日々のライブな情報ページ
2019
09/08
Sun

シェークスピアの世界だ.....

day by day

 うーん、もっと好きになりそうだ。

 文楽です。今日は午後4時から午後8時過ぎまで。映画に比べればとても長い。しかしあまりよく知らないから逆に興味が持てるし、眠気にもほぼほぼ勝てる。見ていて思ったのは「シェークスピアの世界だ.....」ということ。とっても人間くさい情(愛とか、嫉妬、親子の情などを含めて)と、社会的桎梏との葛藤など。いかんともし難いシチュエーション。

 今日見たのは「嬢景清八嶋日記」と「艶容女舞衣」。人が人形を動かしているのだから、かったるいところはある。しかし台詞は長年公演されている中で研ぎ澄まされてきたのだろう、きれっきれで饒舌なところがない。常に「自分がもし彼だったら」「自分がもし彼女だったら」と考えざるを得ない設定になっている。

 お能もそうだが、江戸時代のファンは熱狂したんじゃないかな。特に女性。政治的には安定していた時代だから、どこかで冒険をしたい、ワクワクしたいと思っている。仮想の世界に自分を置ける舞台が欲しい。

 中味を書くとまた「種明かし」と言われそうだな。までも、古典はほぼほぼ中味は知られている。それを誰がどう演じるか、謡うか(三味線なども含めて)を含めて、「知れば知るほど深い世界」という印象。

 終わっても雨なし。奇跡でした。杉並区には注意報が出ていたので。家に着いてから降り出した。国立劇場前のタクシー待ちの列に日経新聞の佐藤吉哉・恭子夫妻が。同じ出し物を見ていたらしい。ビックリ。もう本当にかなり前に、お二人(多分金融部の記者)とも取材に私の所に来ていて、多分吉哉さんの方だと思ったが、「結婚します」というので「誰?」と聞いたら「伊藤さんも知っている.......」でピンと来た。二人ともほとんど当時のままだったな。

 ま、いろいろな人に会えるし、また機会を作って行きたい。

22:36
2019
09/05
Thu

その夜、香港は異常に静かだった....

day by day

 酩酊から一眠りして起きましたので、「その日の夜の香港」をちょっと記しておきます。私たち4人が歩いたのはワンチャイやセントラル、その周辺。つまり騒動の舞台だったところ。旧バンチャイビルの上のチャイナクラブで食事をして、その後に歩き回り、「昔は監獄だった」という施設の中の面白いバーで飲んで.......

 香港に居住している私以外の3人が揃って口にしたのは、「今夜の香港は異常に人出が少ない」だった。香港の銀座に相当する地域を歩いていたら、あるメンバーは「(人出は)普段の10分の1くらい」と言った。キャリー・ラム香港行政長官が「逃亡犯条例の完全撤回」を発表した数時間後の香港。

 彼女の正式発表直後に私が思ったのは、「今日は香港市民や学生は夜の街にくり出すかも知れない」「それは見る価値がある」というもの。なので食事の後、我々も街に出た。一時間以上歩いた。香取慎吾が書いた壁画を含めて色々見た。しかし確かに人出は少なかった。雨は降っていなかったのに。

 なぜか。多分いろいろな理由が考えられるが、一番大きなものは『「逃亡犯条例の完全撤回」は、いわゆる5大要求の一つに過ぎない。あと四つ(「"暴動"とする見解の撤回」「逮捕された参加者の釈放」「警察への責任追及と独立した調査実施」「"民主的な選挙"の実現」)も残っている。そこをどう考えるべきか、今回の運動を推進した学生、市民の間でも考えがまとまっていないのではないか』ということだと思う。

 安易に喜べば、「この程度を与えれば香港の騒動は収まる」と読んだ中国政府の思う通りになる。「さて、どうするか」を考えているのだ。多分学生や市民の間でも意見が割れる。どの意見がプリベールするかは、私には分からない。今のところ集会とかが事前に予定されているのは7日とか13日らしい。その前後には私が投宿しているホテルの近くで一帯一路(中国本土政府主催だと思う)に関する大きな会合も開かれるらしい。ターゲットになる可能性もある。

 今回香港に来て一つ分かったことがある。「ここは天安門でも、チベットでも、ましてや新疆ウイグル自治区でもない」ということだ。日本に居るときはあまり考えなかったが、香港の住民750万人のうちのかなりの部分は非中国人だ。もちろん日本人も多いし、欧米人も多い。当たり前だが、チャイナクラブの客は半分以上が非中国人だったし、夜の街を歩いてもコーカシアンが多い。

 その香港に例えば人民解放軍を投入すると言うことになると、それは中国にとって「国際社会全体を敵に回す」ということを意味する。当然不測の事態が予想される。それは10月1日の建国70周年を控えた中国本土政府にはとうてい選べる選択肢ではなかったのではないか。私はチベットも新疆ウイグル自治区にも行ったが、そもそも情報は出にくい場所にあり、当時は誰もが映像を作れる時代ではなかった。なので。「一体本当に何が起きたのか?」については今でも色々な説がある。

 しかし香港には世界中から常に多数の目が注がれ、多くの外国メディアがカメラを回し、そして学生も市民も記録装置を身につけている。そこでの惨事惹起は国のイメージを著しく損なう。中国本土政府は恐らく「これで騒動が収まってくれ」と祈っていると思う。その答えはあと数日後に出る。

 それにしても香港が抱える問題は複雑だと改めて現地に来て思った。そもそも「一国二制度」はあと28年の寿命だ。それが過ぎれば香港は今の中国本土と同じ政治体制に組み込まれる。それは時間の問題でしかない。その時、香港の今の異常に高い不動産価格はどうなるか、繁栄は続くのか、人々(特に豊かな人々)は海外に逃げ出さないのか.......などいろいろな問題がある。普通の若者が部屋を借りるのに苦労する家賃の高さ。貧富の格差も大きい。香港が抱える問題は複雑で錯綜している。今後の原稿や放送で取り上げていきたい。

 それにしてもある意味劇的だった。「行政長官が逃亡犯条例の完全撤回を決め、今日中に発表する」というサウス・チャイナ・モーニング・ポストのニュースを見付けたのは、香港国際空港からタクシーでホテルに入った直後。私も驚くタイミングだった。チェックインの時にホテルフロントの女の子にこのニュースを伝えたら「それが本当に私たちが欲しいものだ」と言った。鮮烈な言葉だった。

 

 

 

 

 

05:30
2019
09/01
Sun

羽田の駐車場は、たらんぜよ......

day by day

 もうすぐ東京2020。空港の備えは十分かな、と心配しています。

 土曜日だったかな。家族が私より遅れて九州から飛行機で到着するというので、迎えに車を出したのです。昼頃。羽田国内線の発着エリアに行ったら駐車場が満杯。待ちの最後尾についたが、ちっとも動かない。いつもは車を駐車場に入れて空港内の出口で待つ。

 しばらくその態勢を維持したもので、入れた頃には到着してしまうと判断して、待ちの列を外れた。「少し周回していれば.....」と思ったが、今度は「飛行機が遅れている」とライン。さて困った。なので駐車できる場所を探したが、基本的には空港には正式な駐車場しか車を止めておける場所はない。他の車に倣ってちょっとインサイドの車線の他の車の邪魔にならないところに止めたのですが、直ぐにパトカーが来て「そこは止まられる場所ではありません.....」と。

 仕方ないのでまた駐車場の待ちの列に。ま、確かに夏休み最後の土日という特殊事情はある。しかし「これではいかにも駐車場が少ないのでは......」と思いました。道路は都内の首都高などで2020に備えて様々な実験をやっている。

 しかしあの羽田空港の駐車場スペースでは東京2020の間は駐車場不足で大きな問題にならないかな......と思いました。私の判断では、2020の期間中はちょっと足りない。

17:19
2019
08/27
Tue

近く、魅了爆発 ? 五島列島

day by day

新聞社用の原稿にも書きましたが、長崎県の五島列島は明らかに"宣伝不足"ですね。島の方々も口々にそう言ってました。綺麗な海、数多くの世界遺産、豊かな食事、そして優しい現地の人々。

 なぜ? 沖縄は単一県として観光に力を入れて宣伝していますが、長崎県には他にも宣伝したいエリア、施設が一杯あるから?坂が多い長崎市そのものがとっても魅力的だし、訪れるべき原爆関係の施設も多い。長崎ハウステンボスもある。なので県としては五島列島をなかなか前に出せないのでは......とも考えました。

 しかし初めて行った私の印象は、「五島列島には日本人さえまだ知らない魅力が山のように眠っている」というのものだ。決して出不精ではない私が訪れきれていない日本の魅力がそこにはあった。もっともっと気付かなければと思う。

 「五島」の名前の由来は遣唐使の時代に中国人が日本に向かう途中で五つの山の頂が見えたので付けたとか、五島氏が治めたので付いたとか、大きな島が五つあるからそう呼ばれているとか、いろいろ説がある。実際は140近い無数の島が織りなす島嶼群の大パノラマで、西から東まで個性の強い島が並ぶ。中通島などとっても大きな島もある。豊かなのに、どう見ても沖縄各島ほど開発されていない。まだまだ手つかずで「宝の山」という印象だ。

 私にはそう見えたが、「3年前に比べれば、大きく発展した」と千葉から五島市に移住したマリンスポーツショップの経営者は言う。「もう直ぐ発展に弾みが付くのではないでしょうか」と彼の一言。そうだと思う。何せ沖縄とはまた違った綺麗な海があり、食事が豊かだ。五島牛がいてとても美味しい。そして豊富に取れる海の幸。泊まった若松島の宿・えび屋さんは、私たちが早起きして釣った魚を塩焼きにして朝食に出してくれた。私の先輩もここに泊まったと後でSNSで教えてくれた。

 五島列島には、星野やとか大手のホテルチェーンが進出を企画していると聞いた。それが良いのか悪いのかは島の人達の判断だ。島民の意見は割れているらしい。が、大手が目を付ける十分な理由があると思った。列島なので、移動には結構な時間がかかる。しかしその船旅がまた情緒がある。マリンスポーツも今後施設が増えてくるはずだし、何よりも沖縄に負けない綺麗な海水浴場が多い。

 そして心にしみるのは、苦難のキリシタンの歴史を刻んだ教会やキリスト像だ。印象に残ったのは船でしか行けない隠れキリシタン洞窟で、そこには断崖にキリスト像が凜として立っていた。映画の「沈黙--サイレンス--」を思い出しながら船を降りて岩場を歩いた。ここまでして信仰を守った人々の事を思った。映画の実際の撮影場所も数多い。

 やや駆け足の五島列島→高千穂の旅で残念な面もあったが、思ったのは「日本には、日本人さえ知らない美しい日本、感情を揺さぶられる日本が一杯ある」ということ。日本に年間3000万人も来る外国人。彼等は彼等の目で日本を発見している。それはそれで良い。

 しかし今まで知っていると思っていた日本を、日本人が改めて発見するのは良い事だし、意義があると思う。また行きたい。何度でも魅力を発見できそうだ。

06:56
2019
08/05
Mon

素晴らしすぎる.....Smiling Cinderellaの誕生

day by day

 素晴らしい。もう一度書きます。素晴らしい。

 渋野日向子選手が全英女子オープン(https://www.aigwomensbritishopen.com/news/shibuno-seals-fairytale-victory)で優勝。しかも18番で6メートル弱のバーディを決めての。素晴らしかった。見ていて良かったと思いました。

 12時過ぎにテレビを見始めたら眠れなくなった。3番で4パットのダボを叩いて「どうかな」と思ったのですが、直ぐに5番で一つ取り戻して、その後も積極姿勢は変わらず。7番もバーディ。彼女は「10番でのバーディが大きかった」と。確かに難度の高いホールでのバーディは大きいし、自信になる。

 12番では303ヤードの下りドッグレッグ(グリーンを狙うと254ヤードとか)のPAR4ホールで、ワンオンを狙って見事に成功。このホールなんなくバーディ。とにかくトーナメントを通じて後半が強くてミスなし。最終日もインの9ホールで5バーディ。トップを走っていたサラス(アメリカ)に後半の中盤で追いつき、そして18番でサラス(最終的に2位)が逃したバーディを、彼女より長い距離で渋野選手が決めた。もつれない、すっきりした優勝です。

 見ていてとっても楽しい選手です。解説に回っていて42年前に日本人女子で初めてメジャーを勝った樋口さんが何回か「新人類」というやや古色蒼然とした単語を使っていましたが、確かにそういう面があった。涙はなく、あるのは決意溢れる顔と、そして沢山の笑顔。16番と18番で打つまでに時間があると、コーチ兼キャディーとおしゃべりしながら何かを食べている。普通に。スナック系かな。優勝後のインタビューで誰かが「あれは何を食べていたんですか」と聞いてくれると思ったが、誰も聞かず。知りたい。

 前半はやや緊張していたらしい。なので3番で4パットダボを打ったのかも。しかしそれが逆に良かったのだろう。「後半はそれほどプレッシャーを感じなかった」らしい。そして「優勝したら緊張した」と。普通は逆。面白い子です。なによりも笑顔が素敵な20歳。海外試合が初めてとはとても思えない。

 誰にも素敵な笑顔を振りまき、そしてホールとホールの間では詰めかけた日本人ギャラリーのみならず、手を差し出す多くの国のファンに素手でタッチ応答。「大丈夫か?」とこちらが心配するほどオープンで明るい。海外のメディアにも人気急上昇なのが理解できる。

 なんと言っても圧巻は18番でのバーディパット。「ここで決めないと。外れたら3パットでもいい」と思って打ったそうで、自分でも「ちょっと強かったかも」というのが最初の印象だったらしいが、ボールはラインに乗ってピンに向かって綺麗に転がった。20センチほどの手前で入るのを確信したように既にガッツポーズ。見ているこちらの方が鳥肌立ちました。笑顔と良い意味の強気が同居していた。プレーオフに備えたサラスのパット練習は不要だった。

 良いものをみせてもらいました。見ていてとっても良かった。今後も活躍して欲しい。世界には全くのニューカマーの優勝ですが、多分世界のファンとメディアは彼女を温かく迎える。チャーミングな笑顔、明るい性格、そして勝負師としての決断と強さ。英語での優勝スピーチは紙を見ながらだったが、とっても可愛かった。日本からまたまた新しい力が出てきた印象です。ナイス。

04:04
2019
08/02
Fri

どこだ、どこだ........

day by day

 いつからこんなスペックになったんだ.......とやや"怒"。講演直前に焦りました。

 講演には過去に自分がMCをやったり出演者として出たテレビ番組のビデオを使うこともある。木曜日の国税庁での講演。久しぶりにビデオの一本を使おうとApple(iPhone)のビデオアプリを探した。ところが、ない。

 自分では分からずに、そこにいたITの専門家の人達に聞いても分からない。担当者の一人がネットを調べて、「同じようなクレームが一杯アップされています」と教えてくれた。でもそれでは解決策にならない。

 「でもなくなるはずはないな。あれだけビデオを入れておいたのだから」とじっとアプリを見たら「Apple TV」という過去に使ったことがないアプリが。進んで下を見ると「今すぐ観る」の右に「ライブラリー」があった。「これだ...」と思って進むと「ホームビデオ」と「ダウンロード済み」が。

 これで「あったあった」と問題解決。しかしヒヤリとしました。毎回細かくどうアプリが変わったのか全部読まない私が悪いのかも知れないが、それにしてもネットで騒ぎになっているのは周知が行われていない証拠でしょう。

 過去のビデオを使いたい人は、一層下にビデオが隠れたことをご承知あれ。今日もレクサスで講演ですが、今度はスムーズに行く予定。週末にも一つ入っていた。講演続きです。(了)

05:09
2019
08/01
Thu

利下げ、失望、しかし........

day by day

 就任以来初めて"2人"の反対を押し切って0.25%の利下げをしたのに、マーケットがパウエル議長に送り返してきたメッセージは「君には失望した」だった、という顛末でしょうか。利下げ初日の反応としては。

 今この文章を書いている午前5時直後のニューヨークのマーケットの引け(iPhoneの株価参照)は、ダウが333.75ドル安の26864.27、S&P500が32.80安の2980.38、Nasdaqが98.19安の8175.42。分母が大きくなっているので、大きな下げ幅に見えるが、パーセントにするとダウが1.23%、S&P500が1.09%、Nasdaqが1.19%の各下落。目に付くのはS&P500の引けが8000の大台を割ったことかな。

 0.25%の利下げも、それに対する二人の委員(Esther L. George and Eric S. Rosengren)の反対(据え置きを主張)も予想通りだった。なので、声明(https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20190731a.htm)が出た直後のマーケットは前日引値前後を当初うろうろしていた、と筆者は理解している。それがなぜ引けでは1%を超える下げになったのか。それはFOMC終了後のパウエル議長の記者会見にある。CNBCによれば、彼はこう述べた。

 

 「"That refers back to other times when the FOMC has cut rates in the middle of a cycle and I'm contrasting it there with the beginning of a lengthy cutting cycle. That is not what we're seeing now, that's not our perspective now. You have to look at not just the 25 basis-point cut, but look at the committee's actions over the year."

 

"We started off [the year] expecting some rate increases. We then moved to a patient setting for a few months and now we've moved here.As we've moved to more accommodative policy, the economy has actually performed as expected with that gradual increase in support."」

 

 「過去にもFRBはサイクル(利上げ)の途中で利下げをしたことがある。それは長い利下げサイクルとは異なることを強調したい。我々が決断した0.25%の利下げは長い利下げサイクルの始まりではないし、長期利下げは我々が描いている展望でもない........」という部分だ。最初の文章。

 最初だけではなくこの文章全体を読むと、パウエル議長は「私たちがやってきたことは正しいですよね」と成果を主張しているように見える。「the economy has actually performed as expected」と彼は言う。実際その通りだ。「今回の0.25%の利下げばかりでなく、この一年のFRBの行動を見て下さい」と彼。「数回の利上げを予想して2019年を始めたが、その後忍耐モード(a patient setting for a few months)」を取り、今回利下げした。今までより緩和的姿勢で金融政策を運営する。何回か徐々に利上げしても経済は予想通りうまく回ってきた......と続く。

 では問題は、なぜ二人もの反対を押し切って利下げをしたのか。その答えは声明に記されている。「In light of the implications of global developments for the economic outlook as well as muted inflation pressures, the Committee decided to lower the target range for the federal funds rate to 2 to 2-1/4 percent.」。理由は二つだと言うことだ。「経済見通しに対するグローバルな様々な出来事が持つ意味合い」「沈黙するインフレ圧力」。

 前者はややこしい言い方をしているが、要するに米中貿易摩擦などなどを指す。「中国経済もそうだが、アメリカ経済も先行き不透明。個人消費は堅調だが、設備投資は良くない」「だから予防的にmid-cycleだが利下げ調整した」と言っている。今後については「As the Committee contemplates the future path of the target range for the federal funds rate, it will continue to monitor the implications of incoming information for the economic outlook and will act as appropriate to sustain the expansion, with a strong labor market and inflation near its symmetric 2 percent objective」として、相変わらず「will act as appropriate to sustain the expansion」を入れた。

 マーケットは「一回の利下げだけで、二回目はないかも知れない。またその後は利上げの戻るのでは」と理解して株価を下げた。しかし声明ではちゃんと「年内もう一度の利下げ」をし、その後も「かもしれない」と述べていることになる。マーケットは脚気反応が常だから、「期待に反して..」という部分で、ちょっと引けに掛けて過剰反応した可能性が高い。

 FRBの緩和姿勢は、「The Committee will conclude the reduction of its aggregate securities holdings in the System Open Market Account in August, two months earlier than previously indicated.」(声明)にも表れている。つまりFRB手持ち証券の削減(マーケットから資金を吸収)の2ヶ月前倒し停止。もともとの停止予定の2ヶ月前倒し実施だが、「FRBの気持ち」は受け取れる。マーケットは無視したが。

 

 あと一人過剰反応するとしたら、それはトランプ大統領かな。「俺が大幅利下げを主張したのに0.25%だけ。株価は大幅下げた。そらみたことか」と必ずツイートするだろう。パウエル議長は「イエレンさんと同じく一期限りかな」と覚悟しながらも、今回の利下げ幅を0.25%に抑えた。だって0.5%の利下げの選択肢は、今のFOMCの構成では多分ない。賛成多数にならない。パウエル議長本人も声明の第1パラが指摘するように「アメリカ経済の現状を全体で見れば好調」なわけだから、0.5利下げの選択肢は最初からなかったと言える。マーケットが過剰に期待した、というのが実情だろう。

 しかし「mid-cycle adjustment」という認識はマーケットには目新しかった。当然持つべきだったが。「予想していた9月の年内二回目の利下げは必ずしも保証されていない」というマーケットの当初判断。多分早とちりだ。その分でダウは333ドルの大当たりの下げとなった。筆者は「mid-cycle adjustment」が一回ということはまずない、と考える。それだったらやらない方が良い。多分もう一度やる。ニューヨークの株価も明日は(今日は)、反省の買い戻しが入るかも知れない。

06:32
2019
07/29
Mon

悲しいし、とっても残念です

day by day

 とっても悲しい知らせです。私にとってもですが、日本料理界にとって大きな悲しみであり、損失だと思います。

 西新橋で京料理の店を長く出しておられた「京味」の大将・西健一郎さんが、お亡くなりになった。ご家族の話によると、亡くなられたのは金曜日の昼。入院中でしたが、朝は看護婦さんとも話をされて、それほど容体は悪くはなかったそうです。しかし昼頃に容体が急に悪化し、奥様とお嬢様二人が駆けつけた後に他界されたそうです。

 「僕はチューブに繋がれて死ぬのは嫌だ.....」と元気な頃からおっしゃっていた西さん。最近は足を悪くされて、歩くのもちょっと不自由されていた。しかしそれでも店に出て、伺うといつも話はうまいし、当然ながら料理は美味しいを通り越している。時間を過ごすのがとっても楽しい店でした。

 私が新潮社から「カウンターから日本が見える」(https://www.amazon.co.jp/カウンターから日本が見える-板前文化論の冒険-新潮新書-伊藤-洋一/dp/4106101831)を書いている時にも、本当にいろいろ教えて頂いた。お父様も有名な料理人で、親子で日本料理の神髄のような方でした。若い時に店を出られるお客様が「美味しかった」と言ってくれても追いかけて「本当ですか。何か気になることはありませんでしたか」と聞いたという西さん。お節を作る姿はNHKの特番にもなりました。

 奥様もいらっしゃるし、立派なお嬢様お二人もおられる。「みっちゃん」という西さんと長く一緒に仕事をしてきた小豆島出身の方もいらっしゃる。私と同い年の彼は元気です。でも「足」は問題で、やはり料理人は立ち仕事が長いので、足を悪くする人が多い。「少なくとも12月までは予約もあるので営業を続けるつもりです」とお嬢様。だから「京味」の料理は当分健在です。

 いろいろ教えられる方でした。お客様にはほぼ当分に話をふられる。誰も孤独にしない。話題も豊富で、「一流の方はなんでも一流」という印象が強い。ニュースや情報にもキーンで、「私はこう思いますが、先生はどう思われます」といつも話を振られた。なによりも料理が美味しかった。毎回、幸せな気分になれた。絶品揃いで、かつ季節を堪能できた。最後の最後までいつも頭の中で「新しい料理」を考えている人でした。素晴らしかった。

 日本の各地で食事をして店の方と話をして、西さんを知らない人はいなかった。全く。それだけ日本の料理界でも尊敬されていたのだと思う。本も沢山残された。その本を何回も何回も黒くなるまで読んでいる料理人を何人か知っている。先日そのうちの一人を西さんに引き合わせた。

 ただただご冥福をお祈りします。合掌。

00:23
2019
07/24
Wed

「お笑い」は大きな成長産業なのに.......

day by day

 「スッキリ」って、午前8時からでしたっけ。見たいが車中か。ま、音声だけで。夕べ3時間も続いた加藤--大崎会談を受けてスッキリの司会・加藤君が「今後」について喋るらしいので。まあ注目かな。彼の番組にはTBSや日テレで何回も出たことがあって、知っている。

 今回の騒動ではテレビでいつも私の横に居る斎藤司君など多くの芸人が自らの言葉で喋っているので、そのこと自体には触れない。月曜日にあの社長さんのどうしようもない記者会見にスタジオで2時間以上付き合わされて、ちょっと怒り心頭ではあるが。

 私としてこの問題にちょっと違う視点を提供すると、「そもそも"笑い"は大きな成長産業だ」というもの。その一つの理由は、AIが一番不得意であろうと想像されるのが「笑いを作る」ことだと思うからだ。つまりコンピューターでは代替できない。絶対的に人間が背負う。

 「笑い」が成長産業なので、吉本は6000人もの芸人を抱えるまでになった。社員は865人程度らしいが、「全体で7000人を抱える事業体」とすれば、それはもう大企業だ。そのガバナンスが目を覆うばかりの状態だった、というのが今回表面化した。社員100人程度の中小企業にもはるかに及ばない。

 世界の政治を見ても、「笑い」の伸張が著しい。ウクライナでは大統領と議会の両方を抑えたし、イタリアでも元芸人の政治家が真面目な顔をして政治に携わっている。「なぜか」と考えるのは頭の体操になって面白い。一つ言えることは「常に笑いを必要とする時代」になったという点。

 ラテを含めてメディアで送るコンテンツとしては、「笑い」はスポーツよりも日常的に必要。それを提供できる人々は、それが良い事かどうかは別にして、ある種「求められる人々」「笑いの対象としての英雄」だ。なのでメディアの隅々にまで進出した。以前はテレビ番組で私の隣がトレンディーエンジェルの斎藤司君という構図はなかった。今ではニュース番組にお笑い業界の人がいるのは普通だ。

 恐らく、今回の騒動でも「お笑い」の産業としての規模は縮小しないだろう。そう思う。吉本の社長会見そのものが一種の「お笑い」だった。それらはネタになる。情報が奔流のように流れる時代において、「笑い」は重要なコンテンツになり続ける。

 しかし浮かび上がったもう一つの問題は、「笑い」や「芸能」を訴求しなければならないが故に、メディアがその"提供者"を不必要に忖度する問題だ。それを阻止するには"提供者"を増やさなければならないが、今の日本の芸能界では吉本ともう一つ乃木坂の事務所がパワフルになりすぎた。

 それらの会社が独自に抱える問題もある。それが今二つ表面化している。曲がり角かも知れない。しかし今の時点でどう転ぶかは分からない。一つ言えるのは、「歪んだ成長」はいつか大きな障害にぶつかる、ということだろう。今吉本はその障害にぶつかっている。

 私としては昨日大手町のスタジオで収録した日経ヴェリタストーク(https://www.nikkei-cnbc.co.jp/program/veritas)のような落ち着いた番組も多くの方に見て欲しい。水曜日の日経のサイトから見られると思います。テーマは「五輪会場、飛び出す技術」で、とっても面白かった。(了)

06:20
2019
07/21
Sun

存在のない子供たち

day by day

 あまりにも対照的だな、と思いました。エンディングです。映画の。両方とも「人の顔」が使われている。しかし私には一方は成功し、一方は失敗に感じられる。「こうも違うものか」と見終わって思った。

 土曜日です。銀座のシネスイッチ前で「存在のない子供たち」(http://sonzai-movie.jp)という同日封切りの映画を見付けた。何の事前知識もなかったのですが、「面白そうだ」と夜の回を昼の間に買っておいた。強烈な映画だった。それを通り越している。「悲惨」であり、日本人の私に「世界の多くの子供達を取り巻く実体はこうなんだ」とジワリ迫ってくる。とっても考えさせられる、そして痛々しい映画です。それだけだと救いようがない。

 しかしこの映画のエンディングは、実に素晴らしい。希望が残る。それまで決して笑わない主役の子供(12〜13歳、素人)に、最後は笑顔を作らせる。「証明書写真だから」と言って。証明書のない生活をしてきたこの男の子。その子が最後に作る笑顔。それがとっても印象に残るのです。逆にそれまでの悲惨さがすべて投影されるようで。昨日公開されたばかりの映画なので、詳しくは書きません。

 もう一方。「この映画はエンディングがダメだ」と思ったのは「新聞記者」(https://shimbunkisha.jp)です。公開されて暫く時間がたつ。なので既に様々な評価が出ている。「良い映画」「見応えのある映画」という人もいれば、「デフォルメされている」「タイトルの割に取材不足」など。私の評価は「あまりに直近の事件に紐付けしたことで映画の信憑性が落ちた」というもの。だが私には、映画として見た時のエンディングが何よりも気になる。

 「存在のない子供たち」と同じように、「新聞記者」でも「人の顔」の大写しがエンディングです。しかし「新聞記者」のそれは、「一体何を言いたかったのか」「この二人は結局どうなるのか」がとんと分からない。「???」で映画館を出ざるを得ない。私だけかと思ったら、この映画を見た多くの人(この映画のモティベーションを評価する人も)が、私と同じ印象を持っていた。なんなんでしょうね。あれは。

 対して、「存在のない子供たち」のエンディングが持つ力は強く、そして明瞭です。あの笑顔こそ、世界の多くの子供達が置かれている状況を変える力になると思った。映画として一見の価値がある。印象も強烈です。

06:02


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