1998
10月

1998年10月の日記

日記

98年10月31日

 土曜日から日曜日の夕方まで、山梨県の小淵沢のあたりをうろうろしていました。まだ真っ盛りとは言えませんが、紅葉がかなり進んで綺麗でした。天気もよく。週末二日も天候に恵まれたのは久しぶりではなかったでしょうか。芝刈りをしながら丘陵を歩いたり、バーベキュー・パーティーをしたりと。
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 ところで、先日地下鉄「銀座線」に乗ったら、その吊り広告に仰天しました。「ぜんぶ、シンガポール」のキャンペーンが車両全部を占めている。隣の車両を見ても同じ広告。その反対側も。よく覚えていませんが、コロニー・エリア、アラブ・エリア、中国エリア、インド・エリアの四つを魅力の中心に、「シンガポールにいらっしゃい....」という宣伝。

 「ぜんぶ」にあわせて多分この列車の全車両の吊り広告を買い占めているのでしょう。クリスマス、アラブの正月、中国の正月と続く3ヶ月は、シンガポール観光の狙い目だと宣伝している。この広告を見ながら、一つの数字を思い出していました。

  1. フランス 6000万人
  2. アメリカ 4300万人
  3. スペイン 3100万人
 一年間にそれぞれの国を訪れる観光客の数です。フランスは、一年間に人口より多い観光客を受け入れていることになる。で問題なのは、日本です。たったの400万人。確かに極東の島国である日本が、欧州各国や大きな国土を誇るアメリカに負けるのには理由があるように思う。しかし、例えば香港には1000万人の人間が毎年訪れているし、シンガポールも年間600万人の観光客を受け入れている。両方とも、極めて小さい地域であるにも関わらずである。

 シンガポールへの観光客が日本をはるかに上回っている背景には、私が地下鉄で見かけたような努力があるのは間違いないでしょう。年間その国を訪れる人の数が多いということは、その国に落ちるお金が多いと言うことである。ホテル、交通、土産店などなどが潤う。当たり前の話だが、より多くの観光客に来てもらった方がその国にとっては良い。
 日本はそれほど魅力のない国だろうか。歴史はある、誇れるものはいっぱいある。国は綺麗だし。にもかかわらず、なぜ400万人しか来ないか。理由の一つは、キャンペーン不足だと思う。日本政府は、シンガポールが日本の銀座線の地下鉄でやっているような努力をしているだろうか。多くの国は、観光は「省」が扱っている。悪くても「局」だ。しかし、日本には観光を扱う「省」も「局」もない。「課」があるだけだ。

 観光客が来る来ないなど、大した問題ではないと思う人がいるかもしれない。違うのである。人が来る、お金を落とす。資本が来る、工場が出来て雇用が生まれる。なんでも何かが「来てくれる」というのは有り難いことだし、IMDは世界における新たな競争条件に、「資本や人がその国にどのくらい来てくれるか」を加えている。実に重大なことなのである。日本に年間400万の人間しか来ないと言うことは。

 たぶん、日本の物価はかなり調整されたのに、世界での日本の評判は「世界一の高物価国」というものだろう。「だから行きたくない」という外国人は多い。見るモノがないというのは嘘だろう。たぶん、宣伝が出来ていないのだと思う。地下鉄「銀座線」のシンガポールに関する吊り広告を見れば、「また行ってみたいな」と思う。人間なんてそういうものである。

 あと日本人に必要なのは、「笑顔」だと思う。肩が触れる。怒るのではなく、お互いに笑顔で謝りあう。何かを持ってきてもらう。小さな笑顔を作って、「ありがとう」という。そういう一つ一つの努力が、この国を魅力的なものにするのだと思う。最近の電車に乗ると、特にそう思う。日本という歴史も、近代技術でも誇るものがあり、安全な国だったら、年間1000万人くらいの外国人が来るようにしなければ。

98年10月30日

 東京市場の朝から市場の関心の的になっていたG7の声明が出ました。日経新聞のネット上での書き方は、

 900億ドルでIMF基盤強化・日米欧7カ国が声明
【ロンドン30日=清水功哉】日米欧主要7カ国は30日、国際金融システム強化に向けた緊急声明を発表した。声明はヘッジファンドなど短期資本への監視策の検討を急ぐ姿勢を表明。7カ国主導で国際通貨基金(IMF)加盟国が900億ドルを増資、これで資本流出に苦しむ国を迅速に支援する新融資制度の創設につなげることを明らかにした。ブラジルを適用第1号とする方向だ。金融不安解消への政治的決意を市場に示し、成長の阻害となる信用収縮の深刻化などの回避を狙っている。
 となっているのですが、声明全文を読んでないこともあって、今ひとつ不明な点がある。欧米の新聞を読むと書き方が一つで、「G7 nations endorse Clinton plan」とあって、あくまでもクリントンがセンターに座っている。その具体的効果は、ニューヨークのダウが8600ドル台に乗ったことと、対マルクでのドルの上昇。まあ週末ゆっくり検討したいのですが、来週中間選挙を控えたクリントンの「リーダーシップ発揚」の場になっている気もする。だとしたら、行き詰まってクリントンのセックス・スキャンダルをぶり返そうとする共和党の戦略より、かなり「高等な戦術」だ。IMFの融資が必ずしも各国の経済危機の適切な処方箋でないことは、いくつかの例で証明されている。900億ドルという規模は sounds nice だが、規模だけでは今の危機は対処できない面がある。また、「短期資本への監視策」もいまいちはっきりしない。
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 フィンランドとは、面白い国だ。人口は500万くらい。ロシアのすぐ隣にあって、冷戦下ではどうあがいても、浮上しない国だった。しかし、IMDの調査では、世界の中でも急速に競争力を付けてきている。

 木曜日だったと思ったのですが、フィンランドのアウラ運輸通信大臣が27日から来日したことを契機に行われたセミナーに行きました。移動体通信に関するもの。携帯電話など移動体通信でフィンランドがいかに進歩した国であるかを宣伝し、大きな市場としての日本でのフィンランドの会社、製品の浸透を図ると同時に、日本のメーカー(Ntt Docomo など)との連携を強める狙いで。セミナーには、大臣自身が出席。

 まず「売り文句」=「Finland :A Telecom Country」が面白い。かつてフィンランドは輸出を森林関係に依存していました。しかし、特に90年代に入って通信関係の輸出を急速に伸ばしている。で出てきたのは、この名前というわけです。

 セミナーで非常に面白かったのは、予想したとおりフィンランドのテレコム国ぶりが徹底して進んでいることが分かった点。移動電話の普及度は、人口に対して世界で初めて52%と50%のレベルを超えていて、これは日本の33%近くを大きく上回っている。日本はセミナーで見せられた表では、5位でした。

 インターネットで見ても、フィンランドは先進国。公官吏のほとんど全員が、Eメール・アドレスを持っているという。インターネット上で非常に特徴的なのは、フィンランドのサイトはそのほとんどが英語で書かれていると言うことです。IMDの調査を見ても、フィンランドの地位は確実に「競争力」の点であがってきている。これは、北欧の国々に共通の現象です。

 セミナーで紹介され、今度出てきそうな製品として興味がもてたのは、

  1. Dial-A Service=ベンディング・マシンやジューク・ボックスにコインを入れずに特殊な番号を電話から入力して、それで機械を動かす。料金は電話代から引き落とされる。
  2. Sms-Services=各種料金検索サービスや、その人の名前から電話番号を検索する
 など。また移動体通信の今後の課題としては
  1. 世界で共通の仕様を作って、日本で買った携帯電話を例えばアメリカでも使えるようにする
  2. 携帯電話の使用料金を削減して、より幅の広い人間に移動体通信を使わせる
  3. 人口を使用者の限界としない。移動するモノ(自転車を含めて)にすべて付けるような形で、例えば日本では3億台程度の普及を目指す(NTT DOCOMO の目算)
 など。移動体通信の成長の限界を人口に置いていないのが印象的でしたな。そうなるかどうかはコストの問題などいろいろあるでしょうが。

98年10月29日

 今週のいつだったか忘れましたが、久しぶりに女性のいる飲み屋にいったんですな。するとそこには相変わらず海外の女性がいて、たまたま小生の隣に座ったのが日本語を習っている中国の大学生だったのです。北京から東京に来て3年が過ぎて、あと1年半くらい東京で勉強をするという。なかなかかわいい子だった。

 まず北京名物の羊肉のしゃぶしゃぶの話で盛り上がって、小生から「日本ではここしかない」と「随園」を教えたりして話していくうちに、今の中国の若者にとっての三種の神器という話になった。この女の子は、中国語、日本語のほかに英語もかなりやるというから、中国における外国語熱の話を聞こうと思って話を向けたらそうなった。「三種の神器」はむろん日本では「モノ」ですが、ここでは「ability」の話です。それによると、三つとは以下の通りだそうです。

  1. 英語
  2. コンピューター
  3. 運転免許証
 で彼女が言ったことで印象に残ったのは、「悪いんですけど、中国の英語のレベルは日本より高いと思います」という言葉。私が北京に最後に行ったのは90年代の初めですが、その時は中国の人たちの英語熱がそれほど高いとも思わなかったし、事実英語は有名なホテルでもなかなか通じなかった。しかし、彼女の言葉はそうした環境が中国で急速に変化していることを示唆している。

 英語の次に出てきたコンピューターというのは、統計的にも示されていて中国におけるコンピューターの普及度合いは極めて高い。多分、社会主義という衣をまといながらも、中国は「英語」「コンピューター」という国際化に必要なツールの準備を急速に進めているのでしょう。

 別に競争の問題ではないのですが、小生が心配しているのは日本と言う国がIMDの国際化調査でも顕著に現れている通り、この90年代に入って実は国際化から急速に遠ざかっているのではないか、ということです。若い連中で英語が出来るのは、帰国子女くらいで全体的レベルが一世代前、二世代前の連中に比べて向上しているとはとても思えない。依然として「英会話ベタ」がすこぶる多い。彼女のちゃんと意味が通じる「日本語」を聞きながら、「なかなかやるじゃないか」と思った訳です。コンピューターの全体的レベルはまだ日本人平均の方が上ではないか。しかし、今のような状態(接続料金が高い、やる気もない)が続くと、コンピューターの面でも中国が国全体としては前に出てくる局面があるのではないか....と心配にもなります。

98年10月28日

 今日オフィスの中にいて、外に出られなかった人はすごい損しましたね。ここ数ヶ月で一番良い天気。雨上がりで空気も綺麗だったし。講演を依頼されていて、京王多摩センター駅まで行きましたが、途中の天気の素晴らしかったこと。多摩センターに行ったのは久しぶりですが、あの辺の街の綺麗さにはびっくりしました。京王プラザホテルもあれば、そごうもある。ホテルもデパートも揃っているというわけです。

 駅前から続く道も広くてよかった。しかし、目指すビル(サンピアとかいいました)が15分歩かねばならないと分かって、急いで引き返してタクシーに乗りました。知らない街というのは、事前に調べておかないと駄目ですね。聞くと、街の中央部分はかなり出来たそうですが、少し奥に入ると虫食い状態になっているそうです。横浜の桜木町の周辺の開発もそうですが、あちこちで開発計画が停滞している。この経済状態では仕方がないのですが、予定通りできあがったらさぞかし素晴らしいものが出来るだろうと思う。あの手の都市空間は、間違いなく日本の将来にとっての財産になるでしょうね。確かに80年代の建設ラッシュは行き過ぎていた。しかし、多くのモノを残していくれているのも確かです。
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 夕方からは、ソフトウエア興業の中野さんに誘われて、「野口先生 懇談会」なる集まりに出席しました。「野口先生」というのは、会津大学の学長さんということで、約40人くらいの人が集まっていた。ソフトウエア興業関係では知っている人も多かったのですが、その他は主に技術系の、小生よりかなり年上の経営者クラスの人が多く、ほとんど知らない人ばかり。ははは、20数枚持っていった名刺はすぐに売り切れ(^^;)。

 特にテーマがあるわけではない。人が集まり、情報を交換し、旧交を温め、食事をし、2時間半で解散という集まり。挨拶に立ったのは野口学長一人で、その挨拶も2分弱。いろいろな人と話をしましたが、おもしろかった。親戚の友達、というような人もいて。例えば、関電工の加藤副社長と話をしていて、「電線の地中化」の話になったのですが

  1. 日本は例えば道路下の地中に電線を敷設するにしても地下60センチ以下に置くことが法律で決まっている
  2. これに対してアメリカではこの手の法律がないために、例えば道路の舗装部分の直ぐ下に電線を敷設できる
  3. この結果、日本での電線地中化のコストはアメリカの20倍はする
 ということです。電線の地中化については極めて質の高い公共投資の一つと私は考えていますが、日本にこれほど大きな法律問題が存在するとは思いませんでした。加藤さんからは、この問題に関してまとまった資料をいただくことにしました。

 また、IBMが今年の夏から発売したVia Voiceに関しても話題が及びましたが、実は小生は不明でこれに関してはなにも知らなかった。ソフトウエアはすでに出ているのですが、そこでの話ではテープレコーダーくらいの大きさで来年くらいには製品が出るらしい。認識率は非常に高いそうで、一説には適切な設定をすると98%くらいになるそうだ。このソフトウエアに関しては、今後調べる必要ありと思います。すでに使っている人、何か情報ありますか。これをうまく使うと、講演が終わってしばらくして講演録ができあがるというようなことが可能になる。それから、おもしろそうなテクノロジー系のセミナーがあったら、ご一報を。

 実は、自分が出席するセミナー類の半分はテクノロジー系にしようと思っていて、29日もフィンランドのノキアなどが中心で行う移動体通信のセミナーに出席する予定。テクノロジーは日々変化している。それが経済の形を変えるとしたら、マクロや市場を対象にしているような私のような人間も、テクノロジーに興味を持たなければ話にならない、と思ってます。というのは理屈で、つまり好きなんですな。
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 それから、どなたか雑誌「Infini」が欲しいとメールくれませんでしたっけ。どなただったか忘れてしまったので、ご連絡ください。

98年10月27日

 なんか調子が狂うと思ったら、欧米は夏時間ですか。米東海岸の午後4時がこちらの朝6時。ニューヨーク株式市場も閉まっていない時間というわけ。で、市況番組を聞いていて市場が終わっていないとなんとなく、肝心なニュースを聞き逃したような気になる。人間てのは、不思議ですね。「終値」とか「寄り値」に対するこだわりが異常に強い。為替で言えば、24時間開いている相場の一瞬を取っただけですよ。ニューヨークの場合は、それは通信社によって違う。午後4時30分だったり、午後4時50分だったりする。

 日本人は数字にうるさいから、70年代の初めに変動相場制が始まって為替がニュースになりはじめたころ、二つの通信社から二つの異なった「ニューヨークの引値」が報じられると、「どっちが正しいんだ....」と議論していた。特に、マスコミで。株は終値が何時何分と決まっていますから一本値を取引所が決めますが、為替は取引所がないからこれは各報道機関が取材した時点がニューヨークの為替のクローズなのです。「終値」が問題になるのは、記録上の問題と、チャート上の問題。しかし為替は常に OFFER と BID があるから、二本値という訳です。
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 朝日新聞のサイトを見たら、日本石油と三菱石油が合併するという。新社名は「日石三菱」。2位と6位の合併で、新会社は出光石油を抜く。つまり、日本最大。日経などには載っていませんから、どうなんでしょう特ダネでしょうか。今日も夜から数人でメシ会をやっていたのですが、「日本の各産業は overcapacity だ」という話がある人から出た。それは生産能力面からも業界の中にある企業の数でも。よく言われるのは、例えば、「銀行の数が多すぎる」「自動車メーカーもこんなに要らない」などなど。

 一面から言えば、今の日本はこの overcapacity の調整をしているとも言える。今後も各業界で経済合理性に合わない overcapacity は調整されるでしょう。会社の数も減少することになる。私が重要だと思うのは、合併するにしてもしないにしても重要なのは「経済合理性」であって、合併してもこの合理性がなければ結局行き詰まるという点です。これは、他の業界の合併でも同じでしょう。

 もう一つ、「なになに業界」という範疇になかなか入らない企業や産業が伸びてくる必要があるのではないか、という点。今の日本はどちらかというと、今まで強力だった有名業界で「合併」が相次いでいる。しかし、これは新しいものが生まれてくると言うより、どちらかというと過去処理の臭いがするものが多い。これを前向きなものにするのは、経営者の手腕ですが。

 おや、日経の本紙を見たら一面トップですね。ということは、日経さんはネットには載せずに本紙の方で特ダネを朝刊の最終版に載せたと言うことでしょうか。

98年10月26日

 午後からびっしり「経済談義」詰めでした。午後の早い時間からは、「シンクタンクから日本経済への提言ー21世紀の新しい日本経済をめざして」というシンポジウムに出席。200人以上が参加して、日本総合研究所の柿本副社長の基調講演を聴いた後、土志田・日本経済研究センター理事長ら4人のパネリストの話を聞くという企画。正直言ってあまり面白い論議が聞けたとは思いませんでした。日本経済の苦境の背景、ではどうしたらよいかといった話。話は全体的に暗かった。ただし、植草氏の比喩はなかなか面白かった。

 講演とパネルディスカッションを聞いていて、日本の経済論議で一番欠けているのは、「望ましいと思える政策」をどうやって現実の政治環境の中で実現するかという実践論ではないかと思いました。ことここに至ると、処方箋に大きな違いはない。そこまではもう論じ尽くされている。何が足りないかというと、それをどうやって実際に政策に移していくかという視点です。しかし、この手の講演会やパネルディスカッションではそこまで議論が行く前に背景を振り返り、処方箋を描いて終わりになってしまう。これでは欲求不満がたまるだけです。

 かりに経済を専門とする人間が、本当に今の経済を変えたいとしたら、政策段階で自分の政策を政府に採用させねばならないし、ある程度現実の政治勢力との接触が必要になってくる。しかし、今の日本の大部分の「シンクタンク」は政治との距離を置いている。置こうとするあまり、言ってはみてもそれだけであとは終わりという状況になっている。これでは、政策提言に緊張感は生まれないし、実際の政策を策定している官庁の政策に比べて優れていることを証明できるわけでもない。この面で、日本のシンクタンクの抱えている課題は大きいと思いました。
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 夕方からは、丸三証券の金子さん、テレビ東京の内山さん、それに経済評論家の三原さんなどが主催した新橋での夕食会に参加。Market Live にゲストとしてよく出演していた人間を中心に10人以上の方が集まりました。パネルディスカッションのパネラーだった嶋中さんとか、野村の東田さん、エスジー山一アセットマネッジメントの白石さん、ゴールドマンの山川さん、国際大学の宮尾さん、UBSの小池さん、ゼロックスの藤井さんなど。

 ここでも引き続き経済論議があったのですが、主力の話は Market Live に関する思い出で、皆さんいろいろな話題を持ち出していて面白かった。Market Live は今の6時からの45分番組に拡大解消されているのですが、今の番組は市場関係者から言わせるととろい。不必要な映像が多くて、市況も的を射ていない。どうもしっくりこない、というような話になった。まあ見ている人は市場関係者ばかりではないでしょうが、歯切れの良い前の番組を知っている人間には、ちょっと物足りないわけです。

 それにしても、三原、内山両氏の司会ははらはらどきどきで今考えると面白かったですね。テレビだからといってカッコつけることはない、言いたいことを言うというスタンスが明確だった。私も何回も出ましたが、朝が辛いのを除けば、出演するのに楽しい番組でした。やはりあるんですよ、「これは出たくないな....」とか。
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 ところで今年の春に台湾に行ったときにお世話になった「台湾通信」の早田さんが、ネット上にホームページを作成したようです。小生もまだよく見ていないのですが、台湾に興味のある人には参考になるページでしょう。台湾には来年の春頃にはまた行きたいと思っています。

98年10月25日

 こんな最高の天気の良い日に、「日本シリーズがないなんて....」と思うような一日でした。日中でもお日様の位置が低い。秋はゴルフのボールを見つけにくくなる....なんてくだらんことを考えながら、新宿に行ってちーと買い物。また新宿の三越にいって、例のミニ・クロワッサンを買ってしまった。うーん、日によって味がちょっと違う。
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 阪神の監督に野村さんがなるという。阪神のファンではないんで、単なる私の印象ですが、正直言って阪神ファンはあまり面白くないのでは。これは野村という人が極めてまれな、個性の強い(生まれ育ちや長い苦労の多い選手生活の中で培われた)人だからだと思うのですが、今までの阪神には全くなかった要素をチームに持ち込むと思う。ねばり強さだとか、いつも頭を働かせるとか。敵の打つ手の裏の裏を読むだとか、データ重視だとか。今までの阪神というのは、小生の友達を見ても分かるが「弱さも含めて阪神が好き」というタイプが多く、それが前面に出ていた。または出さざるを得なかった。

 阪神の選手そのものもそうだったと思う。しかし、野村さんはたぶんそれを許さないでしょう。どちらかといえば斜に構えた、つまり「おれたちゃ、弱いけど人気がある」といった雰囲気を一掃しにかかると思う。それを正攻法ではなく、彼なりの手の込んだ方法で。それで阪神が強くなると言うことは、ある意味で「阪神らしさを失う」ということを意味する。選手も、「うーん、これはちょっと違うな」と思うに違いない。それを受け取れる人と、受け取れない人がいると思う。ヤクルトは、素直な選手の集団だった。阪神は、選手も球団もちょっと違う気がする。球団自体がくせ者だ。その辺を、野村さんがどう乗りこなすかが見物。

 3年契約だそうだ。たぶんセリーグの他のチームの監督は、あまりいい気分はしていないと思う。あの独特の人気と野村さんの知恵がうまく結合すれば、強いチームになる可能性がある。ヤクルトに行って彼がやったことは、まずは世間の目をチームに引くことだった。そのためには腰をふったりもした。人気がチームに力を付けることを知っていたからだ。阪神は実はその必要がない。やらねばならないことが一つ少ないように見える。しかし、それは逆に野村・阪神の難しさにもなると思う。

 これは私の勝手な想像だが、一番がっかりしているのはヤクルトの選手では。彼らは二つのものを一緒に失った。「頭脳」と「野村配下の選手」という地位を。若松・ヤクルトは、だから相当来シーズンは苦労すると思う。で賭事好きの小生は考える。「向こう3年に阪神の優勝はあるか.....」と。これは結構面白い賭になると思う。チョコレート一枚くらいだったら、受けますよ。これは3年間楽しめる賭だ。
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 ところで今ある人から「まだ読んでないんですか....」と言われて、「突破者」(宮崎 学著、南風社)を読んでいる。なかなか面白い。こんな面白い本を今までなぜ読まなかったのだろう。大学の時の出来事が彷彿としてくる。著者の方がはるかに上ですが、この本は当時の雰囲気を良く伝えている。そうだったのか、久米 宏や呉 智英なんかもあのころあの辺をうろうろしていたのか...と思う。

 今まで読んだ中では、南禅寺の湯豆腐の話が面白かった。実は11月の初めに京都に行って湯豆腐を食べようと思っていたので。この本によれば、湯豆腐は板東武者を馬鹿にするための食べ物だったと書いてある。うーん、そう言うことはあったかもしれない。これは京都の方々に聞いてみよう。でもわたしゃ、冬の湯豆腐は誰がなんと言おうと美味しいと思いますが。

 でこの本を読みながら思ったのは、「どうしてこう外れ者が前面に出てくるのだろう」ということ。だってそうでしょう。例えば10年前にどんな本が本屋に並んでいたと思います。人、組織とも企業モノばかりだった。どこそこの証券会社はすごい、どこそこの銀行はすごい。こんな経営をしている、あんな経営をしている...と続く。

 しかし、私が最近読んだ本で人を扱った本を思い出しても、面白かったのは永六輔さんの「芸人」だったり「商人」だったり。で、テレビを見ると所謂サラリーマンものは極端に減っている。むろんのこと「突破者」も外れ者の世界を描いた本だし、もう一冊本屋で見つけた「酒とサイコロの日々」もどうやら麻雀狂いの本らしい。「外れ」だから、少なくとも個性と売り物はある。そういう時代かもしれない。

98年10月23〜24日

 ははは、今日は面白いものをお見せしましょう。せっかくデジタル信号で文章を書いていて、copy and drop すれば良いのですから。

981023tampa

 今晩は、住信基礎研究所の伊藤 洋一です。今週は早めに名前を。そして、

 小野慶子です。伊藤さん、今週はご機嫌うるわしゅう......

 うーん、今週は感慨深いね。「日本の銀行業界の過去の清算」が始まった週という印象がする。行動パターン、考え方、経営の重心などなど。銀行につい最近まで勤めていた人間として、また国有化される長銀に大勢の友達を持つ人間として、複雑な気分。あの人はどんな気持ちかから、彼はどうしているかな。

 個人的な感傷をのけて大局的に話をすると、日本の金融業界では「清算が終わり」「これから競争が始まる」という印象。正直申し上げて、銀行は評判が悪い。どこにいっても。最近では親戚からも、「どうして銀行だけ助けるの」というような質問を受ける。公的資金が入ることを指しているわけです。

 で「なぜそんなに評判が悪いのか」考えてみた。それは、結局消費者に顔を向けていなかったのではないか、と思う。横並びで、どう個性があるのか分からない、新しい商品も出てはいるが大した違いはない、送金しようにもコンビニが便利....これじゃ、何かあったときに「助け船だしてやろう」というような味方が出てこないのは仕方ないかな.....と。あとむろん反省しなければならないのは、なぜ何兆円というような公的資金を入れてもらわねばならなくなった経営の失敗があったかということです。不動産価格の先行きを見誤ったにしてもです。

 しかし、世界を見ると今は世界中の金融業が揺れている。野村など日本の3大証券も巨額損失を出している、アメリカの商業銀行もそう。バンカメリカの社長は辞任している。で、資金注入したから日本の銀行の競争力がそれだけで付くわけではない。で実は競争はこれからというわけです。まあ、私はそう受け止めました。またあとで触れますが。

 気になるニュース

 世界のコンピューター業界の動き

 マイクロソフトに対する独禁法裁判が本格的に始まった。攻める政府、守るマイクロソフトという図式。抱き合わせ販売があったのかどうかで裁判が続くことになる。しかし、世界のコンピューター業界では既に新しい動きが出てきている。マイクロソフトはOSで世界を支配したわけですが、既にそのOSの部分でいろいろな動きがある。ワークステーションを中心に伸びてきたUNIXをコアに既にいろいろなOSが出てきている。今週秋葉原のラオックスにいったら、LINUXとかFREEBSDなどの本が沢山並んでました。

 実は私も調べた。でまだこうしたFREE SOFT は直ちにwindows を脅かすようなものではないことが分かりました。周辺機器との接続とか、アプリケーション・ソフトの種類が少ないことなど。しかし、一方で独禁法の裁判をやっている最中に、一方ではその裁判を根本から揺るがすような技術革新が進む可能性があるというのは、実にエクサイティング。

 製品ベースでもアップルの imac が爆発的な売れ行き。性能が別に格別に優れているわけではない。なんと言ってもあの緑の個性的な箱がいいですよ。ところどころ透明な。FDドライブがなくても。それに17万8000円という値段ですね。

 今後とも世界の個人用パーソナル・コンピューターの世界では一杯大きな変化が起こりそうな気がします。

 世界の金融業界の動乱

 今週はUBSやバンカメリカなど世界的にも有名な金融機関のトップが辞任に追い込まれたり、野村証券が2000億円を超える欠損を出すなど、大きな動きがあった一週間でした。野村だけでなく、日興、大和なども大赤字。

 タイに始まり、アジア全域に波及し、ロシアに渡り、そして中南米に波及した金融危機が世界中の金融機関を揺さぶっている構図ですが、こうした変化は今後も続くんでしょうね。世界は技術的にも非常に狭くなった。お金の流れは非常に速いわけです。で、いままで想像もできなかったような変化が起きている。

  1. 市場の変化のスピードアップ
  2. 市場を流れる資金の量の増大
  3. 今までの市場の枠組みを越えた動き
  4. 従ってベテランの市場参加者の想像を超える損益の発生
 先ほども言いましたけど、日本の銀行業界は今後こうした世界に出て行くわけです。だから資本ベースが充実したからとかいう話が、いかに初歩の話か分かると思うんです。ニュースにもありましたが、ドイツの銀行がアメリカで一番安定していると言われたモルガンを買収するかもしれないという時代なんですから、「公的資金が入ったからもう大丈夫」なんて時代ではないことは明確です。

 株価の上昇に見られるsafety net の話

 今週は株価が上がりました。金曜日はさすがに利食われましたが、一週間を通じて  円の上昇なんです。売られ過ぎていたと言うこともあると思いますが、なにしろ日本の金融システムに安全弁が埋め込まれたというのが大きいと思います。

 このsafety net というのは個々の銀行や市場参加者の日常のオペレーションに影響を与えるものではないんですね。しかしもし失敗したときに、それが失敗をある程度救ってくれる、失敗の影響を最小限にとどめてくれるというものです。

 これがあるとないとでは全く違います。60兆円の枠組みがないときには、日本の金融市場全体が不安定で、株価もどちらかというと下げ基調だった。非常に軟弱だったわけです。それは、最後のところではみんなふあんだからですね。しかし、このnet を張ったら、市場は安定した。

 で私は、このネットを雇用にも張るべきだと思うのです。多くの兆候から見ると、10月に入って日本の消費というのは、一段と落ちている。それはもうひどいモノです。有名なレストランまでメニューをいじるような事態になっているわけです。その原因は何かというと、やはり雇用不安がある。今失業保険は半年です。しかし、何らかの形でこの期間を延長したり、職を探す期間に失業者が新たな技能の身につけられるようにするシステム、safetynet を作る必要があると思うのです。これができると非常に安心感が出る。しかし、重要なのは、これで安心してはいけないということです。

 Net はあくまで「受け」のシステムですから、それ事態が何かを作り出すモノではない。しかし、景気の回復、システムの安定の為にはどうしても欠かせないモノだと思います。

  キーワード

   合成の誤謬

   例えば今のように不況になる。収入も増えそうもない。支出を減らそうとする。→ただしい選択

 →しかし、経済全体で見れば日本の不況が深刻化する。モノが売れない。GDPの60%を占める

来週の予定

 毎週金曜日の夜11時40分からラジオたんぱで「Roundup World Now !!」という番組をやっているのですが、そのコンテンツ部分のシートです。番組の進行に関わる細かい時間(分秒まで)を記したシートはまた局が用意して別にある。上に掲載したシートは、私自身がパーソナリティーとして30分の番組を維持する上でコンテンツとして何を入れたらよいかを番組の進行に合わせる形である程度構想として書き出したものです。ただし、これは書き殴り、しかも「これで番組を組み立てられる」と自信を持てたときにやめていますから、なんでこんな形で終わっているのだろうと思われる方がいるかもしれない。でも、実際の放送ではこれにさらに筆を入れ、コンテンツを増やして中身の濃いものにするわけです。

 番組収録の前にこのシートを自分で作って、ディレクターと小野慶子さんに渡して、事実確認をしていきます。例えばこのシートでは、ドイツ銀行の相手としてモルガンの名前が挙がっているが、実際にはバンカーズでした(かつてモルガンの名前が挙がったこともある)。また今週の東証の株の上げ幅は空欄になっていますが、そこは局に調べてもらうわけです。UBSのトップの辞任は今月の初めだったとか、いろいろ事実を手直ししていく。これは非常に重要です。また、最後の「合成の誤謬」のところはここには書いてありませんが、説明をした後、では日本はどうすればよいかなどまで話を進める。そんなことをチェックしておいて、再び頭の中でここではああ言って、ここではこの事実を引いて.....と組立を再び行います。

 しかし、それも最後ではない。実際に放送が始まると、それはそれでその時その瞬間のアイデアでシナリオを調整したり、シナリオに戻したりしながら話を進めるわけです。秒単位で進行は決まっていますが、ここはわざと長めにしてとか、ここは短めにしてとか。むろん一番重要なのは ending ですから最後はあと何分、何秒とまで決められる。でも、プロのアナウンサーが居るときはある程度まかせられるし、ディレクターの手真似を見ていると締めのタイミングは分かる。
 番組は、大きな流れを言えば

 「オープニング」(3分)
 「Focus This Week」(小野さんの読みで主要ニュースを紹介、その後3〜4のニュースをピックアップして私が解説 全部で14分)
 「Words And Phrases」(今週の気になる言葉を一つピックして私が解説 4分)
 「Check the tomorrow」(来週の予定とその展望解説 3分)
 「Ending

 となる。最近は、「時間」を聞いて文章を書いてそれをしゃべると大体その時間になるようになった。慣れですね。7年前に担当した「エコノピア22」という番組からこうしたことを繰り返していますから。一つの波の30分という時間をもらうということには責任が伴う。しかし、責任感でがちがちになったら番組は面白くなくなる。経済の番組というのは聞いていてあまり面白くない。経済自体が人々の生活を豊かに、楽しいものにする手段ですから。皆最後の終着駅、目的地は他にある。

 そこでこの「Roundup World Now」では私としてはいろいろな実験をしている。自分の名前を言って番組を始めたのは、4回目の今回が初めてです。それまでは、笑いで始めたり、「よいしょ....」と言って始めたり。自分ではどうかなと思ってやっているのですが、なぜだかスポンサー(ソニーさんです)の受けは良いらしい。今後も実験を続けようと思っています。おっと、ラジオたんぱのURLには、もうすぐ21世紀 ようこそ地球経済の番組ホームページがありますね。私はこの1・2回を担当しました。来週は、阿部重夫さんの「ヨーロッパ新時代」です。阿部さんと私は確か同期でした。

 私が担当しているもう一つのラジオ番組である森本さん・遠藤さんの番組に関してはこちらに詳しく出ています。こちらは皆さんご存じの有名番組です。どちらもお楽しみに。

98年10月22日

 朝タクシーに乗っていて面白いことに気が付いた。窓を開ける方法が右のドアと左のドアで違うのである。左の窓は電動スライド式、右の窓は手動。「おもしろいね、運転手さん....」と言ったら、「安くしようとしてるんです、タクシーは....」との答え。

 それによると、タクシー車の価格というのは同じクラウンでも一般消費者用の半分かそれをちょっと上回るくらいなんだそうです。普通のクラウンが例えば300万するとしたら、タクシー車用クラウンは150万とか200万。では同じ車種なのに、どこで安くしているか。だからそこで、左の後方窓の開け閉めは電動だが、右の窓は手動というような構造になる、というのです。むろん、これは小さなコスト削減の例なんでしょう。一番違うのは、使われている材質でしょうか。

 この運転手によると、タクシー利用者の9割は、一人利用なんだそうです。そして利用者は乗ってすぐのところに座る。わざわざ運転手の後ろまで移動する人はいない。だとしたら、タクシーでは後方の窓ということでは右はほとんど開け閉めの必要がない。手動で十分だというわけです。合理的ですね。タクシーではもう一つ開け閉めをあまりしない窓がある。前方左です。そこを見たら、これも手動になっていた。なるほど。

 タクシーでその場を去るとき、いろいろな人に見送ってもらうことがある。その場合も、左の窓を開ければ良い。右の後方の窓は閉まったままです。こういうコスト削減努力をしているのは、コーポレート・タクシーで個人タクシーはあまりしていない。彼らは、どちらかというと車は自慢の種ですから。しかし、考えていくと「必要なことだけ満たそう」という考え方に立ったら、街に出回っているものというのはもっともっと安くなるということです。だからメーカーは、商品にはやっぱし「夢」とか「プライド」とか「潜在的能力」、「威嚇」(他の人も持っているという)を載せないと、もうかる商品にはならない....ということでしょうか。
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 夕方からは、新潮社「Foresight」の伊藤編集長に誘われて6時過ぎから始まった寺島実郎さんの出版記念講演を聞きに行きました。寺島さんが今度出した本は、「国家の論理と企業の論理」(中公新書)。200人近い人が集まっていたのですが、普通の出版記念パーティーとは違った。いろいろな人が挨拶するというのは同じで、挨拶に立ったのは日経連の根本会長、筑紫哲也さんなど。それぞれうまい挨拶。それにしても寺島さんは顔が広い。

 しかし、やはり一番聞いていて参考になったのは寺島さんの約45分の講演で、この人の講演は聴いていると徐々に気持ちが重くなってくるのが特徴ですが、それだけ問題を深刻に深く考えているということで、ぐぐっと引き込まれる。論理構成が大きいんですな。相変わらずものすごく魅力のある人だと思いました。今回の本はまだよく読んでないので論評できませんが、私が今一番興味を持っている「国家とグローバリズム」とか、「市場主義の行方」に関する本で、多分この週末の一番の楽しみになると思います。

 寺島さんに最初にお会いしたのは、1992年くらいだったと思います。北米出張の時にワシントンで。同じフォーサイト執筆者という立場でしたが、その時から寺島さんの考え方の独自性には強い印象を受けました。今日本の論壇で一番注目される人の一人ではないでしょうか。ただし金融に関しては少し間違った認識を持たれているようで、あとのパーティーの席で「今度この問題を話しましょう」ということで、お別れしました。再会が楽しみというわけです。

 講演会では、第一生命の小寺ちゃんにばったり。パーティーの最初の方で出て、二人で「東京ジョーズ」に久しぶりに行きました。彼と会うと、メシより話が美味しい。いろいろ話しましたが、いつもの通り本と映画の話になった。実は、彼は小生にとって映画の指南役。彼は小生が知らない本や映画を知っていて、それを聞くのが私にとっては楽しみなのです。ちょうど、本も映画も枯渇気味だったので、たっぷりと彼から仕入れました。お互いの社会観察に関する意見を交換したら、結構面白い結論が出てきた。そうだそうだ、「大竹しのぶ」論は面白かった。

 話が美味しかったから気にはならなかったのですが、東京ジョーズのメニューが変わっていた。随分大きく。9月に変えたそうです。全体的にはお手頃の値段になったのではないでしょうか。グラタンだとか、リゾットもあったな。でもチャウダー類、リング、コールド・プラターなど代表的なメニューは残っていましたが。ソフトシェルも。

98年10月21日

 久しぶりに一日お休みして、「住所変更」を一生懸命してました。区役所の出張所、運転免許証関係、そして銀行数行。銀行が一番時間がかかる。どうにかならんのか、と思う。区役所出張所や警察はかなり素早くなった。銀行では書く書類が多い。あんなの、インターネットかなにかでやりたい。もっと言えば、誰かが住所を全部管理していて、一カ所に届け出れば、銀行から何から全部変わるようにできないものだろうか(^o^)。何カ所に行ったか分からない。大変な作業だ。でも、たまに会社を休むのも良いもだ。

 一つ安くてうまいものを見つけました。新宿の三越の地下一階に、クロワッサンの小さいの(プチ・クロワッサン)を売っているコーナーがあるのです。いつもここは人が並んでいる。どうしてだろう、と思っていたのですが夕方用事があってここを通りかかったついでに買ったのです。確か、100グラム130円だった。100グラムといっても、5〜6個ある。それを200グラム買ったのです。そしてすぐに食べたら、その美味しかったこと。あまり美味しいので、たまたまいた3人の仲間に食べさせたら、一同賛成。ヤマほど買っても数百円です。これはいける。今日は読書モードですので、この辺で。

98年10月20日

 私のnews and analysisもそうですが、金融関係のファックス・サービスが徐々にメールに置き換わってきている。ナイスなことだ。buy side の投資関係の人々の周りには、通常堆くファックスの残骸が積み立てられている。そのほとんどは読まれないままに。綺麗に紙に印字だけされて、そのままゴミ箱に入るファックスのなんと多いことか。これははっきり言って資源の無駄使いであり、送っている方、送られている方に自己満足しか残らない。

 資源保護の立場からも、双方が可及的速やかにデジタル処理の体制を整えるのが望ましい。これは好き嫌いの問題ではなく、自然保護の観点からも極めて重要である。活字を印刷される紙の何割が本当に役立っているのだろうか。印刷される本の半分は、そのまま処分されると言う。ファックスやコピーで使われる紙のうち、実際の生産や文化活動に役立っているのは一体どのくらいだろうか。想像を絶する資源(自然)の破壊、無駄使いが行われている気がする。一度印字された紙は、その反対側しか使えないケースが多い。

 会社でちょっと周囲を見れば、無駄にコピーされてそのまま捨てられる紙のなんと多いことか。資料など、もらうことに満足して、読まない人が大部分だ。そんな連中には、メールを送っておけば良い。私が書いているものに関しても、今でも「ファックスで」という方が一杯居るが、これは頂けない。電子メールでニュースを受け取ってくれる人には、送付に手間が掛からないこと、資源の保持に役立っていること、直ちに双方向のやりとりが可能なことなどから、何かと「サービスしてしまおう」と思うのは、ある程度当然だと思う。もうそろそろ、いつまでたっても「アナログ」から抜け出せない人間に、一定程度の punishment を与えても良い時期に来ていると思う(^_^)(^_^)。
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 出る本に関する、そして近く放送される番組に関するマスコミの諸君からの相談というか、アイデア提供要請が急に増えてきた。これも研究所に来たことに伴う一つの結果か。この一週間だけで5時間近くつきあったのは、衛星テレビのある経済番組に関して。最近の市場の混乱がグローバル・スタンダードとの関係でどうなっているのか、世界はどのような選択をすべきかを巡る討論番組なのですが、一つ一つのワーディングからして局には事情に通じた人間がいない。そこで私のところに、お知恵拝借となる。まあ、時間が許す限り手伝っていますが。

 自分でも番組を持っていますから、短い時間で経済の難しい問題をいかにわかりやすく番組に乗せることができるかは、いつも頭を悩ます。だから彼らの悩みはよく分かるし、いつ何をどうすればよいかのアイデアも普通の人よりはあると思う。何よりも、テレビやラジオは本に比べて聴いている人、見ている人の数が違うから、うまく伝えられれば良い結果が生まれる。難しいことを難しく言うのでは意味がない。しかし、単純化、易しくしてウソを言ってはいけない。センセーショナルでもいけない。音や絵がどのくらい揃っているかも、ラジオ、テレビでは勝負。ニューヨーク出張のおりに、ラジオの人間がいかに「音」に真剣になるかはこの目で目撃した。活字出身の人間には、ややびっくりするくらいである。

 しかし、それが番組になると「ああ、ここにはこの音があるから番組が引き立っているんだ」と思う。彼らが欲しかったのはこれなのだと。その点、本はもっぱら文章で勝負で、これはいつでも直せる。印刷されるまで。音や絵はその瞬間しか採れない。彼らの真剣さはここから来る。本では、連邦準備制度理事会(FRB)議長が罪をかぶせられるという筋立てのポール・アードマンの小説に関して相談を受けているが、これはなかなか面白そうだ。
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 昨日ニューヨークの合記飯店のことを書いた中で、「村松君、行っている」と書いたら、早速彼からメールが返ってきた。

 ご無沙汰しています。日興證券の村松です。HP拝見いたしました。例の合記飯店ですが、何人か紹介したところみんな気に入っておりまして当社内にファンが広がっています。また、私もNYで中華というと、この店以外に行く気がせず、既に常連となっています。また、先日本むら庵にも行ってまいりました。

 私はそばも好きで、ここのせいろに感動して帰ってきました。NYでいい店を見つけましたら、またメールさせていただきます。

 追伸:シカゴのしらさんがHPで紹介されてました、ボストンの「リーガル シーフード」の生がきも最高でした。

 ははは、こういう形の消息の伝達もなかなか良いものですな。良い店があったら、是非報告してください。佐々木君も。

98年10月19日

 ははは、NIFTYの山川さんと久しぶりにいっぱいやったら、最初に出てきたのが「伊藤さんのニューヨークのサイトにホプキが出てましたね」と。こういうのが嬉しいんですよ。日本からとんでもなく離れた場所の小さなレストランに関して、趣味があっているという。どこか、食の趣味でも何でも共通項があるような気になる。「合記飯店」は大きな店ではないし、綺麗な店でもない。しかし、美味しいんですな。つぶと卵綴じ蟹料理では趣味が一致した。山川さんもよく行ったそうです。村松君、まだよく行っているかな.......

 二人が会えばまあネットワークの話になりますわね。関係ないけどたまたま私が村上 龍の「憂鬱な希望としてのインターネット」という本を持っていて、インターネットの話から始まったのですが、NIFTYのインターネット化は大きな成功だったそうです。つまり、専用の例えば NIFTY MANAGER のようなものから入ってもらうのではなく、ブラウザからNIFTYに入ってもらう今の戦略です。確かに。一つのコンピューターに、NIFTY用、AOL用、そしてブラウザ二種というのはやりすぎ。既にあるものに乗ったのは正解だったかもしれない。

 あと重要なことは、インターネットがちゃんともうかるツールになりだしたとのこと。何が売れているかというと、企業情報だそうです。景気が悪くて売れ、良くれ売れと。そりゃそうだ。今は企業に関する情報が欲しい先はいっぱいある。昔のような安定した景気状態ではないですから。インターネットは依然として大きな実験場です。課金するにしても、タダにするにしても、広告料を取るにしても、取らないにしても何がどう出来るか徐々に選別が始まっている。NIFTYはその中で、まずまず成功している方でしょう。

 それにしても、ネットワーク化が急速に進む今の世界経済の中にあって、全体的に日本企業はどうするんだろうみたいな話になりましたが、「困ったものだ...」から徐々にワインやチーズの話になって時間が過ぎるということになりました。まあ月曜日だし、あまり重くなってもというわけです。ははは、みんな勝手にやるでしょう....(^o^)
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 ところで、山川さんと軽くやるのに私が選んだレストランTastevinは落ち着いたワインを中心に置いたレストランです。オフィスから近いこともあってたまに利用する。店の中にむき出したになったワインが店にアクセントをもたらしている。食事を大量にはしたくない、ワインを飲みながらちょっと軽く...という時に良い。従業員もよく教育されている。ワインもちょっとブームが去って、今が良い時期では。

98年10月18日

 映画が見れない、本が読めない状況が続いたのか、急に「映画が見たい」「本が読みたい」という気分になり、まず映画は「学校?」を見ました。封切られたばかりの山田洋次監督作品。雇用問題に取り組んだ映画であることを知っていたので、職業訓練校の様子を山田監督がどう描いているか関心があったのです。私もこの問題には、関心がある。日本人が自信をもって消費が行えるようになるには、どうしても職業上の自信が必要だと考えているからです。誰が運営しているかは関係なく、「学校」「教育」が必要だと。

 映画の訓練校で何を教えているかと思ったら、ボイラーでした。(?_?)。もっといろいろと有るはずなのに。生徒はだいたい予想した様な構成で、つぶれた飲み屋の親父(ケーシー高峯)、証券会社の元営業管理職(小林稔待)、それにアウトソーシングにあった小さな会社の事務員(大竹しのぶ)などなど。イントロは社会問題を色濃く扱っているのですが、後半は徐々に小林ー大竹のラブストーリーになる。あとは大竹の息子の障害児の。

 ある意味ではこの映画にはがっかりした。問題に正面から取り組んでいないのです。最後は、大竹しのぶと小林さんの演技力と、ストーリー設定に頼っている。見終わって損した気分にはならないものの、いつもの山田監督作品をまた見たような印象がする。落としどころが在来型の印象なのです。しかし、大竹しのぶはなかなかあの手の役割をさせるとうまい女優になってきたという印象がしました。特に推薦はしませんが、時間があったら見ても良い映画だと思います。

 本も二冊ほど買いましたが、おもろないやつ。紹介に値しません。
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 LINUXについては実に多くの方からメールを頂きました。Tks tks。まあ、私の勉強不足と言うことです。最近思うのですが、ラジオでニュース解説などをしていると、実に多くの分野の問題を知らねばならない。それはそれは、広い範囲の問題に関してです。で、ある意味でどうしても知識が散漫になる。見落としも出て来るというわけです。で、LINEXもその一つだったと。村上さんの説明をここでは紹介します。

 Linuxについての情報です.今日の日経本紙に出ていたようですね.私は今日も1日仕事でUNIXを使っていました.ここ数ヵ月Webブラウザからメールを送受信できるシステムを開発しており、その導入作業をしていたのです.

 > 1.どういう性格のソフトウエアで、今私どもが使っているマシンの上で走るのか 
 LinuxとはUNIXクローンのOSです.フィンランドのヘルシンキ大学生だった"Linus Torvalds"さんが、自分で1からOSのコードを書いたのが始まりです.読み方も「ライナックス」と発音したり「リナックス」といったり色々です.「リヌクス」というのが本国での発音に一番近いそうですが、私の周りの人たちは「リナックス」という方が多いですね.私は「ライナックス」と呼んでいますが.

 さて、今Linuxの特徴としては次の通りです.
 ・今我々が使っているPC/AT互換機で動作する.いわゆるDOS/Vマシンで動作します.しかもWindows系のOSと比して、はるかに少ないメモリや数世代前の低速のCPUでも快適に動きます.ですから、ちょっと古くなってきたPCの有効利用に使えます.
 ・基本的に無料、しかもソースが公開されている.Linux自体は無料です.しかもそのプログラムソースが公開されていて、自由にカスタマイズ可能です.そのためSUNやHPと言った商用のUNIXが高くて買えない一部のマニアや学生達が今まで草の根的に使用してきました.私の学生時代から理系の研究室ではLinuxを当たり前のように使っていました.
 パソコンショップや書店では"RedHat"等のブランド名でLinuxの配布版が有料で販売されています.これはOS自体は無料のもので、便利なツール、アプリケーションやインストーラーなどをメーカーが作成し、その部分に付加価値を付けて販売しているものです.余談ですがこのようなFreeUNIXと言われているもので主流のものに、もう一つ"FreeBSD"というものもあります.ですが今やLinuxの方がシェアが大きいようです.欧米では9対1だそうです.
 Linuxの特徴として非常に安定しているという評価があります.OSとしての完成度はウィンドウズ系より高いといわれています.フリーウエアとして心配になるのはサポートですが、世界中にユーザーがいて、最新の周辺機器用のドライバやバグ対応などもボランティアで対応しています.融通の利かない一流メーカーの製品OSより対応は上であるとも言えます.世界中のマニアがその完成度を高めてきた歴史があるわけです.こういう姿勢って素敵ですね.インターネットに流れる哲学も同じだと思います.

 >2.その使い勝手はどうで、今までのアプリケーション・ソフトは使えるのか
 UNIXは基本的にはMS-DOSのようなキャラクタベースのOSです.その上にWindows3.1のように"X-Window"というシェルをかぶせるとグラフィカルに使えます.使い勝手は慣れの問題だと思いますが、X-Windowsを使えばMacintosh、 Windowsと同じようなGUIを実現しています.
 アプリケーションについてですが、残念ながらWindows、Macintosh等の今までのソフトは全く使えません.しかし無料とは言えUNIXなのでインターネット関連のソフトは充実しています.WebBrowser、Mailer、FTPなどはこちらが本家ですし、こういったアプリケーションも無料で配布されています. NetscapeNavigaterもありますよ.
 最近では有料ですがワープロ、スプレッドシートなどのいわゆるオフィススイート製品もサードベンダーから出ています.既存のファイルとは低レベルの互換性しかないと思いますが.
 ソフト業界以外の人には関係の薄い話ですが、オラクルやサイベース等の一流データベース管理ソフト(DBMS)も最近相次いでLinuxに対応し始めています.

 > 3.実際にOSを変えるとして、どんなことに気を使わねばならないのか、またその価値はあるのか
 使用方法によると思います. 今、Linuxがもてはやされているのは、いわゆるWebサーバーを立てるときです.SUNやHPの高価なマシンを買って、Netscapeの高価なサーバー用ソフトを使うよりも安価にWeb、Mail、DNS、FireWall等のサーバーを立てたいと言うときの選択肢です.Linuxにはアパッチ(Apache)というこれも無料のWebサーバー用ソフト があります.Mail用のSendmailというソフトは、商用UNIX版でもサポート無しのものは無料ですしね.この面でWindowsNTはインストールや管理は簡単なのですが、安定性に欠けることやマイクロソフト社のサポートの遅さ、有料と言うことで差を付けられています.技術力のあるシステム開発会社であれば、プログラムソースが手元にあると言うのは非常にありがたいことなので、Linuxを導入する価値は高いですね.反対に大手のSIベンダーでは、責任が負えないのであまり導入には積極的ではないと思います.
 Linuxの導入について気を付けなければいけないのは、多少UNIXに関する知識が必要と言うことです.Windowsのような便利なインストーラーもついていないので、インストールもそれなりに大変です.さらにUNIXの特徴として、一つ周辺機器を追加したり何らかの設定を変更する毎に、"カーネル"と言うOSの中心部分の再構築作業が必要となります.
 それでも最近は前述したように導入を楽にした有料の配布パッケージが出てきていますので、趣味として導入するのは楽しいと思いますよ.コンピューターに関する知識も向上しますし.ただ、毎日の仕事に使うと言うことであればそれなりの覚悟が必要です.また、現状ではノート型のPCに導入するのはなかなか大変なようです.
 結論として、ファイルサーバーなどのサーバーとしての利用であれば導入する価値はあると言えます. 実は私も導入しようと考えている一人なのです.今年の3月まで汎用機ばかりを触っていて、4月からいきなりインターネット関連システムの開発をUNIXで行うようになったのですが、知識が全く欠けているため、そのスキルを身につけるために自宅のPCにLinuxを入れてみようと考えています.私の場合はスキルアップのためなので苦労は仕方ないのですけど.そのため、親類に譲った古いPCを、向こうでも新しいのを購入して不要になったと言うことで先日引き取ってきました.3年ほど前に買った、DX2-66の 一体型FMVなのですが、Linuxを動かすには充分です.

 ここまで読んで、「うーん、小生にはちょっとこれは難しい」と思いました。UNIX なんていじったこともない人間ですから。まあ、私はできあがったものをいかにうまく使うかに専念します。それにしても、情報をくださった多くの方、many tks。一つ一つ読ませてもらいました。

98年10月16〜17日

 今週非常に目に付いたおもしろい現象。それは日本における正面切っての「意見の衝突」。日経金融には、「日銀、財政政策に物申す−堺屋発言に対抗意識」という記事がある。私は気がつかなかったのですが、これによると経済月報の10月号には、「個人所得・法人税減税や公共事業による追加的な景気政策が早急に具体化させることが望まれる」との表現があるそうだ。

 これまでの金融政策決定会合の議事録要旨を見ても分かるが、日銀が財政政策に注文を付けるのはほとんど例がない。本来なら、金融政策と財政政策は経済政策の両輪なのだから、政策を決定・実施するに当たって相手が何をしているか、相手の状態がどうなのかは常に気になるし、評価・分析していたはずなのにである。これまでは、言わなかった。海外ではそういうことはない。たとえば、FEDのグリーンスパンは財政政策の細かいところに入ってまで論評をし、「べき論」まで述べてきた。日本は今までこれがなかった。遠慮してだろう。日銀の幹部は、「(これからは)言うべきことは遠慮なく言う」と言っているという。

 今週は、全銀協の岸会長と日銀の速水総裁との間、JR東日本の松田社長と国会との間などなどいろいろ「意見の衝突」が見られた。いいじゃないですか。良い兆候だと思う。皆が思ったことを素直に言う、そして時には対立も辞さない。今のように変化の激しい時代に、全員の意見が一致するまで待つなどということができるわけはないし、望ましいとも思わない。

 早く気が付いた人間が言う。気が付かない人間と言い争いになる。立場のある人間がいう。それと反対の立場の人間が反論する。そんなのは普通だろうし、望ましくもあるだろう。当然である。日本ではもっと論争が起きれば良いと思う。重要なのは、意見を言い合って間違ったと思ったら素直に引き下がることだ。メンツを過大視しすぎると、議論がよけい硬直化する。もっともっといろいろな意見がぶつかる国になれば良いのだ。
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 ところで、先日も取り上げた「窓の手」と Sony Vaio の相性が悪い問題について作者にメールを打ったところ、

 ご迷惑をお掛けし大変申し訳ありませんでした。この件につきましては、TweakUIと同じ方法に変更するか、透明なアイコンでごまかすかどちらかの対応を次期バージョンでしたいと思います。
 という返事をもらいました。私の場合は、二台の VAIO は「窓の手」のソフト上の設定をいったん標準に戻したあと「窓の手」そのものをを削除したのです。その後に「TweakUI」を入れ直しました。そしたら、bar tool との衝突もなく、reboot が問題なくうまくいったのです。この趣旨のメールに対するのが、紹介したメール。プログラムを書く人も、次から次と新しい機種が出て、新しい機能が付け加わってきていますから、全機種に合致するソフトを書くのは大変なんでしょう。しかし、正直言ってこの作者(猪川 正巳さんという方です)の方の態度には非常に好感を持ちました。tks。

 まあデスクトップを綺麗にする方法としては、しらちゃんのようにキーコンビネーションに入れてしまう方法もあるのですが、解凍ツールなどデスクトップに置いておいた方が楽なものも多い。だから私はアイコンを綺麗にデスクトップに置く派です。
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 土曜日の日経の朝刊に「LINUX」というOSソフトウエアが、マイクロソフトのWIONDOWSを脅かす存在になるかもしれない、という非常に興味深い記事がありました。ネット経由で無料入手できるフリーウエアだそうで、フィンランドの学生が開発、世界一流の学者が手を加えたソフトとある。

 ちょっと興味を持ったので、調べました。ここに入って大体のイメージをわかそうとしたのですが、どうもうまくいかない。まあ、こういう質問・回答形式のページもある。しかしこれでもどうも要領を得ない。どなたか

  1. どういう性格のソフトウエアで、今私どもが使っているマシンの上で走るのか
  2. その使い勝手はどうで、今までのアプリケーション・ソフトは使えるのか
  3. 実際にOSを変えるとして、どんなことに気を使わねばならないのか、またその価値はあるのか
 などに関して簡単な情報をお持ちの方は、お教えいただければ幸甚です。良さそうだったら、一台のマシンに入れて遊んでも面白い、と思っているのです。

98年10月15日

 週初に上がった株も、まただらだらと下げ始めている。経済では「時間」というファクターが非常に大きい。何事もほぐれるのには、一定の時間が必要だ。最近アメリカから来た人と話す機会が多かったが、彼らも一様に「アメリカも変わるのに10年かかった」と述べていた。アメリカより「変化」に時間がかかる日本が、まだ多くのことで実際には動け出せないのも、ある程度仕方がないかもしれない。なにせ世界第二位の巨艦だし、ついこの間の80年代には世界一と褒め上げられていたからだ。

 しかし、それにしても対応の鈍さ、遅さ、思い切りの悪さ、判断の甘さが随所に見られる。私はこの問題を、週刊ダイヤモンドの「論文」(136ページから)で敢えて取り上げた。「問題の先送り」が今の日本の苦境のどの程度の原因を占めているのかを正確に計測するのは、無理だ。しかし、問題に素早く対処してこなかったツケは大きいと思う。それは多くの人が感じていることなのに、できない。しかし、今の時代に必要なのは「怜悧」な判断力である。時間の浪費は、社会的な痛みを大きくする。

 「怜悧な判断力」という観点で言えば、今の日本に必要なのは、一つは「スポーツにおける審判」の役割を果たせる人々の存在だろう。それは官でも民でもありうる。機敏で、プロフェッショナリズムに基づき、ゲームの進行を促す役割だ。スポーツにはルールがある。社会で言えば、法律だ。しかし、すべてのことが法律で決まっているわけではない。それはスポーツのおけるルールがそうであるのと同じだ。野球で言えば、やはりタッチが速かったか、ベースに足が着くのが速かったかの判断を下すのはルールではなく、審判の役割で、審判はプロフェッショナリズムに基づいて自分の目と、耳と判断力を頼りに審判を下す。だから、試合は進行する。セーフかアウトかを観客が文句言い始めたら、ゲームは止まる。

 どうも、日本には社会的、経済的、政治的な意味での「プロの審判」が少ないのではないか。みんなで、セーフかアウトかと論じている。試合は、うんざりするほど長くなる。観客も少なくなる。金融問題もそうだ。銀行への資本注入も、もし「強制」となれば最後のところでは「裁量」が入る。すべてをルール化することなどできない。しかし、今の日本では誰も「審判」になりたがらない。ゲームの進行は止まったままだ。試合を白けさせないために、誰を退場させ、誰に筋肉増強剤を打つかをやはり決める人が必要なのだ。日本の金融でもマクガイアーが出てくれば試合は面白くなる。

 これだけいろいろな業界で「どん詰まり」になってきたら、しのごの言わずに動かざるを得なくなるだろうし、おっかなびっくりでも「審判」をやる人は出て来るんでしょうね。企業のリストラでも、銀行への資本注入でも、すでにいろいろな業界でそれは始まっている、と考えたい。
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 今日読んだ新聞記事で一番面白かったのは、アメリカのみならず世界中であれだけ騒がれたバイアグラの販売が、当初のレベルから急減しているというウォール・ストリート・ジャーナルの記事。それによると、今年4月に発売されたバイアグラは、第二・四半期(4〜6月)に4億1100万ドルの売り上げを記録したという。新薬としては、過去に例を見ない当初売り上げ。このままでは、世界中で認可されたら年間100億とか、200億ドルの売り上げになるのではないか、との見通しもあったそうだ。

 しかし、世界全体の今年第三・四半期のバイアグラの売り上げは1億4100万ドル相当で、うちアメリカでの販売高が1億1500万ドル。裸婦、おっと「ラフ」に言ってアメリカでの販売高は当初の四分の一に落ちたことになる。なぜそれほどバイアグラの売り上げが落ちたのか。

  1. メディアのバイアグラ熱が冷めた
  2. 副作用に対する懸念の台頭
  3. 使用に伴う保険料払い戻しに対する制限
 などが背景だという。メーカーは「当初が売れすぎだった」と言っているという。確かに。全く必要のない人まで試した、というのがアメリカの現状だったのだろう。その気配は、日本でも見られる。薬の姿・形さえ見たことのない人が一番騒いでいる。この記事には、いろいろなケースの人の実際の話が載っているが、熱も冷め、心配も増え(副作用で死亡のニュースもあって)、結局割高だという判断もあって、例えば従来の方式(治療方法)に立ち戻る人も増えているそうだ。驚異の新薬も、急ブレーキといったところか。

98年10月14日

 「日本ハム・落合が引退を発表」とネットの新聞記事にある。44才だそうだ。この歳を聞くと、やはり良くやったんだ彼も、と思う。「心残りなし」ということだそうだが、それはそうだろう。わがままな、才能に満ちた、そしてある意味では賞賛できる野球人生だったのだから。そういう意味では、拍手を送りたい。バット・スイングでも、しゃべり方でも、「間の取り方」がうまい人でした。だから、たぶん解説も面白いと思う。

 しかし、今期の日本のプロ野球で「引退」のニュースを聞いて一番残念だと思ったのは、巨人の井上という選手だ。確か31歳で引退と新聞の記事に小さく出ていた。もう10年も前だろうか。彼を初めて見たときに、すばらしい選手だと思った。小兵だったが、動きはいいし、しばしばホームランも打てた。守備も良かった。しかし、毎シーズンの一時期に一軍ベンチにいるだけで、大体は二軍ぐらし。「なぜだ」といつも思っていた。

 彼の才能を認めていたのは私だけではないようで、広岡さんが機会があると「井上のような選手を育てられない巨人は駄目」と言っていた。賛成である。確かに今の巨人には、輝くような選手がいる。優勝の圧力さえなければ、大した勝率を上げられることは今期も証明された。おそらく、最後の20試合の勝率は12球団一ではないか。しかし、巨人の弱みは以前も書いたことがあるが、「負けること」に対する恐怖心である。横浜など、負けても当然と思われているから気が楽だった。

 「負けることに対する恐怖心」は、各球団から良い選手を集めすぎることによって生ずると思う。「このメンバーならまさか負けないだろう」と自分たちでも思っているから、負けが続くとどうしたら良いか分からなくなる。分からなくなったら、もう終わりだ。シーズンも終わりに近づいて、「もういい」となったときには本来の力が出る。そうした弱さに勝つためには、チームの中から芯のしっかりした選手を育てるしかない。サッカーもフォワードだけでは勝てない。野球もそうだ。井上は、スターではないが、巨人というチームをうまくまとめられる選手だと思ったのだ。しかし、巨人はこの選手を育てられなかった。

 この選手が潜在的には良かったことは、10年も一軍と二軍を行ったり来たりしたことで証明されている。今期一番残念な引退だし、こうした選手を引退させる巨人は、たぶん来年も駄目だろう、と思う。
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 ところで、昨日紹介した「窓の手」とソニーの VAIO は、「BAR TOOL」という機能(ソフト)を巡って衝突することがあとで分かりました。で、この件について「窓の手」の作者(猪川 正巳さんという方です)にメールをしましたら、丁寧な返事を頂いて

 ご迷惑をお掛けします。VAIOでBarToolというソフトからページ違反 が発生する原因は「ショートカットアイコンを隠す」の設定をOnにすると発生 することがわかっています。今回の場合は「Unexpected File Format」というこ となので同様の原因かどうかはわかりませんが、「ショートカットアイコンを隠 す」の設定をOffにして再起動して現象が改善されるかどうか確認して頂けま せんでしょうか? もし改善されない場合、「標準に戻す」ボタンで一旦標準に戻してみて下さい。

 VAIOの使用者が急増しているのは知っていますが、私の周辺にVAIOが一 台もないので、検証が滞っております。VAIOを買うほどの財力も無い為、 改善されない場合は残念ですが「窓の手」の使用を中止していただく他にないの が実状です。ご理解頂ければ幸いです。

 ということでした。この件については、実験してみて「OFF」にすると、現象が消えることを私が試しました。一方、木村さんからメールをもらい、「窓の手」と同じような機能を持った Microsoft Family のソフトウエアを紹介してもらいました。そこで、一端「窓の手」を「標準設定」に戻したあと削除し、この95用のソフトウエアを使ってみました。そしたら、「違反」も「unexpected file format」も生ぜずに、ショートカット・アイコンの矢印を消せました。従って、VAIO をお使いの方はこちらの方を使うのが正解かと思います。ほかの方は、今でも問題がないなら大丈夫だと思います。

 VAIO で既に「98」を使っている方は、ここをご覧ください。既にこのソフトウエアは、98 用 の CD-ROM に入っているようです。

98年10月13日

 コンピューターのデスクトップはなるべく綺麗にしておきたい、と思うのは私だけではないでしょう。部屋と同じで、その人の頭の整理具合が分かる。.....(^o^)という訳なのですが、ずっと「ショートカット・アイコンの左下に付く矢印をなんとか消せないか」と思っていたのです。この矢印を消す方法があることは知っていました。私のメインのコンピューターを作ってくれた加島ちゃんがやるのを見ていましたから。しかし、難しそうだった。しかし、今回これをやろうと思ったのです。ラップトップなどのデスクトップを綺麗にするために。

 で、「悪いけどあれを教えてくれる」とメールで問い合わせたら、返ってきた返事が「良いソフトがあります....」。有名な窓の杜の中にあると。しかし、窓の杜はアップ件数が多すぎる。そこで小生のリンク・ページのサーチ箇所にそのソフトの名前である「窓の手」と入れて探してみた。そしたら「窓の家」と出てきて、「窓の手」の作者のホームページが出現。ここから「Windows95」「Windows98」用をダウンロードして、早速使ってみました。FDD一枚に二つのソフトが入ってしまう。98では「アイコン(2)」に、95では「アイコン(3)」のページに「ショートカット・アイコンを隠す」というチェック欄があって、それにチェックして「設定反映」で、見事あの色気のない矢印は消滅。ははは、簡単・簡単。ああすっきりした(^_^)(^_^)。このソフトを使えばデスクトップ上のアイコンをすべて隠すことが出来るのです。
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 お客さんの多い一日でした。昼前に商品データの中山ちゃんがカメラウーマンを連れてきて、インタビュー。終わったあと、一緒に昼飯。午後1時からは NHK の衛星放送の番組を作っている方が。これは長かった。2時間ちょい。経済の番組を作るのは難しいんです。出演者を誰にするかとか。私も分かる。でも、二時間しゃべっていたら、疲れた。いつだかしりませんが、今度「市場経済の将来」や「グローバル・スタンダード」に関する番組を作るそうで、アドバイスしました。これが予定より長くなったので、行く予定だったドイツ証券のセミナーには行けず。水野さんの話は聞きたかったけれど。

 夕方からは、Foreign Press Center の年次パーティーに出席しましたが、懐かしい人に会いました。勉強会の仲間であって、その後フランスに赴任していた知原さん。ちょっとご病気をされたそうで、しかしそれもかなり治って今はフル回転一歩手前だそうです。当時より少し痩せていたけれども、もう通常に戻りつつあるように見えた。人間、元気が一番です。

98年10月12日

 どう考えても、和歌山のあの事件に対する日本のマスコミの時間と場所の割きようには納得できないものがある。重すぎるのだ。NHKはほぼ毎回あのニュースを一番に持ってきている。新聞も大きい。そして、昼の奥様向け番組では、全時間の7割とかの割合をあの事件に関する報道が占めているそうだ。

 あんな事件を一生懸命報道して、いったい何が生まれるのだろうか。我々の知識のどこが豊富になるのだろうか。砒素について ?。ばかばかしいから耳に入ってくる時は仕方ないが、新聞では関連記事は全く読まないし、先週の「Roundup World Now !!」(ラジオたんぱ 金曜夜11時40分)では、ディレクターが触れてくれというから、「これはおもろい」と思って、「そんなことあったんですか」ととぼけたあと、「報道における比重の置き方がおかしいんじゃないの」と言っておきやした。

 だってそうでしょう。同じようなフィルムを何十回となく流す。ついこの間までご近所だった人にあることないこと言わせる。人の世の中一定の比率で悪いやつ、狂ったやつはいるのに、いかにも人類全体が「原罪」を負った存在であるかのごとく、アナウンサーは深刻な顔で話をする。だからどうなるっていうんだい。ただただあの「林」なにがしを英雄にしているだけではないの....と思うわけです。マスコミは一生懸命たたいていると思うかもしれない。しかし、名前を報道すればするほど彼女は実は人々の意識の中では英雄、有名人になっていくのです。芸能人は、たたかれることで有名になる。

 日本のマスコミには、もっと時間と場所を割いて報道しなければならないことがあると思う。経済は、政治は。死者の数を言うんだったら、日本では交通事故で毎年1万人が死んでいる。今回の事件で死んだのは、何人でしょうか。知りませんので。ああいう馬鹿なことをしたと思われる人間(罪は確定しておりません)は、正式な裁判にかけ、判決が下ったら刑期を終えていただけばそれで良いのです。視聴者が見たがる。だったら「マスコミの使命」などと難しいことは言わなければ良い。そのうち、「砒素の正しい処方の仕方」なんて雑誌記事が出現しそうで、本当に心配。彼女が手記を書いたら、いくらで売れるんでしょうか。
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 ところで、今日はこのサイトを読んでいる皆さんにお願い。実は最近、「伊藤さんのサイトにアクセスできなかった。もう止めたのかと思った」と何人もの人に言われました。最近も、木村さんがサイトにアクセスしたところ、

403 - Access Forbidden

It seems that the file you are looking for is forbidden. This may be for a number of reasons:

The page has exceeded the traffic allowance and has been temporarily suspended.....(後略)

 という案内が出たそうです。でこちらとしても、今までのこともありプロバイダーに調べてもらいました。返ってきた返事は以下のようなものでした。
伊藤 様

 御利用頂き誠に有難うございます。グローバルオンライン テクニカルサポートです。

 下記内容のメールを頂きましたが、お客様のページが閲覧不能となっている原因として幾つか考えられる項目を下記へ記しましたので、御検討下さい。

  1. ホームページの一日のデータ流量が、一定の量を超えた為
  2. 弊社規約違反に関する内容が掲載されていた為
  3. アクセスを避ける為のパーミッションの設定が正しくない為
  4. ルートページとして「index.html」というファイルが設けられていない為
 上記4項目内で可能性が高いものとして、1番目と4番目が挙げられます。1番目について弊社で確認を取りました所、お客様のホームページの一日のデータ流量が、個人ユーザ様のホームページとしてはGOL内で10番目に多いものである事が分かりました。

 GOLでは個人ユーザ様のwebサーバは皆さんで共有して頂く物としてとらえており、ユーザ様の増加に伴い増強しておりますが、一部のユーザ様へ過度のアクセスが集中するのは共有の観点から好ましくない物としております。そのため、ある一時点でのデータ流量が他のユーザ様と比べ著しく増加いたしますと、自動的にアクセスに制限がかかります。(一定時間後制限は解除されます)今回はこの状況が発生した可能性があります.....(後略)

 おもろい、そして驚く論理ですが、メールだけではと思い担当の方と少しお話をしました。それによると、GOLでは5分間のデータ流量が一定のレベルを超えると「forbidden message」を出すのだそうで、小生のページはこの5分刻みの測定で、しばしばプロバイダーで一位、二位になるのだそうです。で、このプロバイダー側の論理の正当性を議論していても仕方がないので、このページをGOL(http://www2.gol.com/users/ycaster/diary/index.html)でご覧になっている方は、どうかDIGIWEB(http://www.ycaster.com/diary/index.html)に移動して頂きたい。具体的には、「お気に入り」を後者にしていただきたいのです。

 プロバイダーで1番とか10番とか言われると、「それだけ皆さんに来ていただいているのか....」とうれしい気分になりますが、それ故に「アクセス禁止画面」が出るのは頂けない。いやいや、「実際には弊社規約違反があるんじゃないの....」なんて考えないでくださいね。ありませんので。とっととプロバイダーを変える手もあるんですが「スピードの経済」の中でも掲載しているのはGOLのページなんですよ。そこで、なるべく多くの方が「禁止画面」に直面せずに小生のサイトをみれるように、アクセス先の移動をお願いする次第。

 本日の後半はくだらんお願いで、済みません。

98年10月11日

 よか天気でしたね。久しぶりになんにも予定のない週末で、気楽に過ごしやした。またまた新宿までチャリンコで行ったりして。ところで、同じようなことを考える人がいるというか、もうそういうニーズに直面している人はたくさんいるというか。「こういうメーラーはないか」という昨日の私の疑問に、木村さんと村上さんがそれぞれ別の情報をくれました。

 (木村さん)Outlook97/98にはリモート メール機能があります。

   このリモート メールを使用すると、まず、メッセージ ヘッダーのみをダウンロードして、必要なメッセージと不要なメッセージを見分けます。次に、マークにて選択してメッセージの本文をダウンロードできます。

 すなわち、この機能により、件名、差出人、サイズなどの情報をみてから取り急ぎ、必要なメールだけをダウンロード、コピー、また削除もできます。(木村さんの情報)
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 (村上さん)ありますよ。私自身は使用していないのですが、「電信8号」というmailerはその機能を有しているようです。(中略)受信を始める前に新着 メールの番号とそれぞれのサイズを表示します。全部受信するか、どれも受信しないかを選択できます。(中略)他のmailerもあるのではと思います。WindowsCE についている mailer もその機能を有していました.最初はメールの一覧(From,Size,Date)だけをdownloadして、チェックを付けたメールだけを新たに引っ張ってきます。

 モバイル利用では必須の機能ですね。

 ということです。出張中には、絶対必要なんです。この機能が。Outlook98 はまた入れてなかったので知りませんでした。でも困った。小生は、通常は netscape を、大量送信用には eudora を使っている。またまたメーラーを増やすのはちょっと嫌ですから。でも、考えます。

 ははは、今日はメール構成(攻勢)で GPS に関してお二人からいただいた情報をアップします。最初は近藤さんの、次がばぶちゃんの。そうですよね、このサイトを読んでいる人もご興味があると思います。

 (近藤さん)お久し振りです。近藤です。いつも毎日伊藤さんのホームページを楽しく読ませていただいてます。出版記念パーティーの時はお世話になりました。

 10月9日(金)の伊藤さんのホームページに書かかれていた内容について。二つ目のGPSの問題ですが、これはGPSが日付の認識を1980年1月5日を基準として今が何週目かで行っているために起こる問題です。つまり週をあらわすビットが10bitしか割り当てられてないため、2の10乗は1024ですので1980年1月5日から数えて1024週目、すなわち1999年8月21日以降に突然日付が19年前に戻ってしまうことになります。

 この件はパイオニアの古いカーナビが問題になり、製品を無料交換するという事態になっております。もともとGPSは位置情報にしか皆興味がありませんが、時間についてもかなり正確(ナノ秒:10のマイナス9乗の精度)なクロックを供給しており、これをシステムの同期に使っている例がかなりあるということでしょう。
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 (ばぶちゃn(前略)簡単にGPS(Global Positioning System)の原理を説明してみます。

 GPSはアメリカの国防総省が打ち上げている24個(6軌道*4衛星)のGPS衛星から の電波を受信し、地球上のどこでも緯度、経度、高度という位置情報ならびに、現在 時間を知ることができるというシステムです。

 GPS衛星には電子時計が積まれていて、GPSデータで時刻を地球に送信しています。受 信側が正確な時計を持っていれば、受信時点での時間と衛星での時間データとの差を 求め、光(電波)の速度を乗じれば、GPS衛星軌道から受信地点までの距離が分かる ということになります。後は3点測量の要領で、3つの衛星からの距離が判明すれば 受信地点の3次元的なポジショニングができるわけです。

 従って時間データがもっとも重要なのですが、そのデータフォーマットが10ビット 固定なので99年8月22日以降はこまっちゃうという話しです。元々軍事的な目的 で開発されたものですから、ミサイルの目標設定などにも利用されており、エラーが 起きると深刻な問題だったりするということです。更にはカーナビなどもGPSを利用 して自車位置を確認していますので、旧いカーナビのソフトのアップデートなども最 近行われてたりしているようですね。

 ということだそうです。まあ、来年の旧お盆過ぎはちょっときいつけねばならない、という訳です。世界が抱えている問題は、いろいろありますね。コンピューターがらみは、けちった結果が深刻な問題になっている(^o^)。西暦年代なんて最初から4桁表示しておけば、10000年まで大丈夫だったのに。なに、「10bit」? もっとどうにかならなかったのですかね ? (素人の勝手な印象ですが)

10年10月10日

 ニューヨークには、「tenten」というニュース専門のラジオ局(1010)があるのですが、今日は世界で日本だけが「tententen」というわけですか。ゾロメは好きですね。競馬もついゾロが買えないか考える。
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 ところで、「ラジオ」といえば、今日新しいチャットをアップしました。「森本毅郎スタンバイ」。ニューヨークへの出張から帰った直後にスタジオの写真を撮ったんですな。写真で私が着ているTシャツのマークが「NY」となっている。そのカメラを藤井君に貸していて、それがやっと私のもと戻ってきて、jpeg 処理できたので文章にしたというわけ。番組周りの雰囲気がよく出ていると思います。

 番組のある日は、なるべく局の近くに居るようにしていますが、朝が早いんです。しかも、最近は寝ている間にいろいろなことが起きる。10円も円高になったりしますから(^o^)。少し早めに起きて、インターネットで何が起きたかチェックしないと。だから、木曜日の夜の睡眠時間は少なくなる。先週の木曜日のように夕刊紙でお馴染みの田中君に麻雀に誘われていたりすると、なおさら不足になるというわけです。

 ニュース解説の勝負は、切り口です。経緯をいちいち説明してもしょうがない。簡単には触れますが。その問題の持つ広がり、重要性が大事。しかし、ただ重々しく説明してもしょうがない。時には軽快に。あと、自分の意見だけを言うのも問題ですが、それが全くない無機質の解説も駄目。必要なのは、微妙なバランス感覚ですが、これにはいつも頭を使います。あとは、森本さん、遠藤さんとの「対話の妙」。たぶん終着駅というのはないんでしょうね。いつも試行錯誤。そりゃそうです。扱うネタは毎回変わる。
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 こういうソフトウエアはないんでしょうかね。出張中。例えば、ニューヨーク。電話代が高くかかるところとか、9600でしか通信できない場所にいる。メールをチェックする。どのくらいの重さのメールが来ているかは、アクセスした段階で分かる。本数ではないんです。重さ。例えば、9600で写真を落とそうと思ったら、実に長い時間がかかる。電源を持っていなければ、バッテリーの問題もあるし、電話代の問題もある。

 そこでです。来ているメールをソートする。そして、一定量の重さ以上のメールは起こさずにサーバーに残せるように設定できる.....というソフトはないかということです。これは結構深刻な問題なんです。テキスト・スタイルのメールを何通受け取っても、これはどんな通信速度でも問題ない。しかし、重いのは問題です。第一いらいらする。64Kでは問題ない。しかし、遅いのだと問題が多い。そんな個々のメールの重さをソートするメーラーは.....ないですかね (?_?)。
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 根本君が金沢から送ってくれた「このわた」で食事を開始し、締めを尾道の石井さんから送ってもらった「尾道ラーメン」にしたら、最高の夕飯になりました。お二人には感謝。昨日の GPS に関しては、ばぶちゃんと近藤さんから丁寧なご教授をいただきました。でも、私はみなさんに説明できるほどまだ分かっていない。そうですか、大阪の市内局番4桁化と携帯電話、PHSの11桁化は来年の1月1日が実施日ですか。小生は携帯エディーでばっちりです。

98年10月09日

 最近は朝起きて、インターネットのどのページを見るか......とアスキーのインターネット・マガジンの大島記者がカメラマン二人を連れてきて聞くので、まずここで為替次がここで株式最後がここで金利と教えておきました。この三つのページを見れば、自分が寝ていた間などに何が起きたか全体を把握できる。ポケット・ロイターとかの瞬時瞬時の端末も良いのですが、これらのインターネット・ページはマトリックスになっていて、全体が見渡せるのが良い点です。最近は、「どうなっているんだろう」と見る直前はドキドキしますね。相場でドキドキしているというのも、みっともない話ですが。なにせ動きが激しいので。

 話題のアスキーの人が来たので、「おたくはどうなっているの...」とまたまたぶしつけな質問をしたら、「なんかうまく行ったみたいで....」と。まあ銀行団も融資に応じて、日常業務はもとに戻ったらしい。西さんも毎日会社には来ているそうです。もともとアスキーは本業の雑誌などでは儲かっていましたから、変なものをやめて本業回帰すれば戻れる会社でしたが、まあああいうことになった。私のところで取材した件は、1ページちょっとの記事になるのだそうです。「何冊でてるの」と聞いたら、10万冊だそうです。結構なマンモス雑誌なんですな。
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 Nandoを見ていたら、一つ面白い記事を見つけました。世界のコンピューター産業が「Y2K」以外に今後2075年までに直面する「数字的問題」。この記事には、四つあると書いてある。ちょっと引用すると。

Less familiar looming concerns include:

----The European Union's conversion to the new euro currency starting in a few months;

----The rollover of the date system in Global Positioning System satellites;

----America's surfeit of telephones for home and office, voice and data, threatening the possibility that the nation could run out of phone numbers; and

----The same problem with Social Security numbers, which are not used again when people die.

 二番目のはちょっと読んだだけではよく分からないので知っている人がいたら教えて欲しいのですが、あとの三つはよく分かる。確かにユーロのコンバージョンは大変でしょう。一つの国について二つのレートが共存する時期がある。三番目の電話番号の「4桁化」はアメリカの問題ですが、日本は東京の電話番号の上3桁は数年前に4桁に増えましたよね。あのときはどうだったんでしょうか。日本では問題なく進行したと思うのですが。もうすぐ、大阪で電話番号が8桁になりますが、この時は問題はないんでしょうか。最後の social security 番号の話もアメリカの話ですが、なるほど死んだ人の番号を使えないんだ。だとしたら、10億個用意しても使い切るときは来る。私もアメリカに長く住んでいてこの番号を持っているから、ちょっと気になりますね。ところで、私の時(70年代の後半)はこの番号は簡単にとれたのですが、誰かに聞いたのですが最近はなかなかとれないらしい。「限界10億を気にして....」ということはないんでしょうが。移民政策の問題です。
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 金曜日はえらく天気が良かった。で昼はかねて約束の神田に行って、大先輩の竹中さんをご訪問し、少し歩いて ?(「まるご」と読みます)なる結構有名らしい店でとんかつを食べましたが、美味しかった。秋葉原では今までもっぱらじゃんがらラーメンを食べていましたが、あの店はこのエリアの今後の候補になる。ご馳走してもらっちゃいました。竹中さん、ご馳走様でした。今度、私が.....。

 金曜日は、毎週のラジオの番組が二つもあって終わってみれば疲れる。週末は天気はどうなっているんでしょうか。金曜日にあれだけ爽快な天気だと、やはり週末はいろいろ体を動かすことをしたくなります。いやな天気が続きましたから。みなさんにも、よか週末を(^o^)。

98年10月08日

 ビターと出張もせずに東京に居ると、一週間が長い.....と感じるんですが、これは私だけでしょうか。まあ、毎日何か起きて居るんですが、やはり自分の居場所が変わることぐらい大きな変化はないから、一カ所にいるとそう感じるのかもしれません。
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 朝起きて、ドルの安値が118円台まであったと見たときにはやはりびっくりしました。相場の動きはこのところ激しくなっていましたが、7日の海外市場の円の上げは、変動相場制始まって以来。事実は事実として、「なぜ相場の動きが激しくなっているか」というのはおもしろい問題です。新興国からの資金の流出にしろ、米国債の買われ方にしろ、今はやはりこれまでの常識の範囲を超えている。

 二つ理由があると思う。もともと「情報」がIT時代を迎えてますます増殖し、それへのアクセスが容易・安価になったこと。しかし注意しなくてはならないのは「情報」とは常に不完全であるということだ。何らかの事象の一部を切り出しているし、受け取る側の能力の問題もある。そういう意味では、今は「不完全情報氾濫の時代」と言える。世界は、不完全情報に振り回され始めている。

 第二は、「証券化」(securitization)だろう。土地から工場まで、常にプライスが表示される証券になっている。土地や工場の時は、価格がどこにあるかもわからなかった。銀行が融資を抑制しても、それが表面に出るのには時間がかかった。しかし今は証券の価格を見れば、何が起きているかすぐにわかるし、証券の価格はネットワークを通じて常に表示される。誰にも「今何が起きているか」がわかるわけで、これがトレンドを加速させる。

 まあこの問題は、このコーナーで中途半端に取り上げるような問題ではないのですが、こう考えると容易には市場のボラタイルな環境は解消しそうもない。円急騰を受けて東京の株は急落した。しかも中身は輸出優良株の急落。中身は日経平均の下げ以上に悪いと言うことになる。前日の上げ幅をほぼ消してしまった。まだまだ経済運営は難しい局面を続けそうだ。8日の深夜の為替はロンドンで111円台。しかし数時間もたたないうちに、119円までドルが戻している。
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 コンピューターに「りんごWIN」を装着した。マックのファイルを Windows のファイルに転換するソフトである。FD 一枚の軽いソフトで、まだ本格的には使ってないが、簡単そうだ。しかし、どうもテキスト・ファイルへの転換が主なようで、ワード・ファイルをきれいには転換できない。まだまだマックとWindows の世界はいろいろありそうだ。OFFICE 98 ではこの問題はかなり解消されているらしい。OSレベルでこの二つのソフトがどう違うのかわからないが、不便な話である。

98年10月07日

 朝から東京国際フォーラムで開かれた韓国産業資源部(日本の通商産業省)主催の「韓国投資環境説明会」に出席して、午前中一杯主に同国経済のマクロ部分の説明を聞きました。金大中大統領の来日に会わせて行われたこの説明会は盛況で席はほぼすべて埋まっていた。韓国側からの出席者は、朴泰栄長官(韓国では?2になりつつあるらしい)ら154人に及んだという。急速に自由化・規制緩和への舵を切りつつある韓国経済への期待、ウォン安などで、最近だけで日本の対韓国投資は約2.6倍に増加しているという。この説明会は、この増加しつつある日本の対日韓国投資を一層促進させることを狙いとしたもの。

 セミナーの内容をここで説明することはしませんが、韓国が大統領の訪日に合わせる形で日本の文化(映画など)の解禁を決めたことや、徐々に2002年のワールド・サッカー共同開催が接近するに従って、日本と韓国の間に新しい関係ができつつあるような印象を受けました。会場では、説明会の講師にもなる国民投資顧問の姜さん、大宇証券の孫さん、同証券事務所長の金さんらと「やあやあ」ということでしばらく話しましたが、こうした関係は今後もいっそう輪が広がるのではないかと思いました。

 日本の対韓国投資を促進するための説明会ですから、「今が韓国への投資のしどき」という話が一杯出てくるのですが、その一番の「売り」は何だったと思います。韓国側が特に強調していた。それは、「金大中大統領のリーダーシップ」。日本の投資誘致団がたとえばアメリカに行って、日本の「売り」の第一は「小渕首相のリーダーショップ」だとは残念ながら言えないでしょう。次は、「経済危機克服のための国民の団結心」だと。この二番の要因も日本には欠ける。

 さらに韓国は、明らかに日本にないものを獲得しつつある。それは「改革のスピード」。野村総研のソウル駐在代表もその点を指摘して、「ソウルから見ると、日本は遅く見える」と。私も金大中が年初にジョージ・ソロスと会談した直後からこの点を指摘してきたが、同じ見方の人はいるものです。韓国経済は、その規模、持っている技術力、マーケティングの力、新製品開発能力などなど日本に劣る面は多い。早々に差が埋まるものでもないことは確かです。しかし、韓国経済が日本という国がもっていないものを持ち始めていることは注目して良いし、ワールド・カップ共同開催で日本と韓国の間に新しい関係ができつつある予感がしたことも確かでした。説明会も、やや表面的な印象を受けたものの、欧米並のパワー・ポイントを使ったスマートなものでした。
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 昼は姜さん、私に勉強会の仲間である内田さん、内藤さん(四国からご出馬)、小池さんなどと食事をしましたが、内藤さんの話を聞いたら四国から東京に出てくるのは大変らしい。海路、陸路で。私は飛行機でしか行ったことがないので。四国と本州を結ぶ橋は通行料金が高くて、営業車は走らないというような話もされていた。韓国にはまた行こうと思う。第一候補は、来年の春です。

 ところで、通訳付きのスピーチを聞いていて、「誘致」と「到着」は日本語、韓国語で発音がほとんど変わらないことを発見した。「キムデジュン トウチャク」でちゃんと日韓両国の人が意味が分かる。やはり似ているんです。金大中さんは、この説明会の午前の部が終わって昼飯兼用のレセプションが始まったころに羽田にトウチャクした。
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 8日の早朝にブルーンバーグを見たら、円が急騰している。記事はこう告げている。

The dollar fell as low as 118.90 yen from 130.29 yesterday in New York, a 8.7 percent decline, in its largest one-day drop since February 1973. That was also the currency's lowest level since Oct. 28, 1997. In late trading, it was at 120.10 yen.

The yen will gain as ``the market concludes Japan is moving in the right direction.'' said Mustafa Mohatarem, chief economist at General Motors Corp. The dollar at these levels is ``a hell of a lot better than 134 yen'' because it makes U.S. exports more competitive, he said.

The drop also was driven by investors, including hedge funds, selling dollars to pay back yen loans to compensate for losses in other financial markets, traders said. Using the so- called yen carry trade, many investors borrowed yen at Japan's low lending rates, then invested that money elsewhere. ``Everyone who was doing the carry trade is getting killed'' in other markets, said Thomas Zimmerman, who manages $8 million in currencies at Zimmerman Investment Management in Chicago. ``There's little liquidity and room for pain, so they're just bailing'' out of dollar-yen positions.

 1973年といえば、変動相場制が始まった年である。昭和48年。その2月に変動相場制は始まっている。円高の背景は、やはり一番大きいのは「キャリー・トレード」の解消の動きでしょう。借りていた円を一斉に返しているというわけです。LTCM の問題が、ここまで相場を動かしている。「日本が金融システムを正常に戻しつつある」とか「日本が景気回復に動き出した」という解釈は、やや行き過ぎていると思う。まだ問題はいっぱい抱えている。しかし、相場は一端動き出したらその方向以外への方向には恐れを抱くものだ。110円台がしばらく定着する可能性も出てきた。日本の輸出産業には、打撃かもしれないが。

98年10月06日

 二つ使っているプロバイダーのうち、「http://www2.gol.com/users/ycaster」のグローバル・オンラインの調子がどうもよくない。今朝もFTPサーバーが死んでいて、ファイルを転送できなかった。このプロバイダーには、そろそろ堪忍袋の緒が切れつつある。慣れ親しんだプロバイダーだし、引っ越すのも面倒だから我慢しているが、あと一つ何かあったら冷たくさいならしよう、と思う。

 もう2年以上もファイルをためてきているので、その累積は大変なものになってきた。古いのも全部運んでいますから。最近上記URLにアクセスした人から、「うまくつながらない」との報告を受けている。でFTP問題もあり、抗議の意味もあってプロバイダーに電話したら、既に20メガまでファイル総量が増えているという。通常料金でカバーできる範囲は15メガだから、とっくにこれを超えていることになる。そういう意味では、うまく動かないのにはこちらの問題もあるということだ。

 そこで「http://www.ycaster.com/」の方はそのままにして、グローバル・オンラインの方からは「news」と「diary」の古いデータ(97年末まで)をいったん削除した。対応策を考えるまでの措置で、このファイル削除によってサーバー・スペースは確保され、容量に関する問題はクリアできそうである。最近はディジウェブの方が非常に調子がよいので、読者におかれてはグローバル・オンラインを試して、「こりゃだめだ」と思ったら「http://www.ycaster.com/」の方にわたっていただきたいと思います。
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 研究所の中のメールシステムにも、本日からアクセスができるようになった。こちらはマックで Quickmail というやつ。すぐに使えるようになった。おもしろいのはこちらは無線でデータをやりとりするということ。ラインは敷かないのです。機械の後ろに「Lan anywhere」というトーキーのような無線機を付けて、それで交信する。うーん、これはなかなか便利だ。Mac と Windows を並べて使っているが、どちらも違和感はなくなってきた。海外で大きくなる日本の子供が、親の前では日本語、学校の友達とはその国の言葉を苦もなくしゃべるようなもので、特に違和感はない。うーん、小生の頭も子供並に柔軟か......?
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 実感として10月からまた一段と景気が冷え込んできた印象がする。勉強会の一部メンバーと六本木のエスクワイアで食事をした後飲みに行ったのですが、そこの従業員が「ほんとに10月に入ってから駄目で.....」と。来ている客に言ってもしょうがないと思うが、まあそうなんでしょう。先週の金曜日にラジオたんぱの収録を終えて、ビルの下の「ざくろ しゃぶせん」で食事したときも、客は我々とあと一組だった。

 もっとも、「では...」と予約しようと電話するといっぱいの店もある。だから、まだら模様には違いない。しかし、全体的には景気は一段と冷えてきている。いよいよ日経新聞も「警鐘」を乱打し始めた。今朝もそうで、論説主幹の小島 明さんが一面にかなり気合いの入った記事を書いている。私も思う。もはや、政治の無能に国が振り回されるのは終わりにすべき時期だと。

 ただし、忘れてはならないのは「国だけの努力でこれからの景気が良くなるわけではない」という点だ。我々個人個人、個々の企業が5年後、10年後でもまず大丈夫と思えるような体制を自ら作って行かねばならない。自らに、そして自らの会社に投資をしなければならないと思う。国民一人一人の、そして日本に本拠を置く一つ一つの企業の自信が、最後は景気を支えるのである。その点だけは明記したいし、今回週刊ダイヤモンドに書いた記事もそうした意図である。

98年10月05日

 すっかり忘れてました。テレホーダイというのが、二つの特定の電話番号を対象としたサービスだったことを。

 日本電信電話株式会社から「ご注文内容のお知らせ」という通知がきた。「引っ越したからか、それにしても電話番号が変わってないのにな......」とか思いながらご注文内容の項目のところをみると、

INS テレホーダイH市内

 03-XXXX-XXXX 新規
 03-XXXX-XXXX 新規

 とある。なんじゃこりゃ、ってなもんですな。その電話番号はどこかで見た記憶があるものの、自宅の電話番号じゃないし、今は頻繁に使ってもいない。で、03-5001-3500に問い合わせてみました。そこが無料の問い合わせ先ということで。

 驚くこと....がわかりました。これは当初に小生がテレホーダイをNTTに頼んだ時の、許された二つの対象電話番号(プロバイダーの)だった。思い出しましたが、テレホーダイというのは、二つの対象電話番号について月単位の月額電話料金を定額(1600円とか2400円)にしてくれる。とそんなことを向こうの人と話ながら、はっと気が付いたのです。この二つは、私が使っているプロバイダーの以前の電話番号だったと。しかし、数ヶ月前ですがこのプロバイダーはダイヤルアップの電話番号を変えた。

 ということは、「対象電話番号の変更」に関し小生は手続きをとってないから、過去数ヶ月「夜11時からはテレホーダイだ....」と思ってインターネットを続けていたが、実は違ったというわけ。くそ....ってなもんですな。たぶん、プロバイダーの通知の中には、電話番号変更に関して「テレホーダイの人は、電話番号の変更届けを」程度のアラームは書いてあったと思う。でもそんなの読み飛ばしますよね。センターの人に過去1年くらいの電話料金の推移を聞かせてくれる...と言ったら、今ここではちょっと調べられません、と。料金センターなら可能かもしれないという話。暇になったら調べよう。しゃくじゃないですか。

 で、教訓。テレホーダイで安くインターネットができている人。対象電話番号(二つ)をちゃんと把握しておいてくださいよ。プロバイダーが「アクセス電話番号を変えます」と言ってきたときには、NTTに電話してちゃんと手続きしてくださいよ。うーん、考えると少なくとも数ヶ月分はテレホーダイなんて全然関係ない高い電話料金をNTTに支払っていたことになる。でも、考えたら、ごちゃごちゃ面倒でんな。アメリカみたいに、市内電話はめちゃ一律に安くしろ.....と言いたい。
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 日中何人かの人から電話があって、「伊藤さん、差出人の名前がないですよ.....」。????。理由が判明。枚数が多いので、あちこちのコンピューターを使って印刷したのです。葉書の。で、その一つのソフトウエアの「差出人欄」に自分の名前を入れるのを忘れた。全部で500枚弱のうち、100枚くらいが差出人のない葉書になった。で、あちこちの知り合いから「わかるけどさ....」と冷やかしの電話が入るというわけ。

 失敗、失敗。馴れると、コンピューターが全部やってくれると思ってしまう。でもコンピューターは融通が利かないから、命令されたことしかしない。いかん、大量に印刷するときはその最初の一枚は毎回しっかり見ないと......!!

 ははは、本日は失敗談の巻でした。

98年10月04日

 久しぶりに雨も降らず、天気も良くて穏やかで、休日らしい休日でしたね。今日は、明らかに外の方が気持ちが良かった。夕方から六本木の「Deep Blue」という店で開かれた岡山玲子さんと大木努さんの結婚式後の二次会に行きました。二次会というのは、実に久しぶり。ずっと式ばっかしでしたので。二人は同い年の熟年結婚ですが、そもそも二人とも若く見えるし(ともに小柄)、落ち着いていてなかなか良かった。

 出席していたのはテレビ東京の若手が多かったので、ちょっと存じ上げない方も多かったのですが、知っている人も結構いて懐かしかった。松本さん、忍ちゃん。「東京マーケット・フォーカス」時代の連中です。彼女は名古屋で「玲子のおしゃべりサロン」なる番組をやっていたのですが、結婚を機にこの番組もやめたそうな。まあ、仲良くやってください。そのうち彼女はまたテレビに登場してくるでしょう。

 写真も撮りたかったのですが、家を出る直前に貸してあるのを思い出した。オーイ、藤井。デジカメかえせ........
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 新しいホームページがまたスタートしました。ぼぶちゃんのサイトに居候する形で、山口さんがスタートさせたもの。http://www.k-uchida.com/bakabon/wwwbakabon.htmlがURLです。もう何日か進んでいるようで、今後の展開が楽しみ。
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 ところで買ったソニーの 505G がOSを既に「98」としているので使っているのですが、何が「95」と変わったかと言って、やはり一番目に付くのはデスクトップ・テーマでしょうか。当たり前ですが、「95」時代からの引きずりもありますが新しくなったのも多くて、「旅人」とかいろいろ目に残るのがある。これはなかなかナイスです。実際に使っていて「95」「98」はほとんど変わらない。後者の方が若干「plug and play」に優れているかなと思うくらい。しかし、「98」のデスクトップ・テーマは楽しめる。ただし、このためにディスクの容量をかなり食っているんでしょうな。他のマシンはまだ「95」で走らせていますが、こちらは全く変える予定はありません。

98年10月03日

 昨日の続きですが、で私は「Roundup World Now !」(ラジオたんぱ第一 金曜日午後11時40分)の番組のテーマには、「怜悧であること」を選び、第一回の放送でそうアナウンスしました。「怜悧」。うーん、ばらすと小野ちゃんは知らなかったな、この言葉を。

 勝海舟が幕府の金で幕末(1860年)にアメリカに行った。そして帰ってきた。幕府の役人は海舟に「どうだった、アメリカは....」と聞く。海舟はこう答える。

 「彼の地の地位の高い人間は、それなりきに怜悧でござった....」と。

 幕府の役人も、これは分かった。さすがに「無礼であろう.....控えろ」と言ったらしい。海舟らしい話だが、「怜悧」とはここで出てくる。英語で言えば、clever とか smart に相当する。ははは、ラジオの番組のテーマを「怜悧」にするというのは面白いでしょう。提供も近代的な会社だと思われているソニーだし。別に相談はしてませんよ。
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 今の日本に必要なのは、この「怜悧さ」だろうと思う。景気が悪いと言えば、過去に引きずられて、出てくるのは「公共投資増額論」ばかり。もう80兆もやってまっせ。でどうだったか。助ける予定の建設業界は青息吐息。地価は上がらず、GDPの数字は一時的に上がっても、持続しはしない。減税という声が出てきても、過去に引きずれてせいぜい10%程度の引き下げで、「やった」「やった」と宣伝したがる。

 企業などの組織のトップは、情に流されて前任者の方針を大胆に変えることも出来ないでいる。変わらなければ生き残れない時代に、本音は「いままで通りにはいかないか....」だから、変われないのも無理はない。その先に待ち受けているのは、しばしば「晩節の汚れ」というわけである。

 筆者は日本という国はまだ時代の変化とその方向を「怜悧に」見ていれていないと思う。変化の本質と方向をしっかりみれなければ、対策が効き目がないのは当たり前だ。資源(国家資金)と人材の投入の方向が違ってくるのだから、無駄遣いに終われば良いが、しばしば問題を複雑にする。日本が直面している問題の解決は、政治家が動けば動くほど難しくなりつつあるように見える。だから、なにがどうなっているかもう一度考え直してみようというわけである。
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 日本の金融業界の話をすると、依然として強い面はある。それは私が聞いている範囲では「事務」である。実際にはバックオフィスというのは小生はやったことがないので知らないが、ファンドマネージの後方事務をしている人から聞くところによれば、日本以外の国では平気でとんでもない間違いが起きるそうだ。具体的でないので恐縮だが、責任感とかの面からみて日本のこの面の力が抜きんでていることはある程度想像できる。

 理由は多いだろう。大体が日本の金融機関では、事務をやっている人も営業や新製品の開発部隊と同じ扱いである。しかし、しばしば海外の機関では clerk であるからして、出世の道も閉ざされていれば、給与水準も違う。「これだけやりなさい」というだけで、事務的に処理をしている。これに対して、日本は給与水準も高いが仕事もきちんとした事を要求されるし、事実責任感もある。今外銀、外国証券が日本で必要なのは、高い給料をもらうスタープレーヤー以上に、現場をきっちりと守ってくれるバックオフィスの専門家、管理者である。人の動きもそういう形になっている。必ずしもスタープレーヤーだけが時流に乗っているわけではない。必要な人間は、いろいろなレベルで沢山いるのである。

98年10月02日

 考えなくても、体がさすがに「お疲れでんな」と言ってまっさ。ホントに。「ラジオたんぱ」の収録が終わって食事をしたら、金曜日なのにまっすぐ帰ってきましたよ。荷物もありましたし。朝起きたのが5時前でしたから。TBSの毅郎さんの番組に出て、会社に行ったら文芸春秋の方とかお客様が3組ほど。夕方はまた収録。いろいろありまっせ。まあ、こんなに忙しいのも今週まで。しばらくは出張もないし。少し落ち着ける。

 でもマーケットは落ち着かないでしょうな。news and analysisで予測したように、さすがに金曜日の東京とニューヨークの市場は反発している。しかし、この反発をもって市場が落ち着いたとは言えない。世界はまだまだ爆弾を抱えている。しばらくの動きとして私が一番関心を持っているのは、「なんでも自由にすべきだ」という一種の哲学的な経済思潮が、主にアメリカでどのように変化をするかです。昨日ワシントン・ポストをちらちら見ていたら、ルービンは「規制に賛成」をにおわすような話を少ししたようだ。まだこの記事そのものを詳しく読んでないので詳しくは知りませんが。

 でも、資本を規制するといったってどうするんでしょうね。「自由と枠組み」。難しい問題です。その難しい問題に、G7は挑むというわけです。入り口のところまででしょうが。まあ、とりあえず会議から出てくるメッセージには、

 「各国はやることをやれ」
 「利下げの可能性を模索」
 「必要なら先進国は一致団結して行動する」
 「各国は自国の金融市場の整備、透明化を」
 「国際機関の活用と資本の充実」

 などが並ぶんでしょう。「各国はやることをやれ」という大きな括りの結論の中に、「日本はああせい、こうせい、こうしたら」というのが入る。当然、金融システムの問題になる。最近の日本国内の動きに一応の評価を与えながら、日本の行動の遅さには一言言いそうです。まあ言われても仕方がない理由はいっぱいある。
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 それにしても、日本の金融機関もやっと動き始めた印象がする。誰も頼れなくなって。国会の議論を見ていても、そしてマスコミの論調(これもかなりおかしいが)を聞いていても、今の日本の金融機関に本当に同情してくれる人がいないのは明らか。いよいよ自分たちでレゾンデートルを主張し、消費者に認められることを真剣に考えて動かないと、組織自体がなくなってしまうという恐怖心、真剣さがある。それ自体は良いことです。

 ラジオたんぱの「Roundup World Now !」の収録の直前に入ってきたニュースが、IBJと第一生命の全面提携です。うーん、この二つの会社は昔から仲が良い。10数年前に第一生命に行ったら、IBJからの出向者の横山ちゃんが課長をしていた。だからいろいろなレベルで人の交流もあるのでしょう。IBJの広報が出したリリースに目を通していたら、少なくとも書面上は本当に「全面提携」です。

 しかしこの2社のケースだけでなく、日本のいろいろな金融機関が進めている「提携」「合併」に本当に中身があるのだろうか、としばしば思う。Where is beef ?というわけです。形ばかりが先行していて、中身のない「株価対策」(のつもり)にしかなっていないのでは...という気がしないでもない。「株価対策」だとしたら、so far 何の役にも立っていない。金融機関の中で働いている人間一人一人を見れば、それほど意識が変わったとも思えないし、今までにない能力を一つでも身につけようと行動している風情でもない。「こいつら、あほじゃねえか」と思うようなレベルの小さな社内的関心事項が、依然として彼らの意識と話題のかなりの部分を占める。平和なもんです。

 beef の厚さと味を決めるのは、それぞれの機関の持つ組織としての意志と実際の能力です。その能力には、顧客のニーズの把握、それに対する解決策の提示、そして実行能力が入る。そしてそれには、個々の組織を構成している構成員(社員)の能力と組織としてのシステム力(各種のネットワークを含めて)が必要です。ここで「Where is beef ?」と私は思うわけです。正直言って、日本の金融機関の持つ beef の中身は、私が9月29日の diary で紹介した「昔話」以上に古色蒼然とし、「寒い」のではないかと思う。

 どこかに、日本の金融機関用の「電子レンジ」はないのか........。電子レンジが必要なのは、どこかの首相だけではないのだ。

98年10月01日

 どこに行っても、その土地しかないような変わったものが好きですね。どこにでもあるようなものは、食べる気がしない。せっかく金沢に来たのだからと、「金城楼」なる店に行きました。昔私と一緒に仕事をした根本君と一緒に。でこの店はちょっと五月蠅いらしく、予約も何もしていなかったので、「金城楼」でも予約なしで入れる「かりん庵」のカウンターに。板さんと話しながら食べるのが楽しいのです。

 で「珍味」と書いてあったものは、全部食べました。「イカ沖漬け」「ふぐのかす漬け」「このわた」「干くちこ」「子うるか」。ふぐは3年寝かせるそうです。なかなかよい味をしていて、また盛りつけ、盛り合わせが形がよいのです。すっかり好きになりました。まあ金沢には数年にいっぺんしかこれませんが、また来たい店になりました。でもつれていってもらったのでどう移動したのか全く覚えていない。冗談半分に、「金城 武はここの息子か」と聞いたら、ははは違ってましたね。この店は「きんじょう」と読むらしい。昔広島に「金城」と書いて「かねしろ」という野球選手がいました。タクシーの運転手がいってました。「ここも景気わるいっすよ.....」と。雨が降っていたせいもあるが、繁華街も人が少なかった。

 ところで今日から衣替えですが、国内線では喫煙はいっさい禁止になった。午後の便で富山空港から帰ってきましたが、「全面禁煙」をアナウンスしてました。  
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 終わる番組もあれば、始まる番組もある。明日2日からラジオ短波で「Roundup World Now !」という番組が始まります。夜の11時40分から。誰が出るかって。ははは、私と小野慶子さん。このコンビは約10年ぶり。その昔二人で「エコノピア22」という番組をやっていたのです。四週間に1週間。つまり私を含めて4人のキャスターで回していた。私の場合は、毎回ゲストを呼んで経済の話をしていたのです。

 今回も経済の話が中心ですが、一週間に一回、金曜日の番組ですから、すこし砕けたおもしろい番組にしようと思っています。提供はソニー。おっと、だから私は二台目の VAIO を買ったわけではない。偶然です。ソニーには昔から縁がある。ニューヨークのアパートの隣に住んでいたのは、後のソニーの広報部長になった町田さん。今彼はオーストラリア。町田さんのお嬢さんの名付け親は、小生なんです。

 今回の番組は今後最低一年の予定で、時にはゲストを呼ぶという方式。前回の番組では内田さん、内藤さん、リチャード・クーさんなどなどいっぱい身の回りの人をゲストに出しました。そうそう今はときめく宮台君(女子高生問題担当 ?)を最初にテレビ・ラジオの世界に引き込んだのは、そのときの私の「エコノピア22」だったんです。小野さんのご近所さんだった。その時の印象は強くて、今でも収録模様は覚えています。ゲストがパワーフルだと、記憶に残る。

 「短波」というと、あまり多くの人が受信できるマシンをもっていないのでは、と思います。しかし今ソニーのラジオで一番売れているのは、AM、FM、全テレビ・チャンネル、それに短波が聞ける名詞サイズのラジオだそうです。私も偶然(本当に)買ったばかりでしたが。うーん、この際だから是非聞いてください。明日が第一回ですから、ちょっと混乱状態かも(^_^)(^_^)。
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 最後に、ある意味では恐ろしい、ある意味ではうれしい話。地方銀行の国際部にお勤めの小森さんという人から今日メールをもらいました。

 さて、筆をとったのは、9月14日NYのシューバート劇場で私も同じCATsを見ていたと言う偶然からです。座席をおたちになり、小踊りする方を見て,あれ、「伊藤さんではないか」と思いましたが、テレビで拝見する程度で面識もない私が声をかけるわけにもいかず。帰国して、HPの日記欄を読ませていただいてわかりました・・・・
 ニューヨークでも目撃されていたとは。うーん、品行方正な私で問題はないんですが。そのときも短波の土肥ちゃんと一緒でした。はい。

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