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2019
12/31
Tue

なによりも、居心地がいい.......ポルトガル紀行③

day by day
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 リスボンもポルトもそうですが、ポルトガルの大きな都市の特徴は「坂」です。「至る所が坂」と言っても過言ではない。特に旧市街は、ポルトでもリスボンでも石畳の狭い、細い、そして建物に圧迫されているかのように存在する坂道が街の地面を形作っている。坂道が縦横無尽に走っていて、「こんなところは車がこないだろう」と思うとちゃんと入ってくる。油断して歩いていると、時々例外的にクラクションを鳴らされる。こうした地帯では、ほぼすべての道が「一方通行」です。

 一般に坂道が多い港町は世界にも多い。急峻な壁面を持つ街は、海の中も急激に角度が下がって深度があり、船が入りやすいと考えられる。横浜のように海岸沿いは平坦な街もありますが、ポルトの場合は川が深くえぐれている上に、天然の良港のようになっていると思われる。ポルトは想像通り「ポルトガル」の国名の起源になったらしい。

 そこら中にある坂が、街の特徴ある景観そのものです。ポルトのベント駅から川沿いの船着き場(観光船などの)までは、ほぼ一貫した下り。結構急。その周辺に街が出来ている。行きはいいが、帰りは辛い。川の周辺を反対側や高い所にかかっている橋の上から見ると、いかに斜面をうまく利用してポルトが街を作ったかが分かる。ポルトの傾斜の急さは、是非多くの方に体験して欲しい。

 そのベント駅の駅舎の壁面に埋め込まれたタイル彫刻は非常に有名です。「さすがにタイルの国」と思える。駅舎の中だけではなく、駅の近くの建物の外壁にもタイルが綺麗に、芸術的に埋め込まれている。私達も息を呑んだ。

 多くの観光客がカメラを構える場所だ。その価値はある。ブルーと白で出来たそれらのタイルは、完成するのに相当時間がかかったのだろうと思う一方で、見れば見るほど「ポルトガルがタイルの国」というのが納得出来る。

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 あと居ても少し。滞在時間は短い。短いながらも、ポルトガルの圧倒的な印象は

 

 「心安らかに来て楽しめる国」

 「パスポートと、ちょっとした身の周りのものを携帯するだけで良い」

 「人々はとっても親切」

 

 というもの。一言で言えば「居心地が良い国」です。夏にはポルトガル南部は40度を超えるらしいので逆に準備が必要ですが、冬は気軽に来れる。緯度は青森程度ですが、暖流の関係で肌感覚では東京より4〜5度は暖かい。

 それにとにかく安全です。お乞食さんが、「カネをくれ」とせびりに来るくらい。危険ではない。街を歩いていて身構えることは何もない。自分が海外にいることさえ忘れる。日本も外国人が増えましたから。繰り返すが、ポルトガルの人々は優しく、そして食べ物は美味しい。

 異国情緒はいっぱいある。パリやロンドンに比べて知名度は低い。欧州に最初に行く方々がそちらを選ぶのは自然。しかし今回初めて来て「いい国、良い都市を発見した」と思いました。

 クリスマスや年末年始の関係で、一部のレストランがやっていなかったり、激混みだったりしてややレストラン探しには苦労した。しかしそうは言っても、ポルトガルでの食事はどこでも美味しかったし、お店も感じが良かった。

 一時は輝いた国でも、その後世界への影響力を失った存在になった国はいくつもある。欧州は栄枯盛衰の世界です。ポルトガルは明らかに「今はone of them」になった国だが、だからこその良さがあるし、人々が総じて優しいのはそういう歴史的経緯があるからかもしれない。

 イギリスは歴史から見れば近代において栄光に達した国です。アメリカを生み、そして世界のシステムのかなりの部分を設計した。しかし今は影響力を落としつつある。EU離脱はどうみてもイギリスの世界における影響力低下に繋がるでしょう。

 人口が6000万に迫るイギリスと1100万のポルトガルでは違う。しかし頭の片隅では、「イギリスがポルトガルのように肩に力が入らない国になるのは、何年先かな」

と思っていました。

 私は、ポルトガルにとっても良い印象を持ちながら去ろうとしている。オブリガード(やっとこの単語を現地で使えた.....良かった)、ポルトガル。

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