目かな。彼の番組にはTBSや日テレで何回も出たことがあって、知っている。

 今回の騒動ではテレビでいつも私の横に居る斎藤司君など多くの芸人が自らの言葉で喋っているので、そのこと自体には触れない。月曜日にあの社長さんのどうしようもない記者会見にスタジオで2時間以上付き合わされて、ちょっと怒り心頭ではあるが。

 私としてこの問題にちょっと違う視点を提供すると、「そもそも"笑い"は大きな成長産業だ」というもの。その一つの理由は、AIが一番不得意であろうと想像されるのが「笑いを作る」ことだと思うからだ。つまりコンピューターでは代替できない。絶対的に人間が背負う。

 「笑い」が成長産業なので、吉本は6000人もの芸人を抱えるまでになった。社員は865人程度らしいが、「全体で7000人を抱える事業体」とすれば、それはもう大企業だ。そのガバナンスが目を覆うばかりの状態だった、というのが今回表面化した。社員100人程度の中小企業にもはるかに及ばない。

 世界の政治を見ても、「笑い」の伸張が著しい。ウクライナでは大統領と議会の両方を抑えたし、イタリアでも元芸人の政治家が真面目な顔をして政治に携わっている。「なぜか」と考えるのは頭の体操になって面白い。一つ言えることは「常に笑いを必要とする時代」になったという点。

 ラテを含めてメディアで送るコンテンツとしては、「笑い」はスポーツよりも日常的に必要。それを提供できる人々は、それが良い事かどうかは別にして、ある種「求められる人々」「笑いの対象としての英雄」だ。なのでメディアの隅々にまで進出した。以前はテレビ番組で私の隣がトレンディーエンジェルの斎藤司君という構図はなかった。今ではニュース番組にお笑い業界の人がいるのは普通だ。

 恐らく、今回の騒動でも「お笑い」の産業としての規模は縮小しないだろう。そう思う。吉本の社長会見そのものが一種の「お笑い」だった。それらはネタになる。情報が奔流のように流れる時代において、「笑い」は重要なコンテンツになり続ける。

 しかし浮かび上がったもう一つの問題は、「笑い」や「芸能」を訴求しなければならないが故に、メディアがその"提供者"を不必要に忖度する問題だ。それを阻止するには"提供者"を増やさなければならないが、今の日本の芸能界では吉本ともう一つ乃木坂の事務所がパワフルになりすぎた。

 それらの会社が独自に抱える問題もある。それが今二つ表面化している。曲がり角かも知れない。しかし今の時点でどう転ぶかは分からない。一つ言えるのは、「歪んだ成長」はいつか大きな障害にぶつかる、ということだろう。今吉本はその障害にぶつかっている。

 私としては昨日大手町のスタジオで収録した日経ヴェリタストーク(https://www.nikkei-cnbc.co.jp/program/veritas)のような落ち着いた番組も多くの方に見て欲しい。水曜日の日経のサイトから見られると思います。テーマは「五輪会場、飛び出す技術」で、とっても面白かった。(了)

06:20
2019
07/21
Sun

存在のない子供たち

day by day

 あまりにも対照的だな、と思いました。エンディングです。映画の。両方とも「人の顔」が使われている。しかし私には一方は成功し、一方は失敗に感じられる。「こうも違うものか」と見終わって思った。

 土曜日です。銀座のシネスイッチ前で「存在のない子供たち」(http://sonzai-movie.jp)という同日封切りの映画を見付けた。何の事前知識もなかったのですが、「面白そうだ」と夜の回を昼の間に買っておいた。強烈な映画だった。それを通り越している。「悲惨」であり、日本人の私に「世界の多くの子供達を取り巻く実体はこうなんだ」とジワリ迫ってくる。とっても考えさせられる、そして痛々しい映画です。それだけだと救いようがない。

 しかしこの映画のエンディングは、実に素晴らしい。希望が残る。それまで決して笑わない主役の子供(12〜13歳、素人)に、最後は笑顔を作らせる。「証明書写真だから」と言って。証明書のない生活をしてきたこの男の子。その子が最後に作る笑顔。それがとっても印象に残るのです。逆にそれまでの悲惨さがすべて投影されるようで。昨日公開されたばかりの映画なので、詳しくは書きません。

 もう一方。「この映画はエンディングがダメだ」と思ったのは「新聞記者」(https://shimbunkisha.jp)です。公開されて暫く時間がたつ。なので既に様々な評価が出ている。「良い映画」「見応えのある映画」という人もいれば、「デフォルメされている」「タイトルの割に取材不足」など。私の評価は「あまりに直近の事件に紐付けしたことで映画の信憑性が落ちた」というもの。だが私には、映画として見た時のエンディングが何よりも気になる。

 「存在のない子供たち」と同じように、「新聞記者」でも「人の顔」の大写しがエンディングです。しかし「新聞記者」のそれは、「一体何を言いたかったのか」「この二人は結局どうなるのか」がとんと分からない。「???」で映画館を出ざるを得ない。私だけかと思ったら、この映画を見た多くの人(この映画のモティベーションを評価する人も)が、私と同じ印象を持っていた。なんなんでしょうね。あれは。

 対して、「存在のない子供たち」のエンディングが持つ力は強く、そして明瞭です。あの笑顔こそ、世界の多くの子供達が置かれている状況を変える力になると思った。映画として一見の価値がある。印象も強烈です。

06:02
2019
07/13
Sat

ポケ活は、スポ活 !!

day by day

 読者の皆さんは、「Sport in Life」(http://www.mext.go.jp/sports/sportinlife/)をご存じ。知りませんよね。だって今年の7月1日からスタートしたスポーツ庁の企画。「2020年東京大会レガシーに向けて」という狙いと、『さまざまな目的で行われる身体活動全てが「スポーツ」である』というコンセプトを持つ。確かに。私は意図を持った階段の上り下りも「スポーツの一種」だと思っている。

 その新しいプロジェクトの第一号に認定されたのが、なんと当事者も予想外(であっただろう)のPokémon Goだったです。ん、スポーツ庁の中に熱烈なファンがいた ? 知りません!!

 私も3年近く、時々飽きながらも続けている。歩きますよ。ほぼ確実に毎日10キロ以上。このゲームが始まる前にも東京マラソン完走(時間はかかりましたが、達成しました)を狙って走り、歩いていましたから、このゲームは私の趣味に後から加わった。

 昨日のラジオ番組(http://www.radionikkei.jp/roundup/ アップルやspotifyのサイトからポッドキャストでも聞けます)でも取り上げたのです、普通のゲームと決定的に違うのは、人々を幽閉するのではなく、連れ出すと言うことです。外に出なければ始まらない。

 ゲーム提供会社のナイアンティック(https://nianticlabs.com/ja/)は、「Adventures on Foot」を企業ミッションにしているが、確かにこのゲームは人々を歩かせに十二分のファクターを持っている。スタートから3年を経過したゲームが、今また新たなファンを獲得しているという事実がこのゲームが持つ魅力をよく表していると思う。その点は確かに『スポーツ庁によるプロジェクト・ロゴマークを初めて付与されたアプリ』に相応しい。

 むろん、いろいろな軋轢も生んだPokémon Goだが、仮想とリアルの問題を考える上でも興味深いし、決済とかだけでなく「アプリが持つ可能性」を発揮していると思う。今後の展開、いかに ?

09:32
2019
07/11
Thu

政治的圧力だけではない問題なのに.....

day by day

 11時夜9時からのNHKのニュース番組を見ていたら、まるで「トランプ大統領が圧力を掛けたからパウエルFRB議長が利下げ姿勢に転じた」といった報道になっている。とんでもない間違いだ。

 パウエル議長がトランプ大統領の圧力をはねのける努力をしていることは明らかだ。パウエル議長は下院金融サービス委員会の委員の質問に答える形で、「もしトランプ大統領がFRB議長の私を代えようとしても、私は職から離れるようなことはしない」と明言した。ウォール・ストリート・ジャーナルはその間の事情を「Mr. Powell also said he wouldn't leave his office if President Trump tried to replace him.」と伝えている。芯のあるFRB議長だ。

 では彼が認めているようにアメリカ経済は比較的強く見えるのに、今回利下げを臭わせたのか。それには三つのポイントがあると思う。

 

1.      アメリカ経済の成長率は比較的高いが、それはもっぱら純輸出と在庫によって説明できる。もっと頼りになるのは消費と設備投資だが、特に後者について「最近顕著な減少」が見られる。一因は貿易摩擦で、加えて世界経済の減速も影響している。つまり景気の両輪の片方の設備投資が弱い

2.      インフレ率に関するFRBの目標は2%で、利上げに踏み切った時期には2%近傍まで上がっていたが、今年の春から再び低下してしまった。5月はPCEで見たインフレ率は1.5%になった。それから食料品とエネルギー関連製品を除いて、将来のインフレ率をよりよく見通せるコアPCEの伸びも1.6%と目標を大きく下回っている

3.      アメリカ経済を取り巻く環境を考えると、クロスカレント(crosscurrent 逆流現象)が多い。貿易摩擦、欧州や途上国などを中心とした世界経済の減速など。最近数ヶ月にアメリカ経済を取り巻く不安感は強まっている

 

 特に「インフレ率がなぜ上がらないのか」は世界各国に通じるなぞだ。利上げモードに入った段階ではアメリカのインフレ率は2%近傍に上がっていたが、春からはPCEで見て1.5%〜1.6%(コア)に低下している。恐らく議長は、こうした大きな図式の中で利下げモードへの転換を決めつつある。中央銀行の総裁が「政治家の圧力」のみで利下げをするなどと考え、報道するのは間違っている。話としては面白いかも知れないが。

 就任当初は言わなかったが、パウエル議長は年2回のハンフリー・ホーキンス法に基づく議会証言の際に、前回から「Congress has given us an important degree of independence so that we can effectively pursue our statutory goals based on objective analysis and data. We appreciate that our independence brings with it an obligation for transparency so that you and the public can hold us accountable.」と「議会が与えてくれたFRBの独立性」に言及している。これも間接的にトランプ大統領の干渉に対する抵抗だと思われる。

21:47
2019
06/15
Sat

spotifyで聞けるようになりました

day by day

 皆さんは今急速に伸びていて世界一の音楽ストリーミングサービスであるspotifyをスマホなどに入れていますか ? 嬉しいことにこの6月から、私がラジオNIKKEIでやっている二つの番組

 「伊藤洋一のラウンドアップ・ワールドナウ」(http://www.radionikkei.jp/roundup/

 「ラジオコネクテッド〜つながるクルマの近未来」(http://www.radionikkei.jp/radioconnected/

  がspotifyで無料(選択)で聞けるようになりました。過去分を含めて。iPhoneでもAndroidでもストアに行ってもらってダウンロード、簡単な設定のあとspotifyの検索で前者は「伊藤洋一」、後者は「ラジオコネクテッド」を入れてもらうと出てきます。

 今までのラジオ、そしてアップルのポッドキャストなどに加えて、spotifyという人気急上昇アプリから私の番組に聴取者がアクセス出来るようになったことは、正直嬉しい。

 と同時に、spotifyのサイドからラジオNIKKEIの一連の番組が選ばれ、その中に私の番組が二つとも入ったことは私にとって今までの努力が報われたように思います。二つともとっても良い番組で、私も力を入れて毎週放送していますので、これを機により多くの方々に聞いて頂ければと思います。

 では番組でお会いしましょう。

07:10
2019
06/05
Wed

訪英中に国内では身内から反旗が....

day by day

 火曜日としては珍しく、4日は午後に日経さんがらみのラジオとテレビ各1の収録がありましたが、共に面白かった。ラジオは「日経新聞を読んで」(http://www.radionikkei.jp/yonde/)で、ここでは2本の「チャートは語る」の記事を取り上げた。気が付いていない人も多いと思うが、日経の当該紙面にはスマホのQRコードが印刷されていて、そこから「日経AR」をダウンロードすると、日経紙面のチャートが動き出す。バックグランドの音楽付き。

 これがとっても良いのです。分かりやすい。紙(コピーでも可)でもスマホ連動でこんなことができるのかという感じだったので、5月10日の「国内景気に黄信号」と5月26日の『大衆迎合呼ぶ「欧州の罠」』の2本の日経記事を取り上げた。今回の私の収録分は間もなく放送されると思う。

 テレビは日経CNBCの「日経ヴェリタストーク」(https://www.nikkei-cnbc.co.jp/program/veritas)で、最新号の「イノベ株を掘り当てる」に関して。今週の号から日経ヴェリタスは誌面トップのデザイン変更をして、左のタイトルが「Innovation for Investors」とブルー地に白抜きのすっきりしたデザインになった。株式市場を取り巻く環境は米中貿易摩擦もあって不透明だが、我々の日々の日常はあまり変わらない。その日常を変える銘柄群を日経ヴェリタスとしても取り上げたいという意向らしい。ナイス。これは今日も日経新聞本紙のネットサイトから見ることができると思います。編集長もこれまでの小栗さんから橋本さんに代わった。

 ところで今朝面白いと思ったニュースは、アメリカの議会共和党が「トランプ大統領の対メキシコ関税」の阻止に動き出した、という記事(https://www.washingtonpost.com/world/the_americas/mexico-sees-80-percent-chance-of-a-deal-to-head-off-trump-tariffs/2019/06/04/53bdce08-86c4-11e9-98c1-e945ae5db8fb_story.html?fbclid=IwAR0-NqWm7zhtugtaMo3ZdQQ1n207CmUCBA-eH4MWzAbFNax7v4MuzENLY0Q&utm_term=.6484d7c1edb5)そりゃそうでしょう。産業界まで大反対。議会の共和党としても動かざるを得ない。税の実施は10日からですが、筆者は「理由を付けた延期」の可能性が大きいと思う。

 それは月曜日に長い文章にしました。ここ(https://arfaetha.jp/ycaster/news/pdf/20190603.pdf)をお読み頂ければと思います。月曜日の朝に書いたものです。

05:47
2019
05/26
Sun

出てとっても良かった....デンソーの事業方針説明会

day by day

 金曜日には、昼前からデンソーさんの事業方針説明会に。お知らせしている通り、「ラジオ・コネクティッド つながる車の未来」(http://www.radionikkei.jp/radioconnected/)という番組をやっているので、その関連もあって。

 一番びっくりしたのは、説明会で司会を務めた斎藤さんという広報の女性の方が終わった後に、「伊藤さんの番組は、ずっと聞いてました」(http://www.radionikkei.jp/roundup/)とおっしゃったこと。「ここにも聞いて下さってるた方が」と思いました。

 説明会は面白かった。有馬社長の「突き刺さる質問ばかりでなく.....温かい質問も」のイントロで始まったのですが、やはり時代の先端を象徴する分野なので、財務面、テク面から様々な鋭い質問が飛んだ。そりゃアナリストもプライドにかけて鋭い質問をする。

 「繋がる車」の関連で最新情報を仕入れられて良かった。実に面白かった。頭がまとまるんですよね。自分でもいろいろ勉強はしているし、実際に対応車種にも乗ってはいるのですが、BtoBの会社がどんな視点を持ってこの問題に取り組んでいるのか、何が主要なテーマになっているのかを知ることが出来て良かった。説明会終わりには技術担当の役員の方にインタビューもしました。「エッジ側に処理能力を持たせることで、一時的に通信が遮断されてもサービス継続可能」という点について深く聞きました。denso1.jpg

 デンソーさんとしても、「この手の説明会を行うのは始めて」ということで、確かにBtoBの会社だから今までは「必要ない」という判断だったのでしょうが、今は繋がる車の先には「繋がる会社、そして社会」があるわけで、今までになかったような広がりが事業には生まれる。そうした中で証券会社のアナリストやメディアの人間に「ここを目指しています」と説明する必要が高まった、と判断されたのだと思う。

 当然最近の悲惨な事故についても話題が及びました。新しく出てくる「繋がる車」だけではなく、既に5年とか10年とdenso2.jpgか走っている車の安全性をいかに上げるか。メーカーサイドも考えているのは分かったのですが、「年間に、世界で交通事故で死亡する人は135万人」と聞いて、驚愕しました。まだまだできる事は一杯有る。

 この手の説明会には今後も出たい。(了)

10:11
2019
05/16
Thu

最近では一番嬉しい知らせ

day by day

 嬉しい知らせです。私がもう25年以上にわたってレギュラー・コメンテーター(ずっと毎週金曜日です)を務めているTBSの「森本毅郎・スタンバイ!」(https://www.tbsradio.jp/stand-by/)が「放送人グランプリ2019優秀賞」(http://www.hosojin.jp/Grandprix.html)を受賞しました。

 放送人グランプリは、放送界のOBからなる「放送人の会」が選ぶ賞で、放送局の推薦などではなく、放送人の会がすべての番組を対象に選ぶ、放送のプロの賞ということです。私もこの番組の一員(毎週金曜日)を長く続けられて光栄です。

 以前は関東エリアの番組でしたが、今はラジコなどで全国での聴取が可能です。放送開始からは30年、お聴き頂いている皆さんに感謝です。表彰式は5月18日。受賞理由は以下の通りです。 

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 1990年4月スタート以来30年、今も首都圏ラジオで放送し続けている、"朝番組の金字塔"です。

 キャスターの森本毅郎さんの存在感、アシスタントの遠藤泰子さんの安心感、充実のコメンテーター陣、スタッフ全員のチームワークの良さが魅力です。聴取率も常に好調で、首都圏では毎回1位~3位を占めており、報道番組の手本となっています。

朝はラジオのゴールデンタイム。早朝の時間帯が好調であれば、その放送局を続けて聴くのがラジオです。

 つまり、朝を制する局が聴取率の勝者となります。首都圏の聴取率調査で、17年以上、首位をキープするTBSラジオの、まさに原動力となっている番組です。

6時30分から8時30分まで、ニュースに真正面から向き合い、コメントは直球勝負。常に庶民感覚の目線を忘れない「聞く朝刊」です。取材の最前線で活躍する日替わりコメンテーターを森本さんが巧みにリードし、時の政権も厳しく批判し、ズバリとモノ申します。6時57分からの「朝刊読み比べ」は、森本さんが朝刊各紙を2分間で縦横ぶった斬り。朝から胸の奥がスッキリします。7時からは、日替わりのコメンテーターによる、切れ味鋭い解説コーナー「ニュースズームアップ」。経験豊富なジャーナリストが、本物の情報とその見方を示してくれるので、自分の視点を持つ上で、聴いて得した気分になれる番組です。長きに渡りバランス感覚に優れた報道番組を放送し続ける功績を称えます。

17:45
2019
05/13
Mon

私が講演する面白い会合が.....是非来て下さい

day by day

 ちょっと先の話になりますが、面白い会合で講演者の一人をつとめます。私も他のテク系の方々の講演を聴きたい。楽しそうなので、是非皆さんもご参加下さい

 集まりの名称は「エンジニアがお届けする春のIT祭り!- ABC2019s -で、サイトは「https://japan-android-group.connpass.com/event/125928/」です。ウリは「国内最大級の規模を誇るAndroidの19回目の祭典」。

 エンジニアがお届け......には相応しくない私ですが、東海大学の大西先生に呼ばれたからには、常日頃考えていることを提供しますよ。エンジニアの会合で見落とされがちなのは、「ITと経済」の関係です。実はITが経済の大枠を大きく変えている。それに気が付かない方が多い。経済とか生活は即私たちの生き方、選択の問題に絡む。

 私が今上記で掲載したサイトは、まだ少し具体的内容に乏しい。しかし今後充実すると思います。私も「心を込めて支度中」(街に溢れるレストランのウリ文句 一度使いたかった)です。

 あ、私はむろんiOSのユーザーですよ。しかしAndroidであろうとiOSであろうと、ネットでの情報の行き交いが世界を変えていることに変わりはない。なので出馬します。

 皆さん、お楽しみに。

11:07
2019
05/13
Mon

文楽、案外面白かった

day by day

 週末は私としては全く初で、半蔵門に近い国立劇場で5月の文楽公演を見ました。「通し狂言 妹背山婦女庭訓」で、その全体は午前10時半に始まって夜の9時過ぎに終わるという超大作。私が見たのは「第一部」。それでも終わりは午後3時に近かった。

 歌舞伎で演じられる部分もあって、ストーリーはおぼろげには頭の中にありましたが、なにせ文楽を見るのは初めてでした。大阪に10年間毎週通っていながら、ゆっくりと難波の劇場で観たことはなかった。ずっと行きたいと思いながら。今回誘われて実現。

 思ったのは登場人物の動きは相変わらず全体的にスローだが、話の展開は速く、簡単に殺人事件や謀反が発生するし、王侯貴族の館が舞台になったと思ったら、一転して庶民の家が舞台になったり。「予想以上にすごく動的だな」と思いました。

 国立劇場の中でも小劇場での公演でしたが、ほぼ満席。女性が多いのですが、ファンは増えているのかなと思いました。オペラと同じで語りがデジタル表示されるのですが、漢字の読み方などとっても勉強になった。

 どうせだから第二部とも思ったのですが、その終わりは午後の9時過ぎ。確かに「通し」はきつい。10時間以上という長い物語。第二部はまたということで土曜日は帰ってきましたが(切符も違う)、是非次の機会には観たい。

サイト=https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2019/5124.html

09:12
2019
03/27
Wed

4月から新しい番組を始めます

day by day

 今日はお知らせです。4月から「ラジオ・コネクティッド〜つながるクルマの近未来」という番組を始めます。週一回、約一年間の予定です。ラジオ日経さんとの企画で、最近NHKラジオも加わったラジオアプリ・ラジコでも聞けます。20分番組で4月の最初の週から毎週。木曜日夜20:00〜20:20。翌金曜日の昼の再放送もあり、当然ながらポッドキャストでの放送もあります。

 「つながるクルマの近未来」というタイトルの通り、急速に市販車にも普及しつつある「connected cars」に特化した番組です。それを52回。相当深掘りが出来るイメージで、メーカーさんは当然ながら、車載器メーカー、通信業者さんに取材を重ね、「connected cars」の全貌を明らかにする中で「クルマの近未来」、そしてその社会的インパクトを見つめたいと思います。

 既に今の4Gに比べて100倍の通信速度を持つ5Gの世界はすぐそこに接近していますが、いわゆる「繋がるクルマ」の世界も大きく広がり、そしてクルマに新な魅力と安全性をもたらそうとしています。我々現代人の「移動」に関わる重大な状況変化が駆動体系の変化、情報環境の変化の中で起きようとしています。それがどうなるかを見ていきたいと思っています。

 既にトヨタさんの各部門の責任者へのインタビューを積み重ねており、今後も様々な分野の方への取材・インタビュー、それに私たちの考察を含めて番組を面白いものにしようと思っています。大きく変わろうとしているクルマの社会、そして人間の「移動」。新たな視点で新しい時代を見つめ、そして予言したいと思います。

 

私の4月からのネット・ラテ番組体制=https://arfaetha.jp/ycaster/information/post_1570.html

ラジオ日経=http://www.radionikkei.jp

                                     (了)

13:23
2019
03/06
Wed

ははは、二日連続で中目の新しいスタバに

day by day

nakamestaba1.jpg 半分は仕事関係の取材、半分は趣味だな。スタバが中目に作った「RESERVE ROASTERY TOKYO」。昨日は午前10時過ぎ、別の車関係の取材を午後1時に虎ノ門に控えての突入だったので、忙しかった。入るのに先ず整理券をもらい、その整理券のQRコードを読み取って、そこに必要事項を記入して送信。スタバから順番待ちの整理番号を知らせるメールが来るのを待って、時間になったら並び。そしてメールが来たらまた列に....と。私の整理番号は3333でした。

 今朝は「朝なら大丈夫だろう」と家を7時半過ぎに出て8時前に行ったら「直ぐどうぞ」と。昨日は「早く作れる飲み物」しか飲めなかったので、今朝は二つほど頼んで、この文章を書きながら飲み比べ。2時間くらいはいようかな。駐車場代が高くなるがしょうがない。

 4階建ての建物。4階が好きだな。一番落ち着く。もっとも4階は何も売っていないので、珈琲は1階から持ち上げねばならない。エレベーターもあるが、ちょい遠い。とっても閉口するのは電源がないこと。全フロア。WIFIはある。いつものスタバのやつ。普通のスタバのアプリでの支払いも同じように出来る。

 ま、綺麗だし、おもしろいんじゃないでしょうか。ただし、珈琲は1階で飲むのがいいんじゃないでしょうか。注文すると「出来上がり」(赤の点滅)を知らせてくれる端末を渡してくれる。ファミレスみたいに。私は注文して4階に陣取ってから出来上がりを待ったので、赤の点滅を見て階段を1階まで降り、出来上がりの商品をもらってまた階段で4階まで上がった。ちょっと珈琲が冷めちゃったな。

 飲み比べは面白かった。普段行っているスタバに比べて、品揃えは豊かです。グアテマラとグラビスタ・ブレンドを少しずつ飲みましたが「まろやか」「こく」など、いろいろ楽しめる。どちらが良いということではなく、その時の気分ということでしょう。食べ物は相変わらず貧弱で、私が食べた範囲ではあまりお勧めしない。

 何と言っても、建物の構造が面白い。時間の経過でどうなるか分からないが、4階までぶち抜きの明治神宮の屋根を思い浮かべる新品・新鮮コパーの輝く金属地が清々しい。多分これからの季節は2階から上の各階にあるベランダも席が多いので、使えると思う。「半分仕事」と書いたのは、今週の金曜日にTBSの森本毅郎スタンバイの午前8時15分からのコーナーで取り上げるので、今週中には取材を終えないといけなかった。でも、貴重な時nakamestaba2.jpg間です。新しいコンセプト、新しいお店、新鮮な発見。

 「発見」と言えば、今朝は圧倒的に日本人や欧米人の客が多いが、昨日は私の前後はとってもアジア系のお客さんが多かった。台湾系かな。情報はまたたくまに広がっているので、たまたま来日した人、そのために来た人もいるのだと思う。列の整理をしていた人が難渋していたので、私は英語でお手伝い。昨日の日中は「待ち」の時間が長いときには2時間になっていたような。

 あ、「車関係」の仕事は、今後「コネクティッド・カー(connected car)」に特化した番組(50回ほど続ける予定)をある局が始め、私がかなりの部分のMCをやるので、その関係で。昨日は新型クラウンの最近接続機能に関しての取材をトヨタの方に聞きました。それはまた始まる直前に書きます。

 

08:28
2019
01/24
Thu

とっても面白い勉強会だった.....スマホのアプリはなぜ動く?

day by day

 コンピューター上のソフトがなぜ動くのかは、少しかじったので理解出る。そこで使われる言語もいくつか知っている。しかしスマホ上のアプリが「なぜ、どうやって動くのか?」「どんな言語が使われているのか?」はこれだけ毎日毎時使っているのに、私にとって全くの「謎」だった。

 しかし昨日、その「謎」の一端が理解できた。友人の深見先生を講師に招いた勉強会を少人数で行って、具体的に極身近なところでのゲームアプリを念頭に"作成"のまねごとをしてみたのだ。驚いたのは、そこで使われている言語が「html」だったことだ。私が長くインターネット上にHPを作るために使っていた言語だ。

 考えてみればスマホとPCの違いはそれほどないのだし、OSをまたいでネット上に情報を表示できる言語がそれほど数多くあるわけではない。深見さんの説明で「Unity」とか言うAndroidとiOSをまたぐ言語がある事を知ったが、両方をまたげる言語は依然として数少ないらしい。

 先生のPC画面をHDMIでテレビに繋いで進めたのですが、あまり大きな場所でもなかったので、とってもよく分かったし、言語を書くスピードがそうは言っても遅い私でもついて行けるスピードで進めてくれて助かったし、面白かった。自分のHP作成に使うタグの類は様々な方法によって簡単に入力出来るのですが、今回使ったhtmlタグは私が繰り返し親しんできたものとはちょっと違う。それで手打ちになった。

 今回の授業、暫く続くのでとっても楽しみ。私がその際の写真をSNSでアップしたら、非常に多くの「いいね」がついた。それを見て勝手ながら、「ああ、スマホのアプリがなぜ動くのかに興味がある人が多いのだな」と分かった。次回、そしてそれ以降がとっても楽しみな勉強会となった。

09:59
2019
01/08
Tue

病人のいない島.......子供達は伸び伸び

day by day

 世界で知られた国で人口構造が綺麗なピラミッドになっているはインドですが、日本では小笠原村がその「綺麗な人口ピラミッド」なんだそうです。子供が島内で生めないのに子供が多いということは要するに「小笠原が子供を育てやすい環境」で、島内が「子だくさん」なのだそうです。私たちが泊まったペンションの経営者の方も女子が二人(小一と年長)居るのですが、「あと二人ほど」と言っていた。

 母島には小中があって、父島には小中高がある。高校より上はないので、本土に行くか、海外に飛び出るのだそうです。もともと小笠原島に住んだのは欧米系の2家族が最初だと言われている。明らかに日本人とは異なる顔つきの人も小笠原には多い。アメリカは日本本土からよりは距離的には近いし、欧米系住民の存在もアメリカやその先の海外を小笠原の子供達に身近なものにしているのでしょう。 

 小笠原の成人式は1月1日です。午前中に海開きや青ウミガメ放流をしたあとに午後に成人式をやる。二十歳の子供達が一番帰って来るから、というのが理由。今年は15人程度が式に参列したと聞きました。今の小笠原の小学校の一学年は30人くらいらしいので、戦前のピークの7400人(父と母の合計)になるのは相当先だが、徐々に島の人口は増える可能性が大です。島に憧れて移住してくる人も多い。沖縄石垣島の移住組は若い人、小笠原の移住組は子供連れ、と誰か言っていた。 

 私達の世界遺産地域ガイドをしてくれた「すだち」(須田が名字だが、島では村長を含めてニックネームで呼び合うそうな)さんやその他のガイドさんも、そしてペンションの経営者も「移住組」だった。なんらかの形で大学の時から小笠原とか自然とかに関連した勉強をしていて、島が好きで移住したという人が多かった。不便に感じることも多いが、「島には島の魅力がある。山ほど」というのが彼等の移住理由です。私も一瞬、「ここに一年ぐらい住むのもいいな」と思った。

 そうそう。「小笠原には基本的には病人はいない。みんな元気だ」というのが面白かった。島内で子供も生めない病院不足の小笠原。本当に危険な病人が出た場合には硫黄島の自衛隊にヘリを出してもらって同島の基地に運び、そこから自衛隊の飛行機で本土の病院に入院させるのだそうです。病人搬送も半端ない手順と作業。そんな手間暇を掛けて病人を搬送する必要が出てこないように、基本は「島には病人はいない」というのです。多分そうです。

 それにしても、旅のエンディングが劇的でした。二見港を出航する小笠原丸。港での見送りが盛大なことは「ああ、なるほど」と思ったのですが、船が港を出て直ぐに「あ、10数隻の船が併走(併航)していると」気がつきました。壮大です。船船に乗っている人達は皆手を振っている。一隻、また一隻と船速を落として併走をやめるのですが、辞めると同時に何人かが船の上から海にダイビングする。船ごとに。その度に小笠原丸からは歓声が上がる。

 小笠原丸からは「ありがとう」「いってきます」の合唱が起きる。多分成人式で島に帰ってきた人達も乗っていた。また正月を生まれ故郷の島で過ごすために帰ってきた人達もいた。旅の終わりがあれほど劇的だったことはない。島の人達のホスピタリティが素晴らしい、と思いました。サトウキビや冬野菜(カボチャなど)で生きてきた島も、今は観光が最大の産業。「また来て欲しい」という気持ちは間違いなくある。しかし年間恐らく40回くらい来航し、そして出航する小笠原丸をああいう形で送り出すのは大変だし、送られた方に感動を残す。「とても、とても素晴らしい」と思いました。今も私の中では「小笠原は素晴らしい」の印象が強くあるが、その一部はあのエンディングです。

 ありがとう、小笠原の方々。また行きたい。

 

11:03
2019
01/05
Sat

数多くのツアーコース.......小笠原は観光のメッカ④

day by day

 初めて来た小笠原は、観光のメッカでした。26〜27度の沖縄と同じ北緯。私たちがいた年末年始は朝が17度くらい、日中が高くて23度くらいで本土に比べれば体感的にはとっても暖かかった。島の人達は「寒い寒い」と言っていたが、本土に比べればお日様さえ出ればとっても暖かい(と私たち観光客は感じる)。基本的には風が強いのが難点ですが、それは孤島なのでしょうがない。全体的には快適です。

 4800万年前からの海底噴火で造山活動を開始し、4000万年前弱から地上に姿を現したと考えられる小笠原。日本列島より遙かに古い歴史を刻んでいるにも関わらず、一度も大陸とひっついたことがない「海洋島」。なので3ルート(海流、風、そして鳥)から運ばれた様々な生物、動物が長い時間の経過の中で「固有種」を形成し、そのいくつかは絶滅したが、多くは残っている。

 印象に残ったのはガイドをしてくれた人達の熱意と、植物では「タコの木」、動物では「オガサワラオオコウモリ」かな。そして島では種が少なく植物同士、動物同士の競争が激しくないので、花は白くなり、昆虫(アメンボウなど)は小さくなるというのが面白かった。植物では「タコの木」の実を「オガサワラオオコウモリ」が好んで食べる。というより、美味しいところ(汁)をつまむ(吸う)。コウモリは飛ばねばならないので、「美味いところをもらって後は捨てる」のが習性で、その捨て滓があちこちに散らばっている。一般道にも。

 小笠原は地上戦が行われなかっただけで、激しい空襲、銃撃を受けた。海の輸送船も狙われて、死者も沢山出たらしい。小笠原の地上戦が避けられたのは硫黄島制圧後のアメリカ軍が空襲基地としては「もうここで十分」と考えて小笠原をパスしたためとされる。銃撃に加わった一人が先に亡くなったパパ・ブッシュで、彼は撃墜されたが海上を漂流しているところを味方の潜水艦に発見されて助かった。故に大統領になれた。彼の同僚は死んだそうです。彼が空軍機で狙った日本陸軍の施設もまだ残っている。

 「軍関連の施設」を巡る軍歴ツアーも小笠原には既にある。今は人一人が通るのがようやくの急峻な山道も、戦争終結までは軍用車両が上がれるほどの幅の道だったらしい。なので山の上にはその時に山の上にまで運ばれ、設置されたレーダーがまだ残っているし、その他の塹壕、シェルターなどなどが散見される。道具はまだ残っています。毒ガスマスク、車両(ニッサンやトヨタの文字が読める)の残骸、大砲の砲身などなど。彼等が水を上の兵士に運ぶのにも使った一升瓶やビール瓶も残っている。鮮烈です。

 むろん海も素晴らしい。火山島の父島の直ぐ南に「南島」があるが、それは珊瑚礁が隆起して出来た島で、砂が真っ白です。私はしなかったがイルカと泳ぐ事も出来るし、ザトウクジラが雄大に泳ぐ姿も見れる。それぞれの季節でそれぞれの観光コースがある。今は冬で海の上は風があるとやや寒かったが、海水温は22〜23度で暖かかった。

 夏は島の南東部の世界遺産地域を歩くのは相当つらいそうです。暑くて。水が一人当たり3リットルほどいるらしい。しかし今はペットボトル1本もあれば十分。説明書通りに2リットルの水をリュックに背負った人は「重い」と言っていた。遺産地域に入るには靴やズボンの洗浄を行います。そして必ず「ガイドさん付き」でしか同地域に入れない。いろいろガイドさんは説明してくれる。全部は覚えきれないが、彼等が総じて均等に持つ「熱意は心」は記憶に残った。皆小笠原が好きで、小笠原の自然をなるべくそのままキープすることに熱心です。固有種の保護の必要性を誰もが熱心に説いていたのが印象的。

 暑いかもしれないが、今度は夏に来たい。しかし今回は小笠原で正月を過ごせたことで一杯思い出が残った。良かった。

08:56
2019
01/03
Thu

「補助金」が重要だし、故にとっても豊かな....気付きの③

day by day

 人も物資も「おがまる」で丸一日24時間の航海時間と船舶燃料を使って運ばれてくると言うことは、本来は「島の維持コストは高い」ということです。例えばガソリンはレギュラーでリッター190円くらい払った。レンタカーをしたので知っている。しかしそれでも本来の価格からは随分と安くなっているらしい。島内は目の子軽四輪が7割です。当然借りたレンタカーも黄色ナンバーだった。島の車全体として白ナンバーが少ない。あとはバイク、スクーター。

 以前は島のガソリン価格はリッター250円に接近していたらしい。ではなぜ本来価格から大幅に安くなっているのか。それはリッター55円に達するらしい補助金故です。少し前から付くようになったらしい。

 小笠原村が東京都下の村であり、車のナンバーも「品川」であるということは、非常にこの島にとって重要です。それは村の財政が補助金故に豊かであるということを意味する。都ばかりではない。国もこの島に補助金を出している。なにせこの島は「日本が領有を宣言し、各国もそれを認めた」のは明治維新以降。つまり150年くらいしか時間がたっていない。「国もここが日本の領土ですよ」と主張し続けなければならない。それには維持費がかかる。

 私はこの島にしばらくいて、「海上のブータン」だと思った。道路はあるが追い越し車線のある道路はない。急峻な山が続く。しかし片道一車線の道路でも、みな立派に整備されている。とても「村民3000人」の島に出来ることではない。それが出来るのは国と都から潤沢な補助金をもらって財政が豊かだからです。島の主な産業としてはむろん観光が一番らしいが、二番か三番に土建業が入る。道路の整備、そして家屋の建設などなど関連の仕事が多い。あるラーメン屋の待ちで一緒になった親子としばらく話したら「内地から来て砂防ダムを造っている」と言っていた。そもそも資材を運んでくるのに時間と経費がかかるので、軽く内地(日本本土)の何割か増しになるらしい。

 しかし生協や商店、レストランに行くと「あれ、割高な筈なのにほぼ同じ値段だ」と思う。各種食べ物や生活必需品。それも「補助金故に値段が抑えられている」からだという。「(生活必需品には)補助金が出て、値段は内地並み」とガイドが言っていた。内地と言っても、東京など都会と地方ではモノの価格は大きく違っているので、「内地のどこ」が基準かは知らない。しかし小笠原では「生活必需品には補助金が出ている」「なので価格が内地なみ」というのは重要です。その意味では生活はしやすい。

 ではなぜ国が小笠原について「ここは日本の領土ですよ」と主張し続けなければならないのか。それは小笠原諸島という絶海の海洋島を領有しているが故に、日本の領土・領海が大きく拡大しているからです。日本人は日本のことを「小さな島国」と思っているが、それは事実ではない。領海などを入れると日本は世界第7位くらいの面積・領域を持つ大きな国ですが、その三分の一は「小笠原諸島の領有ゆえ」です。(続)

06:36
2019
01/03
Thu

「おがまる」次第で起動し、そして休む島....気付きの②

day by day

 小笠原には決して大部分の観光客には見せない顔があります。それは定期船の小笠原丸(おがまる)が父島の二見港を竹芝桟橋目指して出港して、また観光客を乗せて戻ってくるまでの数日間(2〜4日)。観光客はほぼ全員(フルに乗せて830人と聞きました)が「おがまる」で来て、そして一週間後の「おがまる」で帰る。なのでその「おがまる」が二見港に停泊していない父島は基本的には観光客ゼロです。二週間以上宿泊しているごく少数の人以外は。今回の場合は1月3日から数日間。私たちも3日に島を離れます。

 なので、島のレストラン(二見港の桟橋近くに集中しています)や観光業(各種ツアー、民宿、ペンションなどなど)は、「観光客がいない時が休み」となります。観光客ゼロなので。だから私は見られないが二見港の近くのレストラン街も、初めて3日の午後から「お正月休み」となって夜は灯りが落ち、真っ暗になるらしい。

 実際に「おがまる」で動く島時間故に、食事が付かないペンション宿泊の我々は、元旦でも外食先を選ぶことが出来た。でなかったら年末年始もやっている吉野家などなどのチェーン店やホテルがない小笠原では、観光客は正月三が日を越せない。食べられたのは「おがまる次第の島じかん・スケジュール」故です。ありがとう「おがまる時間」。だから島の人達と話していると、「今はおがまるが来ているから」という言葉が頻繁に聞かれる。「来ているか」「来ていないか」がとっても重要なのです。

 「おがまる」は観光客だけを運んでくるわけではない。物資も運んでくる。大量の。だから面白い事が起きる。我々が乗ってきた「おがまる」は30日の昼に二見港入港ですが、その直後に港近くの生協に入ったら鮮度が必要なものの棚、例えば内地からしか運んでこれない野菜などの棚は空っぽだった。しかし入港後2〜3時間で「おがまる」が運んできた物資が二見港近くの生協的なお店に並び始める。それを島で生活している人達も続々と買いに来る........という展開。なので島で生活する人にとって「おがまる入港」は大事なのです。(続)

04:31
2019
01/02
Wed

出産は日本本土(内地)で.........

day by day

 明けましてお目出とうございます。今年が皆様にとって、良い1年でありますように。

 昨年12月30日から小笠原諸島の中の父島(他に「母」「兄」「弟」「姪」「仲人」などいろいろある)に初めて来ていますが、丸3日ほどいて印象に残ったことをいくつか書きます。

 その第一は「この島では出産ができない」ということ。20年ほど前までは出来たそうです。もっとも危険度が高い第一子は駄目。第二子以降が可能だったらしい。産婆さんがいたので。しかし今は産婆さんがいないし、病院は診療所しかなく設備がない。

 妊婦さんは妊娠8ヶ月になる前に全員が内地(ここの人の言葉で日本本土)に行かねばならない。なぜなら丸24時間の航海時間がかかる小笠原丸(芝浦桟橋--小笠原父島二見港の定期船 ここの人達は「おがまる」と呼びます)に乗れなくなるため。多分長い航海時間からのルールでしょう。

 なので妊娠8ヶ月から最低出産一ヶ月後までのほぼ4ヶ月間は、一家が別々の生活になる。移住組(内地生まれで実家が日本本土にある人達)は大部分が奥さんを日本国内の奥様の実家に預け、そこを亭主が時々訪れるという生活になるらしい。問題なのは、小笠原の昔からの住民の方。内地にはあまり縁もないので「病院の近くなどにアパートなどを借りる」そうなのです。島の人々にとってもっとも縁のある都内の病院は広尾病院と聞きました。ヘリポートがある。これは大変なコストです。

 実家が日本内地にあるとしても大変です。たまたま31日のツアー(千尋岩=ハートロックへの島内南への旅 世界遺産の森の中を縦走します)のガイドをしてくれた須田さん(小笠原では島民全員があだ名で呼ばれていて、その人のそれは「すだち」でした)の奥様は、栃木の実家帰りでの出産待ちらしい。なので小笠原の人達にとって「出産」は大仕事になります。

 では子供を持つのが大変なので「子供は少ないか」というとそうではない。「環境としては子供を育てるのに良い環境」(住民の方々)とおっしゃって、子だくさんです。環境が良く、その後は育て易いらしい。父島には高校まである。小笠原の環境の良さに惚れて移ってくる方々は多いらしい。実際に旅の仕事に携わっている人の大部分は、私が会った限りでは移住組です。次回以降に書きますが「小笠原での生活には魅力がある」ということでしょう。

 次は圧倒的な住宅不足。なにせ絶海の孤島の火山島(一度も大陸とつながったことがない「海洋島」)で平地は少ない。直ぐには民間航空機が離着陸できる空港を簡単に作れない背景がある。小笠原村は戦前のピークである7400人は無理としても、今は3000人未満の島民の数を増やしたいらしい。しかしそもそも土地がない。二見港漁港の近くにある都営住宅のような住宅を増やしたいらしいが、それもなかなか進まないらしい。

 なので、小笠原丸で一回当たり運ばれてくる800人強は、民宿とかペンションとかに分散小規模宿泊となる。むろんそれは楽しいのですが、ホテルと呼ばれるような代物は一つもない。同じ北緯26〜27度の観光地としては沖縄本島がありますが、そことの違いは大きい。島のあり方については、実に様々な意見があるらしい。当然です。「空港が欲しい」という人もいれば、「そんなのは要らない」という人もいる。人口が増えて欲しいという人もいれば、「この程度で良い」という人もいる。

 いろいろなのですが、一つ言えるのは私たちにとっては「来てとっても良かった」ということです。その辺はまた書きます。(続)

 

 

 

 

03:08
2018
12/31
Mon

丸一日は船の中.........

day by day

 ネットに追われる日々から離れたい、たまに離れてみるのも良い........と思っている人には、とってもご推薦です。ほぼずっと「圏外」。ほぼほぼ丸一日24時間です。竹芝桟橋から小笠原諸島に向かう小笠原丸の中。WIFIはおろか、スマホの4Gも通じない。

 船中でスマホが通信できて情報を受発信できるのは、陸地(竹芝桟橋、八丈島などの航路沿線の島、それに小笠原諸島)に近いときだけ。そして恐らく営業中の船内レストランの中のみ(しかも陸地近くで増幅器を使っている)。夕食時は出来た。ラインもその他FBなどSNSも。しかし同じレストランに夜間に行ってみたら「圏外」だった。

 なので、日頃しないトランプやその他新しい紙媒体のゲームがゆっくり出来るし、何よりも本が読めます。もってきた二冊の本を直ぐに読み終わってしまった。帰りにまた本を買わないといけない。行きと同じ状況なので。

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 初めて小笠原諸島に向かって都内移動しています。長時間かかります。飛行機が飛ばない。距離的にはサイパンと東京のほぼほぼ真ん中なので、飛行機が飛んでいたら2時間かからない筈。しかし小笠原諸島には観光客を乗せた飛行機が離着陸できる飛行場がない。作ろうという動きはあるようだ(写真)。

 だからこれまでも「行きたい」と思いながら「なかなか行けない都内」でした。東京都小笠原村。船内には「一週間帰れない.....ということは一週間リラックスできる」との船中の旅の宣伝文句が。確かに。小笠原旅行には一週間が必要です。その両端の二日は船の中。

 小笠原丸は船としては大きいので、それほど揺れない。しかし「動揺」(船の揺れを意味する海運用語)はあります。船の中では皆がちょっとした酔っ払いです。廊下を歩く時には、自分も、そして前の人がやや揺れている。

 いろいろなクラスの船室がある。二段ベッドが連なるお部屋もあるし、狭いビジネスクラス程度のお部屋も。その上のクラスもある。特別室と銘打って4部屋。自分達が入っているお部屋以外のことは知りませんが、お風呂も付いていてまずまず快適。

 しかし廊下やちょっとしたスペースには様々なグループが場所を占拠して、それほど騒がしくもなく「宴会状態」です。それもよし。船中売店もあるし、自動販売機もある。 いずれいせよ、人間が居住する日本の最も東の島。楽しみます。 

08:49
2018
12/04
Tue

こちらも聞いて面白いかと.......

day by day

 それにしても今日は暖かい。新幹線の中もポカポカです。

 ところで、私が月に一回やっている番組を紹介します。

http://www.radionikkei.jp/yonde/

 です。http://www.radionikkei.jp/roundup/ は既に実に多くの方に毎週聞いて頂いているのですが、

こちらの「日経新聞を読む」も凄く面白いと思います。私以外の出演者も面白い面子で、「聞く日経・日経解説」になっています。是非ご試聴下さい。直近の収録は昨日の夜でした。フジさんの番組を終えた後。面白い話題を二つ取り上げています。           (13:04)

13:00
2018
12/04
Tue

楽しみな岐阜羽島の講演

day by day

 「イビデン」さんの「イビ」とは何かと調べていました。新幹線の中で。ちょい疑問に思って。そしたら「揖斐川」のイビだった。

 岐阜羽島に向けて。実に久しぶりに「ひかり」で。でも使っている車両は「のぞみ」と一緒のN700Aなので充電も問題ないし快適。東京から岐阜羽島まで2時間弱。

 今日の午後の同社向け講演会のため移動。最近不動産関連の仕事が多かったのですが、今回はハイテクがらみで楽しみ。40代〜60代が300人方。「製造業に関する話」ということなので、ちょっと用意しました。

 相変わらずiPhoneを使っての講演。私はこれを始めてもう7〜8年になるが、まだ「珍しい」と言われる。そうかな。でも、実際にハイテクの企業に行くとこちらも勉強になる。いつもに増して楽しみです。

 気がつかない間に、私もきっとイビデンさんの製品・部品を使っている.........(12:53)

12:46
2018
11/25
Sun

米中首脳の会談が接近しましたが.......

day by day

 月末月初が迫っていますが、まだ「開催」も正式発表されていません。しかし開催されなかったらされないで、開催されたら成功か否かで今後の世界は大きく変わってくる。30日前後に予定されているブエノスアイレス(良い空気)でのトランプ・習近平会談です。  関連して、この週末に皆さんにぜひ聞いておいて欲しいポッドキャストがあります。http://www.radionikkei.jp/roundup/です。既に実に多くの方に聞いて頂いていますが、今回は特別です。ゲストは柯 隆 さん。東京財団政策研究所の主席研究員で、この番組ではいつも「中国問題に関して本音トーク」の方です。今回の柯 隆さんのトークは「面白い」を通り越している。政治的にも怪しくなってきた習近平の置かれた立場を理解し、米中トップ会談を予想するのに必須です。私もビックリする話が一杯。  それと合わせて、私が毎週月曜日に書いているhttps://arfaetha.jp/ycaster/news/pdf/20181119.pdfを読んで頂けると、今の中国とアメリカとの関係が一層明らかになると思います。           (2018.11.25 記 )

09:45
2018
11/10
Sat

このアクセサリーは.......使えません

day by day

 昨日だったかな、表参道のAppleショップに。iPhoneの充電ケーブルが「このアクセサリーは....使えません」と表示されるケースがまま増えたので。

 地下のアクセサリー売り場で2メートルと1メートルのケーブルを手にして、しかし店員の方にその旨話したら、「お客様はAppleCareに入っておられますか」と。「はい」と言ったら、その場合は「Careで処理される場合もございます」と。ナイス。

 それでも直ぐに欲しかったが、買い物客が並んで順番が遠い。なので「じゃまた来ます」と商品を彼女に手渡して、「今後使えなくなったケーブルをもって来よう」と再来を決意。

 充電アクセサリーの問題は、時と場合で違うからややこしい。しかし考えれば一部のケーブルはiPhoneが出てきた頃から使っている。もう何年たつんだ。「そりゃ劣化するよな」と思っていて、今一回でも「このアクセサリー.....」と出たケーブルは分類している。どうやら2本に集約される。

 でも「AppleCareで処理されます」と教えてくれた彼女には感謝だな。でも「時と場合」なので、Appleはどうやって「これはもうCareの対象」と判断するのか。それが分からないので、逆に楽しみでもある。(2018年11月10日)

10:16
2018
11/06
Tue

https化が完了しました....認証付きに

day by day

 ちょっと時間がかかりましたが、「http://arfaetha.jp/ycaster/」だった私のブログサイトのhttps化が完了しました。なので、新しいブログのURLは「https://arfaetha.jp/ycaster/」となります。

 「s」はsecures の「s」で、今後は「保護されていない通信」という警告が出なくなります。今後は「安全な通信」での私のブログをお楽しみ下さい。 (2018 年11月06日)

07:28
2018
10/01
Mon

お互い........気を付けよう

day by day

 最近あったレストランでの面白い話。ほんと、気を付けないと.......

 

 この週末。台風前の日曜日の霞ヶ関ビルのステーキハウス「ルース」で。着席して、飲み物を頼んだ。3人目が「コロナ」と頼んだ。私は「あの黄色いビール」と連想した。注文を取ったのは、多分中華系のインドネシア人。その他はペリエとジンジャエール。イントロですから。

 しばらくし、うち二つは正しい飲み物が来た。しかしなぜか「コーラ」が来た。「コロナ」の代わりに。「ああ.....」と私は思った。多分その海外から来たばかりと思えるその店の人は(かわいい女子だった)、「コロナ」を「コーラ」と聞き違えた。知らなかったので自分の知っている飲み物に当てはめたかどうか.....。

 注文の際にじっと見ていて、彼女「コロナ」と聞いた瞬間に顔がちょっと曇った感じがしたので、ちょっと心配だった。私が「ビールよ」と言ったが駄目だった。その後ビールも来た........

 

 聞いた話。とあるCoCo壱番屋で。メニューを決めた後に「辛さは?」とインド系の人に聞かれたあるお年寄りが、辛さの数字を知らなくて「ちゅうから」と頼んだ。その店の人はビックリする様子もなく「わかりました」と。

 出てきたカレーを一口食べて、そのご老人は飛び上がった。「なんでこんなに辛いんだ......」と。店の人が来て、「だってお客様は9辛とご注文.......」と。普通CoCo壱番屋の9辛は食べられない。

 「ちゅう」を「9」に聞き間違えた? 普通は「9はとっても辛いのですが.....」とコメントがあるが、なかった。注文をとった人には普通だった.......?

 

 日本人である私も一杯海外で失敗がある。最初は「水」(water)やブラッディ・マリー(日本語の発音では 英語はbloody Mary)を通じさせるのに苦労したし、その後もこの二つで苦労する日本人を一杯見てきた。気を付けないといけない。

 

 しかし気を付け過ぎてもいけない。ある日本人の政治家がアメリカの某大統領の当選直後にワシントンに行って、彼に「当選お目出度う」というつもりが、「r」と「l」に気を付けすぎて、「Congratulations for your erection」と言ってしまった。周りの人達は真っ青になったそうな。

11:45
2018
09/27
Thu

日米の金融政策...将来衝突しないかい ?

day by day

 今朝読んだ文章で一番面白かったのはFOMEの声明(https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20180926a.htm)とProjection (https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20180926.pdf

)だな。iPhoneやwatchのアップデート(クロスしてややこしい)をこなしながら日経・野村さん向けの原稿を一本書いたのだが、とっても思考が広がって面白かった。

 なにせ短い。「In view of realized and expected labor market conditions and inflation, the Committee decided to raise the target range for the federal funds rate to 2 to 2-1/4 percent.」(政策金利を2.00〜2.25%に上げた)のあとの文章がない。いつもは「The stance of monetary policy remains accommodative, thereby supporting strong labor market conditions and a sustained return to 2 percent inflation.」とあるのに。

 ということは「もうアメリカの金融政策は緩和的ではありません」と言っているに等しい。これは「緩和縮小の完了」を意味する。緩和縮小(出口戦略)にも入れない日銀とのスタンス差はまた一段と大きくなった。資料もとっても面白い。インフレ(PCE inflation)の部分を見ると、中間値(Median)では2018年が2.1%、2019年が2.0%、2020年が2.1%、2021年が2.1%、そして「より長期(longer run)」が2.0と見事に2%に張り付いている。 

 (Change in real GDP)は今後低下を見る。2018年が3.1%、2019年が2.5%、2020年が2.0%、2021年が1.8%と先行き成長率の減速を予想。そして長期(longer run)」を見ると1.8%。つまりFRBの幹部達は「アメリカのGDPで見た成長率は、今後巡航速度(1.8%)に向けて下がっていく」と見ているのだ。

 今アメリカの指標10年債の利回りを見たら3.054%。むしろ下がっている。昨日より。そや「打ち止めの時期が見えた」となれば、長期金利には下方圧力が。ちょっと先ですが。今年はあと一回、来年は計3回の利上げを見込む。2020年は一回。2021年の利上げをFRBは見ていない。

 とどうなるか。今回の利上げで2.00〜2.25%になった政策金利(FF金利)は2020年のいつかの時点で3.25~3.50%に達する。そりゃ成長率が1.8%で、インフレ率が2%近傍な国には行きすぎでしょう。だからその頃からアメリカは「緩和局面」に入る。じゃ、そのころの日本は。金融政策は衝突しないかい ?

11:09
2018
09/23
Sun

分かった.....オッタントットだ

day by day

 先日この文章(https://www.facebook.com/notes/伊藤-洋一のファンページ/マーブルトレの彼/2041898749183176/)を書きました。私がかつて良く行っていた大坂平野町のイタリアン・レストラン「マーブルトレ」を懐かしむ文章ですが、その中で「あのシェフは ?」とご存じの方にお聞きしていた。

 その後様々な方から情報を頂いて、「ここしかない」という店に到達しました。それは今は北区天神橋3にある『オッタントット』です。シェフは井川さん。そうだそうだ。住所は「大阪府大阪市北区天神橋3丁目7−13ブラーヴォ扇町1F」とあって、扇町なので関テレに近い筈。電話番号は「06-6353-6663」。

 HPはなさそうで、ホットペパーだと「https://www.hotpepper.jp/strJ001126302/」。オッタントットとはイタリア語で「88」を意味する。あれ、関テレの近くだから「88」。知りません。しかし調べると「オッタントット」という名前の店は東京にもあるし、全国津々浦々ある。

 今度大阪に行ったときにはこの店だな。楽しみ。

02:26
2018
09/20
Thu

ええね、松山

day by day

 最近は出張が多い。ニューヨークから帰ってきた後2週連続して関西で講演を3回行った後、今週は昨日まで二日間愛媛(今治、松山)でした。講演には毎回聞きに来てくれる方が居て、こちらから見るとそれぞれに集まってこられる方々には特徴がある。八尾の大口顧客の方々、京都のベンチャー系の新興企業の経営者の方々との会合は興味深かった。  

 今週の愛媛の講演は、私がずっと好きだった船主さんたちとの会合。もう20年も前からこれらの方々、そのお父様方との会合を重ねていて、顔見知りが多いという意味でも楽しいものでした。船主は皆さん数隻から数十隻の船を運行して、それによって事業を立てている。バルク船だったり、特殊目的船だったり。

 事業はかなりの部分借り入れを立てていて、それを運賃収入で返済しながら収益を出すパターン。何が重要かというと、借り入れの金利の見通し、運賃がドル建て故にドル相場の行方、そして船貨の動きです。この三つについて彼等の関心は強い。私の話のポイントはこの三点でした。

 私が「しまなみ海道」沿い(今治、松山、尾道などなど)が好きなのは、独立業者が多いからです。昔から海運が盛んな場所。村上とか越智とか塩飽とか。かつては海賊だったのではとも呼ばれる方々が多いのも特徴ですが、私に言わせれば潮の変化の激しい瀬戸内海で通常においては「水先案内人」であり、「それに関わる指導料」を取っていた人達です。彼等はいずれにせよ必要だった。

 その流れの中で「リスクを取る」が普通になった。その末裔達が海に関わる事業を行っている。独立心が強く、自分でリスクを取れる。ナイスです。私が瀬戸内海回りが好きな理由です。今回も様々な船首の方から面白い話をいろいろ聞いた。面白かった。

 松山は飯もうまい。今回ご一緒したのは旅行関係の会社に勤める平田さんでしたが、私の「カウンターが好き」という我が儘を聞いてくれて、ホテルの近くの店で。魚中心だが、何でも調理してくれた。狭いが面白い店で、何でも美味しかった。また行きたい。  道後の温泉にも行きました。この温泉は来年の1月から長い(7年を要するそうな)修復・修繕に入る。最初は全館閉鎖を考えてちんちん電車の最終駅から道後温泉の間に仮の温泉(https://dogo.jp/onsen/asuka 飛鳥乃湯泉)を作ったそうな。しかし観光客がそれでは満足しないということで、道後温泉本館を稼働させながら、長い時間をかけて修復する方針に転換したそうな。

 毎度の事ですが、ホテル前から朝6時過ぎに道後温泉に。湯質だったら「鷹ノ子」だが、朝からあいにくの雨で鷹ノ子に行く気がしなかったので道後温泉の一階に入った。おじいちゃん達の野球談義を聞きたくて。ははは。おじいちゃん達は居たが、今朝は野球談義はなかったな。もうちょっと早い時間が良かったかも。

 松山は昔は危険な箇所もあったが、今はとっても安全です。夜中に街をチェックして歩いたのですが、大街道の大きな商店街には午前様でも大勢の若者が集っていた。松山から今治に行く途中にはなかなか厳しいエリアもあったが、肝心の二つの都市は元気が良かった。ちょっと救われた。

 四国は高知も徳島も、そして香川も面白い。年内にまた四国に行きたい。

16:22
2018
08/15
Wed

森の中のレストラン......都心の

day by day

  (11:10)まるで軽井沢か山梨の山間のレストランで食事をしているみたい........<P>  最近、とっても良い新しいレストランを発見しました。アメリカ大使館の直ぐ隣に出来た赤坂インターシティAIRのアメリカ大使館サイド。ビルの一階、つまり地上階にDEAN & DELUCAがやっているTHE ARTISAN TABLEというレストランがある。

 あることは知っていたが、今まで植栽豊富で外からはあまりよく見えなかったので、いつも通る割には入ったことがなかった。建設途上の時から思っていたのですが、このビルは植栽が凄い。

 それで一度何かに「このビルの植栽は凄い」と書いたのですが、この文章を書くに当たってビルのサイトを見たら「平成30年の都市景観大賞(優秀賞)」をとったとある。納得。

 THE ARTISAN TABLEはその植栽に隠れるように、ある意味守られるように「森の中のレストラン」の雰囲気を持って存在している。

 昼だったので一階で食事をしたのですが(二階はコース料理と聞いた)、窓から見える景色のほとんどが「木立」で、「軽井沢か山梨で食事をしている感じ」と話していました。白樺に似た木も配されている。

 DEAN & DELUCAがやっているのでニューヨークスタイルではあるが、味もしっかりしている。行ったのは週末だったせいかメニューが少なめだったが、とっても美味しかった。もうちょっとサラダのメニューを増やすと良いと思う。あの周辺で働いている方も多いと思うので、機会があったら足を運んで下さい。

 あと、名前は記さないが、近くの有名ホテルのお客さんも多いのでは。あのホテルの周囲は、あまり良いレストランがない。ホテル飯に飽きたら、ちょっと坂を下って溜池方向に歩けば直ぐです。

 お客さんは女性が大部分だった。理解できる。都心にいながら「森の中での食事」が楽しめし、運営DEAN & DELUCAということもあるかもしれない。多分植栽や緑を楽しもうと思ったら「昼の一階」がいいと思う。楽しんで下さい。

12:33
2018
08/14
Tue

行ったら....店がなかった

day by day

  (23:10)いえね、予想はしていましたよ。いつ行っても人が少なかった。一番のくらいに良い場所を占めていたのに。「そろそろ」とも思っていたが、私が用事を済ませてからにして欲しかった。

 何の話かというと、伊勢丹新宿にあったアップルウォッチの店です。最初はウォッチ専用の店としてオープン。だから珍しかった。伊勢丹の前のトップの肝いりとも聞いた。しかし最初から「ちょっと無理だな」と思っていました。伊勢丹の客層にアップルウォッチを初期から分かっている人は少なかった。

 私は最初から「面白い」と思って行きました。伊勢丹は年間購入額に従って翌年の割引率が決まる。アップルの製品は割引はされなかったが、当該顧客の購入総額には入った。それもあるし、新しい試みだと思ったので。

 しかしいかんせんお客が少なかった。伊勢丹新宿は都内のデパートの中では客が多い方だが、あの一階の一角はいつも客が少なかった。なので逆に直ぐ相談できたし、直ぐに買えた。

 一年くらいしたらiPhoneも売り出した。「売り上げを伸ばして」というデパートサイドの要望に応えたのだと思う。しかしそれでもあまり客は増えなかった。直ぐ道を挟んでビックロもありますから。

 何を買いに行ったかというと、アップルウォッチのベルト。ちょっと古くなったので、洗うわけにもいかないし、2~3000円のものなので、この際切り替えようと思って。しかし店がなかった。しょうがないので明日銀座かどこかに行きます。

23:05
2018
08/11
Sat

楽しかったな.......ボーリング大会

day by day

  (15:10)実に久しぶりでした。ボーリング。投げる。最初は遅れて駆けつけたこともあって、ちょっと不調。しかしその後はやや調子が戻った感じ。

実に久しぶり TBSの森本毅郎スタンバイの夏季懇親会としてのボーリング大会。プリンスのタワーの地下2階にボーリングセンターがあるのです。プリンスは品川もそうだが、ボーリング施設を作るのが好き。そこの4レーンを借り切って。

 チーム戦あり、個人戦あり。我がチームは森本さん、私、水口さん、金堂さんなどなど6人。各チームに私以外のコメンテーターが入って4チーム。一人2ゲーム投げる形。その合計点での競争。

 いや、ボールが.......。自分に合っているのを探すのが結構大変。遅れていったので、えいやと適当なのを選んで。我がチームは水口氏がターキーを投げる活躍で見事1位。食事券ゲット。我がチームもそんなに良い合計ではなかったが、他のチームが不調だった ?

新人の二人と その後は上の階の陽明殿で中華のちょっとした宴会。楽しかったな。入ってきた新人女子2人、職場を変える人1人。スタンバイは森本さん、遠藤さんを中心とした、昔からのチーム番組なので、皆言いたいことを言い、楽しい会でした。

 個人戦は3位かな。水口君が断トツの1位。2位は毎週金曜日に顔を合わせるヒロエさん。彼女は昨日は乗っていた。私は3位かな。第2ゲームでやっとリベンジ。私を金曜日の放送前後に挑発してきた西坂、大信、佐藤の若手3人をそろって粉砕してやった。「挑戦はいつでも受けるよ.........」と言っておいた。ははは。

14:59
2018
08/09
Thu

アナザーストーリーズ

day by day

  (10:10)昨日の夕方から今朝までは、あまりにもテレビとラジオの警告が強かったので、今まで目を通せなかった記事や録画ビデオの目通しをしていたのですが、新聞記事では水曜日の日経朝刊の「黒田緩和 修正」(私の診断)が面白かったな。

 私も今回の日銀の政策決定会合に関しては2週にわたって大きく取り上げた(30日6日分)ので、いろいろな思いがある。長く書いている時間はないが、木内さんの意見に賛成だな。

 「題目とは全く逆」とかは「そうだ」と思う。結局は日銀はフォワードガイダンス的志向はお題目で、マーケット反応的には「出口」を意識している、と考える。黒田さんは好きだが、逆に信頼感が落ちないかと心配。

 ビデオはNHKのアナザーストーリーズばかりを4本くらい見ました。ガガーリンの回が一番面白かった。ガガーリンを宇宙に送った科学者がいて、娘さんが「お父さんはノーベル賞をもらうチャンスを2回逃した」と言っていたのが面白かった。

 そりゃ当時のソ連にとっては、最大・最高の国家秘密。なぜアメリカより素早く人間を宇宙に送れたのか。その指揮を執った科学者を外には出さなかった。彼は静かに歴史に埋もれた。

 他の回も面白かった。急いで目を通した面もあったので、あとでまた気にいった回は見直そうと。

10:21
2018
08/08
Wed

縦型、7ドルのフィジー紙幣

day by day

  (08:10)雨ですね。朝から雨なのは実に久しぶりな気が。列車に乗っています。あずさ。小さい頃お世話になったオジさんの体調が悪く、入院しているので、そのお見舞いに。

雨、雨、雨..... 台風13号とかで今日の昼の外遊びがキャンセルになったので、「これはレアチャンス」と。諏訪に行くのは久しぶりですが、夕方から夜にかけては東京も荒れそうなので、それまでには帰還の予定。

 昨日は海外経験が豊富な小林、塚本両君と久しぶりの「おけい寿司」。おっかない親父と変わり寿司で有名な店なのだが、かなり前からその親父さんは隣に「わしの領域」を作って、これまでの店には顔を出さない。

 瀬谷ちゃんという昔からの顔なじみがいたので、「今回も彼に会える」と思って行ったら辞めていた。何があったか知らないが、ちょい寂しい。代わりに岡田君という握り手が寿司などなどを作っていた。

 私を含めて3人の中では一番訪れた国・首都の数が多い小林君から、またまた希少な紙幣を頂いた。以前から彼にはレア紙幣を貰っている。今回もらったのはフィジーの7ドル紙幣とアルヘンチナのエビタ紙幣。

 最近日本でも何かあると「don't cry for me」が流れるので、彼女の横顔を見て「あっ」と思った。ミュージカル「エビタ」は近く渋谷のオーブでやるんじゃなかったかな。と思ったら終わっていた。残念。

 ロンドンとニューヨークで見たが、ロンドンのそれの方が良かった記憶がある。また日本にも来るでしょう。そしたら見よう。面白かったのはフィジーの7ドル紙幣です。なにせ縦。記憶にないな、縦型紙幣。

 まじまじと見ながら、「ボールを抱えて走るラグビー選手」を際立たせたかったのだろう」と推察。知りませんよ。私の回りにはフィジーの人はいない。

 FBにアップしたら、「縦紙幣というのもそうだが、7という数字が面白い」という意見もあった。確かに。普通は1、5、10.....かな。紙幣は。コインはいろいろある。この二つ、大事にします。

 その後3人で歩いていった青三先西麻布方向の「無垢」も久しぶりに良かった。いつも美味しい酒を飲ませてくれる。

08:23
2018
08/05
Sun

あまり見えないが......膨らむ中古品市場

day by day

  (23:10)この週末に読んだ一番面白い記事は「膨らむ中古市場、周辺産業潤す 物価は下押し?」かな。『今後も伸びが続くとみる。その根拠の一つが家庭で眠っている「不用品」の存在だ。』まで読むと、「その通り」と思わざるを得ない。

 この記事の第二パラグラフは『「こんな物まで売れるの?」。都内に住む会社員女性(35)は驚いた。』で始まる。なかなかうまい書き出しだが、それが何かというと「1度だけ着たワンピースなど」とある。

 私の意識がやや古いのか、一度買ったものはなかなか家族や親しい人以外の他人には渡さない。「かえって迷惑になるのでは」と思うこともあるし、「軽率買いがばれてみっともない」という気分もある。

 しかし今はメルカリなど「中古品の売買」を大きな仕組みにしたシステムがあって、それらが「第二の物流」経路を形成しているようだ。何かと「メルカリで手に入れた」との書き込みをSNSで見付ける。

 「家庭で眠っている不用品」は他の人に負けず劣らず一杯有る。我が家の場合も。「いつか整理」と思っていても、その時間もない。「そのうち使うだろう」と思っているが、一番まずいと思うのは「買ったことを忘れること」。これはさすがにまだ少ない。

 最近はなるべく「自分は何をどのくらい持っているか」をチェックする。以前長嶋一茂さんが面白い事を言っていた。「テレビなどに出る衣装などは、自分がもっているものを床か何かにずらっと並べおいて、その中から選ぶ」と。

 確かに。組み合わせの妙はそれで出る。何でもそうだが、「自分が何を持っているか」を明確にしておかないと、選びようがない。なので、「自分が持っているもの」を「明確に記憶出来る範囲に収める」必要がある。しかし衣類でもそれができているとは言い切れない。

 この記事の最後が「物価は下押し?」なのは面白い。多分「?」をとっても良いと思う。衣類などニューが売れなくなっている実体はあるが、街を歩いている人を見ると着ているものは本当に多種多様だ。多分、調達ルートは多様化している。

 新規売りだしのモノよりも中古は明らかに値段は低い。その流通量が増えている、ということは物価には「下方圧力」だろう。ということは、お店も大変なんだ.........。

23:11
2018
08/02
Thu

ねぎしが.....ステーキを

day by day

  (20:10)「へえ」と思ったのは、牛タン屋が和風ステーキを始めたことかな。

 今週夕方、急いでいたので友人とねぎし赤坂見附店に入ったらドーンと「和風ステーキ」と大きく書いてある。テーブルの上に。「ありゃ」と思いました。確かに街はステーキブーム。熟成とかいきなりとか。しかし牛タンが売りのねぎしがね。

 ところが今HPを見たら直ぐには「和風ステーキ」の文字はない。メニューに進んだらここにあった。31日から。そして「夕方・夜メニュー」だと分かる。「数量限定」とも。

 ねぎしは本当に昔から行っている。80年代から。歌舞伎町の1号店だけのころから。「ねぎしツアー」なんてのを組んだ部下と一緒によく行った。

 最近急激に増えたねぎしでは、当時新宿店で頻繁に使っていた言葉が通じない。「一枚」と言ったら「お皿一枚」だが、最近そう言ったら「牛タン一枚」が来て驚愕したことがある。しかしこの店は急いでいるときにとっても便利。

 「ねぎしの和風ステーキ」ね。牛タンのさっぱり感はない。ちょっともちっとしている。ましかし、今まであった「物足りなさ感」は解消できている。いいんじゃないでしょうか。

20:13
2018
08/02
Thu

ちょいシャイやったな.......アップル

day by day

  (01:10)コンピュータースクリーンを二つ目の前に置いて、左で前回(6月13日)の声明文を、右で今回(8月01日)のそれを読めば、「何が変わったか」は一目瞭然です。景気の強さに関する認識が大きく前に進んだ。アメリカ経済はより強くなっている、とFRBは見ている。

 経済活動の増大ペースに関して前回声明は「economic activity has been rising at a solid rate」となっていたのが、今回は「......at a strong rate」と、より強い表現(solid=堅い→strong=強い)になった。

 家計支出の伸びに関して前回は「 Recent data suggest that growth of household spending has picked up, while business fixed investment has continued to grow strongly」と産業固定投資と切り離され「ピックアップした」となっていた。

 しかし今回は、「 Household spending and business fixed investment have grown strongly」と両者が一緒の文章に統合され、「力強く伸びた」と完了形になった。「the unemployment rate has stayed low」であり、「both overall inflation and inflation for items other than food and energy remain near 2 percent」なので、アメリカ経済に関して「文句を付けるところがない」ということとなった。

 これが何を意味するかというと、

  • トランプ大統領が何かをごちゃごちゃ言っても、FOMCは次回(9月25~26日)には政策金利であるFF金利の誘導目標を現在の1.75~2.00%から0.25%引き上げる(今回は据え置きで予想通り)
  • 中国との貿易摩擦は激化の一途だが、拡大するアメリカ経済、世界の貿易量の総体から見れば「中国との摩擦」は相対的に小さく見える状態が続く

 ということだろう。

 ところで、決算が良かったアップルの株価は1日はどうなったかと興味津々だったが、このサイトで見る限り、

  1. 始値  199.13
  2. 高値  201.76
  3. 安値  197.31
  4. 時価総額 9884.23億ドル

 で「1兆ドル企業」にはちょい届かず。それでもアップルは引けで「201.50 USD +11.21 (5.89%)」と大きく上げている。昨日読んで、今朝は更新されているCNBCのこの記事によれば、「マジックナンバーは a price of $203.45」らしい。

 つまりアップルの株価がそれに達すると、史上初めて「1兆ドル企業」が誕生する。さて明日はどうか。昨日のニューヨーク市場は、アップルが6%近く上げたので、Nasdaqは上昇、しかしダウなど他の指標は下げた。

06:27
2018
08/01
Wed

スッキリしないな.......

day by day

  (01:10)「何に対しても無策のまま時間の経過を見つめる」という選択肢はないだろう、という私の読みは当たったように思う。日銀は物価見通しを2020年まで大幅に引き下げる中で、政策運用の弾力化・柔軟化を図った。

 前者は実質的に「2%の物価引き上げ目標は当面無理」なことを認めたに等しく、考えようによっては「ここ数年について言えば、日銀は2%の物価目標を撤回した」とも読める。ガイダンス的に「達成は相当先」と言っている。

 後者は各種目標を変えない中で「累積的」というような単語が金融界で流行語になっている事態に対処するために、何とか見付けることが出来る対応をいくつか打ち出したと読める。肝心の物価引き上げで何一つ目に見える成果を出せていない状況では、何らかの形で「袋小路からの脱出」とか「袋小路の拡大」を試みる必要があった。

 黒田さんは高齢批判があるなかでの再任であったので、その存在感を示す必要もあったのだと思う。しかし新しく打ち出したスタンスは、かつての黒田バズーカを想起させるものではなかった。「運用柔軟」ということは、ある意味「運用曖昧」を意味する

 日銀が任意に、そして時には恣意的に動ける範囲を広げたと言うことだし、それをマーケットに示唆したということだ。しかし日銀は「示唆しながら、マーケットを牽制した」と言える。長期金利の過度の上昇、円高進行が嫌だし、そうなるのを防ぐ必要もあった。

 結果残った印象は「勢いなく散弾銃を撃った」というもの。曖昧で、歯切れが良くない。「歯切れが良くなれるほど日本経済は良くない」という判断があることは分かる。しかしこの程度の微調整で、今後起こるかも知れないリーマン級の危機に対応出来る政策余地を作ったと言えるのか。

 「累積的」という意味では金融機関の機能不全も問題だが、日銀がETF買いを「累積的に」するメル中で、日本の名だたる大企業の発行株式に対する日銀の所有割合が際立って上昇したのも問題だ。企業によって差はあるが、「最大の株主の一つは日銀」という日本の企業が増えてしまった。

 どうみても健全な姿ではない。株はリスクを覚悟して投資家が持つものだ。日銀は投資家ではない。一部の株式は債券化していることは確かだが、それでも日銀がそれほど勢いがかって買い集める種類のモノではない。

 日本銀行のHPを見ると、日銀は昨日一日だけで「金融政策」に関して「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」を先頭に9本の文章をアップしている。まだ全部読んでないが、今までの所の私の印象は、「日銀の立ち位置は極めて脆弱」というものだ。

 何故か「フォワードガイダンス」という本来なら力強い、将来示唆的な単語が、今回のケースでは弱々しく見える。

02:35
2018
07/31
Tue

日銀の判断はいかに...

day by day

  (06:10)今日は昨日からやっている日銀の金融政策決定会合が終わり、結果発表があり、そして黒田さんの記者会見が開かれるのか.........。

 毎週月曜日のことですが、昨日はこの文章を書きました。「敢えての予想」の側面はあるのですが、今の日銀が置かれた立場、再任なった黒田さんの心中を考えると、「このままま何もしない」というのもなかなか考えずらい。

 あとアメリカの「ほぼほぼエネルギー独立」の話も面白かったな。ま、結果を待ちましょう。

06:16
2018
07/29
Sun

逆走台風

day by day

  (06:10)高速道路もそうだけど、「逆走」はやめて欲しいな。今回の台風。

 今天気予報を見ていたら、先日豪雨被害を受けた地域をこの台風がこれから襲うことになる。雨の量は奈良県で1時間で100㎜と半端ないレベルだそうで、とっても心配です。「逆走」ということは、雨も風も「今までにはなかった形で各地を襲う」ということでしょうか。

 子供の頃から、台風は南の海上で発生し、台湾や沖縄、日本に接近した段階で風に流されて東に蛇行する、というのが通常の、そして既知の動きだった。初めて見ました。西進する台風。気象予報の方々の解説は分かる。

 しかし「台風の西進」というのは、一つのアラームのような気がする。海外のテレビを見ても「天候がらみ」のニュースが非常に多い。地球はずっと変化を続けてきた。寒冷な時があり、氷河期もあって、そして暖かい時期もあった。

 しかしここに来ての急激な世界の天候異変は、大型動物としては地球上に最も多数で生きている人間活動の影響を受けたのかと思えることも多い。なので「何か出来ないか」とも思う。

 昨日も道を歩いていたら比較的大きな木の鉢植えが道路に転がってきていた。多分それを設置した人は「普通では風の影響は受けない」と思ったのでしょう。しかしそれが多分風に煽られて道路に横倒しになっていた。

 「危ないな」と思って移動したのですが、小さな所でも「今までの常識が通用しない」環境になってきていると思う。一つ一つ気にして、ちょっとした用心が必要な時期になってきているとも思う。

06:35
2018
07/26
Thu

銀座の鯛ラーメン

day by day

  (23:10)鯛は良い魚なので、色々な料理に色々な形で使われる。私が好きなのは鯛の兜煮(つつきながら日本酒)ですが、最近面白い鯛の使い方をしている店に行きました。ラーメン。

 銀座4丁目の電通通りと中央通りの中頃。一本3丁目寄りの道を歩いていて、いつも気になっていた店がそれ。その店は「鯛ラーメン」と銘打っている。「どう処理するんだろう......」というのが私の関心事だった。

 で先日念願の店への入場をしたのです。店内にカウンター越しの6席しかない。ちっちゃな店です。結局はダシに鯛を使っている。昆布と合わせて。なかなか微妙な、淡い、それでいてほっとするお味です。

 店の名前は「ま石」。URLはhttp://maishi.jpで、住所は「〒104-0061 東京都中央区銀座4丁目4-1 銀座aビル」。メニューは写真な感じです。とにかく小さな店なので、注意深く歩かないと見落とす。

 銀座には面白い店が一杯あるが、「ちょこっとラーメン」という時で、「それでも一味変えて」と思ったらここなどは良いのでは。

23:52
2018
07/24
Tue

衣装を涼しくしてみました....

day by day

  (21:10)実際の放送より少し前の収録なので報告できるのですが、ちょっと「冒険」だったかな。私としても、もしかしたら局としても。

 今夜午後9時半からの日経ヴェリタストーク。堅い経済番組で、多くの回で日経ヴェリタスの記事の解説、コメントをする。もう長く出ているのですが、今まではずっとジャケット着用だった。

 今日も持っていった。車の中に入れて、スタジオに。しかしあまりにもの暑さなので「見ている人にも涼しく」と考えて、「半袖のシャツで経済を語っても良いのでは.......」と一瞬思った。

 で打ち合わせの時に「どう」と一緒に出演する日経ヴェリタス編集長や局の担当者と話をして、「ジャケットなしで......」ということで話がまとまった。気持ちいいですよ。私も。メークさんやフロアさん、それにMCの曽根さんも、「違和感なし」と。良かった。

 毎週月曜日のフジの直撃liveグッディに関しても、「半袖でいこうかな........」と思うこともあるのですが、何せ番組が2時間と長い。

 実はスタジオは寒い。なので、まだ「ちょっと無理かな」と考えていますが、日本もこれだけ気候変動が激しいのだから、アタイアも変わって良いのではと思っています。実はフジの番組では私の左側に斉藤司君が座ることが多い。

 彼は何を考えてか、夏でもダーク基調の背広姿。なので私は「よ、銀行員 !」と呼んでいた。しかし先々週は彼以外が全員白い衣装。「白くしたら......」と言ったら、先週はちょい白っぽくなった。ナイス。

 その場その場の衣装というものはあるのですが、今の日本の気候はその慣習をも変えるほど極端です。

21:25
2018
07/23
Mon

冷笑は格好の餌食

day by day

  (10:30)日本の財務省がアルゼンチンの「良い空気の街」で行われたG20の会合から出てきたコミュニケを素早く掲載してくれているので、後で全文を読んでみます。最初の2パラくらいは、朝の文章を書くために読んだ。いつもより緊張感がある。

 文章という意味では、 この週末に読んで一番「面白い」と思ったのは、日経ヴェリタスの59面「異見達見」の「トランプ流、冷笑すべきでない」だ。加藤創太氏(国際大学教授・東京財団政策研究所研究主幹)が書いた文章。

 「主流経済学の立場からは、トランプ大統領の保護主義は非難の対象である。しかし、トランプ氏の主張と各国の通称交渉官の立場に大差はない」という実践的な見地から冷静に「トランプの主張」を分析している。

 私もそうだが、トランプ大統領を考える時に、「その知性を感じない発言や行動」「今までの大統領を綺麗でない言葉で否定する姿」「外国のトップも平気で罵倒するツイート」などなどで、「なんだこの人は」と冷笑的に考えがちだ。

 しかし考えてみればアメリカ国民が選んだ大統領。しかも最近彼の支持率は上がっている。「なぜか?」は良く考えないといけない。そう考えていたところに、この文章に出会って、見だしを見た瞬間にこれは面白い分析かも、と思った。

 文章として興味深いのは、「私は、トランプ大統領の一連のスタンスは、国家を企業に見立てる(一部の)ビジネススクール的な見方に通じていると考える」と「選挙で選ばれたリーダーに対する識者の侮蔑や冷笑は、反エリートのポピュリズムの格好の餌食になる」の二つだ。

 ここは非常に重要なポイントで、ある意味「政治と経済の接点をどう考えるか」という問題に通じる。どう見ても不可分で、トランプという人はその体現者だ。伝統的経済学の主流の考え方からは冷笑されているが、そこにどしっと存在し、政治と経済を動かしている。

 しかも先ほども書いたが、世論調査ではトランプ氏の支持率は上がっている。「現状では民主党の誰が出ても次の大統領選挙でトランプに勝てないのではないか」との見方も台頭しつつあるらしい。海外の一部の新聞が報じていた。

 多分我々は安易に主流経済学の立場に立つべきではないと思う。なぜなら「べき論」とは別に実際に世の中を動かしている論理は別にあり、「政治の流れ」には大きな関心を払わざるを得ない。

 今まさに世界を動かしているのは「政治と経済の混然一体物」としてのトランプ大統領そのものだからだ。

11:40
2018
07/22
Sun

嬉しいことが二つ

day by day

  (09:30)嬉しいことが二つ。一つは御嶽海の優勝。昨日決まったのですが、諸事あって昨日はゆっくり映像を見れなかった。なので今朝ユーチューブなどを見て、「豪栄道の嫌がらせ(?)のまったにも動揺せず、良く勝った」と思いました。

 私は諏訪、彼は木曽。相当遠い。木曽は名古屋に近い。なので凄い応援団が毎日行っていた。子供の頃から自分の出身県出身者で現行システム下で優勝した力士はいなかった。なので。

 高安と御嶽海が取り組んだときには、両方とも好きな力士なので、困ったが、心の中では御嶽海を応援していた。確かに写真を見ると高安の親指が残っていたが、趨勢的には御嶽海。取り直しでも良かったような。

 なんだかんだあったが、御嶽海はその後も勝って自力で優勝を決めた。インタビューの涙と結構長い話せない時間が印象的だったな。故郷にも、もう長い間有力力士を出せなかった出羽の海部屋にとってもナイスな力士になった。「御嶽」(御嶽山から)「海(出羽の海部屋)」の両方をハッピーにした。

 もう一つは先週行ってたまたまお休みだったBody and Soulに土曜日に行けて、きょう子ママと久しぶりに会えたこと。一緒にいたのが音楽業界の長い青野さんだったので、話がいろいろ交差して面白かった。

 日野輝正さんの息子さんが出演していたな。 賢二君と言って、アメリカが長い。jinoの愛称らしい。久しぶりなので堪能しました。また行こう。きょう子さんも元気で、今年の秋には「パリに行きたい」と。

16:23
2018
07/21
Sat

あれや、これや

day by day

  (09:30)うーん、トランプのせいだ......と文句を言ってみる。

 朝の涼しいうちにちょっと外に出て運動......と思って、「その前にニュースチェック」をし始めたら、止まらない。もちろんブリティッシュ・オープンでの松山の予選落ちも確認しましたが、トランプ・アメリカ大統領があれやこれや、テレビに出たり、ツイートしたり。それがまた常識破りのことばかり。

 面白い記事を見付けてはFBに備忘的に投げていて思ったのは、「この人には、敵も味方も、倫理も論理も、整合性も不整合も、なにもかもあまりないな.....」ということです。

 仲良かった人とも直ぐに仲たがいするし、その逆もそう。金正恩が良い例。今でも「あの国は問題だ」と誰もが認めるロシアのプーチン大統領を賞賛し、中間選挙のある秋にはワシントンに招きたいと。アメリカ人の一部には「面白い」と思われているんだろうな。

 「習近平氏とはとてもうまくいっているし、敬意も払っている」と言っておきながら、その中国とは「中国の全アメリカ向き輸出商品に関税を掛ける」と息巻く。自分で選んだパウエル議長率いるFRBには、「利上げは好きくない。今まで我々が達成したものを台無しにする」と批判する。

 あまり長い文章を書いている時間がないのですが、来週からのマーケットはちょっと荒れるかな。いろいろ言っている。

 あれや
 これや

 ま、あとでゆっくり読みます。

10:09
2018
07/18
Wed

surprisingly hot

day by day

  (13:30)武蔵小金井まで移動してきていますが、本当に暑い。「killingly hot」という感じ。NHKの放送をこれまで「大袈裟かな」と思ってきたが、今日は「それ以上」と思う。

 なにせ街全体がしらじんでいる。夜明けのそれではない。高温で街全体が白っぽく見える。「外出は危険」というのは人ごとではないので、既に会場に入って涼しい部屋で開始を待っています。

 商売も随分影響を受けている。今週あの暑い中ゴルフをした先輩の話では、「13組がキャンセルした」という。つまり予約の三分の一近くは「暑さ」ゆえにキャンセルになったと。ゴルフが暑さ故にキャンセルになる。あまり聞いたことがない。

 タクシーの運転手さんに「暑いと、皆さん乗るでしょう」と聞いたら、「外に出ていれば」と。つまりあまりに暑いので人があまり外に出ない。なので、売り上げは思ったほど伸びない、と。様々な形で暑さ故の犠牲が出ている。「昔は....したもんだ」とか冗談ではなく口の端に乗せるべきではない。状況が違う。皆で注意しましょう。

 暑さで思い出しましたが、昨日は「ひやっと」した思いを。西麻布で割と恒例となっている3人での食事会のあと、Oさんは帰って、私ともう一人のS君(データ系外資)でBody and Soulに向かった。ところが、ところが真っ暗。「ひょっとして」と愕然。

 店を代えて茶を飲みながら調べたら、16日は開店、18日も開店で、なぜか17日だけ「お休み」だった。ママにも久しく会ってないので会いたかったが、17日はかなわず。いいジャズの店なんですよ。

 茶を二人で飲みながら、「近くに住む友人」を思い出した。A君。誘ったら「伺います」と。いろいろ話して面白かった。彼は音楽関係。しかし今の世界はどこかで繋がっている。意外なところから話が発展して良かった。

13:45
2018
07/17
Tue

MIRAI、使って3年

day by day

  (11:00)ははは、トヨタ・クラウン(展示車)のお尻を見ながらこの文章を書いています。場所はトヨタのディーラーさんのショールーム。涼しくていいですよ。

トヨペット虎ノ門店 ちゃんと用事があって来ています。2015年の8月に納車となった私の赤いMIRAIも、使うこと3年。つまり車検です。内燃機関の車の車検は何回も経験していますが、MIRAIの車検は初めて。

 車検のために車を持ち込むに当たって、一つやらねばならないことがあった。化石燃料の車にはないことです。それは「燃料、つまり水素を満タンにして車を車検すること」です。少し前に、「私どもも勉強不足でしたが.......」とティーラーさんに言われて、「はー」ってな感じ。

 ま、いろいろあるんでしょう。一番大事な水素のタンクの圧、それへの抵抗力・耐性を調べるのかも知れないし、私には分からない。昔の車の車検は見ていて「何をしているか」わかったが、ハイブリッドからもう分からない。コンピューター・プログラムもありますから。

 本当は所用8時間の間ずっと見ていたい。何をするのか。そしたら燃料電池車の仕組みが少しは分かるかも知れない。しかし分かったとこで自分で機構・スペックは扱えないのだから意味がない。

 なので、暫くここで文章を書いた後は離れて、夕刻にまたここに戻ってくる予定です。そう言えば、水素満タン(私は給水と呼びます)のために昨日かな、芝公園のIWATANIさんに行って「車検で満タンだって」と言ったら、「私たちも最近知りました」という店の女子達。

 官庁納車を別にすれば、私のMIRAIは一般顧客売りとしては早い方なので、業界の人にとっても「初」が多いことになる。IWATANIの芝公園にはショールームもあって、昨日も若い二人連れがMIRAIを見ていた。

 最近は若い人達の見学も多いようで、街乗りとしては非常に優れた車なので、買う人が増えるかも知れないな、と思っています。それにしても、涼しいところにいると外に出るのが嫌になる。

11:23
2018
07/16
Mon

楽しくも悔しい...ワールドカップ

day by day

  (08:00)なにもワールドカップとウィンブルドンが一緒に終わることはないのに。ま、その予定だったので仕方ないが。ちょっと寂しい。

 より重点的に見たのはサッカーでしたが、楽しい期間でした。ワールドカップで最後に点を入れたのがエムバペだったのが象徴的でしたが、新しい力の台頭が目立った。予測さていたが、メッシのワールドカップはなかったし、ロナウドも比較的素早く消えた。

 私の印象では、「個+組織」かな。個も強いが、しかし組織がしっかりしている国、かつ指導者に経験豊かな人がデンと構えている......的なチームが一番強い印象でした。それがフランスだったような。

 デシャン監督は歴代3人目の「選手でも監督でも」ワールドカップを制した人だそうな。カンテを代えたときに見ていたテレビの放送席がざわついた(アナウンサーと解説者二人)のがとっても印象として残った。

 放送席は「今日のカンテは機能していない」と直前に語っていたので、「この交代は当然でしょう」という発言かと思ったら、「代えがたいカンテ........」的な話を直前までしていた。

 つまり「見る側を欺くワールドカップ」だった気がする。チームの勝ち残りでも、監督の選手采配でも。だからとっても面白かったし、この種のワールドカップなら、多分審判買収もないだろうし、綺麗な印象がして良い。

 フランスもクロアチアも下馬評はあったが、あまり高くなかった。しかしドイツなど一番手の候補が最初に消えた。そもそもイタリアもオランダも今回のワールドカップには出場していない。

 古くさい言葉だと「新旧交代」でしょうが、アイスランドの台頭などその言葉では表しがたい現象でしょう。クロアチアも人口400万余。それが人口6000万近いフランスと決勝戦で戦った。うーん、最初に2点をフランスに献上していたのが私には残念。

 最初のヘッドはしょうがないか。クロアチアを応援していただけに。次のハンドはちょっと不注意だったような気がする。PKを取られるエリアでは、体にピタリと手をくつけていた選手が多かった。必ずしもそれが出来るわけではないが。ばっちりビデオを見られるので、PKが多くなる。決勝戦もそうだった。クロアチアが追いついた後だけに、あれが流れを決めた。

 歴代ワールドカップに比して、今回はセットプレーでの得点が全得点の中でも占める割合が多かったそうな。最後の決勝戦がそうだ。しかし見ていて「流れの中での点」の方がやはり美しい。日本の対ベルギーでの2点はそういう意味では特筆に値する。

 え、今度はカタール。そりゃまたどえらい。日本の次の監督(森保説?)はだれだか知りませんが、どんと構えてチーム作りをして欲しい。デシャンは5年もやっているそうな。多分日本はベスト8に残れる力を持ちうると思う。
 

07:17
2018
07/10
Tue

この暑い中.....大阪へ

day by day

  (11:00)今日は大阪出張(講演)で、「この○○暑いのに嫌だな.....」と思ったのですが、考えたら行き帰り5時間は涼しい(比較的)新幹線の車内にいられる。「ま、いいか.....」と。

 それにしても今朝の日経の9面「国際面」には、アングロサクソンの代表2カ国で起きている懸念すべき事態がニュースになっている。アメリカでは政権の内部で「マティス外し」が進行し、イギリスではメイ政権が崩壊寸前だと。

 どちらが心配かと言えば、トランプ政権における唯一のスタビライザー的存在だったマティス国務長官が、政策決定過程から外されつつあるという指摘でしょう。米韓軍事演習の中止は本当にビックリしたが、この記事によればマティス外しの中で決まったのだという。そうだと思った。

 ケリー首席補佐官も「存在感が薄れつつある」という指摘もあって、軍人出身だが常識溢れる二人のトップが仮に政権を離れるようなことになれば、アメリカの政策は益々予測が難くなる。

 どう考えてもこの二人は「誇り高き軍人」だろうから、雑な扱いを受ければ「政権を去る」という選択をする可能性が高いと考えられる。ポンペオなど「意を汲む」傾向の強い側近ばかりになるのは、世界にとって良くない。

 メイ政権の混乱ぶりを見ると、そもそもキャメロンがEU離脱を国民投票に掛けたこと事態が........と思うが、それは今から言っても始まらない。離脱そのものを「問い直す」という動きは今のところ沈静化しているから、あとは「どう離脱するか」しかない。

 「無秩序離脱」とは一体どういう形になるのか。多分一番頭を悩ませているのが企業でしょう。今まで欧州事業をロンドン中心にやっていたところは、「今年10月頃がリミット」とされる離脱条件確定がまとまらなければ、来年の3月の離脱日時前に企業としての方針を決めなければならない。

 戦後の皆が、各国が共通の目標を持ち得た時代が終わって、今は国の中でも外でも「様々な目標」を掲げて動く時代。それだけ思惑と意図が錯綜することは分かるが、「あまりに予測出来ない時代」は、面白いが心地よくはない。

11:50
2018
07/08
Sun

見たかった気がする......英露対決

day by day

  (11:00)今朝は「もし.....」に、ちょいワクワク、そしてちょい心配になりました。延長も終わりに接近した段階でロシアがクロアチアに追いつき、PK戦になることが決まった瞬間です。

 その前のマッチでイングランドがスウェーデンに勝っている。ということはそのPK戦次第でロシアがもし勝てば、そう「イングランド対ロシア」という、考えようによっては恐ろしい対戦が実現する。

 イギリスに亡命していたロシアの元スパイの父娘がロシア製造の神経剤"ノビチョフ"によって襲撃された事件は、英露関係を著しく緊張させた。その状態はまだ続いている。その中でイングランド対ロシアのマッチがロシアで行われたら..........と考えたのです。

 PK戦の結果は、ロシアのヘディングを決めたその選手が、まさかのPK失敗(枠を左に外した)でクロアチアの勝ち。見ていて「人生では平然と皮肉なことが起きる」と思いましたが、その結果ロシアは準々で姿を消すことに。

 しかし下馬評の低さに比しての今回のロシアチームの頑張りは特筆に値すると思いました。ホームの観客に押されたこともあったが、ロシアは本当に頑張った。日本も日韓ワールドカップで16強に残りましたが、確か仙台でトルコに負けた。

 あの球場は、とんでもない田舎の畑の真ん中にあった。あれでは日本チームの意気も上がらなかったのは当然で、あんなところにスタジアムを作った方が悪い。対してロシアの観客は熱狂的だった。今でも残念。

 ロシアはランキングも一番低いのに本当によく頑張って、8強まで残った。制裁などを受けて経済が低迷している国民には「我々もできる」というイメージを持ったのではないか。

 それにしてもワールドカップはドラマを生む。ドイツ、ブラジル、アルゼンチンなどが次々に消えて、残ったのはフランス、ベルギー、イングランド、クロアチア。それぞれ注目されたチームではあったが、この4チームの顔ぶれはやや意外でしょうか。

 「準決のフランス対ベルギー」は事実上の決勝戦のイメージもするが、どうでしょうか。なかなか予想通りにはいかないのが今回のワールドカップ。クロアチアなどが優勝するのが一番意外で面白いかも知れない。

 それにしても、フランス対ベルギーは見物だ。水曜日でしたっけ。ビデオが導入されて、「審判の恣意」によるジャッジが少なくなった。それは良いことだと思う。少々試合が間延びしても。以前の「審判買収疑惑」が出ないだけで前進です。

11:56
2018
07/05
Thu

6日の午後1時か......日本時間の

day by day

  (21:00)なんだかんだ忙しくしている間に、来てしまいましたよ。明日の日本時間の午後1時。アメリカ時間の午前零時。対中国の340億ドル相当の商品への関税賦課。

 中国はアメリカが措置に出るのを待って直ちに実施すると言っているので、cross fire(交戦) という感じになる。戦後世界の貿易体制は一つの大きな曲がり角を曲がる可能性がある。

 だからといって世の中が終わるわけではない。クロスしても対象商品はまだ世界に占める貿易総額から見れば小さい。しかしカナダも7月1日に実施し、欧州も参戦。新しい大統領を迎えたメキシコもどうするのか。

 貿易"戦争"が本当に世界経済に打撃になるには、「規模と時間」の両方が必要です。今までだって貿易摩擦は山ほどあった。自由貿易と言っても、政治家は皆選挙民の代表ですから、各国の利害は対立するケースも多い。

 しかし今回の違いは、戦後ずっと「自由貿易の旗」を振ってきたアメリカの大統領が先頭に立っていること。図式としては「こんなことがあり得るのか」という印象がする。短期間で終わりを迎えるのか、我慢比べになって長期化するのか。

 世界の株価は中国株を含めて大きな打撃を既に被っている。そりゃそうだ。企業経営の前提が崩れるのだから、ハーレーだけでなく各社とも対応を迫られる。先行きがはっきりするまでは、多分マーケットもがたがたする。

 ところで、今日面白いニュースを発見。「日本16強で獲得賞金13億円 W杯ロシア大会」というもの。それによると、サッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会で16強となった日本代表は、チームとして1200万ドル(約13億2千万円)の賞金を獲得したらしい。

 なにせ総額が凄い。ロシア大会では大会史上最高となる総額7億9100万ドル(約870億1千万円)の賞金や参加費が用意されたという。国際サッカー連盟(FIFA)の発表によると、優勝したチームは日本の3倍超に相当する3800万ドル(約41億8千万円)を手にする。

 グループステージで敗退しても800万ドル(約8億8千万円)が支払われるそうで、各国チームには大会の準備費用も含めると最低でも計950万ドル(約10億4500万円)が支払われる勘定だという。

 それによると、ワールドカップの賞金総額は増え続けており、今大会は前回ブラジル大会より4割増えた。02年の日韓大会と比べ5倍に膨らんでいるという。

20:48
2018
07/03
Tue

お疲れ様でした.....

day by day

  (05:00)「悔しい」という言葉が何回出ただろう。インタビューを受けた監督、選手の口から。心のどこかで「良くやった」と思っている我々以上に、その場にいた監督・選手は「悔しい」のだと思う。

 「なぜ2点リードしていて、結果は負けてしまったのか」という気持ちだ。「悔しい」という言葉が出てくる前に、西野監督にも長谷部キャプテンなど選手にも、インタビューアーからの問いに対して直ぐには「思いを言葉に置き換えられない白い時間」があった。彼等は全員、言葉に詰まった。

 時に我々さえもアナウンサーのインタビューを「ウルサい。もうちょっとそっとしておいてやれ」と思うほど、監督・選手達からは言葉が出なかった。それが選手達のある種の呆然とした気持ちを表している。

 「2点を守る戦術に転換する」という選択は、ポーランド戦の最後がああだっただけに、西野監督や選手達にはなかったのだと思う。私の印象ではその「ある意味決断しきれないところ」が、2点を取った後の日本チームが意思を統率できなかった理由のような気がする。

 安易な慰めの言葉はかけたくない。悔しいのは彼等なのだから。一人長友選手が、「すべて出し尽くした。胸を張って帰る」と言っていた。私が聞いた中では胸を張ったのは彼だけだ。でも彼の顔にも「悔しい」と書いてあったし、その言葉は彼の口からも出た。

 どう考えても、試合の分岐点はベルギーの最初の点。全く微妙なところでヘディング(シュートかどうかは不明)が入った。ゴールの上隅に。ヘディングであんな狙いはできないとも思うので、偶然? しかしあのゴールでベルギーには「これで行ける」という気持ちが生まれ、日本はやや動揺した。

 でも、と思う。今回のワールドカップの総括は彼等が時間を掛けて行う。アジアで唯一決勝トーナメントに残った。壁は破ったようで、また前に立ちはだかった大きな壁。それをいかにこじ開けるか。課題は見えているようにも見える。

05:33
2018
07/03
Tue

戦う動機......

day by day

  (02:00)確かに「個」は強そうだ。これを見ると。しかしサッカーにはそれ以外の様々な要因が絡む。戦術、連携、戦う動機.........etc

ベルギーのルカクと一緒に 今日フジテレビの番組開始直前にスタジオ入りの控えのにエリアに行ったら、このでかい実物大のパネルが。ルカクです。ベルギーの。「オー、でか」と思って、記念だからと先生(ママ)と斉藤ちゃんを誘って写真を撮ったのです。

 3人とも日本人としても大きい方ではない。だから日本チームのメンバーではかなり彼に近い背丈になる選手はいると思う。しかし彼を越える人はいないでしょう。でかいとしばしば動きに制約がかかる。しかし彼は速い。どう対処するか。

 何だかんだ言って、あと一時間で試合開始ですか。さっき終わったブラジルーメキシコの戦いは2-0でブラジルの勝ち。両方の得点にネイマールが絡んだ。「そういうポジションにいるから」というのは当然ある。しかしそれでも「持っている人」というのはいると思う。

 「戦う動機」は日本にある。対ポーランド戦の最後の10分の戦いを、私は正当性ありと思っているしそうも書いたのですが、世界的に批判の的になっている面がある。それを選手も知っている。簡単に負けるわけにいかないでしょう。「やはり決勝トーナメント進出に相応しくなかった」と言われかねない。

 日本は女子がワールドカップを制している。あの時も「戦う動機」「理由」があった。それは3.11だと私は思っている。選手達は監督から被災地のビデオを見せられたそうな。それはとっても制覇に関連していると思う。

 だから期待しましょう。全力で良い試合をして、それでも負けたら拍手で帰国を迎えましょう。

01:43
2018
07/02
Mon

半端ない......「あつさ」を

day by day


  (11:00)今日は午前中ちょっと外に出たのですが、半端ない暑さでした。過去2日に増して。朝であれですから、日中はもっと酷い筈。外回りの方々はくれぐれもお気をつけを。

 NHKの天気予報だと、東京は「34+2」とかいう表示になっている。しかしこれは北の丸公園の涼しいところでの温度予想。道路の白線の上など軽く40度は越えると思う。私は今日はテレビで午後4時間では外に出られないのが、逆にラッキーです。

 それにしても、ワールドカップは面白すぎる。とてもとっても「あつい」。実は朝まで見ていたのですが、今朝までの2試合はともに延長・PKでの決着で、選手はほとほと疲れ切っているのだが、それでも「knock out方式」なので死力を尽くさざるを得ない。

 だからドラマだらけです。クロアチアとデンマークのPK合戦なんて、今までにない面白さだった。「足でボール蹴り出すキーパー」という風情。今朝の勝者はスペインを破ったロシアと、デンマークの堅い守備(キーパー)に苦しんだクロアチア。いよいよ日本の登場は今夜というか、明日の早朝。

 トーナメントに入って各チームのギアが明らかにもう一つ上がっている。トップモードです。日本はどうでしょうか。私は対ポーランド戦の最後に西野監督がとった賢明な戦略に対する批判がある分だけ、それが選手のモティベーションになってくれればと思っています。

 今年のワールドカップは「こんなことが起きるのか」ということの連続。強いと言われるチームでも格下と言われたチームにはなかなか勝てないし、ロシアのように逆に勝ってしまうケースもある。期待しましょう。

 そうそう、メキシコは今大統領選挙の最中(開票の)で、どうやら安室、いや「AMLO」と略されるアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール候補が勝ちそうですが、国民のもっぱらの関心はワールドカップの自国代表の動きにあるようです。

 ドイツが負けてメキシコは決勝トーナメントに。当日メキシコシティにいた小林君が、「試合前の早朝からホテル前の独立広場のステージは大騒ぎだったのですが、惨敗しで一挙にシーン‥それが韓国さまさまで棚ぼた予選突破となった瞬間からまるで優勝したかのようなどんちゃん騒ぎです」とメールしてくれた。

 明日早朝の渋谷は一体どうなるのか。本当の意味で早朝ですから。

12:34
2018
06/29
Fri

勝ち抜いたNIPPON....素晴らしい

day by day

  (01:00)ひょっとして「泣き笑い」?

  勝つか引き分けるつもりのゲーム(対ポーランド)に負けて泣き、しかしグループ2位で決勝トーナメント進出が決定。それで笑い。しかも、なんとフェアプレーポイントの差(対セネガル)での日本2位。

 ピッチの選手も、そして観客も、そして日本のファンも、ある意味「複雑な、戸惑いながらの喜びの一瞬」を味わった試合でした。でもね、「日本の総合力」だと理解して良いんじゃないでしょうか。だってフェアプレーなので。

 監督は難しい判断を迫られたと思う。6人も入れ替えた采配、そして最後に「コロンビアとセネガル」は「1-0で終わる」との判断で、選手を敢えて動かさなかった判断。選手もそれを理解した。西野監督は試合後のインタビューで、「最後は選手は本意ではなかったと思うが........」と。

 批判を浴びた川島が頑張り、本田を含めて数多くのレギュラークラスが休め、そして7月3日の「次」のゲームを迎える。「次」があるということが重要。ドイツを含め、多くのチームが消えた中で。

 決勝トーナメントでの日本の初戦は、イングランドかベルギー。この後2時半過ぎからゲームがありますが、私はちょい寝ます。

 今日夕方通りかかった渋谷や六本木は今はどうなっているのか。やや逡巡しながらの喜び爆発 ? 明日の朝にその様子が放送されると思うので、それを楽しみに。なにはともあれ、日本、お目出度う.........!!

01:29
2018
06/26
Tue

トランプに敗色....ハーレーの一部工場移転

day by day

  (04:30)やっぱりスペインとポルトガルの同時進行試合を見たいと早起きしたら、とっても面白い、そして笑えるニュースが。「Harley-Davidson, Blaming E.U. Tariffs, Will Move Some Production Out of U.S.」

 つまり、「トランプ関税故にハーレーダビッドソンが生産の一部を米国外に出す」と。生産を国外(主に欧州ですが)に出すと言うことは、トランプ大統領が一番大事にしている「アメリカの雇用」がアメリカから流出すると言うことです。

 私は見出しを見た瞬間に、「トランプ大統領は、このニュースにどう反応するのだろうか」と思った。だってこの記事にも書いてあるが、ハーレーはトランプが「アメリカン・アイコン」と褒め称える会社だ。その会社がトランプ関税を起因とする欧州の報復関税故に工場生産の一部を海外に出す.......こんな皮肉はない

 同社にとって欧州は「アメリカに次ぐマーケット」とある。ハーレーの本社はウイスコンシン州でライアン下院議長のお膝元。彼は言っている。「Harley-Davidson's move was evidence that raising trade barriers is a bad idea. This is further proof of the harm from unilateral tariffs. The best way to help American workers, consumers, and manufacturers is to open new markets for them, not to raise barriers to our own market.」

 まっとうな意見です。「一方的な関税賦課からは実害が生ずる。貿易障壁を引き上げるのは悪しきアイデアだ。アメリカの労働者、消費者、そして製造業者を助ける最良の方法は、自国市場に関税の壁を立てることではなく、新しいマーケットを開くことだ」と。

 繰り返しますが、「海外への工場移転」を恐らく最初に言い出した(パブリック・オファリングで)のは、有名会社ではハーレーが初めて(だと思う)。そりゃ、株主には大きなニュースだからSECに提出する。

 この記事には「他の会社も続く」との意見が紹介されている。そりゃそうだ。アメリカが生産していないため、部品を海外から輸入している会社は多いし、欧州や日本を主な輸出マーケットにしている米企業は多い。

 つまりトランプ関税は「アメリカ国内企業にとっても大迷惑」ということ。トランプ貿易政策は、諸外国から批判されているだけでなく、国内企業からも「鼻つまみ」になっているということだ。

 続くのがケンタッキーのバーボンの製造業者だと、とっても面白い。ハーレーの「工場の一部移転」を決めたのは欧州の勝利 ? 今見たら、週明けのニューヨークの株価は急落している。ダウは500ドル近い下げ。トランプの負けが明らかになりつつある。彼はそれを認めないだろうが。

 ところでスペインーモロッコはなんとモロッコが先制。その後スペインが追いついた。イランーポルトガルはポルトガル先制。その後ロナウドがPKを失敗して、ポルトガルは加点できず。まだ両試合は終わっていません。このままだと、このグループの勝ち抜きはポルトガルとスペイン。

04:22
2018
06/25
Mon

乾のゴールは「super」

day by day

  (04:30)海外の放送をyouなどでチェックしていたら、日本にとっての最初の得点、先行したセネガルに追いつく1点となった乾のゴールについて英語では「super goal」という、スペイン語では「"コントロールされた"風の」評価が出ている。

 確かに狙い、強さ、角度などなどが揃った素晴らしいゴールだったと思う。出来ればゲームとしての最初の点になって欲しかった。日本の最初の失点は、本人も認めているがキーパー川島の中途半端な、走ってくるセネガルの選手の足に当てるかのようなクリアが原因。

 ゲームとしての3点目はセネガルだが、逆サイドで完全にフリーにしてしまったのが原因。ゲームとしての4点目の本田のゴールは余裕の、落ち着いた、場を踏んできた本田のそれ。

 でもどうなんでしょう。勝てた試合だと思った。大迫など二人に大きなチャンスがあった。試合後の大迫のコメントが面白い。相手のセネガルについて「強い相手で、大きくて重かった」と。その相手に「ドロー」したから、深刻になる必要はないが、前戦も含めて「キーパーに問題あり」という印象でしょうか。

 ところでこの文章を書いている時点で、日本と同組のポーランド対コロンビアは「0-3」コロンビアリード(そのまま終了)。ということは勝ち点でコロンビア3、ポーランド0で、日本とセネガルは勝ち点4。

 ということは、グループではポーランドが最初の脱落。日本はコロンビアに大敗した次戦ポーランド相手に引き分けか勝ちで自力勝ち抜き。負けてもセネガルがコロンビアに勝てば、日本はグループ2位。決勝トーナメントに行く。

 ちょい複雑なのは、グループ第三戦となる次の日本ーポーランドで日本が負けた場合。セネガルーコロンビアが引き分けか(コロンビア勝ち点4)、コロンビアが勝ってセネガルが負けた場合(セネガル勝ち点4)。日本は勝ち点でセネガルやコロンビアと並ぶケースが出てくる。日本ーコロンビアではポーランドに大勝したコロンビア有利。

   だから日本は対ポーランドで勝ちましょうよ。勝てると思う。

05:22
2018
06/24
Sun

ドイツ あり得ない

day by day

  (07:30)最近「なんで、なんで」と本当に思う。時間が足りない。原稿を書き、放送に出て....だけじゃない。アローラも捕まえたいし....と思っていたらワールドカップが一番の時間不足原因だと。

 今朝もドイツースウェーデンのマッチが面白そうだったのでテレビで見ようとしたら山中湖畔のホテルのテレビの電波状態が良くない。しかたないので、車に行って試合を見ました。ちっちゃな画面です。

 しかしそれにしてもドイツの最後の最後での得点は素晴らしかった。発想が。「ずらし攻撃」。もうロスタイム。1-1の同点で、このまま終わるとドイツは自力での決勝トーナメント進出が無理になる。しかも一人退場して10人。

 ゴールから見て右側の浅いところでFKを得たドイツ。もう時間がないので、直ぐに直接ゴールを狙ってキックするのかと思った。違った。

 なにをしたかいうと、FKを担当した選手は多分2メートルくらい横にいた隣の選手に軽くパスした。その選手がボールを止め、その止まったボールをFK担当の選手(クロース?)がゴール右隅に。それが見事に入った。ずらし攻撃。だって頭を用意していた選手が一瞬体勢を変えるじゃないですか。本当にビックリしました。

 あの全く余裕のない、追い詰められた状態で。この冷静沈着さ、そして発想の豊かさに「ドイツ、あり得ない」と思いました。突然できたことではない。多分ずっと練習してきたのでしょう。誰の発想 ?

 ドイツは勝ち点3をゲット。次の韓国戦は非常に重要で、これに勝てば勝ち点3を積みまして6点。確実に決勝トーナメント進出です。逆に2連敗の韓国は厳しい。全力で襲いかかってくる「絶対負けないぞ」オーラを放つドイツと戦わなければならない。

 それにしても今いる山中湖畔のホテルは面白い。食堂というものが全くない。「お食事は外で」と徹底している。朝食も。しかし施設は新しいし、なかなか良い。風呂も大きめの家族風呂のような風呂が二つあ。

 外国人のお客さんも多い。多分私が知らないだけで、日本全国で「面白いホテル」が一杯出来ているんでしょうね。やっぱり泊まらないと良さが分からない。山中湖畔はレストランは一杯あるし、ちょっと朝食の時に不便を感じるが、その他はこのホテルで十分。

 これからアクティビティを見たり、参加したり。夕刻には東京に戻る予定。ま、ワールドカップが終わるまでは「時間欠乏」は続く。ここの文章も書きたいのに。

08:23
2018
06/20
Wed

行くぞ日本!第二戦

day by day

  (06:30)慶賀、慶賀、とにかく慶賀。香川は落ち着いてPKを決めてくれたし、大迫のヘディングシュートは人混みの中でのそれで、とっても評価に値するように思う。慶賀。

 今回の大会は「どえらい事」が起きる大会だが、「予想外」という意味では、日本の勝利も世界で驚きを持って受け取られている。そう、世界を驚かせ続けようではないか。次はセネガル戦。

 そのセネガルはポーランドに日本と同じく2得点し、失点1でまったく日本に並んでグループ共同一位。「第二戦が大事」以上に大事になる。このセネガル戦に勝てば、日本の一次リーグ突破は非常に濃厚になる。

 逆にコロンビアとポーランドはともに世界順位が日本、セネガルよりかなり上だけに、必至に今後の2試合に臨んでくると思われ、この両者の対決で負けた方にはもうチャンスはなくなる。厳しいグループ戦だ。

 初戦の対コロンビア戦ではラッキーもあった。一人選手インタビューで本田が暗い顔で喋っていたのが気になったが、あの間を置いた返答と、「中味云々」の話には真実もあったと思う。あんなに暗い顔でインタビューを受けるのもどうかと思ったが。行くぞ日本!第二戦

 目を転じると「どえらい事」はマーケットでも。ニューヨークの株が300ドルも下落。見た瞬間に「そりゃそうだ。遂に来たか」と。500億ドル相当の中国製品への制裁関税に加えての追加制裁の警告。エスカレートの兆しが。

  相変わらずトランプの reckless な発言が世界を揺さぶっている。故のプラスもないことはないが、「適格性」についてはかなり問われるシーンが続く。大統領なのに「とっても焦っている」のが目立つ。「焦り」は失敗の原因になる。スポーツでも。

06:20
2018
06/18
Mon

電話がつながらない.......

day by day

  (08:30)今さっきですが、大阪の友人に電話を入れようとしたら、「回線が混み合って繋がりにくくなっている.......」とアナウンスが。NHKのヘリコプターが映す映像を見ると、街自体は大きな打撃はないように見える。

 しかし電話を含めて、鉄道など交通網などのシステムが大きな影響を受けているようです。新幹線は止まり、在来線も運転を見合わせ。ということは朝の通勤時間は大混雑ということでしょう。

 問題はその持続時間。とりあえず「街が概ね被害なし」となれば、システムはいずれ立ち上がってくるでしょう。長い時間がかかれば、システムが引き起こす被害は大きくなってしまう。

 「地震が少ない」と言われた関西でのまたまたの大きな地震。日本列島に構造的な変化が起きているのかどうか。この辺は今後の問題でしょう。また一時間ほどたったら、回線に負荷にならないような感じで大阪への電話にトライします。

08:37
2018
06/17
Sun

スマホをライト代わりに.....

day by day

  (08:30)ははは、昨日はコンサートだったのに、立ち上がるのは当然として、最後の2曲など大声で歌っちゃいましたよ。

 場所は渋谷ヒカリエ11階のシアターオーブ。出来た時に「地球アステク」という番組をやっていて、その時に取材したことがある。久しぶり。

 出し物は、LET IT BE。そうかこのサイトだとエビタもこの劇場で7月初めからやるのか。ロンドン、ニューヨークの両方で見ているから、それはそれで見よう。

 要するにビートルズの曲をやるコンサートです。六本木のアビー・ロードなどなど、ビートルズのそっくりさんが出てきて、実に懐かしいビートルズの曲を展開する。友人に誘われて午後6時半から。

 以前から知ってはいた。しかしあまり行く気にはならなかった。しかし誘われたので行ったら、とっても楽しかった。後部座席は別にしてほぼフルに人が入った。とっても上の人が多いのかと思ったら、そうでもなかった。

 演奏・歌唱された曲は全部知っている。歌詞が頭に浮かぶ曲も多い。通常のコンサートに行ったときに感じる「新曲を聴く不安」がない。知っている曲目のクラシックの音楽を行きに行ったようなものです。

 ビートルズはある意味「クラシック」でしょう。もう。じゃあつまらないかというと、そうでもない。オリジナルの曲を思い浮かべながら、「ここはこう演奏・歌唱したのか」とかいう楽しみがあるし、ジョンやポールの声を思い出して「ちょっと色気がないな」などと比べることも出来る。

 なにせ「live」ですから。全曲目の半分くらいはほぼ全員で立ち上がって、盛り上がりました。最後の2曲(let it be、Hey Jude)なんて、私のカラオケの持ち歌ですからね。翻訳しながら歌う。「なすがままに、あるがままに......」ははは。

 楽しかった。そうか次はオーブではエビタだな。最近たまに耳を澄ませると、「don't cry me .......」と良く聞こえる。ベッドミドラーの「Rose」もよく聞くけど。

08:30
2018
06/14
Thu

経済の質が変わった.....とFOMCは判断 ? 

day by day

  (14:30)まだ考えをとりまとめ中で、いろいろな人と意見交換している最中なのですが、というFOMCが公表したProjection Materialsをつらつら見ながら、「FOMCはアメリカ経済に対する基本的な考え方を大きく変えたのではないか」と思いました。

 朝の文章を書いた後、もう一度資料を見直したのです。目が止まったのはPCEインフレ見通しの所でした。今年三月の予想ではアメリカのインフレ率見通しは2018年が1.9%、2019年が2.0%、2020年が2.1%と僅かながら上がっていた。

 つまり前回まではFOMCは「インフレ率は緩やかだが、今後は徐々に上がる」という見立てだったのだ。これは従来型の考え方に基づいていたと思われる。「失業率低下→賃金上昇→コストプッシュインフレ」という図式だ。「失業率の低下はインフレ率を押し上げる」との。

 しかし今回のインフレ率見通しは、極めて特徴的だ。それは2018年に2.1%に大きく上げたあとは、「もう上昇ペースは変わらない」との見通しを下している。2019年も2.1%の上昇、2020年もそう。そして長期的には逆に下がって2.0になる、と言っている。

 声明の第一パラグラフを見ても分かるが、FOMCは「文句のつけようがないほど景気が良い」と見ている。にも関わらず、インフレ率は上がらないと判断。筆者はこの点に大いに着目した。

 何よりも驚くのはFOMCが2020年の米失業率を3.5%に見込んでいることだ。これは長期的に見て理想とされるアメリカの通常時失業率4.5%を実に1%も下回る。

 ということは、「低失業率が続いてもインフレ上昇率は加速しない」とFRBが確信していることになる。つまり「低失業率はインフレ上昇要因としては弱い」と。これは大きな考え方の転換でしょう。言ってみればFOMCは「アメリカ経済の質が変わった」と判断していると言える。

 問題は失業率がずっと危険なほど低い水準でもなぜパウエルは「賃金は物価全般を上げるほどには上がらん」と思ったかだ。いろいろ考えられる。

  1. スポーツ選手やブランド不動産と一緒で、喧伝される価格の上昇は局地戦にとどまる
  2. 普通の仕事は常にテクノロジーの挑戦を受ける
  3. 依然として低賃金で働く労働者は世界にあまたいること

 などなどが考えられる。例えば、韓国では当然賃金は下方圧力を受ける。2000万人の低賃金労働者圧力生ずる可能性が出てきたからだ。ま、考えをまとめ中です。ご意見あったら、下さい。

15:00
2018
06/14
Thu

上がらない米長期金利......利上げ、同予想でも

day by day

  (06:30)私としては今朝は「U.S. Prepares to Proceed With Tariffs on Chinese Goods」というタイトルのこの記事により強い関心があるのですが、それは置いておくとして、朝起きて先ず見たのはアメリカの長期金利の動きでした。

 一日の動きを見ると、「2.946 - 3.006」とあって、「ああ、3%台に戻ったんだ」と分かる。しかし引けを見ると「2.966%」とあって、これは「一時3%台に乗ったが、その後落ちた」と読める。前日引値からの上げ幅は0.003とごく僅かだ。

 これは「驚くべき現象」と言えるでしょう。日本時間の14日朝3時に終わったFOMCは声明で「0.25%の利上げ」の決定を我々に伝え、そしてパウエル議長の発言などを総合すると、「年内あと2回、2018年としては合計4回の利上げ」を示唆した。

 しかしアメリカの長期金利は「knee-jerk」で一時は3%台に上がったが、その後は何もなかったように急落し、前日引値と同じレベルで終わった、ということ。ニューヨークの株はFOMCを受けて「やはり利上げのペースが速まるのか....」との嫌気もあって、ダウで100ドル以上の下げとなった。但しNasdaqは引けでは下げたが、日中はアマゾンとネットフリックスの上昇などもあって、高値を更新した。だから全般的には高い。

 ニューヨーク株の反落については、「FRBが年内あと2回の利上げを予告したから」と説明されているが、私は「早ければこの15日からの実体(関税引き上げ)を伴った対中貿易摩擦突入」を嫌気したものではないか、と考えている。だから15日はとっても注目なのです。

 今の2%近傍のアメリカのインフレ率を前提にすると、アメリカの政策金利の中立水準は3%前後とされる。FRBが公表した「Projection Materials」によれば、2018年のGDP成長率は引き上げられ、インフレ見通しも引き上げられている。そして何よりも驚くのは2020年の米失業率を3.5%に見込んでいる。これは「Longe run」とされるアメリカの通常時失業率4.5%を実に1%も下回る。

 今年あと2回やって、来年3回、そして2020年にあと一回程度政策金利を引き上げると、FF金利目標は優に3%を超えて、3.25とか3.5%に上がる。それが分かっていながらの今のアメリカの長期金利2.966だ。完全にリバースになる。

 もちろんそれは2020年の話なので、「それまでにアメリカの長期金利は上がる」と考える事は自然だ。しかしマーケットは「先取り」が原則なので、実は長期債市場は「FRBほど強気ではない」とも言える。

 今のアメリカには、多分世界中からお金が集まっている。大統領の評判は悪いが、「振り回される国よりも、振り回している国の方に資金を置きたい」という資本の論理もあるのだろう。しかしとっても興味深い現象だ。引き続きウォッチだ。 

07:30
2018
06/13
Wed

際立ったのは.......reckless

day by day

  (05:30)あらゆる合意の真価は、それがいかに実行に移されるか.........という点に存在する。

 どんなに細かく規定されてよく詰められた合意でも、その通りに実行されなければ意味がない。逆にどのようにおおざっぱな合意も、その後にしっかりと意味と効果が込められる実際の行動が積み重なるなら、それは大いに価値がある。最後は「これは良い合意」だったということになる。昨日の米朝合意文書(共同声明)については、後者であることを望む

 昨日の午後5時からの記者会見までをかなり熱心に家や車の中のテレビで見ていて、トランプ大統領について一つ思い付いた単語がある。それは「reckless」というものだ。「向こう見ずな、無謀な、無謀で、意に介さないで」といった意味を持つ単語だが、もうちょっと軽い意味でも使われる。「不注意」「軽はずみ」といった。

 それを一番感じたのは、CVIDの中味に関して「時間がなかった」と彼が言ったときだ。まっさきに私が思ったのは、「じゃ、十分時間をかけて詰めてから(米朝会談を)やれば良かったのに」だ。この重要な国際合意を締結するに機に及んで、「時間がなかった」とはあり得ない返答だ。

 まだまだある。「彼は私に言った」にも驚愕した。この単語を二度三度ほど使ったかと思う。つまり「彼は私に約束した」「だから大丈夫だろう」と言いたいのだろう。これもreckless のそしりを免れない。

 パッケージになっているのは、「彼は信頼できる」「彼は頭が良い」「取引できる相手だ」「国の事を考えている」的な、相手に対する「ある種、軽はずみとも言える高評価」だ。この高評価故に、「彼は私に言った→だからやるだろう」と判断しているように見える。

 彼はしばしばこの「相手に対する高評価」を口にする。彼の口からしばしば聞く。決まった単語が続く。しかしそれは変遷する。「高評価→無視→非難→高評価.....」となり、それをしばしば繰り返す。マクロンにもそうだったし、トルドーにもそうだ。最初に会った時、つまり所見の時にはこの「高評価」が出やすい。

 しかし彼(金委員長)の今までの実際の行為を少しでも知っている人なら、こんな高評価を普通下すだろうか。叔父を無慈悲に殺し、兄を海外で毒殺し、そして兵士の腹には寄生虫が大量にわいていた。つい最近まで「アメリカを無慈悲に攻撃する」と言っていた北朝鮮の首領。「権力闘争だから」というにはあまりにも酷い実態だ。

 「北朝鮮が譲ったことはほぼない。しかしトランプはお土産をたくさん彼にあげた」という評価はその通りだ。願わくば、「トランプの自分に対する評価など直ぐに変わる。故に彼には注意する必要がある。言った以上の事をやらないと北朝鮮(自分の体制)の安全はない.......」と金正恩が考えてくれることだ。recklessな大統領だからこそ、「ほくそ笑んでいるだけでは危ない」と金正恩が考えてくれるかどうか。

 北朝鮮は過去簡単に約束を反故にしてきた。様々な理屈と感情を表に出しながら。トランプという人も、自分の意見や人に対する評価を簡単に反故にして、突飛で、recklessな発言を繰り返す。似たもの同士であるが故に、腹なのかでは強い疑心があるだろう。

 その疑心(最後は彼は戦争を仕掛けかねない...という金正恩のサイドの)が、彼を実際の行動(非核化での)に駆り立てることを祈る。そうでも考えないと、今回の首脳会談は「やはりトランプの選挙対策」以上のものにはなり得ないし、世界にとって悲惨な結果を招きうる。

 「体制の保証」などrecklessの極みだ。記者会見で一番共感を持ったのは記者達の「なんであの国に体制の保証など与えられるのか......」という趣旨の質問にだった。人権に絡んで。繰り返し出ていて、これには深く共感した。これらの質問が、理念も思索もあまりなさそうなアメリカの今の大統領にどのくらい響いたかは不明だった。

 もう祈るしかない。日本のワールドカップの初戦のコロンビア戦勝利を「祈るしかない」のと同じだ。日本など周辺国、そしてトランプ大統領の側近達が出来ることは、どうみてもrecklessな今回の合意に、しっかりと意味を付与していく事だと思う。しかしそれには「祈るしかない」という側面が残る。ボルトンはいったい何をしていたのか.........

06:15
2018
06/12
Tue

ま、見所は満載でしょう.....いろいろ

day by day

  (05:30)そうですか、今日の日本時間午前10時から。今一番話題の米朝首脳会談。「金正恩がどのくらい本気か ?」に尽きる。完全非核化に関して。次はトランプ米大統領がこの会談をどう利用しようとしているのか ?

 二人の意図は別にして、その結果は世界の、そして東アジアの地図を変えうる。だから非常に興味深いことは確かだ。昨日読んだアメリカの新聞によれば、金正恩委員長はシンガポール時間の午前9時からトランプ大統領との会談に入り、その5時間後にはシンガポールを出立する予定だという。つまりどう時間を取っても会談時間は4時間。

 これに対してトランプ大統領は同日午後6時くらいまでシンガポールに滞在するという。最初は「何日も続くかも」と言っていたが、今は「プロセスの始まり」という位置づけなので、出来たら何らかの声明、宣言を出して終わり、「成功」のイメージを世界に振りまきたいのではないか、とも思う。

 直前にカナダで、本来なら国家理念を一緒にするG7の他の諸国首脳と大喧嘩状態で別れたトランプ大統領は、「金正恩との会談はうまく行くだろう」と言っている。もしかしたらいっときそうかも知れない

 今は強烈な制裁の対象としているロシアに関しても、当選当初は「プーチンとは仲良くやれる」と言っていた「蜜月の時期」もあった。しかしその後はやはり国の形の違いもあって、制裁対象だ。「国の形」としては、アメリカと北朝鮮は真逆だ。

 そもそも思想、考え方で人を判断するのではなく、その人の形で評価する傾向のあるトランプ大統領には、確かに「金正恩は面白い」と思わせる部分はあるのだと思う。しかし問題はその持続性だ。

 私のそもそもの疑問は、「金正恩がいま世界から浴びている注目は、それに値するものか」ということだ。「顕著」だからではない。「異形」だからだろう。国の形、人々の生活のレベル。韓国の何十分の一しかない経済規模。

 唯一「核」を持ち「それを完成させた」と言い、その核を持って周囲の国を威嚇してきた。その国家が「変わろうとしている」ということで注目を浴びている。しかし心血を注いで「完成させた」と言っている核を、それほど素直に「完全非核化」の対象とするだろうか。

 しかし一方で「今回の対米会談が失敗したら、自分の国に対するアメリカの軍事攻撃の可能性は高まる」という認識ではあるらしい。彼自身がこの二つを天秤にかけて、「どの道を歩むべきか...」と考えているのかがポイントだろう。

 トランプ大統領は「会って最初の1分で、彼が本気かどうか分かる」と言った。そうかもしれない。しかしG7首脳の笑顔にさえ疑心を持つトランプ大統領は、「金正恩の笑顔」を最初どう見て、その後はそれをどう見るのか。

 昨日これに関連して長い文章を書きましたが、そりゃ昨日のニューヨークのマーケットにしろ「これから消化」という段階。ま、何が起きるのか、注目して今日という一日を過ごしましょう。しかし本当にヤマ場は、その後に来る感じがする。一ヶ月後、そして一年後 ? もちろん、うまく行けば良いのですが。

05:54
2018
06/09
Sat

羊と鋼の森

day by day

  (12:30)二本の有名な二本、あ「日本」の映画が昨日封切り。一本は是枝監督が今テレビ、ラジオで宣伝しまくっている(というか、ださされているんでしょうがね)「万引き家族」、そしてもう一本は「羊と鋼の森」。私は後者を見ました。

 残念ながら原作は読んでない。読む前に見てしまった。読んでからとはちょっと違うかも知れない。しかし木々が絡み合う深い森のように、弦が複雑にからみあう人間の世界が、ピアノの音色や冬の雪国の景色とともに実にうまく描き出された映画だな、と思いました。

 始まったのが午後12時55分。終わったのが午後15時25分。予告やコマーシャル、警告などを除外してもとっても長い映画です。しかしぎりぎりのところでセーフ。ずっと眠くならずに見ていました。

 まだ始まったばかり。種明かしすると怒られるので書きませんが、お金支払っても良かったと思う映画だし、その時その時のシーンが今も頭に蘇ってくる。周囲の音を消す雪国=北海道という設定が良い。多分旭川のイメージかな。

 お勧めです。「万引き家族」も近く見ます。監督が大分種を明らかにしちゃって居ますがね。

10:30
2018
06/09
Sat

合計120年.....二つの愛すべき店

day by day

  (11:30)昨日だったかな、とってもビックリすることがありました。合計は120年。

新橋で75年やっているカレー屋さん 昼頃かな。所用あって新橋を歩いていた。「腹減った」と思って、「何が?」と考えたら、お腹が「カレーだよ」と言った。しかもCoCo壱番屋とかの新しいのではなく、まだ日比谷で働いていた頃にたまに立ち寄った第一ホテル近くのカレー屋を私のお腹が指示した。

 「あるかな」と思って行ったら、昔の面影、以前もあったラウンドカウンターでそのままありました。「懐かしい」と思いながら、ご主人に話しかけたのです。愛想のない。だってスマホを見ていたら、「昼はスマホを取り出さないで下さい......」と。ま、回転が遅くなる。ちょい気にいった。

 「ここ随分昔からありますよね......」と言ったら、最初女性の方が「72年ですかね.......」と。そしたらその愛想のないご主人が「75年です」と。ぎょえですよ。「戦争中からです」と彼。

 戦争中とそして戦後の混乱。その二つの時期をずっとカレー屋で生き抜いてきた。凄いと思いました。むろん彼は何代目か。多分周囲は全部変わっているでしょう。実際にこのカレー屋さんの回りは変わった。

 懐かしい味のカレーです。とってもよく煮込んだ。店名と同じく「スマトラカレー」の普通盛りと大盛りがベース。福神漬けなどなどはご自由にと、カウンターの内側に沿って置いてある。

銀座で開店して45年のコーヒーショップ 時間がない時に立ち寄った店でした。以前も、そして今回も。世に名店は多い。とっても歴史のある店も多い。しかし一般のカレー屋さんで75年。素晴らしいと思いました。

 でそのまま銀座に抜けたのです。でカレーのあとはコーヒーということで、飲みたくなった。ふと思い出したのが、電通通りの多分7丁目の角っこ。コリドー街方面の店を思い出した。

 以前から銀座の蝶達が夕方になると自然と集まり、「どううちの店に来ない」といろいろスカウト達と話をしていたコーヒー屋。それを見るのが結構楽しかった時期もあった。

 今回はそういうのはいなくて、カウンターに座った。目の前に多分以前からあったと思うが、セピア色の写真が。またまた店の人に「この写真は有名な人の.....」と話しかけた。

 そしたら、「店の開店したときの写真です」と。「何年前よ ?」と私。答えは「45年前」と。ここでまた仰天。75年の新橋のカレー屋と45年の銀座のコーヒー屋。「今日はどえらい一日やな.....」と。

 皆さんも一度行ってやって下さい。カレーもコーヒーもうまい。カレーはクラシック。コーヒーはしっかり。

10:10
2018
06/08
Fri

心許ない事前摺り合わせ

day by day

  (05:30)

トランプ大統領.....「日本のシンゾーが、拉致問題を提起してくれと頼んできているが...どうなんだい」
金正恩委員長.....「いえ、大統領、あれはもう解決済みなんですよ..........」
トランプ大統領.....「あ、そうなんだ.....」

 これで終わったら、トランプ大統領が会談に拉致問題を持ち出したと言うだけで(日本への約束履行)、なんら前進していない。北朝鮮側が「もはや解決済み」と回答した場合、トランプ大統領が「いや、そうじゃない....」と言う決意と材料を安倍首相は与えられたのか..........

 それが今朝の記者会見では詳らかでない。つまり提起するだけでなく、「議論を展開するだけのシナリオを安倍首相はトランプ大統領に提起・提供」することが必要。うーん、ちょっと怪しいな。

 だから思う。日本は「いや、あの人とあの人はあそことあそこで生きているじゃないか.......」と具体的に指摘できるような情報を握っていないと、「解決済み」という北朝鮮の姿勢に対峙するには力不足だ。私はそう思う。しかし、どうも日本にはそういう情報はないようだ。

 逆にトランプ大統領は安倍首相に「自動車問題」を持ち出して、「もっとアメリカに工場を」と言った。日本はアメリカに年間170万台の自動車を輸出しているとの話もあるので、この問題は「全部アメリカで作る」という状況を作るのは難しい。

 今までの情報から見ると、安倍首相が対米、対トランプで新たなカードを得たという印象はしない。逆に一本取られたような。

05:37
2018
06/06
Wed

「成熟」と思われたマーケットほど..

day by day

  (23:30)スタバね。街のどこにいってもあり、そしていつも「これだけ多くのスタバ。よく競合せずに全店やっているな」と。しかし考えると私もよく寄るし、まずまず楽しめる。

 そのスタバの「シュルツ氏退任へ」と日経の今朝の記事。「私がスタバを救ったと言われる。それは違う。スタバが私を救った.....」と。ははは、どっちでもいいが、今の規模の、そしてコンセプトのスタバを作ったのはシュルツ氏ということでしょう。

 「それにしても」と思う。「どんな、もう成熟と思われるマーケット」でも、新しいコンセプト、新しい味、新しい感覚を導入する余地があり、それがまた新たなマーケットを創造する、と。

 コーヒーもそうでしょう。街を歩く。パチンコ屋などが著しく減った一方で、もの凄く増えたコンビニ。しかし最近は伸びが止まってきた。「俺の...」ももう一杯かな。増えすぎて。直(いきなり)ステーキも良いところまで来た。

 依然として増えているのはコーヒー店です。スタバを中心に。上島も増えているし、ドトールなど従来店、さらにルノアールなど古豪も健在。「本当に今の日本の(いや、世界中の)人はコーヒーをよく飲むんだ......」と思う。

 「座る」「水分を飲む」は、人間にとって一日に何回かは必要。その意味ではコーヒーショップはニーズを十分に満たせる最高の場所。打ち合わせも出来るし、待ち合わせも出来る。そしてうまいコーヒーがあれば最高。

 「もう変わらない」と思われているものほど、予想外な事に大きく変わるという印象。電気掃除機の時もそう思ったし、コーヒーもそうかな。次はどんな業態が大きく変わるのか。うーん、種探しでもしようかな。

 もう一つ。東芝がPC部門を売却したそうな。Macが出てくる前は、アメリカのビジネスマンのかなりの割合の人は、ダイナブックを使っていた。私の印象です。そのくらい良いPCを作っていたのに売却。ソニーのVAIOなどに比べると「立て付け」が良くて、シャープな印象だった。いいPCだと思ったのに。

 むろん東芝の事情もある。売却には。しかし、最近思う。「一時一世を風靡した日本の製品が、簡単にその地位を失っていないか.......」と。経済の発展サイクルに沿っているとも言えるが、アメリカが行き着いた「ソフトの世界」では日本は跳梁跋扈はまず無理。

 なので心配になるのです。考えてみれば、仮に日本が「自動車を失ったら」とも思う。そうならないように。「そして誰もいなくなった」とならないように。

23:21
2018
06/04
Mon

宿泊費を払えない方々

day by day

  (23:30)今とっても残念に思っているのは、一度も安室奈美恵さんのコンサートに行ってないうちに最後のそれが東京ドームで終わってしまったことかな。

 踊って歌える日本では希有なタレント。登場した当初はあまり良い印象はなかったが、その後の曲は最後の「Finally」を含めて良かったし、その曲はずっと頭に残るものだった。音楽ビデオはずっとDVDに入ったままで、時々聞いています。

 ところで6月12日に予定されている米朝首脳会談には、急速に関心が薄れました。東北アジア全体の今後に大きな影響力を持つ重要な会議という位置づけが、トランプ得意の「どんでん返し」で「何回も続くかも知れない一連の会談の一つ」「完全非核化もゆっくりやれば良い」という態度表明でかすんだ。

 要するに二人共が「会談した」という事実が欲しかっただけ、ということで、それが前面で中味は「今後詰める」といった程度。重要ではなるが、世界にとって「えっと内容はどうでしたっけ」という感じの会議になる。

 それにしても、週末にとっても「そんなのあり」と思ったのは、「シンガポールで金正恩氏の宿代、誰が負担? 北朝鮮は外貨不足で肩代わり要求」(サンケイ)という新聞報道。もともとはワシントン・ポストが報じている。

 「シンガポール入りする金正恩朝鮮労働党委員長ら北朝鮮代表団が外貨不足などのせいで高額の滞在費を支払えない恐れが強まっている」と。いくら何でも「国」なんだから、一泊65万であろうと払えるだろうと思ったが違うらしい。

  北朝鮮はシンガポールでの滞在先として最高級スイートが1泊6千ドル(約65万円)する5つ星のフラートン・ホテルを希望しているらしい。しかし、「北朝鮮には支払いの見込みがない」とされ、米国またはシンガポール政府による費用の肩代わりを求めているという。実に驚きです。

 そう言えば、北朝鮮は今年の平昌冬季五輪でも応援団らの派遣費用約260万ドルを韓国に負担させたそうな。また、2014年には当時のクラッパー国家情報長官が北朝鮮に拘束されている米国人の解放問題の折衝で訪朝した際、北朝鮮側から12品目に上る豪華な食事を振る舞われたものの、後にその代金を請求されたという。

 国のトップの滞在費を他の国、機関に肩代わりしてもらうなど「よく恥ずかしくなく出来るな」と思うが、客観的に見ればそれだけ国連制裁が同国経済を追い込んでいたということかもしれない。

23:27

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