日々のライブな情報ページ

2019
10/14
Mon

日本の選手はみな、賢かった......

day by day
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 一夜明けて思う。彼等がよく口にする"犠牲"とはいかほどのものだったのか、と。家族や友人との時間、他にやりたいことの我慢、他の思考さえも捨象したラグビーへの集中。恐らく他にも沢山あるだろう。そしてそれは一人一人違う。しかし彼等は口を揃える。「犠牲を払った」と。それはとてつもなく大きなものだったに違いない。

しかし彼等が払った犠牲の果実もまた、実に大きなものだった。外野がとやかく言えない彼等の自分達への自己満、戦略への確信、チームメンバーやコーチへの信頼以外に、実は「国を動かした」印象さえする。オリンピック・パラリンピック控えという環境からではなく、壁を打ち破った日本チームへの、日本全体の賞賛、そこから生まれるそこはかとない日本という国全体の自信。「ラグビーで出来た。どの競技・分野でも日本は出来る」という静かな確信。「人口減」というもやもやもすっ飛ばした。彼等は「国際チーム・日本」だった。

それにしても何という成果か。アイルランド、スコットランドというラグビーの世界ではキラ星達を破っての首位通過。世界を驚かすに十分だ。BBCのトム・イングリッシュ記者の文章に賞賛が溢れていた。

 

 「Japan were a blizzard of invention and pace. Their accuracy while going like the clappers was astounding. Any mistakes Scotland made were eaten whole. It was relentless. Absolutely relentless. And magnificent. 」

 

 「日本は新しい手法と絶妙なペース配分を嵐の如く示し続けた。とても速く、そして懸命に試合を進める中での彼等の正確性は驚くべきものだった。スコットランドが犯した過ちは、全て完璧に日本の餌食になった。それは容赦のないものだった。絶対的に。そしてそれは素晴らしく、壮大でさえあった。」

 

 これ以上の賞賛を私は見たことがない。そう、世界は日本がどこまで進めるかに興味を持った。「Scotland are heading home. Japan? Who knows how far they're heading. 」とイングリッシュ記者は書いた。確かに「Who knows」だ。南アは4年前のチームとは違う、と聞く。しかし日本チームは公言してきた決勝トーナメント進出を無傷で果たした。泣けるほど素晴らしい。

 フジテレビの月曜の番組で、この2週間ほど私の隣には廣瀬俊朗さんがいる。173センチという小柄なラガーマンだ。元日本代表キャプテン。屈辱の歴史からの脱出を知る一人。彼とは番組の中でも良く話す。彼は言う。「ラグビーで最初に捨てなければならないのは恐怖心だ...」と。それはそうだ。あの巨体とのぶつかり合い。興奮がなければ出来ない。

その興奮が日本全体のものになった。実に様々な人の努力の結果だ。エディー・ジョーンズ、そして今のジェイミー・ジョセフという二人のコーチ。協会の人達の尽力。しかし一番犠牲を払ったのは選手達だろう。一年で240日もの合宿。アンビリバボ。そして戦いは続き、日本全体も興奮状態を持続する。よき事だ。積み重ねた"必然"の勝利。その先にあるのは、また必然だろう。

私自身の興奮故に、一つ文章を書かねば前に進めない。昨夜はそれほどの興奮・衝撃だった。

07:18
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