日々のライブな情報ページ
2020
03/17
Tue

中国特集を金曜日に放送します

day by day

 世界の大部分の国で新型コロナウイルスの感染拡大が続いていますが、発生元の中国は今どうなっているのか。感染・収束の現状、生産再開の動き、中国経済や習近平政権の将来などを主なテーマとして特集番組を金曜日に放送します。

 「伊藤洋一のRoundup World Now」(http://www.radionikkei.jp/roundup/)がそれで、収録を月曜日の夕刻に行いました。ゲストは東京財団政策研究所主席研究員の柯隆さんです。この放送をお聞きの方はお馴染みの方ですが、最近はますます活躍の場を広げています。各種テレビ番組にもご出演。

 毎回彼との対論、インタビューは楽しみですが、今回もとってもインフォーマティブで面白かったし、多くの方の参考になると思います。昨日はこれとは別にテレビ番組一つ(フジテレビ グッディ)、ラジオ番組一つ(TBSラジオ 森本毅郎スタンバイ)に出ましたが、最近良いと思うのは番組の「聞き直し」が可能なこと。とっても便利。

 最近NHKプラス(https://plus.nhk.jp/watch/ch/g1)を視聴し始めましたが、とっても自由になりました。スマホで「頭からの見直し」が出来るためです。直前のNHKニュースを最初から見ることができる。私が見たいのは映像とニュースの順番です。スマホのアプリ対応というのが素晴らしい。

 もう一つ月曜日には長い文章を書きましたが、一部の方々には参考になるかも知れない。ちょっと専門的ですが。サイトだけ残して起きます→https://arfaetha.jp/ycaster/news/pdf/20200316.pdf

 それではまた。

11:57
2020
03/10
Tue

恐れるべきは「医療崩壊」

day by day

 月曜日のテレビ(フジ 午後2時からのグッディ)で、新型コロナウイルスに関する先週末からの私の疑問を専門家に質問することが出来たので、備忘で書き残しておきます。その日のゲストは吉田正樹さん(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議のメンバー https://www.cas.go.jp/jp/influenza/senmonka_konkyo.pdf)と感染症に詳しい医師の金子俊之さんでした。

 疑問とは「時間的推移の中で見ても、日本の患者数と死亡者の数が他の国に比べて少なく推移しているのは何故か?」でした。この文章を書いている時点ではイタリアの感染者は9172人で死者が453人(10日午後7時のNHKの報道)。韓国の感染者は7513人、死者は59人(同時刻の中央日報の報道)。対して10日夕現在で発表された日本の感染者は511人、死者の数は10人で、圧倒的に少ない(別にクルーズ船感染者703人、死者7人)。

 実は「感染者のカウンティング」については、国によって検査システムも検査能力もかなり大きな差異があり、出てきた数字は国によって意味合いがかなり違う。それは色々な報道で分かってきている。ずっと私は「単純な比較は出来ない」と思っていました。よって私の関心事は「COVID-19による死者」の数でした。「なぜ日本はこの数字が少ないのか。人口が日本の二分の一以下のイタリアに比べると、その少なさが際立つ」と思ったのです。この疑問をゲストに投げたのです。主に吉田さんがお答えになってくれた。

 その回答は、「やはり日本の医療システムが優れていることがあると思いますし、感染者を激増させなかった、ゆっくりな伸びにとどめたことが良かったのでは」というものでした。私も「そうかな」と思っていた所でのご指摘でした。普通日本人は「私たちが優秀なので」とはなかなか言わない。吉田さんはよくおっしゃって下さった。でもその矜持は重要だと思う。

 改めて感じるのは、イタリアの対感染者での死者の割合の高さです。4.93%。「なぜイタリアの死者の数は絶対数でも感染者との比率でも多いのか」というのが私の別の疑問でした。これについては直近のイタリアからの報道で分かった気がする。

 それは「医療崩壊」です。「使えるスペースには全部ベッドを並べ、廊下まで患者で溢れている」とミラノ近郊の病院看護師がテレビのインタビューで応えていた。「お医者さん、私たち、すべて疲労困憊です」とのこと。それは私たちが少し前に武漢からの報道で目にしたものです。武漢で起きた「医療崩壊」が、今はイタリアの北部で起きている。もっとも恐れるべきはこの事態だと分かる。どの国でも、それを起こしてはいけない。

 ゲストの方に「安倍政権が採った二つの措置」についても聞きました。小中高校の春休みまでの休校」「中国・韓国からの入国制限」。吉田さんは前者に関して「一斉ではなく、インフルエンザと同じような個別学級・個別学校の閉鎖の方が良かったと思う.......」ということで、後者に関しては「韓国はあの時点で患者が急増していたのでそうだと思いますが、中国は既に感染者の伸びが鈍化していたので....」とお答えになったと思う。どちらの決定に関しても総理から諮問はなかったことに関しては「聞いて下されば良かったのですが......」ということでした。

 10日午後7時のNHKニュースにゲストで出られていた同会議副座長の尾身茂さんは、「実は2009年の新型インフルエンザ発症の時も、日本は圧倒的に感染症抑止で成果を挙げた。この新型コロナウイルスは感染しても8割の方が他の方にはうつさない。重症化しても半数の方は回復する」とおっしゃっていた。念頭に置いて、冷静に対処していきたい。(了)

21:57
2020
02/12
Wed

「臭い」を主役に引き上げた映画→「パラサイト 半地下の家族」

day by day

 この映画を見ながら思い出していたのは、イギリスの映画監督ケン・ローチが「万引き家族」の監督・是枝さんとのテレビの対談番組で語っていた言葉でした。

  「貧困は、実にいろいろなところに表れる。着ているもの、その人の態度、言葉のちょっとした違い、肌の色艶、そして臭い。なので私は貧困がテーマの映画では俳優は使わない。現実に貧しい生活を送っている人を登場させる。そうでないと現実味がない。あなたは万引き家族を撮影するとき、どうしましたか....」

  概ねそういう発言だった。是枝監督はちょっと逡巡して選別の時に考えて選んだと答えていたが、同じ言葉は今年のアカデミーで作品賞、監督賞など4部門で栄冠を勝ち取った韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(http://www.parasite-mv.jp)のポン・ジュノ監督に投げられても面白いと思った。なぜなら、韓国の俳優はあまりよく知らないが、パラサイト家族の父親を演じたのは私が知る限り韓国ではかなり有名な俳優だからだ。

 しかし色々努力の跡は見えた。肌の色つやをやや酒やけっぽく斑に赤くし、斑点が目立つ形にメークしていた。韓国の言葉のニュアンスは私には分からないが、やはり少し工夫したのだと思う。

 しかしこの映画で一番キーとなったのは「臭い」です。「貧困の中で半地下の家に住むが故のこの家族の臭い」。この映画では半地下の家の外で、酔っ払いが立ち○○○○をするシーンが数回出てくる。それらや、折り重なった様々なモノの臭いが結合して出来る独特の臭い。

 六本木ヒルズのスクリーン7は三次元だが、「臭い」はしなかった。さすがに。想像するしかない。今は相当違ってきたが、ソウル・オリンピックの少し後までは、韓国は都市でも独特の臭いがする街だった。映画でそれを想像するしかない。

 想像するしかないが、この映画で「臭い」は決定的な役割を果たす。映画の大きな筋書きを作っているといっても良い。観客が感じられない臭いを、映画の主役の一つに引き上げた。希有な映画です。

 最初にパラサイト家族のインチキに気がつくのは、金持ち一家の末の、ちょっと変わった息子です。「ともに最近雇った運転手(夫)と家政婦(妻)の臭いが同じだ....」と言う。この息子の両親は気がつかない。そして「臭い」は、惨劇にまで発展する。金持ち一家の夫が示す臭いへの嫌悪。それが引き金に。

 まだ見ていない人が多いだろうから、これ以上は書きません。さすがに「作品」「監督」「長編映画」「脚本」の4賞を受賞するに値する映画だと私は思った。細かい事を言えば、いくらでも指摘できることはある。パラサイト一家が次々と雇われていくプロセスもどうかと思う。気がつかない方がおかしいが....

  しかし韓国社会の格差を描いた割には、それほど重苦しい感じはしない。「韓国の人はこの映画を誇れるだろうか?」なんていう野暮な疑問は内にしまうことにする。テンポ良く展開し、楽しめる。

  脚本も監督もうまいし、俳優もそれなりきの役割を果たしている。しかし同時に思ったのは、この映画にアメリカの賞選定委員達も一票を投じるほど、この映画が取り上げている社会的格差が世界共通の問題になったという事実が重いということだ。筋書きは結構骨太だ。

  お勧めです。{了}

15:17
2020
01/18
Sat

とっても観戦がしやすい競技場ーー新国立印象

day by day

 そうでした。一週間前でした。千駄ヶ谷の新しい国立競技場初体験。ラグビーの大学選手権の決勝(早稲田 対 明治)を見に。その印象を記しておきます。最初書くべきかちょっと悩みました。その種の文章を読む前に実際に体験したい、という方も多いと思いましたが。しかし既に過去一週間でラジオやネットなどでかなり喋っていますから、ご参考と言うことで。

 試合は予想を覆して早稲田の勝利。前半の31得点が大きかった。明治は前半は得点ゼロでしたから。後半の明治の追い上げはさすがでしたが、早稲田は後半もやられっぱなしではなく、きちんとトライを取り返していた。これが最終的な勝利に繋がったと思う。

 しかし興味のもう半分は、いつも外から見ていた新しい国立競技場の内部。早めに行って球場内を一周したり上下横をまじまじと眺めたり、座席の配置具合などを観察しました。TBSの番組(https://www.tbsradio.jp/stand-by/)若手を中心に総勢5人で行ったのですが、それぞれが感想を漏らしていて面白かった。私の印象を記すと、良い点は

 

1. やはり木(板)を天井にも使っていて斬新な印象がするし、競技場の各階の外周を埋める植栽(各階の外周に植えられている)が球場外の木々とマッチしていて良い

2. 観客席の傾斜が上に行くほど急になっている分、恐らく場内のどの席からも競技がよく観察できる。もあってか、席列と席列の間にバーがあって、それが席の移動にも、何かを掛けるのにも役立つし、安全性を高めている印象がした

3. 各階に入っている店舗も多様で、様々な買い物が出来る。私は好きな"シウマイ弁当"を買えたのをラッキーと思いました

4. 競技場を取り囲む環境も広々としていて良い。植栽が進めばもっと良くなる

 

 などでしょうか。私たちは3階席(自由席)の345〜346の入り口から入った直ぐ左の席を占めましたが、ゴールポストに近く、かつ競技場全体が非常に良く見渡せて「(目線の低い)指定席より全体が良く見えるのでは。ここの自由席で良かった」とも話していました。確か観客は5万7345人との発表だったような気がした。まだ一部に席が設置されていない部分があって(後にネットで海外放送局のブースと聞きました)、最終的にどのくらい入るかも知りませんが、「公称6万」は実体とあまり変わらない印象。

 但しいくつか「ここはちょっと」という部分もあった。それは

 

1. 席列と席列の間が非常に狭い。大柄の外国人が出入りするには苦労すると思うし、不便な作りになっている。通路も少ない

2. 階数表示が複雑で、「3階席(チケット表示)」は実は競技場の作りとしては4階(外階段表示)にあって戸惑った。もっとうまく表示できないか

3. 座席が小さく、また冷たいと感じられる

4. 競技場側も観客もまだ慣れていないのか、人の動線が混乱しやすい作りのような気もした

 

 などでしょうか。まだ工事中の部分もあり、改善の余地はあるし、トライアルで使っているのでしょうが、ちょっと本番でも問題かなという印象が残った。「3」の「席が狭く、冷たい」というのは事前に情報が入っていたので、他のメンバーは毛布を、私は車用に買っていた小さい座布団をいくつか持って行った。これはとても役立った。私は座布団を座席に使ったが、他のメンバーは背もたれに使って「良かった」との印象を述べていた。

 大きな大会で新国立競技場が使われたのは2回目でしょうか。改善の余地ありかな。もっともオリンピックの準備は急速に進んでいる印象がしました。またあの競技場は、夏は夏の特徴があるのだと思う。冬とは違った。夏は「座席が冷たい」というのはなくなり、競技場全体もまた違った印象がするかも知れない。でも早めに競技場を体験できたのは良かった。

 あ、345〜346の入り口当たりは冬なので西陽が眩しかった。それから直前に買った双眼鏡(比較的性能の高い奴)が非常に役立った。あの競技場には必須のイメージ。(了)

11:18
2020
01/08
Wed

ご連絡

day by day

 私が毎週月曜日に書いている経済金融レポートのページに、通常出ない写真(海外の軍人)が一時掲載されていましたが(数時間の間だと思慮される)、これは私のブログを管理している会社のサーバーに移転の際に脆弱性が生じたためで、現状は回復していますので、ご連絡します。

 一部の方々に連絡頂き、その後脆弱性を除去しました。ご心配をおかけしました。→http://arfaetha.jp/ycaster/news/pdf/20200106.pdf

07:44
2019
12/31
Tue

なによりも、居心地がいい.......ポルトガル紀行③

day by day

 リスボンもポルトもそうですが、ポルトガルの大きな都市の特徴は「坂」です。「至る所が坂」と言っても過言ではない。特に旧市街は、ポルトでもリスボンでも石畳の狭い、細い、そして建物に圧迫されているかのように存在する坂道が街の地面を形作っている。坂道が縦横無尽に走っていて、「こんなところは車がこないだろう」と思うとちゃんと入ってくる。油断して歩いていると、時々例外的にクラクションを鳴らされる。こうした地帯では、ほぼすべての道が「一方通行」です。

 一般に坂道が多い港町は世界にも多い。急峻な壁面を持つ街は、海の中も急激に角度が下がって深度があり、船が入りやすいと考えられる。横浜のように海岸沿いは平坦な街もありますが、ポルトの場合は川が深くえぐれている上に、天然の良港のようになっていると思われる。ポルトは想像通り「ポルトガル」の国名の起源になったらしい。

 そこら中にある坂が、街の特徴ある景観そのものです。ポルトのベント駅から川沿いの船着き場(観光船などの)までは、ほぼ一貫した下り。結構急。その周辺に街が出来ている。行きはいいが、帰りは辛い。川の周辺を反対側や高い所にかかっている橋の上から見ると、いかに斜面をうまく利用してポルトが街を作ったかが分かる。ポルトの傾斜の急さは、是非多くの方に体験して欲しい。

 そのベント駅の駅舎の壁面に埋め込まれたタイル彫刻は非常に有名です。「さすがにタイルの国」と思える。駅舎の中だけではなく、駅の近くの建物の外壁にもタイルが綺麗に、芸術的に埋め込まれている。私達も息を呑んだ。

 多くの観光客がカメラを構える場所だ。その価値はある。ブルーと白で出来たそれらのタイルは、完成するのに相当時間がかかったのだろうと思う一方で、見れば見るほど「ポルトガルがタイルの国」というのが納得出来る。

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 あと居ても少し。滞在時間は短い。短いながらも、ポルトガルの圧倒的な印象は

 

 「心安らかに来て楽しめる国」

 「パスポートと、ちょっとした身の周りのものを携帯するだけで良い」

 「人々はとっても親切」

 

 というもの。一言で言えば「居心地が良い国」です。夏にはポルトガル南部は40度を超えるらしいので逆に準備が必要ですが、冬は気軽に来れる。緯度は青森程度ですが、暖流の関係で肌感覚では東京より4〜5度は暖かい。

 それにとにかく安全です。お乞食さんが、「カネをくれ」とせびりに来るくらい。危険ではない。街を歩いていて身構えることは何もない。自分が海外にいることさえ忘れる。日本も外国人が増えましたから。繰り返すが、ポルトガルの人々は優しく、そして食べ物は美味しい。

 異国情緒はいっぱいある。パリやロンドンに比べて知名度は低い。欧州に最初に行く方々がそちらを選ぶのは自然。しかし今回初めて来て「いい国、良い都市を発見した」と思いました。

 クリスマスや年末年始の関係で、一部のレストランがやっていなかったり、激混みだったりしてややレストラン探しには苦労した。しかしそうは言っても、ポルトガルでの食事はどこでも美味しかったし、お店も感じが良かった。

 一時は輝いた国でも、その後世界への影響力を失った存在になった国はいくつもある。欧州は栄枯盛衰の世界です。ポルトガルは明らかに「今はone of them」になった国だが、だからこその良さがあるし、人々が総じて優しいのはそういう歴史的経緯があるからかもしれない。

 イギリスは歴史から見れば近代において栄光に達した国です。アメリカを生み、そして世界のシステムのかなりの部分を設計した。しかし今は影響力を落としつつある。EU離脱はどうみてもイギリスの世界における影響力低下に繋がるでしょう。

 人口が6000万に迫るイギリスと1100万のポルトガルでは違う。しかし頭の片隅では、「イギリスがポルトガルのように肩に力が入らない国になるのは、何年先かな」

と思っていました。

 私は、ポルトガルにとっても良い印象を持ちながら去ろうとしている。オブリガード(やっとこの単語を現地で使えた.....良かった)、ポルトガル。

00:46
2019
12/29
Sun

とっても特徴的な「音」......ポルトガル紀行②

day by day

 ポルトガルでとっても印象的なのは「音」です。車が街中を走ることで出る音には、顕著な特徴があり、そして人々の話す時の音量にも他の都市とは目立った違いがある。それぞれの国、それぞれの都市には顕著な音の特徴があるのですが、ポルトガル、その諸都市の音はとっても気になった。心地よい、という意味で。

 例えば、車が走行中に出す音。特に街中はリスボンでもポルトでもそうですが、狭いタイル張りや石を敷き詰めた道が多い。その上を車が走ると、一つ一つのタイルや石をタイヤが叩く音が出で、それが連続的に聞こえる。特に街が寝静まった夜中に車が石やタイル張りの道を通るときの音が遠方から聞こえてくるのは、「この国、ここの都市の特徴だな」と思う。とっても異国情緒豊かです。

 次に人々が話をするときの音量。はっきり言って世界の主要都市の中でもっとも低いと思う。というか静か。ここでは中国人観光客も静かに喋っているように見える。銀座の中国人観光客の喧騒を知っている身からすると、「こうも違うか」と思う。来る人の種類が違うと言うこともあるかも知れない。

 何度も3人でレストランで食事をしましたが、室内のどこかから大きな声が聞こえると言うことはない。皆隣のテービルにいてやっと聞き取れるくらいの小さな声で喋る。アメリカ人もそうです。

 言ってみればそれは「都会的喧騒の欠如」とも言え、それは一番大きな都市としてのリスボンも50万人しかいない国の特徴かも知れないし、若い人がそれほど比率として多くないと言うこともあるだろう。

 かなり以前ですが、ウッディ・アレンが映画の中で喋り続けるのを見て、「これがアメリカか」と思ったが、アメリカのニューヨーク(喧騒の極みです)でもロングアイランドの突先の小さなレストランに入って隣の老人夫婦を見ていたら、日本と同じようにほんの数言葉を確認するように喋るだけ。「keep noisy」なのは都会的現象とその時悟ったが、リスボンは一応の都会でも、気持ち良く静かです。

 車も静かに走ります。歩行者が横断歩道に差し掛かると必ず静かに車が止まる。日本も法令上はそうなっていますが、8割方の車(特にタクシーがそう)はタイヤが道路を叩く音を強く出しながら、走り去る。

 ポルトガルではそういうことはない。ここに慣れると、東京や北京・上海では危ない。とにかく高速道路でも、ポルトガルの車は静かです。異常行動はまずしない。リスボンからポルトに向かう列車の中も、平日の新幹線並みに静かでした。

 そして人々は、静かに、そしてゆっくり歩く。10人に一人は凄く早足で歩くようなニューヨークや東京のようなことはない。だから街も静かです。そうポルトガルは、「静かの国」です。とっても居心地が良い。(続)

16:26
2019
12/29
Sun

気付くこと多し.....ポルトガル紀行①

day by day

 貯めると膨大な量になりそうなので、アップできる分だけ徐々にアップしていきます。ポルトガル紀行。今はリスボンから北のポルトに向かう列車の中です。

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 欧州には何度となく来ていますが、ポルトガルは初です。首都リスボンとフィーゴ、ロナウド、そして長い日本との歴史、サーフィンに良い波の国といった印象。リスボン入りしてしばらく(一日)は「こんなもんかな」という印象だった。パリやロンドンなどに比べて小規模な、ちょっと色褪せた、しかしまとまった感じのする欧州の都市。歩道にあるタイルの彫刻が印象的。ある意味、予想通りでした。

 しかし二日目。リスボンから東に135キロほどの歴史ある街エヴォラに向かう車窓から眺めた景色で、私のポルトガルへのイメージは大きく変わった。そこには広大な、そして家も人もほとんど見掛けない土地が広がっていた。丘と緑の連続。目立つのは丸い印象の木と、そしてその下にある畑。それはブドウ畑であったり、その他の農作物の畑だったりする。

 それを見ながら思い出したことがある。ポルトガルの面積は「日本の4分の1」と直前に見たサイトには書いてあった。しかし人口は日本の10分の1以下の11000万人。その国土のほとんどは丘陵地帯。人が住める。山だらけの日本とは違う。運転手の方は海抜2700メートルくらいの山がポルトガル本土には一つあると言っていました。当然ですが、人口密度は極めて希薄です。

 車窓からの最も強い印象は「たっぷり土地があるな」でした。そして「ここも緑の国だ」と思いましたが、その中味が違う。日本やキューバの緑は、背の高い真っ直ぐ上に伸びた木木が緑を演出している。その下に低木、雑木、そして草花、それに農地という構成。しかしポルトガル(リスボンーエヴォラ間)では、所々にある丸い低木と、そしてその下の緑の畑という緑の構成。同じ"緑"でも大きな違いがある。

 その中で時々出現する街は、大方小高い丘の上に立つ城壁や教会群を中心に出来ていて、一番良い場所をこの二つが占め、その他一般家屋は皆揃っての茶色い屋根をして段々の土地を下に向かって形成されている。多分、一大事には皆が城壁のある城や教会に逃げ込んだのです。一番上に上がると、その周囲に広がる街全体が一望できる。そして家々の壁の白と、屋根の茶色が映える非常に印象的な作りをしている。

 とっても綺麗なのだが、「ちょっと問題かな」と思うこともある。それは「(人口が)希薄過ぎないか」という問題。ポルトガルの人口の推移を見ていたら、首都のリスボンでも80年代の80万人から、最近では50万人強に減少している。よく見ると、街を歩いている人々はお年を召した方が多かった。人口の減少は、日本にとっても人ごとではなくなったが、ポルトガルの場合はもっと深刻だと思った。

 若い人がドイツやフランスに出ているという話もあった。それは東欧でも同じ事。同じ欧州でも、南欧や東欧は我々日本人がイメージする欧州とは少し違う世界を構成している。欧州でも深刻な人口減に悩む国があり、南欧の代表がギリシャとポルトガルだということ。

 ずっと私を案内してくれた若者は、随分なインテリで、「ポルトガルの今のGDPに占める観光業の割合は21%に達している。ちょっと前はそれが7%だった」と教えてくれた。経済の形までギリシャに似てきている。国内にはフォルクスワーゲンの自動車工場が一つあるそうで、「それがGDPの1%を生み出す」という説明だった。

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 目的地だったエヴォラは綺麗な、瀟洒な街です。もうスペイン国境に近いので、スペインから国境超えでこの街にバスで観光に訪れる人も多いらしい。街のあちこちに見える水道が有名です。「地震がないからできる事だな」と思う一方で、「よく作った」とも思う。今はもう実際には使われていないが、青い空に映えるこの水の道は街に入るととっても目立つ。

 エヴォラの人口は6万人弱と聞いた。丘の上にローマ人の指導で作られたローマ神殿の遺構とか、独特の形をしている教会のタワーとその平坦はトップなど。その上から見ると、街はとっても綺麗です。壁面の白と屋根の茶色が目立つ家々の先には、緑が綺麗に広がっている。

 しかし神殿を見たときには、正直がっかりした。ローマが支配を広げてエヴォラをその支配下に入れるに当たって、当然「ここはローマ帝国領土」という印に神殿は作ったのでしょう。しかしあまりにも小規模で、見た時正直「これ?」と思った。

 発想が面白いと思ったのは、納骨教会かな。何千という人の骨や頭蓋骨がそのまま壁に埋め込まれている部屋がある。実に不思議な空間です。私も写真を撮ったが、とてもアップしようとは思わない。for what と思いましたが、理由は別にして「なかなか面白い発想」と思いました。その他にも、色々興味深い建物があった。ガイドさんによると、世界遺産なのでエヴォラの建物に手を入れるだけでも「許可」が必要らしい。最近まで映画館もなかったそうな。

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 「石垣好き」の私が興味を持ったのは、エヴォラでの城壁における石の使い方です。角っこに綺麗な、そして揃った石が使われているのは日本の城壁と変わらない。しかし日本の石垣はほぼ石だけで、それを整形し、小ぶりの石をはめ込むことで構成されている。それに対して、今回見たエヴォラもそうでしたが、欧州では一般的に小さな石を使って、それを粘土とかでつないで城壁を作っている。

 多分ポルトガル(欧州全体 ?)では大きな石が産出されないのでしょう。なのに欧州は石をベースに街を作っている。ロンドンの大火後など。石はある。しかし日本のような巨石はないとも思える。小ぶりのものが圧倒的なのでしょう。日本はその点、大阪城が典型ですが、実に巨大な石を使って城壁を作り上げている。「日本は石に恵まれた国」という印象を改めて持った。

 あ、それから「反り」(そり)。私は日本の建築物(石垣や屋根)の反りが大好きなのですが、ポルトガルにはso farそれがない。日本でも反りがあるのは、限られた城壁、限られた建物(お寺、神社など)ですが、反りがあるかないかで随分印象が違う。好きな反りは、大阪城の石垣のそれや、尾道のお寺のそれです。(続)

01:45
2019
12/21
Sat

来年も、きっと興味深い年に

day by day

 ちょっと早すぎることは分かっていますが、年末のご挨拶をしておきますね。今週もそうでしたが、来週も実質稼働3日ですが番組が6本くらいひしめいていて、忘年会もあり、とてもゆっくり文章を書いていられないので。その後は海外に逃亡します(?)。ははは。

 色々な意味でとっても思い出に残る1年でした。過去の常識が通じないという意味で、面白かった。頭の中の方程式を事あるごとに書き換える日々でした。一応専門の経済だけ見ても、設備投資が世界的に不振なのに何故か雇用は世界的に強く、よって消費はレベルを落とさないばかりか、かなりの国で堅調を保った。これはどこまで続くかという問題以上に興味深い。

 インフレは相変わらず低いままで、それは予想通りでしたが、では「その後」はどうなるかが問題。各国の中央銀行の道具箱はもう既にカラに近い。CLOや中国の債務など懸念すべき債務の積み上がりもある中での道具箱の枯渇。危機を想起させる心配事はいくつもある。しかし一方で世界の株価は高値追いを続けている。ま、繰り返しますが「頭をひねり続ける1年」でした。来年もそうだろうな。長くなるので、その他の分野のことは書きません。

 今年悲しかったことは、長年お世話になったお店が結果的に閉店に追い込まれたケースが多かったこと。新橋の和食の名店もそうだし、銀座の「うさぎ」もそう。ニューヨークのお店はどうなったのかな。ニューヨークの事を聞くのを忘れた。

 2020年は個人的には「お店の探し直し」が年間を通してのテーマの一つかな。和食はここ、寿司はここと決めていかないと。いろいろな店に行くのも良いが、お店の人との交流がとっても重要だと思っているので、それは見つかるまで続く。ま、メドは徐々に立ちつつある。

 オリンピック・パラリンピックの年ですから、多分2020は今年以上に足早に過ぎる。何をするか、何を整理するかの年かな。自分でも「いろいろやり過ぎ」と思っているので、少し整理して絞らないと。

 ま、皆さんにも年末を迎えていろいろな思いがあると思いますが、またご縁があったらご一緒しましょう。今のところ、来年も私のテレビ、ラジオ、ネットなどの番組体制は変わりませんし、多分定期的(月2が多い)に書く原稿の量も変わらない予定です。それらは今まで以上に中味を充実させねばならないと思っています。

 皆さんには良い年末・年始をお過ごし下さい。

11:23
2019
10/31
Thu

当面、打ち止めやな

day by day

 「FRBとマーケットの政策金利観が一致した」という意味では、比較的レアな事が起きたと考えても良いかも知れない。過去数回のFOMC決定時には、ニューヨークの株価はまずは「下げ」で声明とパウエル議長記者会見に反応した。しかし今回は、「もう適切に行動」する時期は過ぎましたよと「次回も利下げ」のイメージを打ち消したにもかかわらず、ニューヨークの株価はSPを中心に過去最高値を更新した。

 その理由が面白い。マーケットが反応したのは、「今後利上げを考える場合は、インフレ率が実際的に大幅に上昇する必要がある」(the central bank would need to see a "really significant" rise in inflation before the Fed thought about hiking.)とした議長の記者会見部分だ。さらに重要なのは今年7月から前回の声明(https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20190918a.htm)までに来り返し使われてきた第二パラの最後の文章「As the Committee contemplates the future path of the target range for the federal funds rate, it will continue to monitor the implications of incoming information for the economic outlook and will act as appropriate to sustain the expansion, with a strong labor market and inflation near its symmetric 2 percent objective.」から、今回は「will act as appropriate to sustain the expansion」の部分を落とした。それは「今後は行動しない。インフレ率が大きく上がるまでは」ということを意味する。つまり「当面はアメリカの政策金利は据え置き」と言っている。

 そのFRBとパウエル議長のスタンスに、株価はポジティブに反応した。これが「当局とマーケットの政策金利観が一致した」と私が判断する理由だ。レアな事。マーケットは普通「もっと下がるだろう」という期待で、その動きを先取りし、そしてそれを修正する。しかし今回はそれがなかった。

 声明を読む時に最初に私の目が行くのは、「今回は何人が異を唱えたか」です。声明の最後の文章。今回は「Voting against this action were: Esther L. George and Eric S. Rosengren, who preferred at this meeting to maintain the target range at 1-3/4 percent to 2 percent.」となっていた。つまり前回の異論3人から、今回は2人に減った。かつ重要なのは、「据え置き派の2人」は、前回9月時点の主張「who preferred to maintain the target range at 2 percent to 2-1/4 percent.」から、レベル感を0.25%ポイント下げている。つまり「据え置き派」の2人も、ディレイしているだけでFRBのこれまで2回の利下げを形として追認している、と読める。

 今回の声明(https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20191030a.htm)でFOMCが選択した新しい政策金利のレベル(3回連続の利下げの結果)は「the Committee decided to lower the target range for the federal funds rate to 1-1/2 to 1-3/4 percent.」だ。今年7月FOMCからの「In light of the implications of global developments for the economic outlook as well as muted inflation pressures」を理由とする利下げが始まる前の政策金利のレベルは「2-1/4 to 2-1/2 percent.」だった。それから見ると0.75%の利下げ。分母からすると0.75%ポイントの下げは、パーセンテージとしては相当大きい。そこでFRBとマーケットの金利観が一致した。

 最近のツイートでトランプ大統領はFRBに「マイナス金利」を要求している。その意味をどのくら理解しているかは別にして、この声明を読む限りパウエルFRBはそれを明確に拒否した。トランプ大統領が自分でパウエル議長を選任したわけだから、大統領が彼の首をすげ替えるにしても、それは自分が再選された後だ。今の勢いだと、トランプ大統領は「より自分の言うことを聞く議長」を再選後に選ぶ。しかし問題はそもそも彼が再選されるかどうか。

 それにしても今回一番面白かったのは、最初にも書いたが「次の利下げは当面ありませよ」「これで当面は打ち止め」とFOMC声明と議長記者会見で明らかになったにもかかわらず、ニューヨークのSP500で示されたように株価が上昇し、史上最高値を付けた(https://www.wsj.com/articles/global-stocks-drift-lower-ahead-of-fed-decision-11572427384?mod=article_inline)ことだ。そういう意味では、マーケットは比較的トランプ大統領に追い風になっているとも言える。特にこれという業績がないなかで、経済は株価の好調は最大のウリだ。

07:31


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