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2020
05/21
Thu

「関ヶ原」の決算書(新潮新書)

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 すみません。分野を絞らなくて。でもあっちゃこっちゃの分野の本を時に読み散らかして、そのミソをいくつか頭の中で繋げる、というのは私の趣味の一つなので。

 「武士の家計簿」以来戦国・江戸に関する読み物は、単なる戦記物ではなくこの手の本が主だ。今に英雄と伝えられる人物の像は、酷く歪められているのだろうと思うことが多い。江戸時代の歌舞伎の筋書き(ある程度単純な必要がある)が寄与しているとも思う。

 「本当は ?」に思うことが多い。なので過去30年以上、NHKの日曜日の大河ドラマは見ていない。単純化が嫌いだし、この衣装はないだろうと思うものも多い。そもそもネタが切れている。光秀は挑戦かも知れないが、だからと言って観ない。大体が忙しい。

 経済を見ている人間でもあるので、「その時のマネーの動きは」という視点は、実に興味深い。日本の歴史では誰もが知っている「関ヶ原の戦い」を「決算書」という視点から描いた本を、筆者はこれ以外余り知らない。とっても面白く読んだ。

 人は信義だけで動くのではない。それもあるが、しばしばお金の動きに誘発されて動く。結局勝った徳川家康が一番儲けたという話だが、そこに至る過程が面白い。当時の米の一石を今の貨幣価値で表示するのは至難の技の筈で、説明されても「そうかな」という部分はある。

 しかしこの本が導き出した様々な総額は、ほぼ大方「今の時代に当てはめる」とそんなところかな、とも思う。「武士の家計簿」はある武士が残した詳細な日記を分析したもので、それはそれは緻密だった。この本は大分どんぶりだが、それでも読み応えはあった。

 

16:06
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