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2019
12/29
Sun

気付くこと多し.....ポルトガル紀行①

day by day
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 貯めると膨大な量になりそうなので、アップできる分だけ徐々にアップしていきます。ポルトガル紀行。今はリスボンから北のポルトに向かう列車の中です。

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 欧州には何度となく来ていますが、ポルトガルは初です。首都リスボンとフィーゴ、ロナウド、そして長い日本との歴史、サーフィンに良い波の国といった印象。リスボン入りしてしばらく(一日)は「こんなもんかな」という印象だった。パリやロンドンなどに比べて小規模な、ちょっと色褪せた、しかしまとまった感じのする欧州の都市。歩道にあるタイルの彫刻が印象的。ある意味、予想通りでした。

 しかし二日目。リスボンから東に135キロほどの歴史ある街エヴォラに向かう車窓から眺めた景色で、私のポルトガルへのイメージは大きく変わった。そこには広大な、そして家も人もほとんど見掛けない土地が広がっていた。丘と緑の連続。目立つのは丸い印象の木と、そしてその下にある畑。それはブドウ畑であったり、その他の農作物の畑だったりする。

 それを見ながら思い出したことがある。ポルトガルの面積は「日本の4分の1」と直前に見たサイトには書いてあった。しかし人口は日本の10分の1以下の11000万人。その国土のほとんどは丘陵地帯。人が住める。山だらけの日本とは違う。運転手の方は海抜2700メートルくらいの山がポルトガル本土には一つあると言っていました。当然ですが、人口密度は極めて希薄です。

 車窓からの最も強い印象は「たっぷり土地があるな」でした。そして「ここも緑の国だ」と思いましたが、その中味が違う。日本やキューバの緑は、背の高い真っ直ぐ上に伸びた木木が緑を演出している。その下に低木、雑木、そして草花、それに農地という構成。しかしポルトガル(リスボンーエヴォラ間)では、所々にある丸い低木と、そしてその下の緑の畑という緑の構成。同じ"緑"でも大きな違いがある。

 その中で時々出現する街は、大方小高い丘の上に立つ城壁や教会群を中心に出来ていて、一番良い場所をこの二つが占め、その他一般家屋は皆揃っての茶色い屋根をして段々の土地を下に向かって形成されている。多分、一大事には皆が城壁のある城や教会に逃げ込んだのです。一番上に上がると、その周囲に広がる街全体が一望できる。そして家々の壁の白と、屋根の茶色が映える非常に印象的な作りをしている。

 とっても綺麗なのだが、「ちょっと問題かな」と思うこともある。それは「(人口が)希薄過ぎないか」という問題。ポルトガルの人口の推移を見ていたら、首都のリスボンでも80年代の80万人から、最近では50万人強に減少している。よく見ると、街を歩いている人々はお年を召した方が多かった。人口の減少は、日本にとっても人ごとではなくなったが、ポルトガルの場合はもっと深刻だと思った。

 若い人がドイツやフランスに出ているという話もあった。それは東欧でも同じ事。同じ欧州でも、南欧や東欧は我々日本人がイメージする欧州とは少し違う世界を構成している。欧州でも深刻な人口減に悩む国があり、南欧の代表がギリシャとポルトガルだということ。

 ずっと私を案内してくれた若者は、随分なインテリで、「ポルトガルの今のGDPに占める観光業の割合は21%に達している。ちょっと前はそれが7%だった」と教えてくれた。経済の形までギリシャに似てきている。国内にはフォルクスワーゲンの自動車工場が一つあるそうで、「それがGDPの1%を生み出す」という説明だった。

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 目的地だったエヴォラは綺麗な、瀟洒な街です。もうスペイン国境に近いので、スペインから国境超えでこの街にバスで観光に訪れる人も多いらしい。街のあちこちに見える水道が有名です。「地震がないからできる事だな」と思う一方で、「よく作った」とも思う。今はもう実際には使われていないが、青い空に映えるこの水の道は街に入るととっても目立つ。

 エヴォラの人口は6万人弱と聞いた。丘の上にローマ人の指導で作られたローマ神殿の遺構とか、独特の形をしている教会のタワーとその平坦はトップなど。その上から見ると、街はとっても綺麗です。壁面の白と屋根の茶色が目立つ家々の先には、緑が綺麗に広がっている。

 しかし神殿を見たときには、正直がっかりした。ローマが支配を広げてエヴォラをその支配下に入れるに当たって、当然「ここはローマ帝国領土」という印に神殿は作ったのでしょう。しかしあまりにも小規模で、見た時正直「これ?」と思った。

 発想が面白いと思ったのは、納骨教会かな。何千という人の骨や頭蓋骨がそのまま壁に埋め込まれている部屋がある。実に不思議な空間です。私も写真を撮ったが、とてもアップしようとは思わない。for what と思いましたが、理由は別にして「なかなか面白い発想」と思いました。その他にも、色々興味深い建物があった。ガイドさんによると、世界遺産なのでエヴォラの建物に手を入れるだけでも「許可」が必要らしい。最近まで映画館もなかったそうな。

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 「石垣好き」の私が興味を持ったのは、エヴォラでの城壁における石の使い方です。角っこに綺麗な、そして揃った石が使われているのは日本の城壁と変わらない。しかし日本の石垣はほぼ石だけで、それを整形し、小ぶりの石をはめ込むことで構成されている。それに対して、今回見たエヴォラもそうでしたが、欧州では一般的に小さな石を使って、それを粘土とかでつないで城壁を作っている。

 多分ポルトガル(欧州全体 ?)では大きな石が産出されないのでしょう。なのに欧州は石をベースに街を作っている。ロンドンの大火後など。石はある。しかし日本のような巨石はないとも思える。小ぶりのものが圧倒的なのでしょう。日本はその点、大阪城が典型ですが、実に巨大な石を使って城壁を作り上げている。「日本は石に恵まれた国」という印象を改めて持った。

 あ、それから「反り」(そり)。私は日本の建築物(石垣や屋根)の反りが大好きなのですが、ポルトガルにはso farそれがない。日本でも反りがあるのは、限られた城壁、限られた建物(お寺、神社など)ですが、反りがあるかないかで随分印象が違う。好きな反りは、大阪城の石垣のそれや、尾道のお寺のそれです。(続)

01:45
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